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石井英男のロボットキットレビュー~JR PROPO「RB1000」(第1回)

ハードウェア組み立て(前編)
Reported by 石井英男

RB1000(写真左)とその原型となったSubZero
 数年前まで、ロボットに関する専門的な知識や経験のない人が、本格的な二足歩行ロボットを組み立てるというのは、非常にハードルの高いことであった。しかし、2004年6月、近藤科学が二足歩行ロボットキット「KHR-1」を126,000円で発売したことによって、個人でも気軽に二足歩行ロボットを組み立てられる時代がやってきた。KHR-1は2年で4,000台以上を売り上げ、ホビー向けの二足歩行ロボットキット市場を切り開くことになった。KHR-1がヒットしたことで、二足歩行ロボットキット市場に参入するメーカーも増えてきており、二足歩行ロボット作りがブームとなる兆しを見せている。

 そこで本連載では、二足歩行を中心としたロボットキットを実際に組み立て、組み立て手順やモーション作成方法、オプションパーツの装着方法などを紹介していきたい。

 今回から数回にわたって、2005年12月に日本遠隔制御から発売された「RB1000」を取り上げることにする。


10万円前後のロボットキットで唯一、標準で19自由度を実現

 日本遠隔制御株式会社(JR PROPO)の「RB1000」は、ヴイストンとのコラボレーションによって誕生した本格的な二足歩行ロボットキットだ。価格は102,900円で、近藤科学の「KHR-1」やハイテックマルチプレックスジャパンの「ROBONOVA-I」とほぼ同じ価格である。

 サイズは300×235×95mm、重量は約1.5kgで、KHR-1(高さ340mm、幅180mm)に比べるとややずんぐりした印象を受ける。RB1000の最大のウリが、19自由度を実現していることだ。自由度とは、自由に動かせる方向を表す数で、自由度が多いほど柔軟な動きが可能になる。一般的な二足歩行ロボットキットの場合、自由度=軸数(サーボモーターの数)と考えてよい(軸数が増えても自由度が変わらない場合もあるので、厳密には自由度と軸数は必ずしもイコールの関係にあるわけではないが)。

 標準状態のKHR-1は17自由度(後継機のKHR-2HVも同じ)、ROBONOBA-Iは16自由度であり、RB1000のほうが、自由度が2または3多いことになる。RB1000の19自由度の内訳は、首が1、片腕が3(両腕で6)、片脚が6(両腕で12)となる。

 脚の付け根にヨー軸(地面に対して水辺にひねる方向に回る軸)があることが特徴で、標準状態のKHR-1やROBONOVA-Iでは不可能な足裏をハの字に広げて立つことや、相撲の股割りのようなモーション、旋回しながらの歩行なども自由自在に行なえる。

 マイコンボードは、CPUとしてH8/20MHzを搭載した「VS-H8PWM28V2」を採用。最大28個までのサーボモーターを制御できるほか、4chの拡張入出力端子を装備しており、2軸レートジャイロの接続も可能だ。マイコンボード上には、2軸加速度センサーが標準搭載されており、倒れたときに自動的に起き上がらせることもできる。

 また、ロングストローク構造と呼ばれる脚が長い構造を採用し、下半身をダイナミックに動かせることも特徴だ。RB1000の構造は、ヴイストンの前田氏が製作しているOmniシリーズの流れをくんだものといえるだろう。

 RB1000では、サーボモーターに、日本遠隔制御がロボット専用に開発した「RBS581」が採用されている。RBS581のトルクは9.2kg・cm、スピードは0.11s/60度(ともに7.4V駆動時)で、サイズは38×19×38.5mmと小さい。このクラスのサーボモーターとしてはトルク、スピードともにトップクラスである。バッテリには、5セルのニッケル水素電池を採用。容量が2,000mAhと大きく、長時間の連続駆動が期待できる。ちなみに、KHR-1の標準バッテリはニッケルカドミウム電池で、容量は600mA。


まずは、ハードウェアの組み立てから

RB1000のパッケージ外観。大きさは一般的なマザーボードの箱を少し分厚くした程度だ
1.各部の組み立て

 それでは、RB1000の組み立て手順を解説しよう。RB1000のパッケージには、数多くのパーツが入っているので、パーツやネジをなくさないように注意すること。ネジは全部で7種類使われているが、同じサイズでも、通常のネジとタッピングネジの2種類があるので、間違えないように注意したい。

 組み立てマニュアルは、付属CD-ROMにPDF形式で収録されているので、必ず印刷しておこう。このマニュアルは、正直あまりわかりやすいとは言えないのだが、ヴイストンのWebサイトで、マニュアルの正誤表や補足事項、部品/ねじ一覧表、サーボモーターケーブルの配線の仕方などが公開されているので、こちらもあわせてダウンロードし、印刷することをお勧めする。

 また、RB1000では、サーボモーターの出力軸を3×5のネジで固定するようになっているが、出力軸内部にネジが切られていないため、通常のネジで固定するにはかなりの力と時間が必要になる(タップを使って出力軸にネジを切ればいいのだが)。そこで、ヴイストンでは、RB1000の初期ロット購入者を対象として、代わりの3×5タッピングネジを無償で配布している。タッピングネジを使えば出力軸を素早く簡単にネジ止めできるので、入手しておきたい。ただし、このネジに関する問題は、すでに完売した初期ロットのみの問題であり、現在出荷されているロットでは解決されているとのことだ。

 RB1000組み立ての難易度は、KHR-1やROBONOVA-Iに比べるとやや高いように感じた。なお、三月兎さんが運営しているロボットファンサイト「Robot-Fan.net」にも、RB1000の組み立て方法が詳しく掲載されている。現時点ではまだ完結していないが、写真が多数使われており、非常にわかりやすい。こちらのページも印刷して、組み立てマニュアルと見比べながら作業を行なうと、ビギナーでも迷わずに組み立てられるだろう。Robot-Fan.netの組み立て解説ページには、RB1000パーツ名ラベルシールも用意されている。プリンタを使って、このパーツ名ラベルシールをシール用紙に印刷して、パーツに貼り付けるようにすると、間違いを防げるだろう。

 RB1000の組み立てに必要な工具は、プラスドライバ(0番と1番)、マイナスドライバ、ラジオペンチ、ハサミまたはカッターという、ごく一般的なものだが、「ネジのゆるみ防止剤」(ネジロックなどの商品名で売られている)も用意しておくこと。これは、RB1000だけでなく、一般的な二足歩行ロボットキットに共通する話だが、ネジで固定する部分にゆるみ防止剤をつけないと、振動ですぐネジがゆるんでしまい、トラブルの原因となる。ゆるみ防止剤は接着剤ではないので、後からネジを外すことは可能なので、心配はいらない。

 ただし、ゆるみ防止剤は、プラスチック製パーツの強度や耐久性を低下させることが多いので、金属製パーツ(フレームやネジ)のみに付けるようにして、サーボホーンやサーボケースなどのプラスチック製パーツには絶対に付けないように注意すること。


RB1000の構成パーツ一式。部品点数はかなり多めだ。左上に並んでいるのがサーボモーター。19自由度なので、サーボモーターも19個ある RB1000に使われているサーボモーター「RBS581」。コンパクトながら、ハイトルク、ハイスピードを実現

個数の多いネジ(5種類)は、小袋に分けられている。初期ロットでは、ネジの数にほとんど余裕がないので、なくさないようにすること 組み立てには、「ゆるみ防止剤」も必須である

 まず最初は、手や脛(すね)、足などの各部分の組み立てから始める。これらの組み立ては、パーツをネジやナットで固定するだけなので簡単だ。ただし、よく似ているが、左右で別の形状になっているパーツも多いので気をつけよう。ネジをアルミのパーツに固定する際には、ゆるみ防止剤を付けて、しっかりネジを締めるようにすること。各部分は独立しているので、マニュアル通りの順番で組み立てなくてもよいが、基本的にはマニュアルにしたがって、手→脛→足という順で組み立てることをお勧めする。


まずは、左右の手から組み立てる。これが両手に使われるパーツ一式だ。手のパーツは、アルミの肉厚が薄いため、強い力を加えると曲がってしまうので注意 手先の2カ所をネジとナットで挟み込み固定する

完成した両手のパーツ

次は、両脛にあたる部分を組み立てる。これが両脛に使われるパーツ一式である。上に並んでいるパーツには、左右の区別があるので注意すること(下のパーツは左右の区別はない) 脛のパーツを固定しているところ。ネジとアルミパーツが接する部分にゆるみ防止剤を1滴垂らしておくと、ネジがゆるんでこない

完成した左右の脛パーツ

両足にあたる部分を組み立てる。これが両足に使われるパーツ一式である。足裏パーツや足ジョイントは、それぞれ左右の区別があるので注意すること 完成した両足のパーツ

頭の組み立てに使われるパーツ一式 完成した頭パーツ。サーボホーン(円形のパーツ)をサーボに差し込む際は、最後まで入れず、軽く差し込むようにする

2.1軸サーボと腿・肘の組み立て

 今度は、膝や肘の関節になる1軸サーボの組み立てだ。サーボモーターをサーボホルダ(いわゆるブラケット)にネジ止めして、出力軸にサーボホーンを軽く差し込めばよい(これは仮固定で、後で外すことになるので、最後までしっかり差し込む必要はない)。1軸サーボは左右で2個ずつ、合計4個作る。1軸サーボが完成したら、組み立てた1軸サーボを腿(もも)や肘のパーツに固定する。


1軸サーボの組み立てに使われるパーツ一式。1軸サーボは左右で2個ずつ、合計4個作る。サーボホルダは左右の区別はないが、サーボモーターを固定する向きが異なる 完成した1軸サーボ

サーボホルダのアルミの肉厚は厚く、強度は高い

左右の腿の組み立てに使われるパーツ一式。先ほど組み立てた1軸サーボを利用する 完成した左右の腿パーツ。パーツは左右で対称になっている

完成した各パーツには、パーツ名を示すラベルシールを貼っておくとよい。ラベルシールは、「Robot-Fan.net」のRB1000組み立て講座に用意されているものを使うと楽だ

左右の肘の組み立てに使われるパーツ一式。腕のパーツにも、左右の区別がある 完成した両肘のパーツ

3.2軸サーボの組み立て

 次に、肩や腿、足首の関節となる2軸サーボを組み立てる。2軸サーボは左右で3個ずつ、合計6個組み立てるのだが、左右で使うサーボホルダが異なるので注意したい。2軸サーボは、2つのサーボモーターが立方体になるように組み合わされていることが特徴だ。RB1000の魅力であるダイナミックな動きも、この2軸サーボによって実現されている部分が大きい。

 2軸サーボの組み立てには多少コツが必要だ。最初にサーボモーターをサーボホルダA1やA2に固定する際にネジを最後まで締めず、2個めのサーボモーターを組み合わせて、サーボホルダB1やB2をあてて固定してから、ネジを増し締めすればよい。

 なお、サーボモーターをパーツに固定する際には、マニュアルに従ってサーボ番号のシールをサーボモーター本体とケーブルコネクタに貼っておくと、後が楽だ。ただし、付属のシールのサーボ番号は24までだが、実際のサーボ番号は27まで使われているので(欠番がある)、25~27については自分でシールを作って貼ればよい。


2軸サーボの組み立てに使われるサーボホルダA1とサーボホルダA2。それぞれ左右対称になっている 同じく、2軸サーボの組み立てに使われるサーボホルダB1とサーボホルダB2。それぞれ左右対称になっている

2軸サーボ(1)の組み立てに使われるパーツ(2軸サーボ1個分) まず、サーボホルダA1(またはA2)にサーボモーターを取り付け、ネジで軽く固定する

次に、もう1つのサーボモーターを組み合わせ、後ろからサーボホルダB1(またはB2)で固定する 完成した2軸サーボ(1)。サーボモーターをこのように組み合わせて使う方法は、前田氏設計のOmniシリーズでも利用されている

同じものを3組作る必要がある 2軸サーボ(2)の組み立てに使われるパーツ。2軸サーボ(1)とはサーボホルダの左右が逆になっている

完成した2軸サーボ(2) 付属のシール。サーボモーター本体とケーブルコネクタに、サーボ番号のシールを貼っておけば、あとで迷うことがなくなる。ただし、付属のシールには24番までしかないので、25~27については自分でシールを作成するとよい

2軸サーボは左右3個ずつ、合計6個作ることになる。サーボ番号のシールをサーボモーター本体とケーブルコネクタに貼るようにすると、サーボ番号の間違えを防ぐことができる

 第1回目は、ここまでとする。作業量的にはほぼ半分終了したあたりだろう。次回は今回作成した各部パーツと2軸サーボを組み合わせて、RB1000を完成させる予定だ。


URL
  日本遠隔制御
  http://www.jrpropo.co.jp/
  製品情報
  http://www.jrpropo.co.jp/robot/
  ヴイストン
  http://www.vstone.co.jp/
  製品情報
  http://www.vstone.co.jp/~robo-pro/rb1000/rb1000.html

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