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ラジコンスコープドッグ。左がLRS版で、右が野望のルーツ版
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オリジナルのテレビシリーズの本放映開始から四半世紀以上が経ち、今年も年頭から「ペールゼン・ファイルズ 劇場版」が公開されるなど、未だに熱がさめやらない傑作ロボットアニメ「装甲騎兵ボトムズ」。同作品の人型兵器アーマード・トルーパー(AT)を題材にした1/24スケールのIRC(赤外線コントロール)ラジコンシリーズが、京商の協力を得てホビーメーカーのやまとから15,540円で発売中だ。
現在は、「スコープドッグ ターボカスタムVer.1ザ・ラストレッドショルダー版」(以下、LRS版)と、「スコープドッグ ターボカスタムVer.2野望のルーツ版」(以下、野望のルーツ版)の2種類がラインナップされている。2台での対戦も可能で、それも含めて両モデルのレビューをお届けする。
● スコープドッグ ターボカスタムとは?
「装甲騎兵ボトムズ」に関しては説明する必要はないかと思うが、スコープドッグ ターボカスタムについては念のために触れておきたい。スコープドッグはいうまでもないが、本編主人公のキリコ・キュービィーが劇中で好んで乗り込んだ、ミドル級ATの傑作機(と劇中ではされている)。ATM-09-STTCの型番を持つターボカスタムは、スコープドックの数多くあるバリエーションの1つで、初登場は1985年にリリースされたボトムズ初のOVA「ザ・ラストレッドショルダー」だ(ノーマルのスコープドッグの型番はATM-09-ST)。
ちなみに、「ザ・ラストレッドショルダー」は、本編第1部「ウド編」と第2部「クメン編」の間の空白の3カ月を埋めるインターミッションとして描かれた作品である。キリコとレッドショルダー部隊時代の(全員上官に覚えの悪い)戦友たちとの復讐劇が描かれる内容だ。吸血部隊として恐れられるレッドショルダーの創設者で、自分たちの人生を狂わせたヨラン・ペールゼンの殺害が仲間3人の目的で、キリコはペールゼンの背後に秘密結社の存在をかぎ取り、運命の女性であり戦闘用強化人間のパーフェクト・ソルジャーであるフィアナの手がかりを求めての同行であった。ペールゼンは、惑星メルキアの放射能で汚染されているデライダ高地に秘密基地を設けているのだが、そこには4人以外のペールゼンに従順なレッドショルダー部隊の生き残りが30人以上はいるだろうと予想された。そこで、殴り込み用に4人が手作業でスコープドッグのスクラップから組み上げたのが、4機のターボカスタムだったというわけだ。
一方、OVA「レッドショルダードキュメント 野望のルーツ」は、1988年の作品。初期のボトムズOVA3作品の中でも非常に評価が高く、時系列的には本編第1話以前の話となっている。キリコがレッドショルダーに抜擢され、「ザ・ラストレッドショルダー」でともに戦うグレゴルー、バイマン、ムーザの3人と出会い、そして惑星サンサでのギルガメス対バララントとの戦いに、キリコたちレッドショルダーが投入されるところが描かれる。ペールゼンがキリコの誕生の秘密を知っており、また冒頭ではキリコの幼年時代が描かれたりもするなど、謎多きキリコの過去の一部分が描かれている点も特徴だ。同作品内で、ターボカスタムはレッドショルダーの訓練惑星のオドンにおいて登場する。「ザ・ラストレッドショルダー」でスクラップからレストアし、「ざっとあてにならない部品が50はある」とムーザが懸念した危なっかしい機体とは異なり、正規の機体だ。デザイン的に大差があるわけではないが、武装などが若干異なっている。ラジコンターボカスタムのLRS版と野望のルーツ版の違いの詳細については後述するが、一部の武装が異なっているのみで、基本的には同じデザインとなっている(付属品も若干異なる)。
ターボカスタムの特徴だが、とにもかくにも高機動性がウリだ。レッドショルダーは精鋭部隊として激戦区に投入されることが多いため、そのような状況下ではATの脆弱な防御力を高い機動性で補おうとして考案されたのだろう。しかし、機動力を持たせたのはいいが、キリコたちのような卓越した操縦テクニックを有するパイロット以外は扱えない機体となってしまっており、クルマに例えればF1マシンのような存在だ。高機動性は、ふくらはぎに内蔵されたロケットからの推力を得て高加速を得るジェットローラーダッシュ機構(ジェットとあるが、実際には空気流入口やターボファンが見受けられないので、ロケットエンジンと思われる)によって得る。限界速度は98.7km/hだ。ただし、スコープドッグも限界速度は82.3km/hなので、それほど大きな差はない。出力はスコープドッグが230馬力なのに対し、ターボカスタムのターボ使用時は倍以上の470馬力。トルクも前者が51kgf・mなのに対し、後者が3倍以上の177kgf・m。ターボカスタムが劇中のように多数の武装を備えていて重量が増加していても、十分な高加速を得られ、なおかつ最高速も出せるというわけだ。
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ボックスアート。LRS版
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ボックスアート。野望のルーツ版
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ターボカスタムの特徴はふくらはぎのロケットノズル
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原作のようにふくらはぎのハッチは閉められないが、中は設定画の一部を再現している
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スネ側面のでっぱりもノーマルのスコープドッグにないデザイン
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しかし、どうしてOVAにしか登場しないターボカスタムが第1弾、第2弾に選ばれたのかは、疑問に思う方もいることだろう。本来ならキリコが最も使用し、ATの中でも人気の高いノーマルのスコープドッグか、派生型を選ぶとしても本編第10話「レッドショルダー」でキリコが搭乗した、ターボカスタム同様にレッドショルダー仕様の「レッドショルダーカスタム」(ATM-09-RSC)、クメン編でキリコが使用した「マーシィドッグ」(ATM-09-WR)などが選ばれそうなところである。おそらく2本脚で立った状態のまま走行するため、安定性をより得る必要があったためと思われる。ターボカスタムはかかと部分に追加のグライディングホイールがあるのだが、ラジコンターボカスタムはそのデザインを利用したのだ。足がアニメよりもやや大ぶりのデザインとなっており、それで安定感を増すようにしている。
● パッケージの中味とLRS版と野望のルーツ版の違い
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同じポーズで並べてみたところ。遠目には右肩のカラーリングのみの違いしかない(右がLRS版)
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LRS版と野望のルーツ版も基本的に中味はほぼ一緒だ。ラジコンターボカスタム自体に関してもデザインはほとんど同じで、唯一違うのは胸脇の排気口の形状のみ。LRS版は排気口のみだが、野望のルーツ版は排気口とラック(ガトリングガンの砲身を冷やすための冷却パックを差し込むという設定)が一体化したデザインになっており、そこだけが違う。また、カラーリングが野望のルーツ版のみレッドショルダー所属のATということで血の赤となっている形だ(LRS版は、原作では塗られなかった)。
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LRS版の排気口はノーマルのスコープドッグと変わらない
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野望のルーツ版は設定画に従い、換気口後方にラックが設けられている
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左側面の比較
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背面の比較
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右側面の比較
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そのほか、着脱可能な複数の武器パーツが付属しており、パーツの点数は一緒。当たり前だがキリコ機仕様となっている。右肩用ミサイルランチャー、右脇腹用2連装ミサイルランチャー、左脇腹用6連装ガトリングガン、左前腕用ソリッドシューター、右手用GAT-22ヘヴィマシンガンがつく。マシンガンは手首ごと差し替える形で、グリップを握った手首が一緒になっている。
なお、右肩用ミサイルランチャーはLRS版と野望のルーツ版で異なっており、LRS版が7連装、野望のルーツ版が6連装となっている。武装に関しては、LRS版はキリコ機の設定で間違いないが、野望のルーツ版は劇中には登場していない、設定画のみのフル装備バージョンのようだ。原作では、キリコは2種類のターボカスタムに乗り込むのだが、どちらとも武装が異なっており、またグレゴルー、バイマン、ムーザ、カースン(野望のルーツのみに登場するキリコのレッドショルダー同期隊員)らの機体の装備とも異なる。
どうせなら、やまとが1/12スケールモデルと同じコンセプトで、ウェポンセットを出してもらうのはいかがなものだろうか。AT用バズーカ的な肩乗せ手持ちタイプのSAT-03ソリッドシューターや、クメン編でキリコが愛用したGAT-22のソードオフ版のGAT-22-Cヘビィマシンガン改など多数をセットにして出してもらえれば、グレゴルーらの機体の仕様も再現できるというわけだ。
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LRS版の右肩用7連装ミサイルランチャー
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右肩用7連装ミサイルランチャーを単体で撮影
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野望のルーツ版の右肩用6連装ミサイルランチャー
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右肩用6連装ミサイルランチャーを単体で撮影
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共通デザインの右脇腹用2連装ミサイルランチャー
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共通デザインの左脇腹用6連装ガトリングガン
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共通デザインの左前腕用ソリッドシューター
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共通デザインの右手用GAT-22ヘヴィマシンガン。ケーブルは対戦時に本体と接続する
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マシンガン外側
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そのほかの付属品としては、コントローラ、フィギア、フィギア用台座、股関節角度調整用プラスドライバー、マーキング用ステッカー(デカール)、マニュアルとなっている。フィギアの原形製作は渡辺剛氏が担当しており、LRS版と野望のルーツ版では異なっている。LRS版はお馴染みオレンジ色のATスーツ姿のキリコと、その差し替え可能なヘルメット仕様の頭部(胸の酸素ボンベ付き)の組み合わせ。野望のルーツ版は血の赤のベレー帽などレッドショルダー制服姿のキリコとなっており、こちらは差し替え用の頭部はない。コントローラなどそのほかの付属品は両版とも一緒である。
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LRS版のセット
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LRS版はATスーツ仕様のキリコのフィギアが同梱
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野望のルーツ版のセット
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野望のルーツ版のレッドショルダー制服仕様のキリコのフィギア
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ATスーツ仕様のキリコの頭部をヘルメットに変更したところ
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両版共通のコントローラ
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両版共通のマーキング用ステッカー
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● ラジコンターボカスタムのスケールモデルとしてのポイント
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2機を並べて物差しで全高を測る。170mm弱であることがお分かりいただけるだろうか
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続いては、ラジコンターボカスタム本体について。材質はABS、ATBC-PVC、POMなど。身長は、頭部側面のアンテナの先端まで図ると175mmほど(ミサイルランチャー上部まででも187~8mmぐらい)。アンテナや肩部の3連装スモークディスチャージャーを除いた頭頂部まではおよそ165mm。劇中では3,804mmという設定なので、実際には1/24だと158.5mmのはずだから、若干高く作られている(ヒザを少し曲げた姿勢で固定されているので、なおさら高め)。足裏の車輪などの関係もあるし、足のデザインは安定感を出すために大きめにデザインされているようなので、その辺の影響もあるのだろう。
身長よりも頭身や全体のバランス、そして何よりも細部に至る造形こそが重要なわけだが、そうした肝心な部分に関してはまったく問題ない。個人的には100点をつけてもいいぐらいだ(走行安定性のための足の若干のサイズ変更などを減点対象に含めたとしても95点は与えられる)。なにしろ、模型誌などでプロのモデラーや造形師として活躍している野本憲一氏が原形製作を担当しているのだ。1/24スケールのコンプリートモデルとしても十二分に通じる。お父さんなら、毎日でも小さなお子さんと遊ぶかも知れないが、大の大人がいつも対戦して遊ぶわけにもいかないので(笑)、ディスプレイモデルとして飾っておけるクォリティは非常にありがたい。
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LRS版でポージング。可動関節は少ないが、意外にポーズを取れる
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野望のルーツ版でポージング
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なお蛇足だが、ラジコンターボカスタムはあくまでもラジコンなので、ロボットのように動いたりするわけではないので勘違いしないように。足裏にタイヤ(片足に動力用と安定用の3輪)があり、実際のところは立った姿勢で走る人型のラジコンカーというわけだ。特に下半身は走行時の安定感を出すため、先ほども少し触れたが、ヒザや足首を曲げてやや前傾して少し重心を落とした姿勢で固定されている。唯一動かせるのは、足の付け根のねじる動作のみ。股下のお尻寄りの位置にネジがあるので、それをゆるめることで、脚の開き具合を調整できるようになる。足をガニ股にして広げるか、まっすぐに揃えるかの調整はポージングに重要なだけでなく、後述するが走行時の直進安定性や旋回性のバランスを調整するものでもある。ネジは2つあり、片足ずつ調整が可能だ。
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足の裏。車輪は片足に4つずつある
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足の付け根、ヒザ、足首とやや前傾姿勢の腰を落としたポーズで固定
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股下のこのネジをゆるめることで、脚の開き具合を調整できるようになる
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付属ドライバーは補足作ってあるので、せまいスペースでも使用可能
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ほぼ固定の下半身に対し、上半身は手動で動かせる部分がいくつかある。肩(前後・左右・ねじりの3軸)とヒジ(曲げ伸ばしの1軸)、左手首(回転の1軸)、そして頭部(左右45度ずつぐらい回せる)だ。残念ながらターレットレンズは中央に固定で、バイザーもコックピットハッチも開かないし、降着ポーズももちろん取れない。アームパンチやターンピックの機構も再現もない。
ただし、先ほどもいったように造形のクォリティは非常に高い。そして、肩とヒジ、頭部、足の付け根を動かせるだけでも結構ポーズが取れるので、飾る際もただ突っ立たせておくだけ、みたいなことはしないで済む。
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腕はこれだけ動かせる
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顔もこれだけ角度を変えられる
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なお、実際のデザインとの差異に関しては、重箱の隅をつつけばいくつかあるのだが、ラジコンとして動作するようにしているためのやむを得ない部分ばかりである。足のサイズが大きくやや前後に長いことや、ミッションパックの細部の形状などがそれだが、個人的には気がついた後でも特に気にならなかった。
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足のサイズはデザイン画と比較すると、少し大きめのようだ
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本来、ミッションパック下部は、予備のPR液のジェリ缶か予備弾倉と思われる物が2つである
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● ラジコンとしてのポイント
ラジコンとして操作できる動きは、基本的に走らせたい方向と、詳細は後述するが対戦時の射撃のみ。走行は、前進後退、左右への旋回(前進後退両方で旋回可能)、そして左右の超信地旋回(劇中ではターンピックを地面に突き刺して、その場でグルグル旋回する動作)の8方向となっている。なお、射撃といってもBB弾のような実弾が発射されるわけではなく、赤外線が照射されるだけなので、目には見えない。射撃については後述させていただく。また、コントローラの有効捜査範囲は約2.5mである。
走行に関しては、意外とまっすぐに走らせるのが難しかったりする。足裏のタイヤのグリップ力の微妙な違いや、モーターの個体差なども関係しているだろうし、もちろん路面状況なども大きいことだろう(硬くて平らな路面以外はあまり走れない)。でも、そうしたクセを脚の開き具合で調整できる。旋回に関してもバランスが悪いと、方向によって回りやすかったり回りにくかったりしてしまうので、対戦を本気で勝負する時は(笑)入念なセッティングが必要というわけだ。やはり自分の思うとおりに動いてくれた方が気持ちいいので、簡単にセッティングできる点は、いい仕組みだと思う。
脚の開き具合は、感覚としてはレース好きの人ならわかると思うが、クルマでいうところのタイヤ(特に前輪)のトーイン/トーアウトのセッティングを行なうのと等しい。ただし、クルマの場合は人でいうとやや内股の状態(つま先が内側、トーインの状態)にするのが常識だが、ラジコンターボカスタムはほぼまっすぐかガニ股のトーアウト(両足の作る角度は30度ぐらいが最大)にしかできない。基本的には、直進性を優先するならトーアウト気味に、旋回性を優先するならきっちりまっすぐにするといい(マニュアル上では、両足をまっすぐに揃えるように書いてある)。脚の開き具合は左右個別に行なえるので、片足を決めて、もう片方でバランスを取っていくと楽なはずだ。
なお、足の付け根の部分に角度を固定できるネジがあるのだが、細くて長いドライバーじゃないと回しにくい。しかし、前述したように専用ドライバーが同梱されているので、わざわざ買いに行かなくても済むようになっている。
ちなみに、どれぐらいの速度で移動できるかを、1mの距離で計測してみた。手動計測なので大まかなところではあるが、4秒程度だった。また超信地旋回については、1回転するのに何秒かかるかを計測してみたところ、0.56秒ほどだった。
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【動画】1m走の様子。おおよそ約4秒で走破
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【動画】超信地旋回の様子。1回転は約0.56秒
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【動画】超信地旋回で左回転から右回転にチェンジするところ
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● 対戦について
対戦で注意が必要なのは、同バンドの機体同士だと戦えないという点だ。LRS版も野望のルーツ版もそれぞれA、Bの2バンドが用意されているので、購入時は対戦する相手の機体とバンドが被らないよう注意しよう。コントローラと本体ミッションパック上面に発光ダイオードがあり、緑色がAバンド、黄色がBバンドと区別がつく。ちなみに、バンドを切り替えるという機能はついていない。
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本体のバンドタイプは、ミッションパック上面の発光ダイオードで確認できる
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コントローラは正面上部の発光ダイオードで確認可能。緑がAバンドで、黄がBバンド
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対戦では、右手首をノーマルの握り拳のものから、マシンガンを握ったものに交換する必要がある。マシンガンからコードが出ているので、それをミッションパック内の電池挿入口のそばのコネクタにつなぐことで、赤外線を照射できるようになり、戦闘準備完了だ。赤外線は、マシンガンの銃身の上側にある筒状のパーツ(グレネードランチャー発射用の銃身にも、照準用センサーにも見えるが詳しくは不明)から照射される。赤外線受光部は、ミッションパック上面にある。
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赤外線の照射部は銃身の上の筒状のパーツ
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赤外線の受光部はミッションパック上面にあり、発光ダイオードの右側
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ミッションパックのフタを取ったところ。電池ボックスもここにある。フタの上に電源スイッチ
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電池ボックスの上のコネクタにマシンガンのケーブルを差し込んで射撃準備完了
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すき間にケーブルを挟み込めるので、フタをしっかり閉められる
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射撃はコントローラのスティックを押すと行なえるが、機体が停止していないとできない(よって攻撃する時は逆に撃たれやすくなる時でもある)。また、赤外線はある程度指向性を高くしてあるので、照射口がちゃんと相手の機体を補足していないと、命中しない。命中すると、その機体のコントローラがブルブルと震え、被弾を教える仕組みだ。3回被弾すると撃破されたことになり、機体は操縦不能となる。また、コントローラで操作する際に通常モードとサイレントモードを選べ、通常モードは走るとグライディングホイールが路面を削るローラーダッシュ時の金属音が、射撃するとヘヴィマシンガンの発射音が聞こえ、また爆発音などもするようになっている。サイレントモードは読んで字のごとく、そうした効果音が一切出なくなるモードだ。
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【動画】コントローラを操作すると、ローラーダッシュや射撃音が出る
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【動画】被弾した時は、こんな感じでコントローラが震える
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また銃撃戦のリアルバトル以外にも、握り拳を正面に向けてぶつかり合うことで、劇中のバトリングでいうところの「ブロウバトル」的な対戦も可能だ。倒れた方が負け、という風にすればOKだ。
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【動画】リアルバトル戦の様子。意外と微妙な機体コントロールが難しい
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【動画】ブロウバトルの様子
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そのほか、1~2mぐらいの距離を何秒で走れるか、というスプリント系も楽しめる。本当にまっすぐに走らそうとすると、意外と微調整が難しく、ロボット系アスリート競技同様に、セッティングしては走らせるというトライ&エラーが楽しかったりする。また、実際に可能かどうかはわからないが、プラモデル的にコックピットハッチやバイザーなどを開けられるようにしてみるなどの改造系の楽しみ方もあるだろう。
現状、対戦ではスコープドッグ同士の戦いしかできないので、Vol.3以降はキリコが敵対した機体を中心に出してもらえるとありがたいところ。最終的にはキリコの恋人となるがウド編では戦ったこともあるフィアナの「ブルーティッシュドッグ」(ATM-09-GC)、フィアナに次ぐ2人目のPSとして本編に登場したイプシロンのクメン編の乗機「スナッピングタートル」(ATH-14-WPC)、第3部「サンサ編」の乗機「ストライクドッグ」(X・ATH-02)、「ザ・ラストレッドショルダー」でキリコたちがペールゼンの秘密基地で対決したレッドショルダーの残党が使っていた「ブラッドサッカー」(X・ATH-P-RSC)などはどうだろう。
それに加え、戦ってはいないがキリコの仲間の1人であるクエント人のル・シャッコの乗機「ベルゼルガWP」(ATH-Q64)なども人気が高い機体なので、ぜひほしいところである。さらに希望をいわせてもらえれば、ドロップキャルバリーなど紫系統のカラーリングのスコープドッグや、クメン編やサンサ編で敵の一般兵の期待としてキリコの前に幾度となく立ち塞がった「スタンディングトータス」(ATH-14-ST)シリーズ、クメン編でキリコが属した傭兵部隊が主に使用していた水陸両用機「ダイビングビートル」(ATH-06-WP)敵軍バララントのAT「ファッティー」(B・ATM-03)などもあると、対戦にも熱が入るというものである。つまり、ほとんど全部(笑)。
もし多数のバリエーション展開が難しいようなら、スコープドッグ系は非常にバリエーションが多いので、ウェポンパーツや外装パーツなどを交換できるような造りにして(共通パーツでも塗装が異なるなどの問題はあるのだが)、機体をいろいろと変えて楽しめるような造りにするのも面白いかと思う。そうすると、本編の第4話「バトリング」や外伝のOVA「機構猟兵メロウリンク」のバトリング場面で出てきた機体や、本編の続編のOVA「赫奕たる異端」のキリコの乗機「バーグラリードッグ」(ATM-09-DD)などもカスタマイズできて楽しいと思うがどうだろう。
現状、Vol.3以降の機種名や発売スケジュールなどの情報はないのだが、今後の展開を期待したい。
(C)サンライズ
■URL
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スコープドッグ ターボカスタムVer.1ザ・ラストレッドショルダー版
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スコープドッグ ターボカスタムVer.野望のルーツ版
http://www.yamato-toys.com/items/detail.php?gid=1178
装甲騎兵ボトムズ公式サイト
http://www.votoms.net/
2009/02/23 11:32
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