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会場の入り口には警備員も配置され、物々しい雰囲気。主催・共催の欄には中国科学技本部をトップに、中国国内のロボット関連組織・会社がズラリと並ぶ
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10月11日~10月13日、中国北京市の北京国際会議中心において、2006年中国国際机器人(ロボット)展覧会が開催された。
ロボットに関する国際会議の中でも1、2を争う規模である、The 2006 IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systemsと期間・会場を同じくして開催されたこの展覧会。日本のネットで話題となった中国製ロボット『先行者』から6年の歳月が経った今、世界中のロボット研究者が注目する中で、どのようなロボットが登場し、どのようなデモンストレーションを行なったのか、画像と映像を中心にレポートする。(編集部注:中国名の固有名詞についてはそのまま入力しているので、一部文字化けする場合があります。ご了承ください)
● こっちは双子? そっちは指導者? そして有名女優まで!
会場に入って周囲を見渡すと、中ほどに際立って人だかりのできているブースが。その西安超人彫塑研究院のブースに行き、人垣をかき分けて中を覗いてみると、そこには中国版『ジェミノイド』? 顔や髪型はもちろん、服装や眼鏡、胸に下げた出展者証まで完全にそっくり同じな2人が並んで椅子に座っていた。同研究院の鄒人倜院長と、院長をモデルにしたロボット『鄒人倜』である。
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普段は博物館の展示に用いられる歴史上の人物の人形等を手がけている同研究院、その技術によってホクロや耳の形、手指の血管などの細部までリアルに再現されており、遠目にはどちらがロボットだか判断に迷う(手前がロボット)
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【動画】たまにまばたきをしたり、周囲に視線を巡らせる動作を行なう。動きにはまだ不自然さが残るが、この分だとロボットが『不気味の谷』を乗り越える日もそう遠くないと思えてくる
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圧倒されていたのも束の間、さらに奥のブースから聞こえてきた歌声に導かれるように進むと、そこにはスラリとした金髪美人のロボットを囲んで、先ほど以上の人が集まっていた。北京远大超人机器人科技有限公司の、セリーヌ・ディオン(?)ロボットである。
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【動画】見事なプロポーションとセクシーなミニスカート&へそ出しルックに、思わず手を出してしまう観客が続出。気になる触り心地は、まさに厚手のシリコンといった感じで、人肌よりはちょっと固め
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会場の中でも一番、入り口から遠いブースであったのだが、歌が始まるとあっという間に人だかりが。ちなみに1日目は金のロングドレス、2日目はミニスカートとお色直しも完璧
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セリーヌ・ディオン(?)ロボットの後ろには、中華人民共和国初の政務院総理(日本の内閣総理大臣に相当)であった、周恩来のロボットが。
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【動画】呼びかけに手を上げて応える気さくな一面を見せる周恩来ロボット。耳が遠くなってリセットボタンを押してもらうのはご愛嬌
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【動画】熱のこもった演説を行なう周恩来ロボット。見た目や音声認識機能だけではなく、口元や眼球の動き、瞬きなどの動作を生成することが可能
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● 中国のホビーロボット&家庭用ロボット
精巧なアンドロイドの群れに度肝を抜かれかけながらも、もう一度入り口付近のブースから、今度はゆっくり会場を見て回ることに。意外なことに、出展されているロボットの中で一番多かったのはホビー・教育向けのロボットキット。小型ヒューマノイドロボットから、日本のロボコンにも使われそうなライントレースロボット、ロボット関連書籍まで、さまざまな種類のものがあちこちのブースで展示されていた。
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北京汉库科技有限责任公司の、2足歩行ロボットキットの紹介ポスター。24自由度のヒューマノイドロボット“HGR-2”、17自由度の“HGR-3”とラインナップも豊富
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どこかで見たことがあるような気もする、3自由度の2足歩行ロボット“Coolrobot”は、お値段1,000人民元(約15,000円)以内! とのこと。初日には実物のロボットがデモンストレーションを行なっていたのだが、2日目からはポスターだけに
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【動画】广州市天河双龙电子有限公司のロボットキットの製作例として展示されていたのは、2008年に迫った北京五輪のマスコットの1つである『ヂンヂン』のぬいぐるみロボット。音楽に合わせて頭を動かす
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先のロボットキットなどの制御プロラムの製作に用いることができるソフトウェア“Robot DIY”。会場ではCD-ROMによるソフトウェアの配布も行なっていた
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南京紫光科教仪器有限公司のロボットキット、“I-ROBO”シリーズ。ライントレースなどのデモンストレーションを行なっていた
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大谷电子科技有限公司の二足歩行ロボットキット“YETI”。赤外線LEDによって前方の障害物を検出、回避する機能を有する
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【動画】“YETI”の歩行の様子。1つのモータで前進・後退・転回を実現しているのは興味深いが、最後にハプニングが……
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ホビー・教育用ロボットの他にも、家庭用の掃除ロボットや芝刈りロボットなどが展示され、日本同様、家庭や学校にロボットが浸透しつつある状況が見て取れる。
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やはりどこかで見たようなシルエットの、上海罗宝信息技术有限公司の“Robot vacuum cleaner”。画像では有線で充電しているが、無線での自動充電も可能とのこと
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同じく上海罗宝信息技术有限公司の、太陽光発電パネルを有する芝刈りロボット“Robot Mower”。自ら経路を設定し、障害物を回避しながら芝を刈り進むことが可能
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● 研究用ロボットにもさまざまな種類が
ここまで企業のロボットばかりを紹介してきたが、大学や研究所などで現在研究が進行中のロボットも会場に展示され、デモンストレーションを行なっていた。これまで紹介してきたロボットと比べるとまだまだ荒削りだが、それらの姿からは中国のロボット研究の最前線を垣間見ることができる。
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【動画】北京科技大学电子信息系の『孫悟空』ロボット。音声認識を行ない、身振り手振りを交えてコミュニケーションを行なう
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同じく北京科技大学电子信息系の『电子哈哈镜(電子マジックミラー?)』とタイトルのついた顔ロボット。相手の表情に合わせてロボットも表情を変えるものと思われるが、ちょっと怖い……
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【動画】中国科学院自动化研究所のコミュニケーションロボット。人間から話しかけられた音声認識の結果を腹部のモニターに表示し、かつ表情を変えながら受け答えを行なう
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天目航空科技の無人小型ヘリコプター(UAV)、“天目”。カメラを搭載し、上空からの画像の撮影が可能
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北京京金吾高科技有限公司の危険物処理ロボット。爆発の恐れがある危険物を回収し、牽引車上の防護缶へと投入することができる
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● 中国の、ロボットに対する意識の高さ
『先行者』から6年、と冒頭で触れたが、この会場を見て回っただけでも中国のロボットが現在、さまざまな分野・技術へと進出し、吸収し、発展する様が手に取るように感じられた。少々怪しげな(?)ロボットもないわけではないが、そのようなロボットも含めて、前へと突き進むエネルギーが今の中国ロボットにはあるのではないだろうか。
また、北京市街からは少し離れた会場の立地条件にも関わらず、展覧会には国際学会に参加していた研究者以上に、子どもも含めた多数の中国の方々が訪れていた。この一般からの関心の高さが、さらなる中国ロボット発展の原動力になるのではないかと、日本人として脅威を覚えるような展覧会であった。
■URL
2006年中国国際机器人展覧会
http://www.ceieac.net/robot2006/
( baby touch )
2006/10/26 00:05
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