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【 2009/04/20 】
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【やじうまRobot Watch】
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【 2009/04/17 】
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「東京国際アニメフェア2008」レポート
~今年はロボット系アニメ豊作の年!


 3月27日(木)から30日(日)にかけて、東京ビッグサイトにて「東京国際アニメフェア2008」が開催された(来場者数は4日間合計で12万6,622人)。ロボットや人型戦闘兵器、戦闘メカなどが活躍する多数の新作アニメの最新映像が公開されたり、制作記者発表会などが実施されたりした。ここでは、そうしたロボット系のアニメに絞って紹介していく。

 まずは、「攻殻機動隊」でお馴染みのコンビネーション、士郎正宗×プロダクション I.Gが贈る「RD 潜脳調査室」(古橋一浩監督作品)。4月8日から毎週火曜深夜24時59分から日本テレビ系で放映されるSFアニメーションだ。西暦2061年という50年後の日本を舞台に、現実世界と個人の記憶を情報化したメタリアル・ネットワーク(メタル)のふたつの世界の狭間でおこる歪みを調査して究明していく「潜脳(電脳)ダイバー」の波留真理(はる・まさみち)たちの活躍が描かれていく。

 同作品には、ホロンという自律成長型の人工知能を搭載した女性型介助用アンドロイド(劇中ではプログラムが追加され、主人公の秘書として活動)が登場するのだが、日本テレビ放送網のブースで、ココロ製作による等身大のホロンが展示されていた。ココロ製ホロンの身長は原作と同じ175cm。空圧で駆動している。眉毛の上下や指の折り曲げまですべての動作箇所をカウントすると、60点にも及ぶ。ブースでは、ホロンが全身を使って身振り手振りをしながら、自己紹介(声は作品と同じ川澄綾子さん)をしていた。今回は、その自己紹介の模様をムービーで紹介しよう。


実物のホロン。顔つき、プロポーションなど原作にとても忠実 顔だけでも、眉の上下、まぶたや唇の開閉と、各部が動く ホロンを斜めから

【動画】実物ホロンの自己紹介および作品紹介 【動画】自己紹介の模様をバストアップで撮影

劇中のホロン 設定資料1 設定資料2

「RD 潜脳調査室」(C)Production I.G・士郎正宗/NTV・VAP・IG・DNDP


 続いて紹介するのは、アニメーション制作会社マッドハウスが発表していた作品の数々。ロボットもの、もしくはロボットが出てくるアニメーションを多数制作しており、「RIDEBACK」「キャシャーン」(仮)「夢みる機械」などがロボットやアンドロイドなどが重要な位置を占める作品。そのほか、「REDLINE」「HIGHLANDER」にもロボットが登場する。

 「RIDEBACK」は、小学館の月刊IKKIで連載中のカサハラテツローのコミックを原作にした2020年という近未来が舞台のアニメ。少女・尾形琳が、入学した武蔵野文芸大学で人型二輪車ロボットのライドバックと出会い、その活躍が描かれていく。今年放送予定だ。そして、「新造人間」や「アンドロ軍団」といった固有名詞を聞くと懐かしく思う人も多いはずの、「キャシャーン」(仮)。タツノコプロ往年の名作の3度目のアニメ化に関して、マッドハウスがアニメーション制作を担当することが発表されていた(山内重保監督)。「夢みる機械」は、「パプリカ」や「東京ゴッドファーザーズ」などのアニメで、世界的に著名な今敏監督の最新作だ。子供も楽しめる作品と言うことだが、詳細は未定。


マッドハウスブースでの「RIDEBACK」の紹介。RIDEBACKはロボット×バイクのイメージ 「キャシャーン」(仮)の紹介。第1作ではヒロインだったルナをキャシャーンが殺害してしまうらしい 「夢みる機械」の紹介。ロボットファンタジー風のようだ

 それから、宇宙最強の座をかけて行なわれるルール無用のレースを題材にした劇場アニメ作品が、「REDLINE」だ(小池健監督)。「アニマトリックス-World Record」を手がけた小池監督がキャラクターデザインも兼任しており、アメコミ風の濃いタッチが特徴。「スーパーボインズ」というふたり組女性パイロットが運転するマシンは、クルマからロボットに変形可能。クルマ状態の時は女性が仰向けに寝ころんだ状態で両手を頭上に伸ばして組んで、両足を屈曲させているというなんともセクシーなマシンだ。そのほか、レースを妨害する敵役として、パワードスーツも登場する模様。2009年公開だ。


「REDLINE」の紹介パネル。キャラクターがかなり濃い 東北新社ブースでは出場車の模型を展示。これがスーパーボインズのクルマ

後方から見てみると、さらにセクシーさが(笑) 敵役のパワードスーツ

「REDLINE」(C) 石井克人・ガストニア・マッドハウス/REDLINE製作委員会


 そして、巨匠・川尻善昭監督が手がける「HIGHLANDER」。こちらは、20年前の洋画「ハイランダー 悪魔の戦士」に始まる一連のシリーズを原作にしたファンタジーものだが、過去から未来までさまざまな時代が舞台となっており、未来編には敵役にロボットが登場する模様だ。すでにアメリカで公開されているが、今回の日本版は吹き替え日本の著名な俳優・声優らが行なっただけでなく、川尻監督が編集し直したディレクターズカット版。今年7月5日から、新宿バルト9ほかで公開予定だ。


製作発表記者会見も行なわれた。中央が川尻監督 「HIGHLANDER」のメインビジュアル。右側にロボットがチラリと描かれている

「HIGHLANDER」(C) 2006 Imagi Animation Studios Limited and Davis-Panzer Productions All rights reserved.


 AIBOのデザインでも知られるアニメ監督兼メカデザイナーの河森正治氏が率いるサテライトのブースでは、今年で第1作の放映から25周年を数える「超時空要塞マクロス」シリーズの最新作「マクロスF(フロンティア)」が紹介されていた。今回は2059年が舞台で、11番目の長距離恒星間移民船団「マクロス・フロンティア」が舞台。TVシリーズとしては前作に当たる「マクロス7」からは14年後、第1作からはちょうど50年後という設定だ。美星学園高校パイロット養成コースに通う高校生で、友人から「姫」とあだ名を付けられた美少年の早乙女アルトが主人公で、同シリーズ黄金パターンの三角関係もある模様。ヒロインは歌姫シェリル・ノームと、そのシェリルに憧れて歌手を目指しているランカ・リーとなっている。

 同シリーズといえば、可変戦闘機バルキリー。戦闘機のファイター、人型のバトロイド、そして両者の中間のガウォークの3形態に可変するのが最大の特徴で、今回ももちろん主役メカを努める。「マクロス7」で登場したVF-17の発展型であるVF-171が、2059年現在の新統合軍の主力機を担っており、新型のVF-25が開発中という設定だ。ただし、実際には私設特務軍事機関S.M.Sには極秘で配備済みで、隊長機と思われるS型、アルトが乗るF型など複数のタイプがある模様。

 ちなみに、この時代のバルキリーのパイロットは、脱出装置を兼用した強化外骨格式パワードスーツの「EX-ギア」を装備して乗り込んでおり、その辺りもロボット好きはチェック。MBS・TBS系列で4月3日24時55分からスタート。また、バンダイがVF-25シリーズをプラモデルとして今夏以降に商品化される予定だ。

 そのほかにも、同ブースでは「創聖のアクエリオン」のベクターマシンやAIBOなども展示されていた。


ブースに展示されていたバトロイド形態のVF-25のパネル VF-25のプラモデルのモックアップ

同シリーズの歴代バルキリーも展示されていた アクエリオンやAIBOも

 キッズ向けのCS放送局ディズニー・チャンネルもロボット新作アニメを控えている。1話2分の日本オリジナル製作のフルCGショートアニメ「ファイアボール」(荒川航監督作品)だ。ディズニーと聞いてキッズ向け作品かと思うことなかれ。結構大人向けのシャレの効いた内容となっているのだ。舞台は、メルクール歴48730年という超遠未来のとある惑星。自我を持つロボットたちが、人類を貴族政治で長年に渡って支配していたが、それも終わりつつあるという世界である。しかし、そんな重々しい雰囲気はどこ吹く風で、世界から隔離されたような屋敷の中で、ロボット2体による他愛もない日常会話がかわされていく。

 主人公は、亡きヴィントシュトレ・フォン・フリューゲル公爵の跡を継いだ19代目当主で、ウラノス国テンペスト領を統治する少女型ロボットの娘ドロッセル(型番:JUNO-XIV)と、その教育係兼護衛でもある執事で、先代には2万年仕えてきたという6本足の工業用大型ロボット・ゲデヒトニス(型番Tauri 34)。高飛車なドロッセルと、執事らしく冷静沈着ながら結構お茶目なところもあるゲデヒトニスのやりとりが笑える。放送は、ディズニー・チャンネルで11日17時25分からスタート(毎週金曜日)。リピート放送は、毎週金曜22時25分、毎週土曜日22時55分。また、東京ローカルの地上波である東京MXでも放送され、こちらは数日早く、7日18時25分からスタート(毎週月曜日)。

 ブースでは、等身大のドロッセルが展示され、そのキュートさを披露していた。ドロッセルは、人間に換算すると14歳程度の処理能力を持つ。しゃべるネコと魔法のステッキがほしかったりする。ゲデヒトニスは50歳相当で、趣味は浴室のぬめりとりとスキンケアだそうだ。ちなみに、彼はかなり巨大なので、イラストのみ。なお、ディズニー・チャンネルでは今年さらにあと2本、ロボットもののアニメの放送を行なう予定だ。


ドロッセル。公爵家の娘だけに生意気そうな雰囲気漂う ドロッセルを別角度から 頭部のアップ。劇中ではお下げ髪風のツインテールはかなり自由に動く

 海外からの出展もあり、Redrover Internationalのブースでは、今秋に日本を含む全世界100カ国でテレビ放送開始予定のロボットが主人公のフルCGアニメ「DANDY」(全22話)を大々的に紹介。同作品の監督は、ディズニーアニメの「美女と野獣2」のAndy Knight氏で、子供から大人まで楽しめる作品となっている。地球で一切の戦争が禁止され、代わりに月面で軍事用ロボットたちに代理戦争を行なわせるようになった時代が舞台で、月にはロボットたちが住む世界が作られているという設定。主人公のロボット戦士DANDYとその仲間たちが、冒険を繰り広げていく物語となっている。


ロボット戦士DANDY。会場中を練り歩いていた DANDYとその仲間たちのフィギア キャラクター展開にも力を入れていく様子だ

 バンダイナムコグループは、バンダイ、サンライズ、バンダイビジュアル、ランティス、バンダイナムコゲームス合同で出展。シーズン2のテレビ放送が決定している「機動戦士ガンダム00」からは、等身大の主役MSガンダムエクシアが展示されていた。同じく、ファーストガンダムからは1m大のRX-78-2ガンダムも展示。第2シーズンが放送開始となる「コードギアス 反逆のルルーシュ R2」や、OVAで最新作をリリース中の「装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ」のプラモデルや映像なども観られた。


ガンダムエクシア RX-78-2ガンダム 3月から発売を開始した1/35「ジャンボグレードZガンダム」。全高565mmで、定価28,140円

(C)創通・サンライズ・毎日放送


 そのほかにも、各所でロボット関連の展示があった。タツノコプロ、日活、タカラトミーの共同ブースでは、テレビアニメのリメイクに続き、実写映画化が決定した「ヤッターマン」関連を展示。ヤッターワンの実寸大バナー(イラスト)や、アニメリメイク版のヤッターワン(人と同程度のサイズ)などが展示されていた。また、ガイナックスは、劇場映画化が決定したスパロボ系アニメ「天元突破グレンラガン」のブースを出展。グレンラガンの着ぐるみや、ヒロインのひとりヨーコのコスプレをしたコンパニオンがいた。


ヤッターワン実寸大バナー こちらのヤッターワンは人のサイズ 赤いロボットがグレンラガン

 またロボット系ではないが、大作SFアニメの発表会も。ソニー・ピクチャーズエンタテインメント製作、マッドハウス制作、放送局はCS局のアニマックス(7月1日から)という、「ウルトラヴァイオレット:Code 044」だ。特筆すべきは、監督が出崎統氏で、プロデューサーが丸山正雄氏という、かつての黄金コンビが数十年ぶりに復活したこと。

 内容は、ミラ・ジョヴォビッチ主演のスタイリッシュSFアクション映画「ウルトラヴァイオレット」の世界観を引き継いだもので、数十年後の世界が舞台となる。主人公は、映画のヴァイオレットと同様に、ウイルスによる遺伝子操作で最強の女性戦士となった「044」(フォーティー・フォー)。ヴァイオレットと異なり、彼女は政府の戦士だ。吸血鬼軍団ファージの殲滅が任務だったが、ある若者との出会いがきっかけで……。なお、044の声は、朴ろ美(ろは、「王」偏に「路」)さんが担当。


制作記者発表でのフォトセッション。左から出崎監督、丸山プロデューサー、朴さん 044の素顔。ヴァイオレットと似ているのは気のせい? 044が遺伝子操作された後に目覚めるところ?

「ウルトラヴァイオレット:Code044」(C) 2008 Sony Pictures Entertainment (Japan) Inc.


 毎年、アニメフェアではクリエーターズワールドと呼ばれる、次世代のアニメーターを支援するプログラムの作品展示、プロモーションコーナーが設置されている。今年は、そこにもロボット関連の作品が出展されていた。ロボットを題材にした「イヴの時間」というアニメ作品だが、商用作品と比較してなんら劣らないハイクォリティーさが特徴だ。

 内容は、外見からでは人と区別がつかないほど精巧に造られたアンドロイドが、現在の我々の携帯電話やPCのように日常生活に必要なものとして存在している、少し先の未来の物語。青少年のアンドロイド依存症、アンドロイドに対する差別などの問題が描かれていく。人間かアンドロイドか区別のつかないキャラクターたちも登場し、日常のすぐ横にある謎めいた非日常という展開が見る者を惹きつける内容となっている。予告編は公式サイトから見ることが可能だ。


「イヴの時間」を制作した吉浦康裕氏 登場人物のひとり、ナギ。人間かアンドロイドか正体不明の女性

頭頂にリングを浮かべているのがアンドロイド。しかし、リングは消すことも可能 怖い雰囲気のロボットらしいロボットだが、はたして?

「イヴの時間」(C) Yasuhiro YOSHIURA / DIRECTIONS, INC.


 取材していて、今年はかなりロボット関連の作品の出展が多かったように思える。クォリティーの高い作品が多かったので、どれもとても楽しみなところである。この4月から地上波で放送がスタートする作品も複数あるので、みなさんもお気に入りを見つけてぜひチェックしていただきたい。なお、2009年のアニメフェアは、3月18日(水)から21日(土)の予定。18・19日がビジネスデーで、20(祝日)・21日がパブリックデーだ。


URL
  東京国際アニメフェア2008
  http://www.tokyoanime.jp/ja/index.php


( デイビー日高 )
2008/04/03 16:18

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