福岡市早良区百道浜のロボスクエア内において、8月25日、26日の2日間、第21回ヒューマノイドカップ・スプリント&バトル大会が開催され、25台のロボットによる熱戦が展開された。
この大会は、優勝者にはROBO-ONE高松大会決勝トーナメントへの出場権が与えられる、ROBO-ONE認定大会となっている。ただし、ヒューマノイドカップではGP勢と他の大会で出場権を得た人には優勝しても出場権を辞退してもらう方針のため、スミイファミリーは参加の段階で出場権放棄となっていた。つまり22台でROBO-ONE決勝トーナメント出場権を争った。
● 初日のアスリート競技
初日の25日には、3mのパンチカーペットの上を走るスプリント3000と、4個のボールをゴールに入れていくフリーキックが行なわれた。この2つの競技を2回ずつ行ない、それぞれベストの記録の合計タイムの短いロボット上位16台が翌日の決勝トーナメントに進出できる。
● ついに4秒台が出たスプリント3000
スプリント3000は、3mのパンチカーペットの上を走るスプリント競技で、ロボスクエアでは去年の5月に開催されたのが最初だ。九州のロボットが高速化したきっかけとなった競技でもある。
今回のスプリント3000で特筆すべきは、なんといっても4秒台の記録を出したスーパーディガーだろう。
スーパーディガーはロボファイトのSRC部門連続優勝などで知られるが、今回はパワーアップした新型機体で臨んできた。
その結果が出たのか、1回目のチャレンジで4秒96の記録を出し、九州のロボットとして初の5秒の壁を越え、Gパワーローダーネクスト(今回は不参加)が持っていた「九州最速ロボ」の称号も取り戻した。
2回目には4秒94とさらに記録を縮め、スプリントでは1位となった。
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試合前のスプリント・フィールド。赤いクッションの置いてある方向に向かって走る
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スプリント3000では3台が並んで走る。左からMANO-ONE、ヤマギワデンキ、九共大ーZERO。ヤマギワデンキは以前は犬の外装だった
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左から九共大ー疾風、ドカ3、White knight。上位陣は横歩きでチャレンジする機体が多かったが、White knightは前歩きで6秒23を叩き出している
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九州のロボットとして初めて5秒台を切ったスーパーディガーの走り。右はアリウス
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2回目、さらにタイムを更新したスーパーディガー
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5秒28でスプリント2位につけたアリキオン。左は前歩きで10秒を切ってきた成龍
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5秒31でスプリント3位となったAutomo Sandan
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● 難しかったフリーキック
次に行なわれたフリーキックは、コート上に置かれた4個のボールをどれだけ短いタイムで全部入れられるかを争う新競技だ。しかし、ボールがゴールネットの横に転がると規定時間の2分間にまずリカバリーできず、そのままタイムアップになってしまうことが多かった。
結局、クリアに成功したのは25台中14台にとどまり、結果としてこの競技をクリアすれば決勝トーナメント進出ということになっていた。
その中で活躍したのが九共大ーZEROだ。2回目のチャレンジにおいて、4個のボールを次々とシュートしていき、最速の24秒28でクリア。これが効いて予選総合でも1位となり、アリウスが続けてきたヒューマノイドカップ予選1位通過の連続記録をストップさせた。
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フリーキックのフィールド。真ん中の仕切り用のバーが意外と曲者だった
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最初にフリーキックのクリアに成功したダイナスター
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フリーキックをクリアして決勝トーナメント行きを決めた福岡工業高校情報工学科2号
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4つともボールを入れて予選総合で14位となったドカ3
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フリーキック3位で予選総合でも3位の九共大ー疾風。九共大チームのロボットはとにかくボールを蹴っていく戦法を取っていた
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今回は予選総合2位だったが、やはり運動性能の高いところを見せていたアリウス
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連続してボールをシュートして入れていった九共大ーZERO。当然、予選1位は初めて
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ボールがゴールの横に転がってしまい、哀しげな極
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予選終了後の記念撮影
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埼玉のスミイファミリー(左)と佐賀のドカファミリー。ドカファミリーも2台が決勝トーナメント進出という活躍を見せてくれた
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予選を突破した16台のロボットは次の通り。数字は左からスプリント3000の記録、ロボットフリーキックの記録、トータルポイントになる。
1位 九共大ーZERO(武田真実) 9秒17/24秒28/33.45
2位 アリウス(住井杏里奈) 6秒73/37秒83/44.56
3位 九共大ー疾風(水井雅彦) 8秒91/39秒33/48.24
4位 スーパーディガー(ひろのっち) 4秒94/49秒48/54.42
5位 ありまろ7(住井一宏) 6秒18/58秒18/64.36
6位 Automo Sandan(Holypong) 5秒31/60秒80/66.11
7位 シンプルファイター(ぜの) 8秒92/59秒88/68.80
8位 成龍(湯前裕介) 9秒76/61秒97/71.73
9位 アリキオン(住井奈々子) 5秒28/72秒20/77.48
10位 White knight(みやみや) 6秒23/80秒75/86.98
11位 九共大ーGENEX(古賀太一郎) 22秒56/65秒59/88.15
12位 福岡工業高校情報工学科2号 12秒26/79秒40/91.66
(福岡工業高校情報工学科
13位 ダイナスター(栗元) 11秒44 84秒94 96.38
14位 ドカ3(リョウ) 27秒99 87秒60 115.59
15位 極(極プロジェクト)6秒51 ゴール5個
16位 ドカ2( クミ)8秒58 ゴール5個
なお、15位と16位に関しては、フリーキックでクリアはならなかったものの、2回のチャレンジで一番多くボールをゴールに入れた機体(合計5個が最高)の2台が決勝トーナメント進出となった。
● 26日の決勝トーナメント
26日の決勝トーナメントでは、予選1位と予選9位、予選2位と予選10位というように対戦相手が振り当てられた。
試合は3分間のバトルで、3ノックダウン、および10カウントダウンで勝負が決まるのは他の大会と変わりがない。しかし、現在のROBO-ONEのルールと異なるのは、何度スリップしてもダウンにはならず、また捨て身技の回数の制限もない。これは観客の目を意識したことによる。
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ロボスクエアのあるTNC放送会館
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バトル大会当日のロボスクエア
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トーナメント表
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● オープニング特別試合
今回のヒューマノイドカップは、予選と決勝トーナメントを別の日に実施したためスケジュールに余裕があり、開会式の前にオープニングマッチが行なわれた。
前日に予選落ちしたロボットの中で、調整がうまく行っていた「で・か~る」(道楽、)とGAT(K)がバトルを行なった。奇しくも「孫の手」VS「ハリセン」という不思議な戦いとなった。試合はで・か~るが2ダウンを奪い、最後にGATが起き上がれなくなって決着が付いた。
観客に「バトルがどんなものか」を理解してもらうためには、いい試みだったと思う。
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オープニングマッチので・か~る VS GAT。孫の手とハリセンの対決だ
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MCの人がレフェリーを兼任し、微妙な判定の時などはこちら側に座っている副審が判定を出す。今回初めて試みられた方式
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開会式の様子
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バトル大会当日は、結構観客が集まった
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● 因縁(?)の1回戦
トーナメントは予選の結果で自動的に振り当てられるので、第5試合では社長VS社員の社内対決、第6試合では教員VS学生の学内対決という意外な対戦が実現した。
第5試合は極 VS シンプルファイターの戦いとなったが、実は極を操るのはヴイストンの大和社長で、シンプルファイターのぜの氏はヴイストンの社員である。一部からはいろんな意味で注目されていた戦いだったが、期待された以上の熱戦となった。
極とシンプルファイターでは大きさがまるで違う(シンプルファイターはRB2000ベースなのに対して、極はヒューマノイドカップ規定3kgぎりぎりの重量機体)。シンプルファイターはとにかく歩き回って極の攻撃をかわし、隙を見て回転浴びせ蹴りを見舞うが、体重差があまりに大きいので極は倒れない。0-0のまま、ついに今大会初の延長戦(先にダウンを取った方が勝ち)に突入した。
延長戦では極が体重を利用して、シンプルファイターを押し出してリングアウトで勝利した。
九共大ー疾風と九共大ーGENEXの師弟対決は、経験の差が出てしまった。操縦ミスによるGENEXのリングアウト2つを含む3-0のスコアで疾風が完勝し、師匠の面子を保った。
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シンプルファイター VS 極の社内対決
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シンプルファイターは回転浴びせ蹴りで攻撃するが、極は倒れない
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延長戦では、極がシンプルファイターを押し出し
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疾風 VS GENEXの九共大対決
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九共大対決は教官の水井氏が制した
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1回戦で1番のサプライズは、第7試合のありまろ7 VS ダイナスターの試合中に起こった。
福岡市のロボットショップ・クラフトハウス天神が送り込んできたダイナスターは、すでにROBO-ONE決勝トーナメント出場権を持っているありまろ7に果敢にチャレンジ。しかし、ありまろ7は引っ掛けるようなパンチでダイナスターからまずダウンを奪う。そして、ありまろ7は、ダイナスターを正面から抱え込み、フロントスープレックスで見事に投げ飛ばしたのだ!(スミイファミリーのお父さんは「巴投げ」と呼んでいたが、抱きかかえて後方に投げることからフロントスープレックスと呼ぶのが正しいと思われる)。
筆者も、九州ヒューマノイドプロジェクトの2325-RRが紙のロボットをバックドロップで投げるデモや、オムニゼロがアリウスをスリーパー状態に捕らえてから横に叩きつける投げなどを見てきている。しかし、バトルの公式戦の最中に「自分の頭の上を越えて相手を投げ飛ばす」姿を初めて見たような気がする(しかも相手のダイナスターはMANOI AT-01を改造したちゃんとした二足歩行ロボットだ)。
意図したモーションで相手を投げ飛ばした(「巴投げ」のモーションは3日前に作成したそうである)例として、二足歩行ロボットの歴史に残るできごとなのかもしれない。
試合中に相手を投げ飛ばした例としては「ROBO-ONE GP IN 東京ドームシティ」でレトロがキングカイザーをバックドロップ(どちらかと言うと「投げっぱなしジャーマン」)で投げたことが有名だが、「2台のモーションがシンクロして結果としてバックドロップになってしまった」説が有力である。
試合も、投げられたショックからかダイナスターは追いつけず、2-0でありまろ7が勝利した。
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ありまろ7 VS ダイナスター
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ありまろ7がダイナスターを投げた衝撃の瞬間。ダイナスターは顔から落ちている
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成龍 VS ドカ2。成龍のデカい手はキャッチボール用のもの
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福岡工業高校情報工学科2号をすっ飛ばすスーパーディガー
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ドカ3はボクシンググラブで試合に臨んだが、Automo Sandanに3-0で敗北
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高いアスリート能力を誇るWhite knightだが、やはりバトル能力ではアリウスの方が上だった
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アリキオンのサイドアタックが、予選1位の九共大ーZEROを撃破!
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1回戦の他の戦いの結果は次の通り。
・成龍 3-0 ドカ2
・スーパーディガー 3-0 福岡工業高校情報工学科2号
・Automo Sandan 3-0 ドカ3
・アリウス 3-0 White knight
・アリキオン 3-0 九共大ーZERO
● 白熱の2回戦
ベスト8に残ったのは、九州練習会の4強、スミイファミリーの3台、それに関西のパンダロボの極。これらの機体が激突した2回戦は熱い勝負が続出した。
2回戦の第1試合はスーパーディガー VS 成龍という九州練習会勢同士の戦い。実は第18回ヒューマノイドカップ・バトル大会でも実現した組み合わせで、この時は成龍が一方的に勝利し、勢いに乗った成龍はそのまま優勝し、ROBO-ONE後楽園大会出場認定権を手に入れた。
しかし、今大会のスーパーディガーは新機体で臨み、成龍から逆にパンチで連続ダウンを奪い、最後は成龍のリングアウトと3-0で決着を付けた。
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成龍 VS スーパーディガー。この試合の勝利でスーパーディガーは勢いをつけた
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延長戦でAutomo Sandanを退けたアリウス
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疾風の飛び込みアタックが、極にジャストミート!
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2回戦の第2試合は、アリウス VS Automo Sandan。Automo SandanはAutomoシリーズの3番機で、今回が初めての公式戦となる。パワー・スピード共にアップ(今回のスプリント3000では3位)しているが、実はこれが裏目に出た。あまりの移動スピードに操縦が間に合わず、自らリングアウトしてしまったのだ。
アリウスも機動性の高い機体であり、その後は両者ともに激しい位置取りのバトルを展開した。Automo Sandanがようやくパンチで1ポイントを取り返し、1-1のイーブンで延長戦に。延長戦では逆にアリウスがダウンを奪って勝利を決めた。Automo Sandanは最初の操縦ミスが悔やまれる結果となった。
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スミイファミリーの夫婦対決。お嬢さんが中立の場所にいるのがなんとも(笑)
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ダウンは取られなかったが、ありまろ7がスープレックス気味にアリキオンを倒している
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2回戦第3試合は、九共大ー疾風 VS 極の、九州と関西の重量級ロボット同士の対決。シンプルファイター相手には倒れなかった極だが、やはり疾風クラスの攻撃を受けるとダウンを奪われる。九州練習会でスパーリングを続けてきた疾風はたくみに極の後ろに回りこみ、飛び込みアタック2連発を含む背後からの攻撃でダウンを奪い、3-0で勝利した。
そして2回戦でも興味深い対決が見られた。アリキオン VS ありまろ7のスミイファミリー夫婦対決だ。1回戦でダイナスターをフロントスープレックスで投げ飛ばしたありまろ7は、アリキオンにも再三投げを試みる。しかし、ありまろ7が投げ技を使うことをよく知っている(同じ家族だから当然なのだが)ので、投げを決めさせない。逆にアリキオンが打撃で1ダウンを奪い、その1ダウンを守りきって準決勝にコマを進めた。
ちなみにアリキオンを操縦するスミイお母さんは「(パパは)私とやる時だけ操縦がうまくなる」と後で語っていた。
これで準決勝に進出したのは、スーパーディガー、アリウス、九共大ー疾風、アリキオンの4台となった。
● ヒューマノイドカップらしい戦いの準決勝
準決勝第1試合は、スーパーディガー VS アリウス。実はどちらも両手を突いてのヘッドバッドを得意とする(ディガーはアリウスの影響を受けている)。
現在のROBO-ONEではルール改正により、捨て身技が大幅に制限されている。その影響を受けて、各地の二足歩行ロボットバトル大会でも捨て身技が制限される傾向にあり、捨て身技の制限のないヒューマノイドカップバトル大会は、むしろ珍しい存在になっている。それが十分に発揮された戦いとなった。
両者ともダイビング・ヘッドバッドを連発し、それがぶつかり合う激しい戦いを展開(MCいわく「まるでカブトムシの角突き合いのようだ」)。しかし、パワーアップした新型機のスーパーディガーが、ダイビングヘッドバットでアリウスを押し返すという、信じられない光景が出現(実はスーパーディガーの足裏はグリップ足で、両者のヘッドバット同士がぶつかりあうと、すべり足のアリウスだけが下がっていってしまう)。
横パンチによるダウンをはさみ、スーパーディガーは2度もアリウスをリング外に落とし、3-0で勝利。決勝戦への進出を決めた。
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準決勝のスーパーディガー VS アリウス
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ヘッドバッドの連打から、アリウスをリング外に落とすスーパーディガー
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この試合の白眉、ヘッドバッドの打ち合い。この後、アリウスはリング外に
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準決勝第2試合は、身内対決を制したアリキオンと、九州勢同士の決勝戦にしたい九共大ー疾風との対決。
試合はまず疾風が1ダウン取って先行したが、アリキオンが猛反撃。サイドアタックなどの大技で続けて3ダウンを奪い、3-1で勝利した。
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準決勝の九共大ー疾風 VS アリキオン
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左右連打で先にダウンを奪った疾風
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勝負を決めたアリキオンのサイドアタック。飛び込みラリアットにも見えた
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● 決勝戦の前に
準決勝終了の後、1回戦で敗北したロボットに、前日予選落ちした何台かのロボットを加えてのランブルが行なわれた。最後には九共大ーZEROとダイナスターが残ったが、ダイナスターがリングから転落し、九共大ーZEROが勝利。予選1位通過ながら1回戦負けした憂さを晴らした。
ランブルの後、アリウス VS 九共大ー疾風の3位決定戦が行なわれた。2-2のスコアの熱闘となったが、最後はマシントラブルを起こした九共大ー疾風が動けなくなり、アリウスが3位を確保した。
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ランブル。最初は中央にいる、で・か~るが孫の手ふりまわして暴れていた
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3位決定戦。2-2のスコアから、疾風がこのまま動けなくなり、アリウスの勝利
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● 九州勢の優勝
決勝戦はスーパーディガー VS アリキオン。実は準決勝で九共大ー疾風が敗れたために、この段階でスーパーディガーがROBO-ONE決勝トーナメント出場権を獲得していた。
しかし、スーパーディガーのひろのっち氏は、5月に行なわれた第19回ヒューマノイドカップ・バトル大会で、遊氏のivre-VINに負けて準優勝に終わった過去があるだけに、ぜひともヒューマノイドカップ・バトル大会優勝の栄冠を得たいところ(ヒューマノイドカップ・サッカー大会の優勝経験はある)。
ただ、試合前にアリキオンのスミイお母さんが「(スーパーディガーは)強そうだった」と感じたように、試合はスーパーディガーのひろのっち氏が余裕を持って戦っている様に見えた(実は第19回ヒューマノイドカップ・バトル大会において、アリキオンを旧機体のスーパーディガーで延長戦の末に倒している)。
新機体となってパワーアップしたスーパーディガーは、いきなりアリキオンをリングアウトに追い込む。アリキオンも反撃し、左からパンチでスーパーディガーからダウンを取り返した。しかし、ディガーはパンチでリードを取り返し、最後の横パンチはアリキオンを場外に転落させるほどの威力だった。
こうしてスーパーディガーは、3-1で優勝を決め、九州代表としてROBO-ONE決勝トーナメント出場権を獲得した。
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ヘッドバッドでアリキオンを攻撃するスーパーディガー
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アリキオンに対しては重量パンチでダウンを奪っていったスーパーディガー
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優勝を決めた瞬間。アリキオンはフレームの外(つまり場外まで飛ばされた)
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試合の後、スーパーディガーのひろのっち氏に話を聞くことができたが、優勝できた原因を「二回戦で成龍に勝てたことがすべて」と語っていた。本文中でも書いたようにスーパーディガーは、第18回ヒューマノイドカップ・バトル大会の時に成龍に一方的に負けている。今回はその成龍に3-0で勝利したことで自信がつき、準決勝戦・決勝戦ともに落ち着いて操縦できたことが優勝の最大の原因なのだそうだ。
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試合後の表彰式
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優勝カップを受け取るひろのっち氏
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九州練習会の4強と共に
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筆者は以前からスーパーディガーを見てきているが、ひろのっち氏の戦いの歴史が優勝につながったのではないかと思う。ひろのっち氏は去年の5月のヒューマノイドカップ・バトル大会の時にアリウスと戦って(その時はゴールドディガーだった)何もできずに敗北。一念発起し、「アリウスのような機動性のあるロボットを」と運動性能の高いスーパーディガーを製作した。その機体を磨き上げた結果、大阪で行なわれたロボファイトSRC部門で二度優勝するまでになった。しかし、GP勢などの重い機体との対決(ちなみにマジンガア、アリキオンには勝利したことがある)の中でパワー不足を痛感し、パワー重視の新機体を製作。それがヒューマノイドカップ・バトル大会初優勝となったのだ。
ROBO-ONE認定大会がスタートし、今回は8つの地方のロボットイベントが認定大会となった。しかし、必ずしもその地方のロボットが優勝し、出場権を獲得できているわけではない。そういう意味でも九州のロボット(ひろのっち氏は地元福岡市の人間)が九州の大会でROBO-ONE決勝トーナメント出場権を得たことは大きな意味があると思う。
・優勝 スーパーディガー
・2位 アリキオン
・3位 アリウス
・4位 九共大ー疾風
・ランブル優勝 九共大ーZERO
■URL
ロボスクエア
http://www.robosquare.org/
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( 大林憲司 )
2007/09/05 15:08
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