3月20日(金・祝)、大阪で「第5回 日本橋ストリートフェスタ2009」が開催された。
日本橋ストリートフェスタは、“日本橋の今”をキーワードに電気・ロボット・サブカルチャーなどさまざまな趣向を凝らしたイベントを展開している。単に地域の活性化やコミュニティ構築に貢献するだけではなく、なんばを中心に南エリアの回遊性を高め、ひいては大阪の産業や商業に広く寄与する目的で開催。今年で5回目を迎え、毎年10万人以上が訪れる春の恒例行事として定着した感がある。
|
|
|
路上にステージが設置され、イベントを開催
|
第5回 日本橋ストリートフェスタ2009
|
ダンボーのコスプレも登場した。右手が壊れて人気者になっていた
|
日本橋でんでんタウンは、東京の秋葉原に並ぶ電気街として有名だが、近年はビデオ店やアニメ、メイド喫茶などオタク文化の進出が目立つ。イベント当日も開会式前から、路上には多くのコスプレイヤーが闊歩し、あちこちで撮影会が始まっていた。
もともと日本橋は、江戸時代は長町とよばれ、道頓堀にかかる「日本橋」につく船の宿場町として栄えた。明治になり通天閣が建ち、人々が集まり新世界と呼ばれるようになったのが、今の日本橋のはじまりだという。当時は、古着屋や骨董品屋が並び掘り出し物の街と言われたそうだ。そのうちラジオ部品を売る人たちが集まり、戦後の復興と共に発展してきた。高度成長の家電ブームで、街は大きな電気街へと急成長した。そして、バブル崩壊後、郊外へ家電量販店の進出が相次ぐにつれ、日本橋から家電屋が減少した。そこにビデオ店やメイド喫茶などサブカル系の店舗が増えてきたのは、前述の通りだ。
こうした日本橋発展の歴史を知ると、かつての電気街・パーツ街に新たな若者文化が進出してきたことを柔軟に受け入れて、街全体で楽しみ盛り上げようという気質にも納得がいく。
もちろん、電気街としてもの作り・電子工作の楽しさをもっともっとアピールしていこうという姿勢はかわらない。でんでんタウンでは、毎月小学生向けに電子工作教室を開催している。小学生が参加できる大会が少ない点に注目し、身近な材料で作ることができるロボットによる競技会を企画した。
● 手作りすもうロボット大会 ストリートフェスタ場所
|
大会前のミーティング
|
今回のストリートフェスタ場所には、電子工作教室で、昨年12月から実施した予選を通過した参加者が出場した。
ロボットは、紙コップや牛乳パックなど身近にある材料で各自が製作したもの。サイズは、直径および高さが18cm以内、重量がリモコン込みで500g以内と定められている。搭載できるモータはRS130または140を2個までという制限がある。ロボットの製作に市販ギアボックスや、市販のキット材料は使用できない。ただし、スイッチ、LED等の電子部品は使用が認められる。参加者達は、外装デザインだけでなく、両足の間を補強したり重りの位置を調整したりして、強いロボットを作る工夫を施していた。
|
|
|
紙コップや牛乳パックなど身近な材料でロボットを自作
|
デザインに凝っていて面白いロボットが多い
|
強くするために、足の間を補強したり重りを追加して工夫を凝らしている
|
|
|
|
牛乳パックにアルミテープを巻いたコントローラー
|
【動画】手作りコントーラーでロボットを操縦
|
土俵のサイズは直径50cm
|
取り組みは、倒されたり土俵から押し出されたりすると負けになる。押し合いになり両者が動けない状態で10秒以上経過すると、両者負けとなる。予選は何度でも試合ができ、5回勝った人から決勝トーナメント出場権を得る。子ども達は1つ勝つたびに出場票にハンコを押してもらい嬉しそうだった。
小学生ロボコンは、勝敗ではなく参加者が社会勉強をするロボカップ精神に準じ、各自が工夫したロボットで競技を楽しみ、互いの発明を褒め合うという発明精神を盛り込んでいる。そのため、パドックには保護者の立ち入りは禁止され、途中のトラブルにも子ども自身が対応しなくてはならない。競技中に、場外からお父さんが思わず子どもにアドバイスしてしまいお母さんに「アドバイスしちゃダメよ」とたしなめられるような微笑ましい場面もあった。自宅ではお父さんも一緒にロボットを作り、子どもと対戦していたそうだ。
|
|
|
【動画】4歳児から小学生までが出場していた
|
時間内に5回勝てば予選を突破できる。負けたら並んで次にチャレンジ
|
勝ったら、はんこを押してもらう。早く5個集めて決勝トーナメントを目指す
|
|
|
決勝進出を決めた子達は嬉しそうにインタビューを受けていた
|
予選敗退組はランブルで遊び始める
|
決勝はトーナメント形式。「最初負けたけど、5連勝した」「ぎりぎりで勝てたぁ」「この先はいっこも負けられへん」と、決勝に出場する子は興奮していた。一方、予選敗退組は、ランブルを始めたり、路上で対戦を始めたりと思い思いに楽しんでいた。
決勝戦に残ったコオロギ山は、出場ロボット内で唯一ボディに牛乳パックを使っていた。他のロボットより大きな身体で力強く勝ち上がってきた。対するブルー山は、大きく広げた両手が特長。腕は牛乳パックを折って三角柱にしているため、相手と押し合いになってもへしゃげることがない。ブルー山が大きなカブト山をぐいぐい押し出して、優勝を決めた。ブルー山には、電波新聞社杯と副賞としてダイセン電子工業のTJ3が授与された。
|
|
|
【動画】準決勝戦第1試合。コオロギ山 VS うさぴょん。うさぴょんは女の子らしいロボットだった
|
【動画】決勝戦 コオロギ山 VS ブルー山。大きなコオロギ山をブルー山が押し出した
|
優勝したブルー山。製作者は小学4年生
|
|
|
|
小学生ロボコン 手作りロボト相撲大会 上位入賞者
|
参加者記念撮影
|
表彰式。日本橋筋商店街振興組合 理事長 蘇建源氏より賞状を授与
|
でんでんタウン電子工作教室は、今後、出張授業などを通じ各地に小学生ロボコンを広め地方場所を開き、全国展開していくという。5月に京セラドーム大阪で開催されるロボカップ会場でも、小学生ロボコンを開催する予定になっている。参加希望者は、でんでんタウン電子工作教室をこまめにチェックして情報収集してほしい。
■URL
第5回 日本橋ストリートフェスタ2009
http://www.denden-town.or.jp/festa2009/index.htm
でんでんタウン電子工作教室
http://www.denden-town.or.jp/kousaku/index.html
( 三月兎 )
2009/03/31 20:33
- ページの先頭へ-
|