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「サイエンスマンス2008inアクロス」レポート
~福岡市の中心街で科学イベントが開催


会場のアクロス福岡
 11月1日(土)、2日(日)に福岡市中央区のアクロス福岡において、福岡県が主催する科学イベント「サイエンスマンス2008inアクロス」が開催された。

 福岡県では毎年11月を科学に親しむ月間「サイエンスマンス」と位置づけ、福岡県各地の科学館などで科学に関するイベントが開催される。その中心となるイベントが「サイエンスマンスinアクロス」だ。なお、去年までアクロス福岡で開催されていたイベントは「サイエンスワールド」という名称だったが、「サイエンスマンスとの関連性がわかりにくい」との声が上がり、今年は「サイエンスマンス2008inアクロス」の名称で実施された。

 「サイエンスマンス2008inアクロス」はアクロス福岡内の複数の会場で行なわれる大規模なもので、科学だけではなく、各高校の学習の成果を披露する「福岡県高校生産業教育フェア」も同時に開催され、福岡市の中心部で行なわれる高校の合同文化祭のような雰囲気がある。

 福岡県はロボットの研究開発に熱心な県ということもあり、「サイエンスマンス2008inアクロス」の中で特別に「最先端ロボットフェア」を実施していた。この最先端ロボットフェアを中心にしてレポートしていく。なお、最先端ロボットフェアは1日(土)のみ実施された。


サイエンスマンスの看板 会場では福岡県高校生産業教育フェアも開催されていた 会場の入り口にいたRIDC

地下のホールで開催されていた「科学の公園」。さまざまな科学実験を体験できた 「科学の公園」会場にいた安川電機のスマートパル

最先端ロボットフェア

 最先端ロボットフェアは、アクロス福岡の円形ホールを会場として行なわれた。前回までは早稲田大学のWABIANや村田製作所のムラタセイサクくんなどの大物ゲストが登場していたが、今回はなし。それでもイベントが始まると、会場には多くの観客が集まっていた。

 午前中に福岡工業大学付属城東高校のロボット相撲のデモ、午後からは福岡県内の工業系高校による二足歩行ロボット競技、それに福岡県内のロボットビルダーによる二足歩行ロボットバトルが行なわれた。


城東高校ロボット相撲デモ

 福岡工業大学付属城東高校はロボット相撲の強豪校として知られており、以前からサイエンスマンスでデモを披露している。

 今回はロボット相撲全国大会のビデオ紹介やロボット相撲の実演を行なった。特に大人を乗せた台車を相撲ロボットで引っ張る様子には、観客から驚きの声が上がっていた。


最先端ロボットフェア会場内部 城東高校によるロボット相撲の紹介 相撲ロボットの説明

会場からは相撲ロボットの電磁吸着力に驚きの声が上がっていた 大人を乗せた台車を引っ張る相撲ロボット

体験操縦も行なわれた 【動画】大人を乗せた台車を引っ張る相撲ロボット(音声無し)

高校生による二足歩行ロボット競技会

 午後からは県内の高校生による二足歩行ロボット競技会が行なわれた。参加した高校は、福岡工業高校(福岡市)、筑紫台高校(太宰府市)、八女工業高校(筑後市)、嘉穂総合高校(桂川町)、小倉工業高校(北九州市)の5校。その5校から16台のロボットが競技大会に参加した。

 競技は簡単な障害物レース。コースの途中にネズミのオブジェが2匹置かれていて、そのネズミを捕獲ゾーンに押し込んで進む(ネズミを手で持ち上げてもいいことになっていたが、手で持ち上げた機体はなかった)。予選ではタイムのいい上位8台が決勝に進み、決勝ではトーナメント方式で2台が対決し速い方が勝ち残るルールで行なわれた。

 優勝は福岡工業高校のPTR-1。実はベスト4は全て福岡工業高校のロボットだった。福岡工業高校は、自作の二足歩行ロボットを製作したり、市販のロボットキットでロボスクエアのヒューマノイドカップに参加したりしていて、二足歩行ロボットに関しては他の高校に比べて「一日の長」があった。それが如実に現れたということだろう。


高校生二足歩行ロボット競技会の開会式 開会式では福岡県の麻生知事が挨拶を行なった 麻生知事の前でデモを行なった、福岡工業高校の膝逆関節ロボット

競技のコース。左からスタートし、銀と金のネズミを押し込んで、右側にあるバーを落としてゴール 予選は2台同時に行なわれた(手前は八女工業高校のマッセス、奥は予選1位の記録を出したPTR1) 予選結果表。10台完走してそのうち8台が決勝のトーナメントに進んだ

トーナメント組み合わせ コースを斜めから。ゴールのバーはロボットが転倒したショックでよく落ちていた 決勝トーナメントでは早くゴールについた方が勝ちとなる(ネズミを蹴るPTR2と、赤い外装が目立つ筑紫台R-1号)

観客からは1番の人気だった八女工業高校のタマ 準決勝第1試合のPTR1(奥) VS PTR2。どちらもRB2000をベースにしている 準決勝第2試合のテストタイプZ VS 福岡工業-SI(奥)

PTR1 VS 福岡工業-SIによる決勝戦 【動画】二足歩行ロボット競技大会の決勝戦(音声無し) 表彰式

ロボットバトルの優勝は九産大朱鵬

 ロボットバトルは、大学・一般のロボットビルダーが作成した二足歩行ロボット6台が総当りリーグ戦で戦った(参加ロボットは、九産大朱鵬、九共大-ZERO、九共大-紫電、ジョウナン君、マノイマノン・ノワール、成龍の6台)。

 今回は都合で九州三銃士が参加できず、どのロボットが優勝するのか注目されたが、優勝したのは伏兵の九産大朱鵬(準優勝は九共大-ZERO)。

 九産大朱鵬は何度もヒューマノイドカップに参加しているが、今まで結果を残せていない。今回の参加にあたって歩行を見直してきたそうで、バトルでは素早い動きで試合を有利に進めていった。そして5連勝で優勝を決め、初めての優勝を勝ち取った。

 「最先端ロボットフェア」の会場では、初めてロボットを見て興味を持った親子連れも多かったようだ。福岡市にはロボスクエアがあるとはいえ、福岡市の中心街で科学およびロボットのイベントをやる意味は大きいと思われる。

 これからもこのようなイベントを続けていけば、福岡におけるロボットを使った教育活動はますます盛んになっていくだろう。


二足歩行ロボットバトル大会の参加者 大会の前にはBlaserのデモも行なわれた ROBO-ONE決勝トーナメントにも出場した九共大-ZERO(左) VS ジョウナン君

九共大-紫電(左) VS 九産大朱鵬。赤い九産大朱鵬は初戦で紫電に勝って勢いをつけた マノイマノン・ノワール(左) VS 成龍。成龍は以前の機体に比べて背が高くなっていた 九共大-ZERO(手前) VS 九産大朱鵬の無敗同士による対決は、九産大朱鵬が制して優勝した

優勝してポーズを取る九産大朱鵬 二足歩行ロボットの体験操縦も行なわれた 【動画】ロボットバトル大会で、朱鵬が優勝を決めた瞬間(音声無し)

URL
  フクオカサイエンスマンス2008
  http://www.fukuoka-sciencemonth.com/
  アクロス福岡
  http://www.acros.or.jp/


( 大林憲司 )
2008/11/06 19:15

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