中日本高速道路株式会社は、同社が建設中の新東名高速道路(新東名)上で展開するさまざまなサービスを実現するため、新技術等の募集を開始した。締切は2009年1月30日(金)。
全9項目の募集が実施されるが、中でも、「休憩施設トイレ内の自走式清掃装置」「トンネル設備の自動点検」「路上の落下物を自動で回収する装置」などの分野ではロボット技術を応用したシステムが求められる。
トイレ清掃は、新東名に新設される9カ所の休憩施設でのトイレ清掃を担当する自走式清掃装置を募集する。高速道路のトイレ清掃では、従来は水を床面にまいて清掃する湿式清掃が実施されていたが、今回から水をまかない乾式清掃に変更される。これに伴い、ロボットによる清掃システムを導入し、床面清掃の自動化を進めるという。
要求される性能は下記の通り。
・障害物回避を行ないながら、自走式清掃装置本体の位置を自分で判断して移動し、ブラシで掃いて清掃する。
・異なるセンサー(レーザーレーダ、距離画像センサー、超音波センサー等)による障害物検出と障害物回避を行ないながら清掃を行なう。
・自動と手動の切換が可能で、汚れがひどい箇所については手動でも可能とする。
・ブラシによる掃き込み及びバキュームによる吸引を併用し、埃・紙屑・空き缶等の清掃を行なう。
トンネル設備の自動点検装置としては、各種センサーにより自動的にトンネル内の設備を点検し、同時にさまざまなデータ収集を行なうもの。新東名は全区間の約25%がトンネルで構成されており、現在の東名道側道路の3%にくらべ、遙かに長い区域をトンネルが占めていることになる。従来の方法による設備点検手法では、人間の五感に頼って点検を行なっており、点検中はシステムの機能も停止させる必要があった。交通規制も実施されるため、交通傷害の発生が懸念されるという。設備点検作業を自動化することで、交通規制時間の短縮を目指す。
路上の落下物を自動で回収する装置は、高速道路上に落下した荷物やゴミを回収するもので、従来は人力を基本として実施されてきた。車両を使った回収も実施されており、落下物をスノープラウで押しながら車線を変更し、路肩へ排除したり、吸い込み式で排除する方法も用いられる。ただし、スノープラウでは、落下物の飛び散りや他の走行車両への影響があり、吸い込み式では大きな落下物へ対応できないなどのデメリットがあった。これを自動化するシステムを開発することで、作業員や他の車両への安全性を確保しながら落下物を回収することを目指す。
具体的な要求性能は下記の通り。
・走行中に落下物を回収できること。
・一般車両の走行の支障にならないよう、走行・追越車線上から落下物を排除する。回収は排除時または排除後に対応する。排除後に回収する場合は周囲への安全性も考慮すること
・落下物の排除・回収時に他の走行車両に影響を与えないこと
・回収方法は押す、吸い上げる、すくい上げるなどを基本とするが、これ以外の手法でも可能
■URL
中日本高速道路
http://www.c-nexco.co.jp/
新技術・新工法の募集について
http://www.c-nexco.co.jp/corp/expri/
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( 清宮信志 )
2008/12/11 18:55
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