松下電工株式会社は、複数台のロボットが連携して作業をする無軌道自律走行ロボット「血液検体搬送ロボットシステム」を実用化し、臨床検査会社・株式会社ビー・エム・エルへ納入したと発表した。合計15台のロボットを納入予定で、すでに第一期の10台が10月から運用中。第二期で残りの5台が納入されるという。
血液検査検体の受け取りから自動分析装置へのセッティングなど一連の作業を自動で行なうシステム。通常、こうした自動搬送システムでは、走行経路ガイドとして、マーカーなどを屋内に設置する必要があるが、同システムでは、事前に屋内の地図を入力してあれば、PCから経路を指定するだけで運用できるという。
ロボットの主な仕様は、本体サイズが600×755×1,088mm(幅×奥行き×高さ)、重量約150kg。可搬重量は10kg。バッテリは鉛蓄電池×2で、連続稼働時間は7時間以上(充電時間は8時間)。移動速度は1m/秒。
本体にはレーザーレーダを搭載し、人間など、あらかじめ想定されていない障害物にも対応が可能になっている。直接、人間に衝突した場合に備えて、バンパーも本体の上部と下部に装備する。
また、複数体のロボットの同時運用ができる「複数ロボット同時運行・監視群制御システム」を新開発。複数体のロボットを衝突・渋滞させることなく自動的に最適化するほか、仕事量に応じて、稼働ロボットの数を自動的に増減したり、故障したロボットの代替機の補完なども自動で行なう。また、一日の作業量からロボットの充電計画をたてることで、ロボット単体では7時間の稼働ながら、システム全体では24時間の運用も可能になる。
検体の受け渡しには、高精度制御機構を採用した高精度オートローダを搭載。横方向で±30mm、回転方向で±5度の停止誤差を補正し、確実な荷物の受け渡しを実現するという。
松下電工では、2002年春に、病院内での検体、薬品、X線フィルムなどを、自律で搬送するロボット「HOSPI(ホスピー)」を開発。2005年には、NEDOの委託をうけて、屋外用自律走行型掃除ロボット「SuiPPi(スイッピー)」を開発し、愛・地球博会場内で無軌道自律走行の長期実証実験も行なった。
■URL
松下電工株式会社
http://www.mew.co.jp/
ニュースリリース
http://www.mew.co.jp/corp/news/0610/0610-11.htm
株式会社ビー・エム・エル
http://www.bml.co.jp/
【2005年3月23日】【地球博】恐竜ロボットや掃除ロボットなどが展示(PC)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0323/expo05.htm
■ 関連記事
・ NEDO、次世代ロボット実用化プロジェクト成果発表会開催(2006/07/24)
( 清宮信志 )
2006/10/19 17:37
- ページの先頭へ-
|