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ロボスクエアで「火星ローバーコンテスト」開催


 3月30日、福岡市早良区百道浜にあるロボスクエアで第6回国際宇宙ロボット(火星ローバー)コンテストが行なわれた。

 この火星ローバーコンテストは、火星に見立てたコースを自作の探査車で走破するコンテストで、2005年10月15日、16日に福岡市で開催された国際宇宙会議(IAC)にあわせて第1回大会が行なわれた。

 正式名称に「国際」とついていることからもわかるように、当初は世界各国で開催されるプランもあったようだが、現在は基本的に福岡ローカルのロボコンとして落ち着いている(金沢など他の地域で開催されることもある)。

 参加者は地元福岡県の小中学生が多いが、年齢制限はないので、一般が参加しても構わない。また「宇宙」とついていることからもわかるように、JAXAが後援となっている。


自律部門

 メインの火星コースを使うコンテストの前に、自律でゴールまでのタイムを競う自律部門が行なわれ、9台の参加があった。不整地の火星コースとは違い、こちらは簡単なマイクロマウスとでもいうべきもので、150秒以内にゴールを目指す。タッチセンサーなどを使ってゴールを目指す機体が多い。

 その中で1位を取ったのは6秒台で駆け抜けたサファイヤだった。2位のラビットも7秒台でゴールにたどりつき、上位の高速化を印象付けた。


コンテストの行われたロボスクエア 火星ローバーのコース 参考写真。国際宇宙会議会場で行われた第1回の様子

自律部門のコース。右奥がゴール その名前の通り、ウサギのディスプレイのラビット とにかく速かったサファイヤ

メインのリモートコントロール部門

 一番参加者が多いのが、有線操縦によるリモートコントロール部門だ。火星を模した不整地コースを、途中で標本採集に見立てたボールを取り込みながら(ボールを採取しないと先に進めない。またボールの数によってポイントが加算される)、300秒以内に山の麓までたどりつくものだ。

 今回は17台が参加し、ほぼ半分の8台が完走した。その中で優勝したのは、217秒残してゴールし、ボールも12個獲得した「ハチミツとク・ローバー」だった。


スタートの様子。機体はこの箱の中に納まる大きさでなくてはならない 若田宇宙飛行士のサイン入り椅子が置かれてあった 参考写真。若田宇宙飛行士は第1回火星ローバー大会にもゲストとして登場

大量のボールを抱え込んだ「ハチミツとク・ローバー」。ウサギのディスプレイがついているが、実は自律部門のラビットと操縦者が同じ ボールを取り込む「森のリスB」 今大会最速の74秒でゴールまで駆け抜けたダースベイダー

女の子チームの「それゆけ!TSC2号」。完走はならなかったが、試合直前の頑張りが評価されて、審査員特別賞を受賞 デザイン賞のヘビノコ ローバー工作教室から参加し、敢闘賞を受賞したトッパゴー

リモコン部門で初めて、ショートカットの尾根越えに成功したトレイン2 左右の両輪を別々に回転させることのできる第9614マーズ調査隊 シーソーを越えるトロピカルバナナ7世

参加人数の少ないラジオコントロール部門

 ラジオコントロール部門は、リモートコントロール部門とほぼ同じだが、操縦に無線を使用し、リモートコントロール部門にある規制(3Vまでのモーターしか使用できない)がない。そのため、以前はアンリミテッド部門とも呼ばれていた。ただ、リモートコントロール部門に比べて製作費がかかるためか、毎回参加者が数台どまりになっている。今回も参加台数は3台だった。

 その3台とも無事に完走し、優勝したのは214秒残してゴールし、ボールも4個獲得したマーズペンギンだった。


ゲームコントローラーで操縦するマーズペンギン クローラーで安定した走行を見せるオリンポスhigh 以前のチャレンジでは落とされたターンテーブルをクリアする火星老婆再来

今回、火星ローバー大賞はなし

 大会に引き続いて表彰式が行なわれた。各部門の順位は次の通り。

・自律部門
優勝 サファイア
2位 ラビット
3位 げじげじ

・リモートコントロール部門
優勝 ハチミツとク・ローバー
2位 森のリスB
3位 ダースベイダー

・ラジオコントロール部門
優勝 マーズペンギン
2位 オリンポスhigh
3位 火星老婆再来

 火星ローバーコンテストでは、すべての参加機体を対象とした「火星ローバー大賞」を選んでいるが、今回は残念ながら受賞機体はなし。その代わり、「それゆけ!TSC2号」に審査員特別賞、ヘビノコにデザイン賞、トッパゴーに敢闘賞が与えられた。

 最後にロボスクエアの新川館長から、9月にロボスクエアで開催される火星ローバーコンテストでは「ヒューマノイド(二足歩行ロボット)部門」が新設されるとの発表があった。

 以前、このコースにエキシビジョンでスーパーディガーがチャレンジしたことがあったが、2面でタイムアウトという結果に終わっている。果たしてこの難コースをクリアできる二足歩行ロボットが出現するのかどうか注目される。


表彰式 ヒューマノイド部門の新設を発表するロボスクエアの新川館長 参考写真。ローバーコースに挑むスーパーディガー。2006年11月撮影

URL
  ロボスクエア
  http://www.robosquare.org/

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~福岡で小中学生が火星走破に挑む(2007/09/07)



( 大林憲司 )
2008/04/07 00:26

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