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射点の様子。今回も右側の第1射点が使用される
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三菱重工業(MHI)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1月23日(金)に、種子島宇宙センターよりH-IIAロケット15号機を打上げる。温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)を搭載するもので、H-IIAの打上げとしては11カ月ぶり。前日の22日(木)には「Y-0ブリーフィング」(打ち上げ前日のブリーフィング)が開催され、濱俊雅・MHI射場チーム長が状況等についての説明を行った。
15号機には、主衛星の「いぶき」(GOSAT)に加え、小型の“相乗り衛星”計7機も搭載される。JAXAの「小型実証衛星1型」(SDS-1)、東大阪宇宙開発協同組合の「SOHLA-1(まいど1号)」、東北大学の「スプライト観測衛星(SPRITE-SAT)」、ソランの「かがやき」、東京大学の「PRISM」、香川大学の「STARS」、都立産業技術高等専門学校の「航空高専衛星(KKS-1)」で、JAXA以外の6機は公募で選ばれたものだ。
当初は21日(水)の打上げを予定していたが、天候の悪化により、22日、23日と延期されていた。今回、問題となっていたのは、上空の雲の中にできる「氷結層」と呼ばれる部分。この層があると、ロケットの飛行中に雷が直撃する恐れがあるため、1.8km以上の厚さがあるときには打上げを行なわないという規定がある。2度の延期は、打上げ時間帯にこの改善が期待できなかったためだ。
種子島宇宙センターの週間予報によると、しばらくはぐずついた天候が続くと予想されているが、23日の午前中には一時的な回復が見込まれており、22日11時の天候判断でも打上げに支障はないとされた。ただし、風については若干強くなる見込みだが、H-IIAロケットの202型は他のコンフィギュレーションに比べて風には強いため、15号機の打上げには問題ないレベルだという。
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しかし22日の打上げ時間帯には晴れ間も。打上げられたような……
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氷結層の説明。雨というよりも、雷がロケットにはまずい
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氷結層の説明。雨というよりも、雷がロケットにはまずい
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今後、特に問題なければ、23日0時より機体の射点への移動を行ない、午前4時くらいから推進薬の充填を実施する予定。打上げ時間帯は12時54分~13時16分で、打上げの模様は丸の内オアゾなど各所のパブリックビューイング会場で中継されるほか、インターネット配信でも見ることができる(詳細はこちらを参照)。
会見に出席したMHIの濱 俊雅・射場チーム長とJAXAの浜 崎敬・GOSATプロジェクトマネージャのコメントは以下の通り。
「この2~3日天候が悪くて延期になってしまったが、明日はなんとか青空の中に飛んでいきそうな気配がある。約1年ぶりの打上げになるが、準備はしっかりしてきたので、明日は確実な打上げができると確信している」(MHI濱氏)
「プロジェクトを始めてから5年9カ月、ひたすらこの日に向けて努力してきた。感激で胸がいっぱいだ。海外の研究機関からも注目されており、是が非でも成功させないといけない。"ハラハラわくわくドキドキ"といった感じだ」(JAXA浜崎氏)
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三菱重工株式会社 MILSET 射場チーム長 濱 俊雅氏
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宇宙航空研究開発機構 GOSAT プロジェクトマネージャー 浜崎 敬氏
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■URL
三菱重工業(MHI)
http://www.mhi.co.jp/
宇宙航空研究開発機構(JAXA)
http://www.jaxa.jp/
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( 大塚 実 )
2009/01/22 20:55
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