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「ITSワールド in 愛知」ロボット企画展レポート
~二足歩行競技会「ロボットバトル at モーターショー」も開催


 2007年11月22日~25日の5日間、名古屋市港区のポートメッセなごや1号館において「ITSワールド in あいち」が開催された。

 「ITSワールドinあいち」は、愛知県ITS推進協議会が主催する「あいちITS交流フォーラム2007」の一環として、第15回名古屋モーターショーで併催された。

 ITS(高度道路交通システム)とは、最先端の情報通信技術を活用し、人と車と道路をネットワークして、交通事故や渋滞などの「交通問題」や大気汚染などの「環境問題」の解決を目指す新しいシステムだ。例えば、ETCの普及で高速道路における料金所の渋滞緩和や、渋滞情報を表示できるカーナビなど、ITSが広く社会に普及することで安全で円滑な道路交通や生活環境などの改善が進みつつある。今後はさらに、高齢者や障害者をはじめとした歩行者の移動支援、福祉・環境などにも役立つ、街づくりの手段として期待されている。

 ITS技術の多くはRT(ロボットテクノロジー)とも関連があり、会場にはロボット関連特別展示コーナーが設けられ、第13回ROBO-ONE大会決勝出場権認定大会の「ロボットバトル at 名古屋モーターショー」や、ロボカップサッカーのデモンストレーションが行なわれたほか、ロボット展示ブースがあった。

 本稿では、ロボットバトルの結果とロボット展示ブースを紹介する。


ロボットバトル at モーターショー

TVで見たことがあるマジンガアには特に注目度が高かった
 会場中央に設けられたステージでは、愛知工業大学大同工業大学が主催する二足歩行ロボット競技会「ロボットバトル at 名古屋モーターショー」が開催された。

 ロボットバトルは、トーナメント方式で行なわれる二足歩行ロボットの格闘競技会である。試合は、3分間で6ポイント制となっているが、おおむねROBO-ONEルールに則っている。トーナメントには、関東や関西からの参加者も含め16体のロボットが参加した。

 ロボットバトルが始まると、多くの親子連れがステージを二重三重に取り囲み観戦した。1試合毎に、司会者がロボットとオペレーターを紹介し、オペレーターがロボットをよく見えるよう観客にアピールしながら、コーナーに着く。ロボットが目の前に来ると、子どもも大人も食い入るように見て声援を送っていた。

 決勝戦まで勝ち上がったのは、今大会でバトル初勝利を経験したBBR(チャーリー氏)と第10回ROBO-ONE大会チャンピオンのキングカイザー(MARU Family)だった。

 BBRは両手を広げ腰を360度近く回すパンチで、2回戦はCavalier(えまのん氏)、準決勝でマジンガア(光子力研九所)と強豪をやぶって勝ち上がってきた。

 準決勝のマジンガアとの対戦では、試合開始直後、BBRはオペレーターのチャーリー氏が緊張しロボットの動きが固くなっていた。BBRが防御姿勢から立ち上がったところへ、マジンガアが体当たりしリングアウトでダウンを取った。その後、BBRは果敢に攻撃をしていたが、スリップダウンしてしまった。だが、派手なモーションの起き上がりで観客から歓声を浴びたBBRは動きがよくなり、マジンガアからダウンを2つ取り返した。互いにスリップダウンをし、ポイントが5-5となる接戦。試合終了間際に、マジンガアがスリップダウンをしてBBRが勝利をものにした。

 一方のキングカイザーは、準決勝でレグホーンと闘った。ゴングの合図とともに攻めるレグホーンに対して、キングカイザーは防御姿勢。一瞬の隙をついて、レグホーンがダウンを奪う。手数はレグホーンの方が多かった。レグホーンの突きは体重が乗った攻撃で、一撃ごとにドスンという音が聞こえる。モーションが派手なレグホーンに比べると、キングカイザーの攻撃は一見小さなパンチに見えるが下から突き上げる形でクリーンヒットを放っていた。結果は、ダウンカウント5-4でキングカイザーが勝利した。


【動画】準決勝第1試合。BBR(チャーリー氏) VS マジンガア(光子力研九所)。BBRはパンチを出すと眉毛が動いて表情が変わる 【動画】準決勝第2試合。レグホーン(NAKAYAN氏) VS キングカイザー(MARU Family)。今大会、一番白熱したバトルだった

 決勝戦は、BBR VS キングカイザー。両者の身長と体重はほぼ同じだ。両手を振り回すBBRの攻撃をキングカイザーが絶妙なタイミングでかいくぐっていた。BBRは横に移動しながら攻撃をしかけるのだが、キングカイザーは攻撃の隙を読み下から突き上げるパンチで、BBRから確実にダウンを奪っていった。試合時間わずか1分少々でキングカイザーが優勝を決めた。

 優勝したキングカイザーには第13回ROBO-0NE大会決勝トーナメントへの出場権が授与されたが、MaruFamilyは、GP選手に選ばれているため権利を辞退した。そのため、出場権は準優勝のチャーリー氏が獲得した。


【動画】決勝戦のBBR(チャーリー氏)VS キングカイザー(MARU Family)。キングカイザーのフットワークに観客から歓声がわいた 「ロボットバトル at 名古屋モーターショー」参加者達

ロボット企画展

 同ステージで、愛知県立大学がロボカップ小型リーグのロボットを使い、ロボカップ競技のデモンストレーションのほか、未来の車社会をイメージした自律移動の交通デモを行なった。天井に配置した2台のカメラでフィールド全面を監視し、無線で各ロボットに指示を与えてロボットが自律移動する。複数のロボットが、車間距離を保ちつつ走行したり、緊急車両を優先したり、見通しの悪い交差点で道を譲り合って走ったりした。


【動画】上空のカメラをで車間距離を測り、カーブ手前で速度を落とし車間距離を調節して安全に車を走行させている 【動画】オムニホイールを用いて車を横に移動し、狭い空間内で効率よく駐車させるデモンストレーション 【動画】信号がない見通しの悪い交差点も、上空カメラで判断し道を譲り合い安全に自動走行を行なうことができる

 ステージの周囲に設けられた各ブースでは、各大学研究室がロボットの展示やデモンストレーションを行なっていた。画像と動画で紹介する。

中京大学輿水研究室株式会社ユニメックは、アームロボット「PICASSO-2」が筆で来場者の似顔絵を描いていた。カメラ撮影した写真を元に、PCで顔部品や髪を検出して生成した似顔絵をロボットが色紙に描いた。


【動画】アームロボット「PICASSO-2」が、にじみやかすれを防止するために筆の移動速度を変化しながら似顔絵を描いた 「PICASSO-2」が描いた筆者の似顔絵。個人的には微妙だが、「特徴を捉えている」と友人談 中京大青木研究室は、カメラで人の動作を撮影し、PC内のバーチャルな物体を動かすデモンストレーションを行なっていた。手の動きに応じて、モニターに描かれたクマの絵の向きが変る

愛知工業大学のブースでは、「カードDEチャレンジSimROBOT」愛知工業大学バージョンのデモンストレーションを行なっていた 「カードDEチャレンジSimROBOT」を体験すると、ゲームに使える「鉄人28号計画」のカードが1枚もらえる 名古屋工業大学梅崎研究室の鬼ごっこロボット「ASKA」。1日中、子ども達を追い回していた

【動画】岐阜大川崎・毛利研究室の多指ハプティックインターフェイス「HIRO」。ロボットアームの指先と自分の指先を合わせると、バーチャルな物体の触感や重量の感覚を得られる 【動画】大同工業大学西堀研究室の「パッシブ形空中ブランコロボット」。動力を使わずに8度の斜面をロボットが空中ブランコを渡って移動する

名城大学大道研究室の全方向移動ロボット「エコノビーグル」。自律走行デモの他、子ども達による操縦体験も実施していた 名古屋大学大熊研究室。人の音声から感情を認識してグラフィカルで表示するシステムのデモ。赤が怒り、喜びを青、悲しみを緑で表示する

URL
  ロボットバトル at モーターショー
  http://www.robo-chubu.com/motorshow/
  愛知工業大学
  http://www.ait.ac.jp/index.html
  大同工業大学
  http://www.daido-it.ac.jp/
  ITSワールド in あいち
  http://www.chukei-news.co.jp/itsworld2007/
  第15回名古屋モーターショー
  http://www.chukei-news.co.jp/motor15/

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~優勝者に第12回ROBO-ONE決勝出場権授与(2007/08/09)



( 三月兎 )
2007/12/18 00:01

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