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ROBO-CUP世界大会に向けて「Hibikino-Musashi」が新型機を投入
~北九州市立大学の鯛ロボットも紹介


「ひびきの」内にある情報技術高度化センター
 5月のROBO-CUPジャパンオープン大会中型リーグ部門で優勝したHibikino-Musashi。世界大会に向けて調整中の姿を、北九州産業学術推進機構FAISの協力により北九州学術研究都市「ひびきの」内で見せてもらうことができたので、その様子をお伝えする。

 北九州市若松区西部に北九州学術研究都市「ひびきの」がある。ここは工業系大学、企業の研究機関、ベンチャー企業などが集まっている一大研究都市だ。

 Hibikino-Musashiは北九州学術都市「ひびきの」の合同チームで、北九州学術研究都市にある九州工業大学・北九州市立大学のメンバーが中心となっている。最近は、ひびきのの外にある北九州工業高等専門学校(北九州市小倉南区)もメンバーに加わり、北九州学術研究都市のチームというよりは北九州市のチームとなっている。

 なお、Hibikino-Musashiのネーミングは「ひびきの」と宮本武蔵(宮本武蔵と佐々木小次郎が決闘した巌流島は、北九州市と下関市の間を流れる関門海峡にある)の名前を合わせたものだとのこと。

 Hibikino-Musashiの練習場所は、北九州学術都市の情報技術高度化センターにある。ここにハーフサイズのサッカーコートを作り、機体の調整・練習に励んでいる。


Hibikino-Musashiが練習場に使っているのは、情報技術高度化センター内の大研修室 ハーフサイズのサッカーコートが作られている

 前回のROBO-CUP世界大会ではベスト4だったHibikino-Musashiだが、世界大会での優勝に向けて新型機の投入を準備中だった。

 新型機は遠くまで見られるようにカメラの位置を高くし、またオムニホイールを改良している。これによりボールの認識率とスピードがアップされたとのことで、世界大会に向けての手ごたえを感じているようだった。

 Hibikino-Musashiは、西日本総合展示場で開催されるロボット産業マッチングフェア(6月26日(木)~28日(土)に西日本総合機械展の一部として開催)で新型機をお披露目する予定だったが、世界大会の準備のために機体の搬送を行なわなくてはならず、新型機のお披露目は世界大会になるらしい。代わりにロボット産業マッチングフェアでは、26日と27日の両日、ビデオや旧型機を使ったデモを行なうとのこと。

 なお、ロボット産業マッチングフェア会場では26日と27日の2日間、Hibikino-Musashiだけでなく、NHKロボコンで優勝した北九州工業高等専門学校「クルポン」によるデモや、九州ロボット練習会による二足歩行ロボットのパフォーマンスが行なわれる。


新型機。手前のノートパソコンには、新型機が見ている画像が映っている 手前が旧型機。新型機はかなり背が高くなっていることがわかる 新型機のオムニホイールのアップ。多数の小型車輪がホイールの外周につけられている

カメラと方位センサのアップ ゴールに向かってシュートする新型機 Hibikino-Musashi専用のシュミレーター

機体をWiiコントローラーで操縦する実験も披露してくれた ゴール前で新型機の撮影

 Hibikino-Musashiのソフト班。ROBO-CUP世界大会での目標を「優勝です」と答えてくれた 北九州市立大学ひびきのキャンパス校舎。大学というより大規模な研究所に見える

北九州市立大学の鯛ロボット

 今回の取材では、北九州学術研究都市内ある北九州市立大学の鯛ロボットを見ることもできた。鯛ロボットは北九州市立大学国際環境工学部機械システム工学科の山本郁夫研究室で研究されているもので、本物の魚のように尾びれを動かして水中を移動する。4月5日に北九州市八幡東区にあるイノベーションギャラリーで公開され、そのなめらかな動きで話題を呼んだ。

 鯛ロボットを開発した山本郁夫教授は、元々は航空力学の研究者で、そこから発展して陸海空の移動体の研究開発を行なっている。鯛ロボットの他に、水中をはばたきで移動するエイロボットや自律小型ヨットなどを製作している。

 今回は静態展示してある鯛ロボットを見せてもらっただけだったが、表面をシリコンゴムで覆っていて、妙に生々しい(許可を得て触らせてもらったが、機械というよりは生物的な柔らかい感触だった)。この鯛ロボットを本当の鯛と一緒に泳がせてみたことがあるそうだが、本物の鯛は「無関心だった」そうだ。

 この鯛ロボットは、7月19日(土)と20日(日)に行なわれる北九州市立大学オープンキャンパスの時に公開で泳がせる予定があるそうだ(場所は北九州市立大学ひびきのキャンパス内)。興味のある方は、泳ぐ鯛ロボットを見に来てはいかがだろうか。


山本郁夫教授と鯛ロボット 鯛ロボットのアップ。外装はシリコンゴムに手作業で塗装をしたもの 鯛ロボット内部模型。柔構造になっているのは尻尾の部分だけで、ここを左右に振って推進力を得る

尾びれに使われている振動翼推進システムのモデル エイロボットの写真。残念ながらエイロボットは修理中だった

URL
  Hibikino-Musashi
  http://robocup.ksrp.or.jp/hibikino-musashi/
  北九州学術研究都市
  http://www.ksrp.or.jp/
  北九州産業学術推進機構FAIS
  http://www.ksrp.or.jp/fais/
  北九州市立大学国際環境工学部
  http://www.env.kitakyu-u.ac.jp/ja/
  西日本総合機械展
  http://www.convention-a.jp/kikai/

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( 大林憲司 )
2008/06/24 15:17

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