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「ロボカップジュニア・九州ノード大会」レポート
~九州地区の代表が決定


 4月5日、福岡市早良区百道浜のロボスクエアで、ROBO-CUPジュニア・九州ノード大会が行なわれた。これは5月に静岡県沼津市で開催されるROBO-CUPジャパンオープン2008沼津大会に参加する九州地区の代表チームを決めるもので、レスキュー、ダンス、サッカーの3競技が行なわれた。


ロボスクエアのあるTNC放送会館 当日のロボスクエア内部。ダンスの発表用に、ステージが片付けられていた

負傷者を探し出すレスキュー

レスキューのコース。右奥からスタートし、上部のステージにあるゴールを目指す
 ROBO-CUPジュニア・レスキュー競技は、その名前の通り、ROBO-CUPレスキューのジュニア版だ。ただし、負傷者に見立てた人形を探すのではなく、マークとして記号化した負傷者を発見しながらコースを走破する競技である。

 基本的には、レスキューロボットは黒い線をライントレースしながら進み、その途中にある負傷者を意味するマークを検出してゴールを目指す。

 ただ、そのラインは途中で切れていたり、コンクリートブロックが置かれていたりするので、それをどうクリアするかも課題となっている。

 この競技には、プライマリ部門(14才以下)、セカンダリ部門(15才以上~19才以下)合わせて14台が参加し、次の3台がジャパンオープン大会への出場を決めた(プライマリ・セカンダリの区別なく3台)。

1位 あめふらし☆
2位 スピード
3位 がばい!茶々丸フォーティーン


人型のシールが負傷者のマーク。反射率が違うので、緑色の負傷者マークの方が検出しにくい ステージによって明るさが違うので、ライトで照度を一定にする機体もいる 負傷者を発見するセンサー能力だけでなく、坂を登りきるパワフルさも必要とされる

負傷者の上でライトを点滅させれば「負傷者発見」となり、加点される ゴールに向かう1位のあめふらし☆

ロボットと参加者が一緒にパフォーマンスするダンス

 ダンスはROBO-CUPジュニアだけに存在する競技で、子供たちの創造性を育てることを目的としている。そのためROBO-CUPのどの競技よりも自由で、発想力とそれを実現させるための技術力が必要とされる競技だ。

 今大会には9チームが参加し、上位3チームがジャパンオープン大会に進むことになった(ダンス競技もプライマリとセカンダリの区別なく3チーム)。

1位 DREMER
2位 SIGWAY5
3位 ハミガキ娘


ダンス1位のDREAMER。右が光を追尾して移動するロボット、真ん中が脚歩行のロボット、左が距離センサーを使って演技者とダンスをするロボットと、タイプの違うロボットを投入して堂々の1位 演技前に、光追尾ロボットの調節 2位のSIGWAY5

PINO人形の乗っているロボットは正面に物体があると方向転換をするようになっており、それを使ってうまくフィールド内で動かしていた ロボットと演技者が一緒にパフォーマンスする3位のハミガキ娘 ロボットがちゃんと歯磨きの動きをしている

4位のゴカッパーズ。北九州市若松区に伝わる河童伝説と郷土芸能「五平太ばやし」をモチーフにしている 琉球舞踊をモチーフにした5位の北九チャンプリングエイサー 巨大ロボットを投入してきた6位のSHINGU侍。しかし、刀が折れるというアクシデントが……

激戦区のサッカー

ロボスクエアの一角にROBO-CUPジュニアサッカーのコートが作られた
 サッカーは、GKとFWからなる2台の自律ロボットでチームを作り、試合を行なう競技だ。競技には赤外線を発するボールを使い、センサー(方位センサーなどが良く使われる)を組み込んだ2台のロボットで得点を目指す。

 実は福岡県はROBO-CUPジュニアサッカーの強豪地区として知られ、福岡市を中心とした「福岡ノード大会」と北九州市を中心とした「北九州ノード大会」の二つの予選が福岡県内に存在する。この2つの予選を勝ち抜いたチームと、九州の他の地域のチームが集まって九州ノード大会を戦うことになる。

 今大会ではまず予選の総当りリーグ戦が行なわれた。プライマリとセカンダリ、それぞれを2グループに分け、そのグループの上位2チームが決勝トーナメントに出場できる。

 予選の総当りリーグ戦の結果、プライマリではサファイアウェポン、FREEDOM、フェニックス、かもっこKMTMの4チームが、セカンダリではF・S・Robot、Regeneration、宗高天照、Team KCT-Sの4チームが決勝トーナメントに進出した。

 プライマリの優勝決定戦では、フェニックスを破ったサファイアウェポンと、FREEDOMを破ったかもっこKMTMの戦いとなった。かもっこKMTMは前半で12点を取るなど試合を有利に進め、13-1で優勝した。

 プライマリの3位決定戦はフェニックスとFREEDOMの戦い。8-1でフェニックスが勝利し、ジャパンオープン大会への出場を決めた。

 セカンダリの優勝決定戦は、F・S・Robotに勝った宗高天照とTeam KCT-Sを破ったRegenerationの戦いとなった。試合は接戦となったが、たえず宗高天照がリードを保ち、8-7で優勝を決めた。

 セカンダリの3位決定戦は、F・S・RobotとTeam KCT-Sの戦い。こちらも接戦となったが、5-4でF・S・Robotがからくも勝利し、ジャパンオープン大会への出場を決めた。

 ジャパンオープン大会への出場は以下の通り。

・プライマリ部門
1位 かもっこKMTM
2位 サファイアウェポン
3位 フェニックス

・セカンダリ部門
1位 宗高天照
2位 Regeneration
3位 F・S・Robot


セカンダリ決勝トーナメントの最後の1枠を争った大分県の黒津崎(左)と北九州市のTeam KCT-S プライマリ決勝戦のかもっこKMTM(左) VS サファイア・ウェポン。どちらもカラフルな機体だ プライマリ3位決定戦のフェニックス(左) VS FREEDOM。FREEDOMは1台が故障し、ローンバトルを強いられた

セカンダリ決勝戦のRegeneration(左) VS 宗高天照 宗高天照のゴール前でのせめぎあい

激戦となったセカンダリ3位決定戦。実は福岡ノード大会1位と北九州ノード大会1位同士の戦い 決勝トーナメント表

 今回のROBO-CUPジュニアサッカー・九州ノード大会で特筆すべきは、宗高天照の優勝だろう。

 元々、福岡県のROBO-CUPジュニアサッカーは、北九州市立児童文化科学館を中心とした北九州市のチームが強く、これに対してロボスクエアを中心とした福岡市周辺のチームが追いついてきたという経緯がある。

 宗高天照は、北九州市と福岡市のちょうど中間にある宗像市の宗像高校のチームであり、北九州市と福岡市以外から九州ノード大会の優勝チームが出てきたことは、福岡県のROBO-CUPジュニアサッカーの新たなレベルアップを物語るものだ。(ただし、宗高天照は福岡ノード大会に参加しているので、広い意味では福岡市周辺のチームということになるが)。


URL
  ロボスクエア
  http://www.robosquare.org/

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( 大林憲司 )
2008/04/15 00:07

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