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ヴイストン「Beauto Chaser」で学ぶプログラミング入門講座 【第1回】Beauto Chaserとはどんなキット?
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Reported by
近藤隆路(MONOLAB.)
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ヴイストン株式会社「Beauto Chaser」。価格は5,985円
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ヴイストン株式会社より発売中の「Beauto Chaser」は、ネジ締めやギアの組み立てなど、ものづくりを体験するための入門から、C言語を使ったマイコンプログラミングの高度な勉強まで、幅広いことを学び、遊ぶことができる組み立てキットです。
キットに付属するBeauto Chaser対応ソフトウェア「Beauto Builder NEO」を使えば、直進やLED点灯、センサー入力による条件分岐などのブロックを画面上に置いてフローチャートを作成していくだけで、簡単にプログラムを作成できます。Beauto Builder NEOを使いながらコンピュータ制御やセンサーによる計測と情報処理の基礎を学んだあとは、C言語へのステップアップも可能です。ものづくりやプログラミングを学べる入門機としてお勧めのキットとなっています。
● まずは自己紹介
皆様はじめまして。今回から「Beauto Chaser」を使った学習レポートを連載させていただくことになりました、大阪工業大学ものづくりセンター(MONOLAB.)の近藤と申します。このような貴重な機会をいただき、心躍らせながらキーボードをたたいています。これから全10回に渡る「Beauto Chaser」講座を連載していきますが、私はそのうち1回~4回までを担当させていただきます。
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「Beauto Builder NEO」
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C言語マイコンプログラミングの際に使うルネサステクノロジの統合開発環境「HEW」
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【動画】Beauto Chaser(改造あり)を使った落下防止プログラム
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● 全10回の内容について
全10回を通してBeauto Chaserの組み立て、付属ソフトBeauto Builder NEOを使った簡単なプログラミングなどの基礎的な内容から、C言語を使った実践的なプログラミング、センサーの自作など発展的な内容を紹介していきたいと思います。その概要は下記の通りです。
第2回:「Beauto Chaser 組立て」
Beauto Chaserの組み立て、サンプルプログラムの起動までを行ないます。まずは組み立てて動かしてみましょう。ただの組み立ての解説にならないように、ネジの締め方やプラスドライバーのサイズの話など、ものづくりに便利な小ネタも用意したいと思います。
第3回:「光を追いかけるプログラムの作成」
付属ソフト「Beauto Builder NEO」の使い方を解説し、光を追いかけるプログラムの作成にチャレンジします。第4回から行なう応用プログラムの作成に備え、Beauto Builder NEOに慣れることを目標とします。Beauto Builder NEO導入の際に陥りやすい失敗についても解説したいと思います。
第4回:「Beauto Builder Neoを使った応用プログラムの作成」
付属ソフト「Beauto Builder NEO」を使ったさまざまな応用プログラムを紹介します。Beauto Chaserを動作させるために、どのような処理を行なっていくのか、フローチャートを使いながらその処理の流れについて詳しく解説していきたいと思います。プログラムとはどういうものかを掴んでいただけたらOKです。
第5回:「タミヤのボクシングファイターでライントレース!」
タミヤの電子工作キット「ボクシングファイター」にCPUボード「VS-WRC003」をつけてライントレースを行ないます。VS-WRC003はBeauto Chaserに搭載されているCPUボードです。ボクシングファイターとVS-WRC003のドッキングにはフレームの加工が必要となりますので、この部分についても触れていきたいと思います。
第6回:センサーユニットの自作
センサーユニットを自作し、VS-WRC003で生活に役に立つ小道具を作成します。センサーユニットを自作する方法など、ちょっとした電子工作についても触れたいと思います。
第7回から第10回までは、みなさんお待ちかねのC言語マイコンプログラミングの項目です。第6回まではものづくりに初めて挑戦する中高生向けの話がほとんどでしたが、ここからは本格的にC言語マイコンプログラムにチャレンジしたい学生やホビーストの方向けの話もどんどん盛り込んでいきたいと思います。できるだけたくさんの例を出し、解説していきたいと思っていますので楽しみにしていてください。
● エンジニア志望は1度地獄を味わう
表題からいきなり恐ろしいものになっていますが、将来エンジニアを目指す少年少女の夢を壊そうというわけではありませんのでご安心下さい。
現在24歳の私がロボットに興味を持ったのは小学生の頃にTVで見たロボットコンテストの映像です。確かピンポン玉を制限時間内にいかに多く箱に入れるかを競う競技だったと思います。決勝戦で片方のチームのボールを箱に送り込むための橋が開かなくなり、箱にボールを送り込むためのアームを必死に動かして橋を展開させようとしていた場面に、なぜか感動しながら見ていました。
しかし興味があっただけで、その後ロボットを始めるきっかけに出会えず、小学校を卒業する頃にはすっかり忘れており、中学高校では音楽の方に興味が移り吹奏楽部でトランペットを吹いていました。
結局ロボットを始めるチャンスに出会ったのは大学1回生18歳になってからでした。大阪工業大学のロボット系のクラブや、ものづくりセンターの前身である工作センターでの活動、チームメンバーで出場したさまざまなロボットコンテストなどを通じて、ものづくりやロボットの楽しさを知りました。
同回生のチームメンバーと最初に作成した部内大会のロボットは、それはそれは無残なスクラップのような機体でしたが、この大会で初めて電子回路の製作、マイコンプログラミングを経験しました。先輩に教えてもらいながらマイコンの本とのにらめっこを3カ月続け、「ここの抵抗はなぜ200Ωなのか?」「そもそもマイコンの出力ピンの状態が1、0ってどういうこと?」などの疑問を1つ1つ解決していき、開発環境の構築(ライターの準備、開発ソフト)や電子回路の配線ミス修正、プログラムのバグ探しというお約束の地獄を味わいました。
なんとか部内大会までにモーターをスイッチから制御するための電子回路、プログラムを製作することができましたが、クラブ内でじゃんけんに負けて電子回路担当となってしまった自分の運命を製作期間中はずっと呪っていました(笑)。
人生初めてのロボット製作はまさに地獄でしたが、おそらくここで製作をあきらめていたら今の自分はなかったでしょう。この経験から電子回路やロボット設計にどっぷりとはまり、大学を卒業するまでメンバーと一緒にさまざまなロボット競技会に出場し、理系大学生を存分に満喫いたしました。卒業後は某ロボット関連企業でお世話になった後、母校にて学生のものづくりやチャレンジを応援する仕事を担当しています。
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学生の頃製作したロボットその1「4軸二足歩行ロボット『シンプルファイター』」。第4回ROBO-ONE Jrに出場、ロクスリー賞受賞
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【動画】学生の頃製作したロボットその2「第4回レスキューロボットコンテスト出場機体」(電子回路担当)
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学生の頃政策したロボットその3「第11回、12回かわさきロボット競技大会出場機体」努力賞、ファイティング賞受賞
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まぁ何が言いたいかといいますと、「学生の頃に戻りたい」というわけではなく(笑)、エンジニア志望の中高生、大学生にとっていい時代になったなぁと心底感じています。ロボットのプログラミングを体験できる小学生~中学生向けの工作教室が全国各地で開かれたり、USBを搭載しているパソコンさえあれば、マウス操作だけで作れてしまう簡単なプログラムからC言語でのプログラミングまでできてしまうロボットキットが簡単に手に入ります。
大阪工業大学でもエンジニアの育成には、今までよりもさらに力を注いでいます。学生のチャレンジを応援する施設ものづくりセンター(MONOLAB.)が昨年開設されたり、ロボットコンテストや鳥人間コンテストなど積極的な活動を行なっている学生を資金面で補助したりと、至れり尽くせりの状態です(2006年に大阪工業大学を卒業した私にとっては「なんでもっと早く作ってくれないの!」という気持ちでいっぱいですが……)。
話が脱線してしまいました。本題に戻りますと、子供の頃にロボットに興味があったとしても、始めるきっかけがなければ月日はいつの間にか過ぎてしまいます(というか過ぎてしまいました)。また、ロボットやプログラミングに限らず、新しいことにチャレンジするには多くの時間と苦労が必要です(夜中のTVショッピングのような流れで申し訳ないのですが)。
そんなときに活躍するのが市販されているさまざまなロボットキットです。説明書と基板単体だけで売っており「どうしろとっ!!」というものから、学習テキストとセットになっている親切なものまでたくさんの種類のロボットキットがあります。今回は、初めてロボットやプログラミングに挑戦する方が簡単にプログラミングを体験でき、無料でダウンロードできる開発環境を使い、すぐにC言語でのプログラミングにステップアップでき、応用編としてどのような処理を行なっているのか想像もつかないような複雑な処理までできてしまう「Beauto Chaser」を選びました。
進路に悩んでいる中高生、大学生のみなさん、ものづくりやプログラミングに興味があれば、今回の連載をきっかけにしていただき、ちょっとだけ技術者への扉を開いてみてはいかがでしょうか?
この連載が、これからロボットやプログラミングに挑戦したいと考えている中高生、大学生の皆様の第一歩のきっかけになれば幸いです。もちろんホビーストの方にもおもしろいと思っていただけるようなネタを随所に盛り込んでいけるよう努力したいと思いますので、楽しみにしていてください。
と、いったところで今回はここまでです。次回はBeauto Chaserの組み立てから解説していきたいと思います。
■URL
ヴイストン
http://www.vstone.co.jp/
大阪工業大学ものづくりセンター(MONOLAB.)
http://www.oit.ac.jp/japanese/monolab/
2009/03/12 13:37
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