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ZMP、miuro用自律移動機能ソフトウェアを販売開始

~家庭のなかで「音楽を運ぶ」ロボットへと進化

 株式会社ゼットエムピー(ZMP)は、iPod用ロボットスピーカー「miuro(ミューロ)」のオプションとして、自律移動機能ソフトウェア・パッケージの販売を開始した。同社オフィシャルサイトからのダウンロード販売となる。価格は19,800円。先に販売開始した「PCコントローラ」も含まれている。

 今回、同社がリリースした自律移動機能は、本体内蔵のカメラと、車輪の回転数を計測するエンコーダーを使って、miuroが部屋のマップを作成、自分の現在位置を把握して、ユーザーが記憶させた場所まで移動するというもの。

 マッピング終了後にユーザーが音楽再生ポイントを記憶させた後は、ワンボタンでその場所までmiuroが移動し、予め記憶させた音量・音場で音楽を再生する。自分自身がオーディオの前に行って操作するのではなく、音楽をユーザーの場所まで「運ぶ」というイメージだ。

 また、予め、時間、場所、音楽のプレイリストなどを設定しておけば、特定の時間場所で好みの音楽を再生させることもできる。目覚まし時計などは、こちらの用途になる。

 なおソフトウェアはPCにダウンロードして実行するため、自律移動機能を使用するためには、PCと無線LAN環境が必要になる。OSはWindows XPで、推奨スペックは、CPU:Pentiumu 4 2GHz、メモリ:512MB、HDD:1GB、グラフィックボード:DirectX 9.0c以上、Direct3D、VRAM32MB以上。


miuro本体 ディスプレイに「リビング」と表示されており、miuroが、自分がリビングにいることを把握していることが分かる 移動中のmiuroが把握している部屋の地図

3方向に向けられたセンサーで障害物を検知しながら進む 水色の矢印はmiuroが写真を撮影した位置と向き。赤は障害物 地図はPC側に持つ。およそ20m四方くらいの広さのマップを作成する

マップ・登録ポイント名はユーザーが指定する 場所ごとにどのように音楽を再生するか指定できる 【動画】指定した場所に移動していくmiuro

記者会見が行なわれた大和ハウス工業株式会社「D-TEC PLAZA」。「近未来の暮らしに遭いに行こう!」をテーマにしたショウルームで、耐震性能を体験したり、これからのスマートハウス技術を体験できるスペース 株式会社ゼットエムピー代表取締役・谷口恒氏 株式会社ゼットエムピー・miuroプロジェクトマネージャー・西村明浩氏

 自律移動機能の技術的な特徴は3つ。1つ目は、床面摩擦の自動キャリブレーション機能だ。カメラとエンコーダーを使うことで、フローリングやじゅうたんなど、床面によって異なる摩擦環境によるずれを自動で補正できる。キャリブレーションのためには、まず最初に画像を撮影する。その後、miuroは左右それぞれに720度(2回転)ずつ回転する。そしてまた画像を撮影する。この作業により、床面移動によって、どの程度、自己位置がズレるかを自動で補正することができる。

 ただし、フローリングと絨毯、それぞれの床面の摩擦を1枚のマップで両方登録することはできない。なおmiuroは3枚のマップを製作することができる。たとえば1F、2Fそれぞれを別の床面マップとして持つことは可能だ。

 2つ目は現在位置の把握である。部屋のなかの風景をmiuro自身が撮影し、その画像をもとに、自分がどこにいるかを把握する。エンコーダーとカメラ画像の2つによって、miuroは自己位置を絶えず補正しながら移動することができる。ユーザーが持ち歩いたあとでもしばらく動いていれば、画像から自分がどこにいるか把握しなおすことができる。

 撮影するポイントは、miuroが自分で決める。部屋のなかで家具や植物などが置かれていて「目印」として使える風景を撮影し、その画像中のなかで特徴ある部分を自動抽出することでランドマークとしているという。人間が知らない駅で降りたときに、目立つビルを記憶しながら歩くのと似たようなイメージだ。

 環境自体にランドマークを貼る必要はない。いっぽう、絶対位置で把握しているわけではないので、部屋のなかを大幅に模様替えしたときなどは、もう一度部屋のマッピングをする必要がある。

 3つ目が目的地までのルート判断だ。移動ルートはmiuro自身が設定する。移動ルートに障害物があった場合、miuro自身が回避ルートを再設定し、避けて移動していく。

 ZMPによれば、画像認識による現在位置把握と目的地までの自律移動機能を備えたのは、家庭向け製品としては世界初だという。

 なお自律移動機能は、今年3月にリリースされた「PCコントローラ」とシームレスに繋げて使うことができる(PCコントローラは自律移動機能パッケージに含まれる)。途中までPCコントローラでユーザーが移動させ、そこから自律移動に移行させることが可能だ。


【動画】床面摩擦の自動キャリブレーションの様子 【動画】障害物を回避して移動していくmiuro ワンボタンで指定した場所まで移動するので、ボタンを押した後はロボットにおまかせ

「miuro」の販売状況と今後 ~アップルストア銀座でイベントも

miuro本体のパッケージ
 「miuro」本体は今年3月から三井物産株式会社を販売店とし、全国主要都市での店舗販売を開始している。初期ロット500台は既に出荷したという。

 また今後は、「サイエンス×アート×miuro」をテーマとし、科学者やサウンドアーティストとのこらえボレーションイベントも行なっていく予定だという。

 5月31日(木)14時~15時には、アップルストア銀座にて「サイエンス/アート/ロボティクス:自律性について考える」が行なわれる。出演者は、複雑系や人工生命の研究で知られる東京大学大学院総合文化研究科の池上高志助教授と、ZMPの谷口恒社長ら。Mac上で動作する人工生命体のシミュレーションプログラムをmiuroに適用することで、新しい価値・利用形態の可能性を探る、という。


URL
  ゼットエムピー
  http://www.zmp.co.jp/
  製品情報
  http://miuro.com/

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ZMP、miuroをPCで操作する「PCコントローラ」を発売(2007/03/09)


( 森山和道 )
2007/04/27 00:00

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