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二足歩行ロボットの入門キット「Robovie-i」レビュー

Reported by 井上猛雄

小学生でも自力で組み立てられる2足歩行ロボット

 憧れの2足歩行ロボットをつくりたい、でも、いきなり本格的なロボットにチャレンジするのも難しそうで挫折してしまうかもしれない。そんな不安を解消してくれる入門用の2足歩行ロボットキット「Robovie-i(ロボビー・アイ)」がヴイストン株式会社から発売されている。今回、このキットを実際に組み立ててみる機会を得たので、レポートしてみよう。

 Robovie-iは3軸構成による初心者向けの2足歩行ロボット。両足を前後に振る関節×2軸と、胴体を左右に揺動させて重心を移動する関節×1軸という最小構成の機構であるため、誰でも簡単にロボットを組み立てることができる。


【写真1】2足歩行ロボットキット「Robovie-i」。両足を前後に振る関節×2軸と、胴体を左右に揺動させて重心を移動させる関節×1軸という最小構成で歩行を実現。価格は29,400円 【動画1】2足歩行ロボットキット「Robovie-i」での対戦。3軸構成で、胴体を左右に揺動させて重心を移動させながら、両足を前後に振って前進するしくみ。動きに愛嬌がある

組み立て前準備

 まずキットの内容を確認しよう【写真2】。主なパーツはコントロールボード(CPUボード)、サーボモータ×3個、左右の腕と足、胴体、背中、足裏、バランスウェイト、電池ボックス、コントロールボード用カバー、デコレーション用シールなど、いたってシンプルだ。

 このほか、遠隔操作をする際のゲームパッド(オプション)が必要になる。ロボットを組み立る前準備として、サーボモータに付いているホーンとタッピングネジを取り外して保管しておく【写真3】【写真4】。


【写真2】キットの内容。パーツ数もそれほど多くない。あまりたくさんのパーツがあると、果たして自分にできるかどうかと引いてしまいそうな気分になるが、これぐらいなら安心だ 【写真3】3つのサーボモータ。「VS-S090J」は、トルク9.2kg・cm、最大動作範囲180°、最大電圧4V~9V。オプションで補修部品として単品(5,250 円)でも販売 【写真4】始めにサーボモータに付いているホーンとタッピングネジを取り外しておく

 次に胴体部を組み立てる。胴体に左右の腕をバインドネジで固定する。胴体の中央下部に空いている丸穴に、先ほどサーボモータから取り外したホーンをはめ込んでタッピングネジで止める【写真5】。これで胴体部は完成。同じようにして左右の足をつくる。関節部にサーボホーンをはめ込んで固定する。また、足裏パーツもタッピングネジで取り付けておく【写真6】。


【写真5】胴体部の組み立て。胴体に左右の腕を固定する。サーボモータから取り外したホーンもはめ込んでおく 【写真6】左右の足をつくる。関節部にサーボホーンをはめ込んで固定。写真は足裏パーツをタッピングネジで取り付けているところ

骨組み部分の組み立て

 中央部はいわば本体の骨格になる部分【写真7】。ここに背中のパーツやサーボモータ、電池ボックスが収まるかたちだ。背中のパーツをバインドネジで取り付けたら【写真8】、中央と左右の3箇所にサーボモータを設置し【写真9】、ブッシュを入れてからネジ止めする。この際、サーボモータの軸位置が、中央部と左右では上下反対になるので注意しよう。


【写真7】中央部のパーツ類。ロボットの骨組み部分になるところ。ここに3つのサーボモータや背中のパーツ、電池ボックスが収まる 【写真8】バインドネジで背中のパーツを取り付ける。背中の部分はロボットを持つ取っ手の役割を果たす 【写真9】中央と左右の3箇所にサーボモータを設置する。サーボモータの軸位置に注意。中央部と左右では上下が反対になる

 サーボモータから出ているケーブルを取りまとめてから【写真10】、骨組みとなる背部に電池ボックスを付ける。サーボモータのケーブルをはさまないように注意しながら、皿ネジで締め付ける【写真11】。

 このあたりから徐々にロボットの姿らしくなってくる。先ほど骨組みの左右に取り付けておいたサーボモータの軸に両足をはめ込む【写真12】。サーボモータの可動範囲は180度になっているので、足が前後90度ずつ回転するか確認してから、タッピングネジで足を止める。骨組みの正面部に付けたサーボモータの軸には胴体部分をはめ込む。こちらも左右に90度ずつ可動するか忘れずにチェックする。これでメカの組み立ては、ほぼ終了となる。あとはコントロールボードやケーブルの配線をすればよい。


【写真10】右側の抜き部分から右のサーボモータのケーブルを引き出し、左側の抜き部分から左と中央のサーボモータのケーブルを引き出す 【写真11】骨組みの背部に電池ボックスを皿ネジで付ける。先ほど引き出したサーボモータのケーブルをはさまないように注意しよう 【写真12】両足の取り付け。足が前後に90度ずつ回転するか確認してから、タッピングネジで足を止める

コントロールボードと配線

 いよいよ骨組み上部にコントロールボード(CPUボード)を取り付ける段階に入った。コントロールボードには、同社の「VS-RC003」が用いられている。基板の表面【写真13】には出力コネクタ類があり、裏面にはCPUやメモリ類が搭載されている【写真14】。CPUはARM7TDMI-Sをコアとするフィリップスの「LPC2148FBD64 」(動作クロック60MHz)を利用している。


 また、メモリは512KB ROMと64KB RAMを搭載。ボードはシリアル接続ではなく、USB接続でPCとつなげるので、ノートPCでプログラムを転送する際には便利だ。ロボット本体を遠隔操作する場合、三和電子機器のコントローラ「ProBo」や市販ゲーム機パッドを、変換コネクタを介して接続できるようになっている。

 ではコントロールボードを取り付けよう。4本のスペーサを介して、ネジで取り付ける。ここでスペーサを取り付けるので、少し手間取るかもしれないが、あわてずに作業しよう。ボードを取り付ける方向も間違えないように注意する【写真15】。


【写真13】コントロールボード「VS-RC003」の表面。出力コネクタ類が取り付けられている。サーボモータ出力は5つのブロック(CN1~CN5)に分けられており、最大30軸まで制御できる仕様だ 【写真14】コントロールボード「VS-RC003」の裏面。ARM7TDMI-Sをコアとするフィリップス製のCPU「LPC2148FBD64 」や、512KB ROM、64KB RAMなどを搭載 【写真15】コントロールボードの取り付け。スペーサを取り付けるので、少し手間取るかもしれないが、あわてずに作業しよう

 コントロールボードへのケーブル配線に関しては、サーボモータのケーブル×3本、電源ケーブル×1本、ゲームパッドのインターフェイスケーブル×1本だけ。コントロールボードのサーボモータ出力は5つのブロック(CN1~CN5)に分けられており、最大でブロックごとに6軸ずつ、合計30軸まで制御できる仕様になっているが、ここでは2つのコネクタ(CN1とCN2)のみ使用し、3軸の制御となる。

 また、このコントロールボードは、音声出力機能も用意されており、オプションでスピーカーを取り付けて、専用ソフトウェアで設定すれば、「こんにちは」、「はっけよーい」、「シュート」など、音声がロボットの動きに同期して再生ができるようになっている。

 このほかにも、拡張コネクタがあり、ここに発売が予定されているジャイロ/加速度センサ基板、LED基板、アナログ入力基板、デジタル入出力基板などを取り付けられる。当初は最小構成で組み立てて、基本を学んでから、ユーザーの知識に応じて、さまざまな拡張ができるように考慮されている。

 コネクタにケーブルを取り付けていこう。左側のコネクタ「CN1」の1番ピンに左側サーボモータのケーブルを、右側のコネクタ「CN2」の1番ピンに右側サーボモータのケーブルを接続する。このとき接続時の向きに気をつけよう。

 また「CN2」の2番ピンには、中央部(胴体部)のサーボモータのケーブルをつなげる。あとはゲームパッド用のインターフェイスケーブル(オプション)や電源のケーブルを接続すればよい【写真16】。モータのケーブル類は少し長めになっているので、骨組みの中に折り畳んで収めておくとスッキリする【写真17】。


【写真16】引き出したサーボモータのケーブル類、電源ケーブル、ゲームパッド用インターフェイスをつけるためのケーブルを連結する。左側の大きなコネクタがゲームパッド用のコネクタ 【写真17】長いケーブル類を整理して、中央の骨組みの中に折り畳んで収めておくとスッキリする

そのほかの作業

 あともう一歩で完成だ。コントロールボードがむき出しになっているので、それを隠すために専用カバーを取り付ける。今回は、リモコンによってロボットの動作も確認するため、カバーをする前にゲームパッドのインターフェイスとケーブルに接続するため、両面テープでコントロールボードに貼り付けてから、カバーをはめ込む【写真18】。

 次に胴体の背面の上部(頭にあたる部分)に重りとなるバランスウェイトを貼り付ける。電池ボックスに単三電池×4本を入れて、いよいよRobovie-iの完成だ【写真19】。あとは、付属シールを胴体部分に付けて、可愛らしい目や口などを、自分好みのデコレーションにしよう【写真20】。

 ここまでの作業に要した時間は2時間弱ほど。工作に慣れている人なら1時間ぐらいで完成できるのではないだろうか。ハンダ付け作業もなく、必要な工具もドライバーとハサミぐらいなので、小学生でも挫折せずに自力で組み立てられるはずだ。


【写真18】ゲームパッドのインターフェイス(オプション)をケーブルに接続し、コントロールボードの上に両面テープで貼り付ける 【写真19】目隠し用にカバーをはめ込む。胴体の背面上部にバランスウェイトを両面テープで貼り付ける。電池ボックスに単三電池×4本を入れて終了 【写真20】メカが完成したら、シールでデコレーションをしよう。目・鼻・口などの楽しいシールがたくさんついている

ゲームパッドのキーにカスタムモーションを割り付けてみよう

 Robovie-iには、モーション作成ソフトウェアとして「RobovieMaker for VS-RC003」が同梱されている。これは、同社のRobovieシリーズのほか、日本遠隔制御の「RB1000」や、ボークスの「Robofie」などにも利用されているソフトウェアだ。

 ティーチングプレイバック機能はないが、操作性のよいスライダーで、歩行・旋回・起き上がりなどのモーションを簡単に作成できる。基本的な操作方法については、他の記事(石井英男のロボットキットレビュー)で、とてもわかりやすく紹介されているので、ここでは割愛する。

 今回は、ゲームパッドに割付けられたモーションをカスタマイズする方法と、モーションを組み合わせて一連の動作をシーケンス的に動作させるオートデモ機能について紹介する。

 ソフトウェアのインストール後、プロジェクトを新規に作成して【画面1】、CPUボードを初期化してリセットをかけ、RobovieMakerを再起動する。電球アイコンを押してサーボモータの電源を入れ、Lineアイコンをクリックして通信を開始すると画面が現れる【画面2】。


【画面1】ツールバーのメニューから「ファイル」→「ロボットプロジェクトの新規作成」でプロジェクトを作成。任意に「ロボットの名前」を入力。「ロボットの種類」はRobovie-iを指定。また「CPUボードを初期化する」にチェックを入れる 【画面2】左側にポーズを指定する「ポーズエリア」があり、右側には複数のポーズを登録して、一連の動作をさせるための「モーションエリア」が表示される。また右下には通信時の状況を示すstatus windowが表示されている

 この画面はプロジェクト作成時の設定(ロボットの種類)によって若干変わってくる。左側の「ポーズエリア」には、腰ロール軸、左足ピッチ軸、右足ピッチ軸のスライダーと、Voiceの種類をポーズごとに再生するためのスライダーが表示される。ただし、ここではVoiceについては利用しない。オプションでスピーカーをコントロールボードにつけると利用できるようになる。

 一方、画面右側の「モーションエリア」では、いくつかのポーズを登録して、一連の動作として駆動させることができる。モーション作成ソフトウェアでは、すべての動作を設定するわけでなく、アニメーションのコマのようにいくつかポーズを登録して、それらを並べていく形になる。コマ(ポーズ)とコマ(ポーズ)の中間の動作は、コントロールボードの補間機能によって自動的に補われる。

 モーションをつくる前準備として、サーボモータの位置補正をしておく。これはサーボモータの個体差を吸収するための作業だ。電源を入れた初期段階では基準ポーズに対してモータの位置が少しズレているからだ。

 正面から見て体が地面に垂直になるように、横から見て両足を揃えて立たせ、体が地面に垂直になるように、それぞれの軸のスライダーでズレを直す。この作業が終わったらメニューバーより、「プロジェクトの設定」→「サーボ位置補正」を選らんで、コントロールボードへ位置情報を記録する。この際、位置補正の情報は一時的にRAM領域に保存されるが、さらに「プロジェクトの設定」→「モードスイッチ/音声の設定・書き込み」で「すべて上書き」のラジオボタンを選び、「書き込みを実行」すれば、ROMに永続的に保存されることになる。

 サーボモータの位置補正が終わったら、いよいよモーションをつくろう。まず、ポーズエリア領域で、それぞれの軸に対してスピンボタンを動かして調整しながらポーズを決める。モーションエリア領域では、そのポーズから次のポーズに移る際の遷移時間をスライダで設定する。


【画面3】メニューから「モーション」→「編集中のモーションの複製」を選ぶか、ツールバーの「DUP」アイコンをクリック。これでひとつ前のポーズがコピーされるので、スピンボタンで位置を変えて、新しいポーズを作成する
 つまり、ここでサーボモータの加速度を決めて、モーションの速度にメリハリをつけることができるのだ。次のモーションをつくるには、メニューから「モーション」→「編集中のモーションの複製」を選ぶか、ツールバーの「DUP」アイコンをクリックする【画面3】。

 これでひとつ前のポーズがコピーされるので、再びスピンボタンで軸の位置を変えて、新しいポーズを作成する。同様の操作を何回か繰り返しながら一連のポーズを登録していく。

 スライダの横には、次に実行されるポーズ番号(アドレス)が表示される。このポーズ番号を変えることで、繰り返しループの設定なども可能だ。一連のポーズを作成できたら、モーションとしてファイルに保存しておこう。「ファイル」→「名前をつけて保存」(ここでは、何回か片足を上げてから足を戻す「連続キック」のモーションをつくったので「costom_kick01」としておく)で、先ほどつくったプロジェクトに保存する。

 それでは、このキックのモーションをゲームコントローラに割り付けてカスタマイズしてみよう。ゲームコントローラの各ボタンに対して、モーションを割り付けて実行できる「サンプル操作マップ」が、あらかじめ「モード1」として用意されている。

 たとえば、コントロールボードのスイッチをモード1に合わせれば、十字キーで前進・後退、右・左旋回したり、前面キーで頭突きや起き上がりなどの操作が可能になっている。ゲームコントローラでロボットを動かすには、これだけのパターンでも十分楽しめるのだが、自分でモーションをキーに割付けてカスタマイズすると、さらに面白い技をつくることができるだろう。

 まずメニューから「プロジェクトの設定」→「モードスイッチ/音声の設定・書き込み」を選択すると、画面が現れるので、モードスイッチ設定のリストボックスから未使用のスイッチ番号(ここでは2番目)をクリックする。

 次に画面上の「ファイル割り当て」ボタンをクリックして、サンプルモーションのフォルダにある「サンプル操作マップ.rsc」を選ぶと、まったく同じ内容のファイルが2番目のリストにつくられる【画面4】。このファイルを「編集」ボタンから開いて「操作マップ」を表示させる【画面5】。

 マップの入力欄にある「L2」をクリックし、登録モーション設定の「モーションファイル割り当て」ボタンから、さきほどつくっておたcostum_kick01ファイルをプロジェクトフォルダから選択。これで、ゲームコントローラのL2ボタンにキックのモーションが割り当てられる【画面6】。


【画面4】「プロジェクトの設定」→「モードスイッチ/音声の設定・書き込み」を選択すると現れる画面。モードスイッチ設定のリストボックスから未使用のスイッチ番号(ここでは2番目)をクリックし、「ファイル割り当て」ボタンから、「サンプル操作マップ.rsc」を選ぶと、2番目に複製ができる 【画面5】「操作マップ」の表示。ここにゲームパッドのキーに割り付けられているモーションが表示されている 【画面6】マップの入力欄にある「L2」(変更したいゲームローラのボタン)をクリックし、登録モーション設定の「モーションファイル割り当て」から、あらかじめつくっておいたモーションファイル(ここではcostum_kick01)を選択

 保存ファイル名を任意に変更し(ここではzausとしている)、操作マップをファイルに保存。さらに、このファイルをコントロールボードに書き込もう。書き込みは「モードスイッチ/音声の設定・書き込み」の「書き込みを実行」すればよい【画面7】。

 なお、この設定でロボットを操作する際には、コントロールボードのスイッチを、操作マップのモードスイッチ設定で割り付けた番号(ここでは2番)に合わせておく必要があるので注意しよう。ゲームパッドのL2ボタンにキックのモーションを割り付けて遠隔操作した際の動画を示す【動画2】。


【画面7】「モードスイッチ/音声の設定・書き込み」の「書き込みを実行」し、変更した操作マップのファイルをコントロールボードに書き込む 【動画2】ゲームコントローラのL2に、キックのモーションを割り付けて遠隔操作。対戦をするときに、自分で操作しやすいようにカスタマイズしたり、新しい技を登録しておくとよい

オートデモの機能を利用して俺流の動作にカスタマイズ

 実はコントロールボードにはデモンストレーションプログラムも用意されている。これは位置補正をしてコントロールボードに情報を書き込んだ際に、自動的にモード0番に書き込まれていたものだ。

 コントロールボードのスイッチを0番に設定すると、お辞儀から始まって、前進、体を横に倒す、左旋回、左足キック、右旋回、右足キック、後退、頭突きという一連のデモンストレーションをしてくれる。

 オートデモの機能では複数のモーションファイルを任意の順番で実行できるため、あらかじめ幾つかのモーションをつくっておき、それを組み合わせることで、サッカーデモなど、さまざまなバリエーションの動作を簡単につくれる。

 オートデモを新しくつくる場合には、前述の「プロジェクトの設定」→「モードスイッチ/音声の設定・書き込み」を選択し、モードスイッチ設定のリストボックスから未使用のスイッチ番号をクリック。「オートデモの新規作成」ボタンを押すと、「オートデモの設定」の画面が現れる【画面8】。

 ここで「オートデモ内容の設定」から「リストにモーションを追加」のボタンを押して、あらかじめ作成しておいたカスタム用のモーションファイルを順番に割り付けていく【画面9】。設定したモーションは上から順番に実行されていくが、モーションの並び順やループ回数もボタンで簡単に変更できるようになっている。


【画面8】モードスイッチ設定のリストボックスから未使用のスイッチ番号をクリックし、「オートデモの新規作成」ボタンを押すと、「オートデモの設定」の画面が現れる 【画面9】「オートデモ内容の設定」から「リストにモーションを追加」ボタンを押して、あらかじめ作成しておいたカスタム用のモーションファイルを割り付ける。終了したら「モードスイッチ/音声の設定・書き込み」の「書き込みを実行」

 ひとつだけ注意すべき点は、オートデモのスタート時の「起動モーション」を設定しておく必要がある点だ。起動モーションを設定しないと、オートデモを開始したときにロボットが大きく動いたり転倒したりする恐れがあるので注意しよう。設定が終わったら、再び「モードスイッチ/音声の設定・書き込み」の「書き込みを実行」する。

 以上のように、Robovie-iは専用モーション作成ソフトウェアを利用して、簡単にカスタマイズできるようになっている。2足歩行の基本をいちから学べるため、初めて2足歩行を学ぶ入門用のロボットとしてはいいと思う。

 ただし歩行動作に関しては、わずか3軸で2足歩行をする仕組みのため(脚部のモータで足を上げて、中央のモータで胴体を左右に振ることで重心を移動しながら歩く仕組み)、どうしてもぎこちない歩き方になる面もあるが、なかなかどうして愛嬌のある歩きかたにも見える。

 ロボットがどうやって2足歩行で動いているのか、その基本原理を理解できたら、今度は拡張性の高さを活かして、改造にもチャレンジしてみるといいかもしれない。


URL
  ヴイストン
  http://vstone.co.jp/top/j_top.html
  【2006年5月17日】ヴイストン、安価な二足歩行ロボット入門キット「Robovie-i」(PC)
  http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0517/vstone.htm

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2006/09/28 00:43

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