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KONDO CUP 12.03 『 TWO CHAMPIONS 』開催

~王者、タイトル初防衛なるか

 ずいぶん間が空いてしまいましたが、2006年12月3日、東京・秋葉原の「KONDO ROBOSPOT」にて、二足歩行ロボットによるサッカー競技会「KONDO CUP」の第2回大会が行なわれました。同施設の主催による初の競技会イベントでしたが、当日参加も含め6チームが集まり、熱戦を繰り広げました。

 『TWO CHAMPIONS』と題された今回の競技会は、先日アキバロボット運動会2006で開催された第1回KONDO CUPのオープンクラス優勝「ロボット野郎Aチーム」と、KHRクラス優勝「RFCバンブーブリッジ」が招待され、その2チームへの挑戦権をかけてワンマッチトーナメントが行なわれるという、ロボット競技会としては異例ともいえる構成になっていました。プロレスの王座決定戦なんかでよくある形ですね。ちなみに、手前味噌になるんですけども、筆者は「RFCバンブーブリッジ」の一員でもあるので、チャンピオンとして参加してきました。ですので、今大会もレポート形式でお届けすることにします。

 KONDO CUPの競技ルールは「ロボットのフットサル」だと思っていただければほぼ間違いありません(サッカーと違い、ラインを出たボールはスローインではなくキックでフィールド内に入れます)。また、オフサイドなどの細かいルールは設定されていませんが、サッカー競技なのでキーパー以外は手を(意図的に)使えませんし、ボールを持っていない選手に明らかなチャージ(攻撃)をするなどのラフプレーはファウルとなり、警告の対象となります(警告2回で退場)。

 クラス分けの基準については、前回と同じく先代のKHR-1とKHR-2HVをベースにした、改造度が少ない機体の「KHRクラス」と、全身がKONDO製サーボを使用している二足歩行ロボットならOKという「オープンクラス」となっています。

 ちなみに「RFCバンブーブリッジ」は全員がほぼノーマルのKHR-2HVです。オプション関係は無線化と、KONDO CUPを主催する近藤科学株式会社から配布されている「サッカー対応モーション・説明書 KHR2HVSP2.EXE」のモーション一通り。およびその説明書内で推奨されているジャイロなどのオプションを搭載している状態です。モーションはオリジナルのものがいくつか入っていますが、ハードウェアはほとんどいじっていないので、「KHRクラス」ということになります。


前半2試合は各クラスの「挑戦者決定戦」

 まず第1試合は、オープンクラスの挑戦者を決定する一戦。クロムキッド(くぱぱ氏製作。以下同)、素体kun(吉田氏)、ぺんと(なぐ氏)の3名による「素クロムぺんと」は、個人参加で集まった当日結成のチームです。一方、対する「エスプレッソスギウラ」は、ダイナマイザー、ダイナマイザーHV、レトロ、河童という、二足歩行ロボット格闘競技会・ROBO-ONEで好成績を残しているロボットを擁する杉浦一家のファミリーチームです。ロボットの形こそまちまちですが、チーム参加ということもあって、お揃いのブルービブスを用意しています。

 試合はさすがオープンクラス。どちらのチームも速い上にキック力があります。しかも「エスプレッソスギウラ」のダイナマイザーやレトロはROBO-ONE Special(ROBO-ONEの中のアスリート大会のようなもの)で総合優勝や部門優勝を成し遂げているような機体なので、運動性能は高いのです。

 しかし、この試合の中で注目を集めたのは「素クロムぺんと」のぺんと。ROBO-ONE GPを2勝するなど「素クロムぺんと」チームの中では頭抜けた実績を持つ機体です。

 実はKONDO CUPレギュレーションに照らし合わせると、「足より手が長くてはいけない」規定に抵触するため、本来は出場できなかったのですが、今回は「特別に」エスプレッソスギウラ側にも許可を取った上で出場していました。そんな経緯もあって、手を使ったら警告、と予告されていたのですが、前半途中でパンチモーションが出てしまい(なぐ氏はわざとではないと念押ししていました)、まず最初の警告を受けてしまいます。

 その直後にはボールをやはりパンチモーションで動かしてしまい、二度目の警告。前半残り1分というところで累積2枚の退場となってしまい、チームを危機に陥れてしまったのです。これで数的不利となった「素クロムぺんと」は、押し込まれながらも前半をしのぎきります。

 後半はぺんとが戻り、どちらも惜しいシュートを放つものの、決めきれずにPK戦に突入。最後はクロムキッドがキーパー・レトロのわきの下を抜く見事なシュートを見せ、0-0(PK1-0)で「素クロムぺんと」がチャンピオンへの挑戦権をゲットしました。


【動画】4分過ぎにぺんとが最初の警告。すぐに2枚目の警告を受ける 【動画】開始15秒あたりでダイナマイザーがいいシュートを打つも、クロムキッドもナイスセーブを見せる 【動画】PK戦に突入。クロムキッドのシュートは絵に描いたようなシュートになっている

 第2試合はKHRクラスの挑戦者決定戦。ガルー(くまま氏)、こめた(森永英一郎氏)に加え、直前でキャンセルが出たために当日たまたまROBOSPOTを訪れていた道楽、氏のか~るが加わった個人参加チームの「チームみらくる」と、神奈川工科大学の兵頭先生率いる学生チーム「KAIT RFC」の顔合わせとなりました。

 ガルーのくまま氏はオープンクラスのくぱぱ氏とご夫婦で、ROBOSPOTにも何度となく訪れている常連さん。こめたの森永氏は第2回ROBO-ONEで優勝した“Metallic Fighter”の製作者。道楽、氏は第一回KONDO CUPにも参加しており、2回戦で我々バンブーブリッジと対戦しています。当日結成のチームですが、その実力は侮れません。

 対する「KAIT RFC」は11月の第1回KONDO CUPで準優勝。その負けもオウンゴール2発ということで、非常に悔しい思いをしたようです。今回は学内で練習試合も行ない、準備万端で乗り込んできました。「今度こそ勝ちますよ」というコメントも力強い。

 試合はどうにもよく転んでしまう「KAIT RFC」が、比較的押し込まれる展開になります。決定的な場面も何とかしのぎきり、前半がスコアレスで終わろうとした残り4秒という終了間際、「KAIT RFC」のゴールキックが、歩いてきたガルーの足元へのパスとなり、そのまま跳ね返ってきてゴール。いやな時間帯で不幸な形の1点を失ってしまいます(ガルーとしてはごっつぁんゴール)。

 後半は開始直後にこめたの見せ場が出ます。ラインを割ったボールは通常キックインされるのですが、こめたは足元のボールを手で拾うと、そのままスローイン! KONDO CUP初のスローインを披露します。本来はキーパー以外は手を使ってはいけないので“ハンド”なのかもしれませんが、そのあたりは柔軟に解釈されているのでしょう。野暮なことを言ってはいけません。しっかり反って投げているあたり、かっこいいし。

 結局そのこめたが試合を決める2点目のゴールを決めて、「チームみらくる」が2-0で勝利し、KHRクラスのチャンピオン決定戦に進みました。


【動画】最後の最後で、KAIT RFCとしては悪夢のような1点が決まる 【動画】開始20秒あたりでのスローインに注目

後半の2試合で、王座への挑戦が始まった

 「素クロムぺんと」チームを迎え撃つ「ロボット野郎Aチーム」は、ROBO-ONE GPで優勝したこともある旋風丸(Dr.GIY氏)、第1回KONDO CUPで脅威のキック力を見せたT-Storm(Tom-i氏)、これぞキーパーといった大きな手を持つファイマン5(AIR氏)という3名によるオープンクラスのチャンピオンチームです。事前にROBOSPOTでチーム練習も行なっているということで、試合の場面場面でキャプテンDr.GIYさんの指示のもとにフォーメーションが組まれます。

 前半、お互いがまだペースをつかみきれていない中、少しずつ「素クロムぺんと」チームが優勢になります。その原動力となったクロムキッドが、コーナー付近の角度のないところからのキックインで、ボール1個分の隙間を通し、直接ゴールを決めて先制点を奪います。誰一人動けなかった、見事なシュート!

 これで目が覚めたのか、「ロボット野郎Aチーム」は2トップが怒涛の攻めを見せます。ゴール近くのキックインから何度となく攻め立てますが、守る「素クロムぺんと」側も体を張り、なかなかゴールを割れません。そこでキッカーのT-Stormは状況を変えようというアイデアからか、キックインを大きく蹴らず、ドリブルで出るという選択をします。これでにわかに混戦となったゴール前でボールがこぼれ、勢い余った「素クロムぺんと」側のオウンゴールで1-1の同点となり、そのまま前半が終了します。

 後半も開始直後から攻守交替が激しいゲームになります。そんな中、T-Stormの放った大きい展開のキックを処理に行ったぺんとが転倒。副審がフィールド内に機体を戻した際にボールが無人のゴール前に転がってしまい、あとは旋風丸が“ごっつぁん”とばかりに押し込んで2-1とします。

 さらに攻め立てられて防戦一方かと思われた「素クロムぺんと」ですが、残り30秒になろうというところで、初めて積極策に出たキーパーのぺんとが「ロボット野郎Aチーム」の2トップを置き去りにしてハーフウェーまでボールを持ち込みます。そこで待ち受けていたのがエースのクロムキッド。前がかりになっていたキーパーのファイマン5をも抜いて、残り10秒で起死回生の同点ゴール! PK戦に持ち込みます。

 PKは互いの3人すべてが失敗して、2順目に入ったところで旋風丸が見事なシュートを決め、「ロボット野郎Aチーム」が2-2(PK1-0)で王座防衛を果たしました。


【動画】1点目を生んだクロムキッドが果敢に攻め込むあたりが見所 【動画】冷静に見ると徒競走のようだが、3分30秒あたりからの30秒は脳内ではアニメのクライマックスのように見える(妄想?) 【動画】「素クロムぺんと」対「ロボット野郎Aチーム」PK戦

 KHRクラスのほうは、本誌でも活躍している石井英男氏のfighting-γと、同じくロボット系の記事を執筆されているフリーランス・大塚実氏の宗0郎、私の梓KHRという3機による「RFCバンブーブリッジ」対「チームみらくる」の顔合わせ。「RFCバンブーブリッジ」は全員がほぼ同仕様のKHR-2HVのため、識別のためにそれぞれ「#10」「#19」「#22」という背番号を貼っています。第2回のために胸カバーをグリーンに統一したので、よりチームっぽく(竹っぽく?)なりました。

 キックオフから押し込まれ気味になりますが、そこから今回新兵器となる“速い横歩き”モーションでじわじわと盛り返し、まず1点目をポイントゲッター#19大塚さんが横歩きで流し込みます。その後も押していくのですが、さすがに挑戦者も勝ちあがってきたチーム。しっかり守られてしまい、1-0で前半を折り返すことになります。

 後半に入って35秒あたりで、#19大塚さんがもうひとつの新兵器“後ろキック”で一気に相手陣内へボールを送る場面があります。ボールが後ろにあっても方向転換の必要がないので、かなり有効なのです。ロボットには前も後ろもありませんしね。

 その後はキーパーの私も前線に上がって「3トップ/ノーバック(解説の杉浦氏による)」状態で攻め続けます。団子状態になっているように見えるんですが、実はバンブーブリッジの面子はだいたい「ボールが出てきそうなところ」に陣取って、チームメイトの邪魔をしないようにしているんですよ。

 混乱の中、#22(私)と接触したこめたがゴールライン上でボールの上に倒れてしまいます。こめたはそのまま起き上がるとオウンゴールになってしまうと考えたのか、スローインのモーションでなんとかボールを外に出そうとするんですが、結局ボールはこぼれてしまい、オウンゴール。2-0となります。試合はそのままタイムアップとなり、KHRクラスも「RFCバンブーブリッジ」が王座を防衛することができました。


【動画】しょっちゅうウチのチームが移動に使っているのが「速い横歩き」 【動画】後ろキックがかなり有効なのが実戦でわかり、モーションを作った本人もびっくり

望んでかなわなかった、夢のエキシビジョンマッチ

 最後にエキシビジョンマッチとして開催されたのが、オープンクラス「ロボット野郎Aチーム」とKHRクラス「RFCバンブーブリッジ」という2クラスのチャンピオンが直接対決する“夢の対決”です。じつは第1回KONDO CUPの会場で「ぜひ対戦したい」と主催者側に申し込んでいたのですが、時間の関係でかなわなかった組み合わせなのです。

 この日の最後にこの2チームが対戦することがすでに決定していたため、直前までの試合で各クラスの王者が交代していると「昨日までの王者との対決」という悲しい試合になる危険性がありましたが、両チームともしっかりと王座防衛を果たし、この日のラストマッチで盛り上がりは最高潮になります。完全に今日の主役の一角なのだと思うと、武者震いがしました。これを経験すると競技はやめられなくなっちゃうんでしょうね。

 我々バンブーブリッジもこの試合には期するものがありました。前回の記事にも書いたとおり、KONDO CUPのロボットサッカーのいいところは、機体の性能差がそのまま結果には結びつきにくいという点です。格闘では絶対に勝ち目がない相手でも、チームなら勝てるかもしれないのです。それが実際に可能なのだということを、このオープンクラスとのエキシビジョンマッチで証明したいと思っていました。“速い横歩き”も“後ろキック”も、そのために開発したオリジナルモーションなのです。

 しかし、いざ試合が始まると、開始直後から自陣内に怒涛のごとく攻め込まれます(動画で画面左にロボットが消えている状態は、ピンチだと思ってください)。何とか押し返そうとしても、キック一発でセンターサークルからゴールを狙われてしまうので、常に押されているような状況です。

 ボールがこぼれていると、乱戦の中でゴールが決まってしまうことがあることが経験上わかっていましたから、キーパーの私はゴール前までボールが来てピンチになったら、ラインの外にボールを出し、はっきりとクリアしてセットプレーになるようにしていました。セットプレーなら、メンバーが戻って守備も堅くなるからです。


 しかし、安全策をとってコーナーキックにしたのに、旋風丸の見事すぎるコーナーキックがピタリとT-Stormの足元に収まり、そのままシュート! 絵に書いたようなゴールを決められてしまいます。本当に、魔法にかかったみたいに身動きができませんでした(動画で見るとバックはしてるんですが、自分の機体がスローモーションで動いているように見えました)。

 これで1点ビハインドになります。勝つためにはまず1点入れなければ話になりません。ここでバンブーブリッジは総力戦に出ます。「3トップ/ノーバック」です。キックオフから積極的に攻め込み、相手ゴール近くでキックインを得ると、#19大塚さんがドリブルでゴール前に持ち込み、混戦の中から#10石井さんが横歩きで流し込み、1-1のイーブンにします。点を取られた直後のゴールですから、とても勇気付けられたのを覚えています。「これならいけるかも!」と思いました。前半はそのまま1-1で折り返します。

 後半、ふたたび「ロボット野郎Aチーム」が押し込んできます(いっぱいいっぱいで、後半の映像を取り忘れてますよ、私)。しっかり踏ん張ればなんてことはなかったんでしょうが、こぼれたボールを処理しに行ったところで私が転倒。キーパーの私が転倒するということは、ゴールはがら空きです。あわてて2人のメンバーが守備に戻ってきますが、そうなれば当然相手は傘にかかって攻めてきて、ゴール前は乱戦に。転倒から復帰して私もボールをクリアしようとするのですが、蹴ったボールがT-Stormの足に当たり、ゴール。絶好のアシストをしてしまいます。

 ビハインドになってから積極的になっても遅いのですが、バンブーブリッジはもう1点を取りに行きます。きれいに決めることはできませんが、3人が上がって乱戦の中から#19大塚さんがシュート! 同点ゴールを決めます。チーム得点王はだてじゃありません。


【動画】対ロボット野郎Aチーム、前半。機体が動くときの音の“重量感”が違います 【動画】1点目はあまりに見事でした。これは別の角度から(撮影はライター森山さん。ありがとうございます) 【動画】2点目が混乱の中でテンパった私のミスなのが良くわかります(これも撮影は森山さん。ありがとうございます)

 そのまま時間切れとなり、“夢の対決”は2-2の同点。PK戦までもつれ込みました。お互いに2人ずつはずした3人目、「ロボット野郎Aチームは」T-Stormが強烈なシュートで1つ先取します。最後のキッカーは私で、はずせば敗退。かといってオープンクラスのような強いキックは出せません。うろうろしているうちにボールに触ってしまいますが、審判の「継続!」という宣言で一安心(T-Stormはたまったものじゃないでしょうが)。ボールを足の内側に引っ掛けて、変化を狙ったシュートは、コロコロと転がりながらカーブしてゴール右隅へ。決めた私は思わずガッツポーズ。12面体のぬいぐるみサイコロだからこそ起こる奇跡です。

 PK1-1となって、キッカーは2順目に。試合を決めたのはやはり得点王・#19大塚さんでした。遠目から横歩きでボールの正面に入り(ちょっとボールは動きましたが)、そのままシュート! 一連の流れを初めから考えていた組み立てで、「RFCバンブーブリッジ」を勝利に導きました。


【動画】一巡目3人目の二機。T-Stormのシュートは「止めた」と思ったんですが、完全にボールのほうが速かったです。私のは、ビミョー…… 【動画】最後に決めた大塚さんのシュート。すばやい動きはさすがです

世の中のKHR-2HV・総バンブー化計画

 「RFCバンブーブリッジ」としては、最後のPKが審判の判定に助けられた部分もあるので、諸手を挙げて「完全勝利!」と言いづらい部分はあります。しかし、試合の中で2-2のドローに持ち込んでいるのですから、十分に胸を張れる試合だったといえるでしょう。

 KHR-2HVをベースに、ジャイロ(2つで1万円くらい)と、無線機セット(2万円くらい)、バスタブソール(2,000円くらい)をプラスした機体で、オープンクラスの機体と五分に持ち込んだわけですから、前回の記事で私が書いた「勝ち目はあるはず」という言葉は証明できたんではないでしょうか。

 私たちのチームに強さがあるとするなら、それを支えているもののひとつは、ROBOSPOTでコートを使ったチーム練習を(少なくとも試合前に1回は)行なうことでしょう。チームで練習することで、3機がコートで同時に動く感覚を体感できます。そこで相手がいて、練習試合になれば試合勘も養われるでしょう。結構この試合勘って重要です。

 もうひとつが、モーションの共通化だと思います。3人が3人とも同じ機体なので、1人が開発したモーションを移して微調整するだけで、まったく同じ動きができるようになるのです。1人でオリジナルモーションを開発するのは大変ですが、“三人寄れば文殊の知恵”というように、複数で考えて作れば、3倍のアイデアや思いつきを3人の中でブラッシュアップしつつ完成させることができますし、チームメイトの性能にも影響があるとなれば、気合いも入るというものです。

 このモーションの共通化は、別にチームメイトだけに限りません。KHR-2HVに上記のオプションを付けている機体であれば、誰でも共有できるものです。そこで「RFCバンブーブリッジ」は、“速い横歩き”や“後ろキック”などを含め、このモーションたちを公開してしまおうと思います。

 まあ、ちょっと慣れた方なら見ただけでまねできる程度のモーションではありますが、昨日KHR-2HVを組み上げた方でも組み込んで遊べるように、モーションデータまの形で公開します。そうすることで、KONDO CUPの競技レベルが上がり、やる人にも見る人にも楽しいものになるのが一番だからです。チームを組むまでは行かない、個人参加の方が、ある程度実戦的なモーションがきっかけになって、踏み込みやすくなってくれればさらに嬉しいですね。

 公開はROBOSPOTのサイトで既に行なわれているので、そちらからダウンロードして、ぜひお手持ちのKHR-2HVに組み込んでください。そして組み込んだ機体でKONDO CUPやROBOSPOTで月一回ほど行なわれている“定期サッカー練習会”に参加していただけると、「RFCバンブーブリッジ」として本望です。格闘だけがロボットの遊び方じゃないってことを実感してもらえると思います。

 自分たちのモーションを公開することで、「RFCバンブーブリッジ」のアドバンテージはちょっと小さくなりましたが、もっと楽しい競技ができることを楽しみに、次のKONDO CUPを待ちたいと思います。


当日は見学者によるサッカーゲーム体験コーナーが行なわれた。本来はお子様優先というアナウンスだったが、当日いたお子様はちょっと自分で操縦するには幼なすぎたので、大人が体験操縦 大会の様子は静止画中継だったが、ネットからアクセスできるようになっていた。何度もリロードして観戦していた人もいるとか…… 左がオープンクラス優勝「ロボット野郎Aチーム」、右がKHRクラス優勝「RFCバンブーブリッジ」

URL
  ROBOSPOT
  http://www.robospot.jp/

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第1回KONDO CUP参戦記(2006/11/14)


( 梓みきお )
2006/12/26 05:27

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