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大阪市立科学館、展示場リニューアルオープン
~復元された学天則が、入り口で来場者を出迎え


 7月18日、大阪市立科学館がリニューアルオープンした。大阪市立科学館は1989年に「宇宙とエネルギー」をテーマに開館した。同館の前身は、日本初の科学館であり、日本で初めてプラネタリウムを導入した大阪市立電気科学館だ。大規模なリニューアルは9年ぶり、開館以来3度目となる。


大阪市立科学館 リニューアルオープン式。テープカット

 リニューアルのコンセプトは、“子どもから大人まで楽しめる展示”。近年、科学館を利用する年齢層が広がっているため、コーナーを世代別に分けた。これまでも人気が高かった体験型実験装置は、幼児向けにサイズを小さめにし2階に集めた。大人向けには、同館の学芸員が独自に調査研究および収集した実物資料1,000点を新規展示している。

 科学館全体の6割に当たる1~3階展示場、および入口展示に5億円をかけてリニューアルを行なった。

 新展示の最大の目玉は、動態復元された東洋初の人造人間(ロボット)「学天則(がくてんそく)」だ。

 オリジナルの「学天則」は今から80年前、1928年に大阪毎日新聞の論説員学芸部顧問だった西村真琴氏が製作した。京都で開かれた昭和天皇御大礼記念博覧会に、出品されて大きな評判を得たが、数年後に行方不明となった。

 この「学天則」を復元するにあたっては、大阪市立科学館の学芸員がオリジナルと同じ大きさ・動作になるよう、現存する写真や書籍など少ない資料を元に研究したという。

 学天則は、入り口のすぐ左に展示されている。記録台に向かった学天則に天啓が閃くと、左手に持った霊感灯が明るく輝き始める。学天則は、霊感燈を頭上高く掲げ、何か楽しいことを考えているような笑みを浮かべながら、鏑矢のペンで文字を綴る仕草をする。

 学天則の仕様やオリジナル開発の背景などに関しては、こちらの記事に詳しいのでぜひご一読いただきたい。

 4月の報道発表後、右手の動きがスムースになるよう腕の調整と、モーションの作り込みを行なったという。学天則は毎時00分と30分に、音楽に合わせて動き出す。


入り口を入ってすぐ左が学天則の展示コーナー 復元された学天則 頭部の後はガラス張りになっていて、学天則の後頭部が見られる

【動画】毎時00分と30分になると、音楽に合わせて動きだす 目を細め、口を開く、頬をふくらませるなど表情が豊かに変わる 2階から下るエスカレータから撮影した学天則

西村真琴と学天則の説明パネル 学天則の説明パネル 【動画】オリジナル学天則の機構模型。下の円盤が廻り突起がキーを跳ね上げると、空気圧で表情が動く。青がまぶた、赤が唇、黄が目玉、緑が頬の動きを制御している

 入り口の右側には、ルービックキューブを解く「キューブくん」が展示されている。キューブくんは、川崎重工の産業用ロボットアームを用いた双腕ロボットで、画像認識で各面の色を判別し自分で崩したルービックキューブを解く。

 この2体のロボットは、エントランスホールに展示されており、訪れた人達を科学の世界へ誘う役割を果たす。


ルービックキューブを解くロボット「キューブくん」 【動画】二本の指先でルービックキューブを挟み、器用に面を返していく 傍らに置いてあるキューブを取って解き始める

 館内の展示物では、「解体テクノロジー」と題してデジタルビデオカメラや、42年前の電子卓上計算機から現代のカード式電卓までを解体して並べてあるコーナーが興味深かった。

 また、3階にある「家庭の電力消費とエネルギー」のコーナーには、戦時中から現代までの家電製品が展示されている。デザインの移り変わりを見るのも面白い。1960年代に家電製品が普及すると共に、製品種目が多様化し、急速に電気使用量が増えたことが分かる。このコーナーの製品は修理済みで、コンセントを差せば当時のままに動くという。


解体テクノロジー。デジタルビデオカメラを解体して展示 電子式卓上計算機から電卓まで解体して展示。左端は1966年発売のトランジスタ電卓「キャノーラ120」(キャノンカメラ製) 3ブラウン管式カラーテレビ

戦時中から現代までの家電製品を年代別に展示。上の赤いグラフは電気の使用量 1940~60年頃の家電製品。親子三代で会話が弾みそうな展示だ 1970年代の家電製品

戦時中の電気炊飯器「たからおはち」 1953(昭和28)年の東芝車両(現・東芝製)電気洗濯機 手の先にあるのは、20年前の携帯電話「セルラーHP-101」

 2階は子どもと保護者をターゲットとした「おやこで科学」のフロアになっている。レールや斜面にボールを転がして動きを観察したり、竜巻発生装置で風の動きを感じるなど楽しみながら体感し考える展示になっている。

 科学館の入り口は、一部が偏光ステンドグラスになっており、偏光板から覗くと星座が現れる仕掛けがある。また、外壁には目の錯覚を利用しただまし絵の展示がショーウィンドウ風に展示され道行く人を楽しませる。


2階フロアの体験型実験装置は子ども達に大人気 入り口の窓は一部が偏光ステンドグラスになっている。偏光板から覗くと星座が現れる 入り口付近には、さまざまな錯覚を利用した絵が展示されている

【大阪市立科学館】
●所在地:大阪市北区中之島4丁目2番1
●開館時間:9:30~16:45
●観覧料金:大人=400円、高校・大学生=300円、中学生以下=無料。
●休業日:月曜(祝日の場合は開館)、祝日の翌日(土・日曜、祝日の場合は開館)。年末年始
●料金
・展示場:大人400円、大・高生300円、中学生以下無料
・プラネタリウム/オムニマックス映画/全天周CGムービー:
 各大人600円、大・高生450円、中学生以下300円)


URL
  大阪市立科学館
  http://www.sci-museum.jp/

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( 三月兎 )
2008/07/22 15:13

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