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参加者全員でガッツポーズ
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四国で有数のロボット競技会である「夏戦IV in RoboCountryIV」が、8月9日(土)に開催された。会場は、香川県高松市のシンボルタワーで、同市の文化芸術ホールのサンポートホール高松の第1小ホール。瀬戸内海が目と鼻の先の、高松港を含めたサンポート高松と呼ばれる各種施設が集まったエリアの中核施設で行なわれた。主催は、香川ヒューマノイドロボット研究会。第14回ROBO-ONE決勝出場権認定大会となった同競技会をレポートする。
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サンポートホール高松。一際高いタワー棟のすぐ隣にある円形の建物がホール棟
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会場となったサンポートホール高松の第1小ホールのステージ
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第1小ホールの客席はこんな感じ。スタート前なので観戦者はまだまだ少ない
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高松らしい風景写真その1。これは、タワー棟の30階展望台からの市内西部の様子
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その2は瀬戸内海。見えている島は左から女木島、男木島、豊島、小豊島、小豆島
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その3。その2の右奥にある灯台のアップ。桟橋の先端にある
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その4。サンポートホール高松の目と鼻の先の高松城跡の玉藻公園
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同競技会は四国のロボットビルダーの有志によって誕生し、現在は第12回ROBO-ONE in 高松を主催した、香川ヒューマノイドロボット研究会のメンバーが中心となって運営している。今年は、同じサンポートホール高松のタワー棟の4・5階にある情報通信交流館「e-とぴあ・かがわ」(入場無料のIT系の科学技術ミュージアム)のサマーフェスティバルイベント、「スポーツと科学~チャレンジ! とぶ・はしる・なげる~」および「ロボットオリンピック」との連携イベントとなった。
9日、10日の2日間には、ロボットすもうやロボット操縦体験、ソーラーロボット工作教室などが開催されたほか、10日にはヴイストン主催による投げ技に比重を置いた「ロボJUDO競技会」も実施。まさにロボットづくしの2日間であった(「ロボJUDO競技会」の模様も後ほどレポート)。
なお、e-とぴあ・かがわでは、キッズ向けのロボット工作教室にも力を入れており、ロボカップジュニア出場を目標にしたワークショップ「ロボット・ラボ」を、地元香川大学の学生さんらの協力を得て開催している(今年3月のロボカップジュニアの四国ブロック大会は同館開催)。高松および周辺地域にお住まいの方で、お子さんにロボット工作をやらせてあげたい、または自らやってみたいという子どもがいたら、ぜひe-とぴあ・かがわに打診してみよう。
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ロボット操縦体験。子どもたちがとても楽しそうに遊んでいた
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ソーラーロボット工作教室の様子。みんな真剣
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ロボJUDO競技会の様子。最近負け知らずのCavalierに土がつく波乱が!
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同施設では、ロボカップジュニア出場を目標に、ワークショップ「ロボット・ラボ」も開催中
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● 見ていて面白かったりかわいかったりしたロボットたちをピックアップ
全国的に有名な強豪ロボットもさることながら、この大会でしか見られないようなロボットをまずは紹介したい。ちなみに、今回の競技会は前述したとおり、第14回ROBO-ONE決勝出場権認定大会となっているのだが、ロボットの規格の参加条件は、必ずしもROBO-ONEのルールに準拠する必要はないようで(その際は、決勝出場権認定を受けられない)、カワイイロボットやちょっと変わったロボットなどもいた。
最初は、今大会はもちろんのこと、全国でも屈指の低年齢パイロットを擁する、ファミリー参加の熊工房の癒し系ロボットから。息子さんのユウキくん(お兄ちゃん)と娘さんのチヒロちゃんが操るのは、そのかわいさから観戦に来た子どもたちの評判も非常に高かった「ロボックマ」と「コロボックマ」。ユウキくんがロボックマで、チヒロちゃんがコロボックマだ。
KONDO製KHRシリーズ1体のパーツを半分に分けて作っており、イメージとしてはロボット版リラックマである。小学校に行くか行かないかぐらいの年齢であるお兄ちゃんのユウキくんはまだしも、チヒロちゃんは本当にまだ小さい子なので、わずかだろうと動かせるだけでも偉い。ふたりとも大きくなっても、ぜひパイロットを続けてほしいし、ぜひビルダーにもなってほしいところである。ちなみに、参加ロボットのKUMA2-HVとCROWも熊工房製で、今回4体もロボットを投入していた。
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左がコロボックマで、右がロボックマ
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日本屈指の年少パイロットのふたり。左がチヒロちゃんで、右がユウキくん
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ロボックマは無線操縦だが、コロボックマは有線操縦
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【動画】予選でのチヒロちゃんの見事な操縦っぷり。1点ゲット
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同じく、お父さんと小学生の娘さんの親子で参加していたのがケイマン ファミリー。お父さんのあつしさんが担当する「ケイマン 1号」は、ネタ勝負という機体だ。礼儀正しいあいさつから始まって、ビートたけしの往年のネタである「コマネチ!」、小島よしおの「そんなの関係ねぇ!」、さらには世界のナベアツ(と思われる)カウントアップして特定の数字の時に変なパフォーマンスを見せる(3の倍数とは限らないようだが)などを持ちネタとして有する。さらに、メガネをかけており、それを落としてしまった時のために、「メガネメガネ……」と探すというパフォーマンスまで用意されているなど、まさにお笑いを最重視した機体である。
また、本体の音量が小さいことから、無線で音を飛ばしてラジカセをスピーカー代わりに使っているのも特徴だ。会場人気は高く、子供たちの笑い声を誘っていた。ちなみに、ロボット大好きという娘さんのなおちゃんの機体は、RB2000ベース(若干腕を長くしてあるほかはほぼノーマル)の「ケイマン2号」である。
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ネタロボのケイマン1号
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【動画】さすがに変な顔はできないので、3の倍数の時にパフォーマンス
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ケイマン2号を操縦する娘さんのなおちゃん
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また癒し系といえば、KUMACOぷろじぇくと(操縦者はみっちーさん)の「KUMACO」もそのひとつ。一見するとロボットには絶対に見えず、まさにクマのヌイグルミ。おそらく、ヌイグルミとして紹介したら誰もが信じてしまうはずで、それが突然しゃべったり動き出したりしたら、かなりビックリするのではないかという外見である。もしかわいさを競うロボットコンテストがあったら、きっと上位入賞することだろう。
ただし、戦闘力はあまり意識してないようで、動作もそれほど速くなく、決勝トーナメントは大変そうだった。映画「カンフー・パンダ」の主人公ポーとまではいわないが、全国区クラスのロボットたちと同レベルの機動力や攻撃力があると、子どもたちを驚かすこともできるのではないかと思うので、ぜひ「かわいいけど闘ってもよし」なロボットを目指してみてはいかがだろうか(ボディは完全に覆われているので、長時間稼働時のサーボの熱処理対策が大変そうである)。
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KUMACO。女の子だそうで、今回は花飾りを頭につけている
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【動画】予選時のアピールの様子。かわいい声でしゃべることも可能
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それからモーションが面白かったのが、中学生時代からロボットビルダーとして活躍しており、今は高校生となったはっし~さんの「Exelion」。今回は、手先にヘラが取り付けられている点がポイントだ。
ヘラとは、いわゆるお好み焼きやもんじゃ焼きなどをひっくり返す時に使う調理用具である。相手のロボットをいかにつかむか(引っかけるか)に関しては、多数のビルダーがそれぞれ工夫を凝らしているが、はっし~さんは攻撃だけでなく、パフォーマンスも重視。ヘラ同士をこすり合わせて、「いただきま~す!」といいたくなるようなモーションなど、パフォーマンス部分にも力が入っていた。
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Exelion。戦闘力がある一方で、お笑い系パフォーマンスのモーションも備える
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【動画】お好み焼きやもんじゃ焼きを食べたくなる、おいしそうな音のするモーション
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さらにサイズ的なかわいさと、コントローラーのひと工夫があったのが、ムイムイさんの「ゴージャスファイブ」だ。ゴジックファイブベースの改良強化型で、ノーマルでサーボが5個のところを、8個にしている機体だが(とすると、正確には「ゴージャスエイト」?)、テレビのリモコンで動かせるのが大きなポイント。
ただし、見ている限りでは微妙なコントロールなどが難しそうな感じがしたので、バトルには向かないかも知れない。遊びに来た友達にテレビをリモコンでつけてもらうよう頼むと、テレビが付く代わりにロボットが動き出す、といった様に日常生活の中でロボットをネタに使うのにはいいかも知れない?
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クルマからロボットへ変形ができるゴジックファイブがベースのゴージャスファイブ
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【動画】予選競技の模様。ムイムイさんの姿勢にテレビのリモコンらしさが出ている
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同じくリモコンにひと工夫あったのが、岡山県立大学ロボット研究サークル Mechaniker(メヒャニカ)の「サントス」だ。サッカーのPK戦用に作ったロボットだそうだが、Wiiリモコンで操作する仕組みになっている。最初は、Wiiリモコンを振れば蹴るというコントロールのみだったそうだが、今回はWiiヌンチャクも接続した状態で、各種動作をコントロールできるように改良が加えられた。
ただし、ロボットバトルではキックは自分も倒されやすくなるという、あまり有効ではない攻撃の上に、パイロットが腕を大きく振るモーションは読まれやすいので、実戦でどこまで使えるかは興味深いところだ。
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キャラの立った顔立ちをしているサントス。名前からすると、南米(ラテン)系?
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Wiiヌンチャクを接続したWiiリモコンがコントローラー
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【動画】Wiiリモコンを振ると、キックをする
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● 予選は昨年よりも半分のタイムで複数本のペットボトル倒しに挑戦
今回の参加ロボットの機数は、22台(エントリーは25台だったが、3台は参加取りやめ)。遠くは関東から、そして関西の全国区のロボットたちも参加したが、地元のロボットビルダーや、工業・工学系の高校や専門学校、大学の学生たちも参加していた。また、前述したとおり、ファミリーで参加している人たちもおり、ほんわかしたムードの大会であった。
一方で、unfix Mk2(kantarowさん)、Cavalier(えまのんさん)、で・か~る(道楽、さん)、ヨコヅナグレート不知火二代目(Dr.GIYさん)、YOGOROZA-V(だうとさん)、レグホーン(NAKAYANさん)といった全国区の知名度を誇るロボットたちも参戦した。
予選は、まずロボットの特徴を操縦者もしくはビルダーがマイクで紹介。2分間という制限時間が設けられているだけで、形式は自由。どんなコンセプトで作ったのか、どんな動きができるのか、身長体重などのスペックなどを紹介した。
続いて、マイクパフォーマンスの後に、1分間の間に何本のペットボトルを倒せるかという競技を行なった。中央に2リットルの大型ペットボトルがあり、これを倒すと6点。その両脇に1リットルのペットボトルがあり、これらは各3点。そして、ROBO-ONEでもお馴染みの8角形のリングのちょうど頂点に合わせて、500ミリリットルの小型ペットボトルが8本置いてあり、パーフェクトを達成すると計20点というわけだ。
もちろんペットボトルにはすべて水が入っているので、当たり前だが中央の2リットルボトルの重量は2kgにもなる。小型ロボットの中には、重量が大して変わらないもの(中にはそれ以下の機体も)も多く、攻撃すると反動で自分がはじき飛ばされてしまうぐらいで、一挙に6点獲得するのはなかなか大変である。
ペットボトル倒し競技は、昨年は2分で行なわれたのだが、今年は半分の1分になり、より難易度が高くなった。にも関わらず、全国クラスのロボットたちは、パーフェクトに近い点数を叩き出した。しかし、そうした強豪たちがひしめき合う中でパーフェクトを達成したのが、レグホーンだ。昨年もパーフェクトを達成したのだが、やはりパイロットのNAKAYANさんの冷静でロスの少ない操縦がポイントだろう。2リットルボトルは投げ技で(右側の1リットルボトルにうまくぶつかって同時に倒し、開始10秒ほどで一気に9点ゲット)、小型ボトルは両腕を旋回させるなどして、効率的に倒していく。そして残り数秒というところでパーフェクトを達成し、見事に予選トップ通過となった。
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ペットボトルの配置。リングを1周するので、効率のいい操作が求められる
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【動画】レグホーンがパーフェクトを達成した予選の様子
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● 決勝トーナメント1回戦は軽量級やネタロボによる対戦
決勝のバトルのルールは、相手から3ダウンを先取した方が勝ちというお馴染みのもの。試合時間は3分間だ。ただし、あまり慣れていないパイロットもいることから、2スリップで1ダウンのルールはなし。このルールがあると、あっという間に自滅してしまうこともあるので、子供も参加している今回のような競技会はもちろんない方がいいはずだ。これ以外は、標準的なルールが採用されている。
さすがに知名度があるROBO-ONE規格の重量級ロボットたちは予選でのポイントが高く、多数がシードに。1回戦は、重量物のペットボトルを倒すのが難しく、高得点を狙いにくいROBO-ONE軽量級や中量級、そしてパワーや機動力よりもネタ勝負の規格外ロボットたちの対戦から始まった。
第1試合は、コロボックマと、地元の穴吹工科カレッジの生徒たちによる「蝋筆小新」(中国語で「クレヨンしんちゃんのこと」)。続けて、ゴージャスファイブ対KUMACO、ケイマン1号対CROW(熊工房は4体エントリーしていてその中の1体。パイロットは大熊さん)、ロボックマ対ケイマン2号、migu(高知工業高校製作、パイロットはmaguさん)対乙ガソダム(主催者サイドの方でもあり、予選でMC担当だった中川さんの版権ギリギリ(笑)のロボット)、KHR改(香川大学学生ロボット研究所、パイロットは谷川さん)対KUMA2-HV(熊工房、パイロットはピノさん)という組み合わせで行なわれた。これら1回戦の勝者は、蝋筆小新、ゴージャスファイブ、ケイマン1号、ケイマン2号、乙ガソダム、KHR改となった。
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大会最年少パイロットのチヒロちゃんのコロボックマ(左)対専門学校生チームの蝋筆小新
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ヌイグルミロボのKUMACO(左)対テレビのリモコンで操作可能なゴージャスファイブ
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完全ネタ狙いのケイマン1号(右)対熊工房のCROW
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ロボックマ(手前)対ケイマン2号の、ジュニアパイロット対決。ケイマン2号の勝利
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乙ガソダム(「Z」と「ン」ではなく漢字の「乙」とサ行の「ソ」、奥の機体)対高校生チームのmigu
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4台体制で乗り込んだ熊工房のKUMA2-HV(左)対大学生チームのKHR改
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● 休憩時間に香川のボンドガールが登場
2回戦になると、いよいよシード選手が登場。鉄(くろがね:香川県立高松工芸高校ロボットチーム、パイロットはヒロシさん)対unfix Mk2、レグホーン対蝋筆小新、ゴージャスファイブ対Exelion、ケイマン1号対ヨコヅナグレート不知火二代目、サントス(岡山県立大学ロボット研究サークルMechaniker、パイロットはえぐっちさん)対で・か~る、Cavalier対ケイマン2号、乙ガンダム対HSWR-05改ライガー(チーム マリモト、パイロットはもとひろさん)、KHR改対YOGOROZA-Vが実施された。
なお、参加者数がきっちりとした偶数でないため、トーナメントはシードでなくても2回戦から出場するラッキーな選手もいる。勝者は、unfix Mk2、レグホーン、Exelion、ヨコヅナグレート不知火二代目、Cavalier、で・か~る、HSWR-05改ライガー、YOGOROZA-Vの8選手だ。
ここ最近、各地の競技会で無類の強さを発揮しているCavalierだが、どうしても大きくて強いため、特に予備知識のない一般の観戦者には、判官びいき気質の日本人にはヒールっぽく映りやすい。そこで、ビルダー兼パイロットのえまのんさんはひと工夫。サンポート高松のマスコットキャラクターであるサンポくん(太陽と青い海に住むという海坊主を合体させて誕生させたという姿形をしている)の22cmもあるヌイグルミを頭として乗っけることに。まさに、今大会でしか見られない、Cavalier with サンポくんともいうべきバージョンだ。これには、観戦していたちびっ子たちがすぐさま反応。「あ、サンポくんだ!」と喜んでいた。しかし、小学生のなおちゃんが操るケイマン2号と当たってしまい、全力で闘うわけにもいかず、意外と苦労していたようである。
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地元高校チームの鉄(くろがね、左)対unfix Mk2。unfix Mk2の攻撃が炸裂
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予選1位通過のレグホーン(右)が登場。蝋筆小新が幼稚園児に見える体格差だ
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ランブル優勝の勢いに乗りたいゴージャスファイブ(右)対高校生ビルダーのExelion
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ケイマン1号(右)対ヨコヅナグレート不知火二代目。ケイマン1号はこんな姿もネタっぽく見える
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サントス(右)対で・か~る。キャラ対決なので、写真だけだとコントに見えないこともない
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今大会最大サイズのCavalier(右)と、小学生の女の子がパイロットを務めるケイマン2号が激突
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Cavalierの上に乗っているヌイグルミのサンポくんを正面から
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乙ガソダム対HSWR-05改ライガー戦に向かう乙ガソダム。足のふくらはぎがいい感じ
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HSWR-05改ライガーの後ろ姿。この時点で左足太もものフレームが折れている
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KHR改(右)対YOGOROZA-V。学生チームが関西四天王の一角と対戦するのは少々厳しいか
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ここで一度休憩となり、ゲストが登場。ゲストは、イブニングドレスのあでやかな姿の2代目「香川のボンドガール」の林直美さんだ。現在、香川県は官民挙げて人気スパイ映画「007」シリーズの同県内ロケ誘致活動を行なっており、その一環として選出された。
ちなみにこの誘致活動は、オリジナルの原作小説の作家イアン・フレミングの後継者として、「007」シリーズの原作小説を執筆するレイモンド・ベンソン氏が「007/赤い刺青の男」(早川書房刊)で、香川県の直島を舞台にしたことがきっかけとなっている。その後「ジェームズ・ボンドを直島に呼ぶ会」が結成され、誘致活動が行なわれるようになったのである。
また、今年の7月5日に行なわれた「007ボンドナイトパーティー」で、香川のボンドガールを決定する「ボンドガールはうちや!」コンテストが実施され、2代目として林さんが選出された次第だ(本職は、同県坂出市の団体職員)。1967年公開の「007は二度死ぬ」の浜美枝さんと若林映子さんに続く、第3の日本人ボンドガールを目指して、ぜひ頑張っていただきたい。
林さんは、誘致活動の説明を行なった後にステージ上のゲスト席に座り、2回戦以降を観戦。こうしたロボットの競技会を観戦したのは初めてらしく、非常に驚いており、「ジェームズ・ボンドの秘密道具として使うのもありですね」と話していた。
そのあと、今回参加している学生ロボットチームが改めて紹介され、1回戦および2回戦で敗退したロボットによるランブルバトルが実施された。まずは1回戦で敗退したロボットだけによるランブルでは、KUMA2-HVが勝ち抜き、続いての2回戦敗退組によるランブルに参加する権利を獲得した。そんな中、最も小柄でテレビリモコンによる操作という、バトルにあまり向いてなさそうなネタ系の機体であるゴージャスファイブが優勝した。
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2代目「香川のボンドガール」林直美さん。浜美枝さんらのように日本人ボンドガールになれるか!?
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007映画ロケの誘致活動の説明をする林さん
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KUMA2-HVが勝利した、1回戦敗退組によるランブル
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2回戦敗退組のランブル。ゴージャスファイブの小柄さがよくわかる
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● かなり白熱したバトルになった準々決勝、準決勝
準々決勝第1試合は、レグホーン対unfix Mk2。レグホーンが終始圧倒し、1本もダウンを取られることなく、ストレート勝ちした。
続いては、Exelion対ヨコヅナグレート不知火二代目。上背ではExelion、体重ではヨコヅナグレート不知火二代目がわずかに上回り、見た目的にはほぼ互角(リーチはExelionがかなり長い)。しかし、性能差というよりは、パイロットの技量の差が大きかったようで、Exelionが押される展開。ヨコヅナグレート不知火二代目がストレート勝ちした。
第3試合は、で・か~る対Cavalier。で・か~るも大きいクラスのはずだが、Cavalierのせいで小型に見えてしまう。ここまで体格差があると、サンポくんを頭に載せていても、会場はおろか審判までもがで・か~る寄りとなってしまい、Cavalierにはかなり厳しいジャッジング。Cavalierの攻撃でダウンしたように見えても、微妙な時は必ずスリップ判定となっており、えまのんさんも思わず「え!?」という思いも寄らぬ展開。しかし、そんな逆風もどこ吹く風、結局はCavalierがストレート勝ちした。
第4試合は、HSWR-05改ライガー対YOGOROZA-V。実は、HSWR-05改ライガーは左足太もものフレームが折れてしまっており、前戦からテーピングでグルグル巻きにして強行出場したという、最初から苦しい状態。YOGOROZA-Vは本調子じゃないHSWR-05改ライガーであろうと容赦せず、投げ技も決めて、会場から拍手が出るほど華麗に闘う。余りにも戦力差があるので、審判もHSWR-05改ライガー寄りのジャッジを数度していたが、結果はYOGOROZA-Vの勝ちとなった。
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【動画】レグホーン(右)対unfix Mk2の準々決勝第1試合の様子
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【動画】Exelion(右)対ヨコヅナグレート不知火二代目の準々決勝第2試合の様子
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【動画】で・か~る(左)対Cavalierの準々決勝第3試合の様子
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【動画】HSWR-05改ライガー(右)対YOGOROZA-Vの準々決勝第4試合の様子
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続く準決勝は、第1試合がレグホーン対ヨコヅナグレート不知火二代目。ここまで来ると、もう全国区クラスの選手のみなので、好勝負が期待された。しかし、レグホーンの腕のリーチがヨコヅナグレート不知火二代目に対してかなりあり、レグホーンが押す展開。なかなか懐に飛び込ませてもらえないため、ヨコヅナグレート不知火二代目の攻撃は投げの1ダウンのみとなり、レグホーンの突きで撃沈した。
第2試合は、Cavalier対YOGOROZA-V。関西四天王の一角といわれるYOGOROZA-Vですら、体格的にはかなり不利で、厳しい闘いが強いられるのは素人の目に見ても明らかである。ガムシャラに下から突き上げる攻撃がCavalierのバランスを崩せそうな雰囲気だったが、逆に押し込まれて場外となり1ダウン。しかも、その場外のダウンの際に電源関係がおかしくなったらしく、動かなくなってしまったため、チェックのためにタイムを取り2ダウン。それでもYOGOROZA-Vは復帰するが、審判の判官びいき気味の判定でダウンを取ってもらえないCavalierは、場外へ押し出す作戦に変更。3ダウン目も場外へ落とし、Cavalierの勝利となった。
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【動画】レグホーン(右)対ヨコヅナグレート不知火二代目の準決勝第1試合の様子
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【動画】Cavalier(右)対YOGOROZA-Vの準決勝第2試合の様子
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● 3位決定戦と決勝戦は全国クラスのロボットたちが激突
3位決定戦は、ヨコヅナグレート不知火二代目対YOGOROZA-V。両者は上背では変わらないのだが、YOGOROZA-Vの方が圧倒的にリーチがあり、攻撃範囲がかなり異なる。しかし試合巧者の両者だけに、パンチが交錯する、打撃系格闘技の迫力で試合が展開していく。が、攻撃範囲の広いことがやはり有効で、YOGOROZA-Vが立て続けにダウンを2本先取。最後は、YOGOROZA-Vが両手で下からすくい上げるようなダブルアッパーとでもいうべき攻撃を連打し、ヨコヅナグレート不知火二代目を撃墜。3位をゲットした。
そしていよいよ決勝戦。レグホーン対Cavalier。体格的には、これまでのどのロボットよりも差が少ない感じだが、それでもCavalierが非常に大きい。しかし、事前にえまのんさんがCavalierの弱点を公開しており、見事そこに突きを入れ、レグホーンがダウンを先取するという、大方の予想を裏切る展開に。しかし、ここでレグホーンのパイロットのNAKAYANさんは逃げに回らず、真っ向勝負するが、場外に出されてしまい、イーブンに持ち込まれてしまう。その後決着はつかず、今大会初の延長戦に突入。延長戦は1ダウンサドンデスで、どちらかが1ダウンを先取した時点で終了となるルールである。
延長戦も真っ向からの打ち合いとなるが、レグホーンが得意の突き攻撃の手を引き戻した一瞬に左右の腕を旋回させる、トルネードパンチとでもいったらいいのか、Cavalierの暴風のような攻撃に突き倒され、試合は終了。Cavalierの優勝となった。なかなかダウンすら与えないCavalierからレグホーンが1ダウン奪取したところを見られただけでも、価値のある1戦だったといえよう。
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【動画】ヨコヅナグレート不知火二代目(右)対YOGOROZA-Vの3位決定戦の様子
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【動画】レグホーン(右)対Cavalierの決勝戦の様子
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【動画】決勝戦は、今大会唯一の延長戦となった。その様子
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第14回ROBO-ONE決勝出場権だが、Cavalierのビルダー兼パイロットのえまのんさんは既に別の競技会で獲得していることから、今回は準優勝のレグホーンのNAKAYANさんが獲得することとなった。NAKAYANさんには、ぜひ第14回ROBO-ONEで活躍してもらいたい。
また、学生チーム・個人に特別賞が贈られた。受賞したのは、鉄で出場した香川県立高松工芸高校ロボットチーム、miguで出場した高知県立高知工業高校情報技術部、Exelionで出場したはっし~さんとなった。それから、バンダイロボット研究賞を、4位のヨコズナグレート不知火二代目のDr.GIYさんが受賞している。
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優勝したCavalierとビルダー兼パイロットのえまのんさん
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第14回ROBO-ONE決勝出場権はレグホーンのNAKAYANさんの手に
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プレゼンテーターは2代目香川のボンドガールの林さん
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特別賞を受賞したのは、香川県立高松工芸高校ロボットチーム。ロボットは鉄(くろがね)
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miguで出場した高知県立高知工業高校情報技術部も特別賞を受賞
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笑いあり、ほのぼのあり、そして真剣勝負ありだった今大会。会場から観戦している子どもたちやその親御さんら、ロボット競技会を見たことがない人たちからも驚きの声や笑い声、歓声が上がっており、取材しているこちら側も嬉しい限りである。今後も、年2回ぐらいにペースアップして、ぜひ開催してほしいと思う大会であった。
■URL
夏戦IV in RoboCountryIV
http://www.robocountry4.com/
e-とぴあ・かがわ
https://www.e-topia-kagawa.jp/index.asp
サンポートホール高松
http://www.sunport-hall.jp/
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( デイビー日高 )
2008/08/20 14:02
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