5月15日、アップルストア銀座にて「LEGO MINDSTORMS Education」Podcastキックオフイベントが開催された。主催はキャスタリア株式会社。「LEGO MINDSTORMS Education」関連の情報がコンテンツとして企画されているという。イベントではマインドストームに関した講演のほか、レゴを使った教育イベント大会「ファースト・レゴ・リーグ」のレポートを中心とした、第一回の動画コンテンツが上映された。
Podcastは16日から配信される。今後のコンテンツは主に活用事例紹介で、配信は1カ月に1回程度を予定しているという。
|
樺山資正氏。後ろの2ショット写真はウォズニアックと
|
「LEGO MINDSTORMS Education」は昨年10月に発売された。もともとアップル製品のファンだというレゴジャパンの樺山資正氏は、自身のMacintosh関連製品の変遷から講演を始めた。以前は機械に人が合わせていたが、マインドストームは、機械が自分の意図を反映して動くことをイメージしているという。
レゴの本社はデンマークにある。創立は1932年で、もともとデンマーク語で「よく遊べ」を意味する「LEG GODT」が語源。現在、2,200ブロック、55色、6,000のアクティブ部品があるという。8つのポッチをもった2つのブロックの組み合わせだけで24通りの組み合わせがあるが、これがさらに8つのブロックとなると、915万とおりの組み合わせが考えられる。このようにクリエイティビティやイマジネーションを膨らませるものとして、レゴはイメージされて製品化されている。
誕生以降、自由な発想や、発想をさらに豊かにするテーマやストーリー、またデジタル技術を活用した製品が開発されてきた。レゴエデュケーションが始まったのは80年代から。これは子供たちが体験しながら「学ぶ」ことを支援するためのシリーズで、常に「作ることで学ぶ」ということを意識して、商品の開発を行なっているという。子供たちは、遊びを通じ、実際にブロックを組み立てていくことで、原理や構造を学ぶことができる。
「マインドストーム」は、MITとの共同研究開発から生まれたシリーズだ。100万台以上売れ、これはレゴ社のなかでもトップの売り上げだという。世界で25,000以上の教育機関でも採用されており、日本国内でも1,000校以上に教育用マインドストームが導入されているという。
NXTは、iPodが音楽業界を変えたように、ロボティクスの世界を変えたいという意図で開発された。同じくコンシューマ用と教育用セットがある。CPUは32bitになり、頑丈で早く組み立てられるようにボディにはテクニックシリーズを使い、プログラムも、より直感的に行なえるようになった。また距離を測れる超音波センサーや、サウンドセンサーなど新センサーを搭載している。
開発過程でも、従来のレゴは社外秘で行なわれいたが、NXTはハイレベルのユーザー4名の協力を得て開発された。彼らには、無償で協力してもらうかわりに、クリスマスにはレゴの最新のセットが贈られているという。
樺山氏は、そのほか、試行錯誤を通したチームワークやプレゼンテーションを重視している「ファースト・レゴ・リーグ」の理念や実際の参加者である子供たちの様子を紹介して話をまとめた。
|
|
NXT開発に協力した4人のユーザー
|
【動画】超音波センサーのデモ
|
このあとは日本科学未来館にて開催されたFIRST LEGO League「NANO QUEST」で審査員を務めた東京大学の石原直教授、メディアコンテンツ制作などを通じた学び支援活動を行なっているNPO法人CANVASの石戸奈々子氏を交えて、講演が続いた。石原氏は「子供たちがよく調べていることに驚いた」、石戸氏は、「日本人は表現下手だといわれるが、そんなことはないのではと思うくらい子供たちのプレゼンテーションはうまかった」という。
石原氏は、「よい研究が出てくるかどうかにおいては好奇心が重要」、石戸氏は「いまの子供たちにとってはデジタルアナログは無関係。子供たちの好奇心や関心は無限大」と述べた。樺山氏はファーストレゴリーグの様子を通じて、その場での応用力が今後の日本の子供たちの課題ではないかと指摘した。「好奇心のフィードバックループ」が重要だという。
|
|
東京大学 石原直教授
|
NPO法人CANVAS 石戸奈々子氏
|
■URL
LEGO MINDSTORMS
http://www.legoeducation.jp/mindstorms/
キャスタリア
http://www.castalia.jp/
■ 関連記事
・ 「レゴ マインドストームNXT」日本語版、今秋に発売(2006/06/06)
( 森山和道 )
2007/05/16 14:54
- ページの先頭へ-
|