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神戸空港ターミナルで、男性用トイレ清掃ロボットのデモを公開
〜神戸RT構想、平成19年度神戸ロボット研究開発費補助金採択案件


男性用トイレ清掃ロボット「ダスベエ」
 2008年4月17日、神戸空港ターミナルにおいて、マーテック株式会社が男性用便器清掃ロボット「ダスベエ」を発表した。

 神戸市は、ロボット開発による神戸経済の活性化とロボット技術の進展に伴う夢の創出をめざし、産学民官共同で「神戸RT(ロボットテクノロジー)構想」を推進している。

 ダスベエは、社団法人神戸市機械金属工業会のロボット開発委員会に参加するマーテック株式会社、明興産業株式会社、日本エコロ株式会社の3社が、NIRO神戸ロボット研究所の技術支援を受けて共同開発した。この案件は、平成19年度の神戸ロボット研究開発費補助制度の採択を受けている。

 ダスベエは、公共トイレの男性用小便器を洗浄するロボットだ。便器は形状が複雑で、人がブラシで洗うのは大変だ。長時間、中腰の姿勢で作業をするのも辛い。マーテック株式会社の技術営業担当部長の宮原清人氏は、ダスベエの開発中、カバーがない状態の試作機で便器の洗浄テストをした時に、汚水が跳ね返って非常に嫌な思いをしたという。宮原氏は、「人がブラシで洗っている時にも同じなのだろう。働く人の負荷を軽減するロボットを作って社会貢献したい」と強く思ったという。


宮原清人氏(マーテック株式会社技術担当営業部長)
 ダスベエのサイズは、本体が870×946×1,247mm(幅×奥行き×高さ)、重量は100kg(50リットルタンク満水時)だ。現在は、電源にAC100Vを使用している。

 外観のデザインはご覧の通り象だ。両耳がハンドルになっている。操作員から向かって左目がスタートボタン、右目が緊急停止ボタンだ。頭上の小さな帽子は、給水栓キャップである。サイズが大きいため、重くて扱いずらいように見えたが、デモンストレーションを行なった女性に話しを伺うと、「重さは気にならない」という。

 ダスベエを便器の前にセットして、スタートボタンを押すと洗浄が開始される。この時、内側のリミットスイッチが壁に当たっていないと、スタートできない設計だ。1便器あたりの洗浄時間は約10秒。コイン洗車と同じ水圧で一気に洗浄する。

 ダスベエの洗浄方法として特徴的な点は、高圧噴射ノズルを下から上へ動かしていくことだ。例えば、洗車をする際に車の屋根に水をかけると汚れの中に水が流れた跡(ピッチ)が残った経験があるだろう。このピッチは、こすらないときれいにならない。ダスベエでは、下から洗剤を塗布していき、最後に上から水を流してピッチが発生しないように工夫している。また、高圧噴射ノズルから出る水の6割が便器内を洗い、4割は便器の外に溢れて便器外側と床を洗い流す。


【動画】ダスベエで洗浄するデモンストレーション 【動画】洗浄部の機構。高圧噴射ノズルが下から上に動くことで、効率よく洗浄する 【動画】アクリル板を設置して、実際に水を噴霧してデモンストレーションを行なった。この時は、水量を低く設定しているため、実際よりも水の勢いが少ない

 また、トイレには悪臭が漂うという問題点がある。この悪臭は、排水溝の中の汚れも原因になっているため、便器を清掃するだけでは解決できない。そこで開発チームは、トイレ清掃ロボット用洗剤を新たに開発した。

 この洗剤は、大豆が主成分で、消臭効果のある熊笹から抽出したGTS液、抗菌効果のあるヒノキチオール(ヒノキ油の中にある成分)を追加した。洗剤がパイプの中の臭いのもとを分解し、消臭効果を発揮する。消臭効果については、今後、効果を測定し実証するという。天然素材で生分解されるため、廃棄処理施設に掛かるコストが軽減できる。トイレ洗浄以外にも、金属脱脂剤、エンジン清浄剤、ビルの掃除などの用途も考えているという。

 トイレ清掃にロボットを導入する一番のメリットは、節水効果が高い点だ。人がブラシと洗剤で便器を洗う場合には、1便器あたり約10リットルの水を使用するが、ダスベエは1.4リットルと少ない。専用洗剤が表面活性剤を使用していないため、泡だたないので少ない水ですすぐことができるからだ。

 ダスベエのデザインは、ロボクリエーションの金井進氏が担当した。力強い放水と水を下から上に流す逆転の発想(ソウ)、創造(ゾウ)性をイメージし、象がモチーフとなった。商品名は、ABCDの鏡像文字を「ダスベエ」と読ませている。

 これは、物事を順に行なうことを、俗に「いろは」「ABC」などと表現することから、開発チームの「逆転の発想を大事にして開発しよう」という思いを込めて、ABCDを鏡像文字にしたという。

 明興産業株式会社の代表取締役である下土井康晴氏は、「複雑な機構を搭載したロボットは、コスト面の問題で普及が難しい。我々は、シンプルで頑丈な使いやすいロボットを作り、誰もが簡単に操作できるロボットとして普及させたい」と語った。

 小便器の形はさまざまだが、ダスベエは汎用性のある形状のためどんな便器にも対応できる。今後は、障害者の方の手すりの内側にダスベエが入るように、幅をもう少し狭くして小型化を目指す。機能面では、床に散った汚れも一緒に洗浄できるようにスクレーパーと、床の水を吸い込むバキューム機能を追加。電源をバッテリ化し、1年後の実用化を目指す。

 ダスベエの販売対象は、公共トイレを持つ高速道路のSAやJRなど施設を想定している。販売価格は100万円を予定している。


ABCDを鏡像文字にしたダスベエのロゴ 金井氏が手で示しているあたりまで、便器が占有する。今後は横幅を狭くして小型化を目指す 下土井康晴氏(明興産業株式会社代表取締役)

URL
  マーテック
  http://www.martec.co.jp/index.html
  明興産業
  http://www.meikos.co.jp/
  神戸RT構想
  http://www.kobe-rt.jp/
  NIRO 財団法人新産業創造研究機構
  http://www.niro.or.jp/index.php

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( 三月兎 )
2008/04/22 00:10

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