7月20日(金)、福岡市南区にある西鉄大牟田線大橋駅構内において夏の交通安全運動街頭キャンペーンが行なわれ、株式会社テムザックの遠隔操縦ロボット「テムザック4」が福岡県南警察署の『1日警察署長』に任命されて交通安全を呼びかけた。
福岡県での夏の交通安全運動は昭和45年に始まった。この時期は夏休みに入るので「子供たちを交通事故から守ろう」との趣旨で始められたが、今年の夏の安全交通運動では、その他に「飲酒運転の追放」「高齢者の交通事故防止」も重点目標として上げられていた。
福岡市でロボットが1日警察署長に任命されるのは今回が初めてではない。2005年4月6日に同じ福岡市内の博多署が行なった春の交通安全運動で、やはりテムザックの警備ロボット「アルテミス」が1日警察署長に任命され、博多駅でイベントに参加している。
これは福岡市にロボット特区があることから「ロボットを1日警察署長として使えないか?」と、博多署からロボスクエアに打診(当時のロボスクエアは博多警察署の管轄内にあった)。最初はASIMOという話もあったが、多額の費用がかかることと「福岡県のロボット」ということで、アルテミスになったらしい。もちろん、ロボットが1日警察署長を務めたのは史上初で、一部では話題になったようだ。
ただ、アルテミスは最近になって九州電力が購入したため、「ロボットと出会うまち・福岡」イベントなどで実績のあるテムザック4が今回の1日警察署長を務めたようである。
今回の街頭キャンペーンは、当初は大橋駅の西口広場で行なわれる予定だったが、天候が思わしくなく大橋駅構内で行なわれた。街頭キャンペーンには福岡市南区長・福岡県南警察署長が出席。挨拶の後、福岡県南警察署長からテムザック4に辞令が手渡され、テムザック4が1日警察署長に任命された。
1日警察署長となったテムザック4は、集まった人たちに対して合成音で「夏はビールのおいしい季節ですが、飲酒運転は絶対にしないでくださいね」と飲酒運転の追放を呼びかけた。福岡県において飲酒運転は去年から大問題になっているだけに、「ロボットの力強さ」を借りてでもPRしたかったのだろう。その後、ひったくり防止ネットなどの防犯グッズが防犯協会のボランティアの手によって、道行く人に配られた。
テムザック4は、先日博多駅で行なわれたイベントに参加したように、いろいろと実績のあるロボットだ。20世紀末に製作され決して新しいロボットとは言えないが、特別なことを求めさえしなければ、イベントなどのパフォーマンスに十分使えるロボットなのだろう。
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西鉄大牟田線大橋駅
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街頭キャンペーンの行なわれた大橋駅構内
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街頭キャンペーンの始まる前の調整
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担当警察との打ち合わせ
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駅構内の片隅に置かれていたテムザック4のマスタースレイブ操縦システム
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キャンペーンでの1日警察署長任命式の様子
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福岡県南警察署長の挨拶
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1日警察署長に任命されるテムザック4
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1日警察署長の辞令を受け取るテムザック4
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辞令を受け取った後のテムザック4
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飲酒運転の追放を訴えるテムザック4
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ただし、音声は内蔵スピーカーからではなく、外部のスピーカーから流していた
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彼女たちは福岡市における放置自転車0を目指すイメージキャラクター「チャリ・エンジェルズ」
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■URL
テムザック
http://www.tmsuk.co.jp/
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( 大林憲司 )
2007/07/24 00:25
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