5月23日、NEDO技術開発機構は平成18年度事後評価に関する記者発表会を行なった。平成17年度に終了した56プロジェクトに対して外部有識者による研究事後評価を行なった結果、44件で「世界初、世界最高水準の成果」、34件で「既に実用化あるいは実用化の見通しが明確」との評価を得たというもの。「次世代ロボット実用化プロジェクト」は、「既に実用化あるいは実用化の見通しが明確」と評価された。
NEDO技術開発機構は、プラン、運営、評価というサイクルでプロジェクト運営を行なっている。NEDO研究評価委員会には外部専門家、有識者から構成される分科会が設置されており、審議により評価報告書を確定する。評価軸は4つある。1)事業の位置づけ・必要性。2)研究開発マネジメント。3)研究開発成果。4)実用化、事業化の見通し。それぞれに対して評価委員が4段階評価を行ない、平均点で決定される。
平成18年度は総数62件のプロジェクトが行なわれ、今回は6件の中間評価と、56件の事後評価が行なわれた。うち55件が合格、優良と認められた成果が38件あった。そのうち世界初または「世界最高水準」と認められたものが44プロジェクト、実用化・事業化の見通しが特に明確であるとされたものは34プロジェクトとなった。
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NEDOの技術評価のしくみ
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NEDO技術開発機構研究評価部 部長 笹岡賢二郎氏
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世界初、世界最高水準と認められたものには「ナノカーボン応用製品創製プロジェクト」、「マイクロ波励起高密度プラズマ技術を用いた省エネ型半導体製造装置の技術開発」、「機能性カプセル活用フルカラーリライタブルペーパープロジェクト」、「携帯情報機器用燃料電池技術開発」、「先進ナノバイオデバイスプロジェクト」が例として挙げられた。
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ナノカーボン応用製品創製プロジェクト
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マイクロ波励起高密度プラズマ技術を用いた省エネ型半導体製造装置の技術開発
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機能性カプセル活用フルカラーリライタブルペーパープロジェクト
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携帯情報機器用燃料電池技術開発
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先進ナノバイオデバイスプロジェクト
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いっぽう、「実用化・事業化の見通しが特に明確であるものの代表例」としては、「インクジェット法による回路基板製造プロジェクト」、「内部熱交換による省エネ蒸留技術開発」、「先進太陽電池技術研究開発」、「タンパク質相互作用解析ナノバイオチッププロジェクト」、「カーボンナノファイバー複合材料プロジェクト」が例として挙げられた。
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インクジェット法による回路基板製造プロジェクト
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内部熱交換による省エネ蒸留技術開発
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先進太陽電池技術研究開発
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タンパク質相互作用解析ナノバイオチッププロジェクト
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カーボンナノファイバー複合材料プロジェクト
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なお「次世代ロボット実用化プロジェクト」(事業総額38億円、委託先:松下電工株式会社、富士重工業株式会社、日本電気株式会社、株式会社テムザック、綜合警備保障株式会社、富士通株式会社、アイシン精機株式会社、株式会社ココロ、株式会社アドバンスト・メディア、三菱重工業株式会社他)は、「顕著な成果」があったとは認められていないが、「博覧会で長期にわたる実証試験を実施。掃除ロボット、チャイルドケアロボットは製品化に達し、具体的な販売計画を有している」ことから、「実用化・事業化の見通しが明確」と評価されている。
NEDOでは今回の評価をふまえ、普及のフォローアップや後継プロジェクトの運営などに反映していくという。
■URL
NEDO
http://www.nedo.go.jp/
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( 森山和道 )
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