ROBO-ONE本戦は「ROBO_JAPAN 2008」の2日目に終了してしまったのだが(結果については梓氏のレポートを参照)、ステージを空けておくのももったいないということで、最終日の10月13日(月・祝)にもROBO-ONE関連のイベントがいくつか行なわれていた。主な内容をピックアップしてお届けしたい。
● ガルーがまさかの一発レッド
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会場はご覧の通りの大盛況
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2008年7月に開催された第2回ROBO-ONEサッカーと同じパンチカーペットのフィールドが用意され、エキシビションマッチが行なわれた。参加ロボットは、東日本チーム(青)と西日本チーム(赤)に分けられ、本番と同じように1チーム4体で進められた。
試合が最も盛り上がったのは、後半開始直後にガルーがキックオフシュートを決めたところ……ではなくて、ガルーがレッドカードで一発退場になったシーンではないだろうか。キングカイザーを投げ倒してしまったのだが、これには会場も大爆笑。
ガルーのオペレータであるくまま氏によると、出場が急遽決まったため、パンチなどのバトル系モーションは消したものの、投げモーションだけが残ってしまっていたのだという。それが間違えて出てしまったわけだが、ROBO-ONEサッカー本戦でもなかなか見られないレッドカードだけに、観客としては面白かっただろう。試合はそのまま東日本チームが1-0で逃げ切った。
● ROBO-ONE
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エクアドルまで行った3名。左から、菅原雄介氏、網野梓氏、ROBO-ONEディレクターの渡辺氏
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ロボットは今や日本を代表する文化である。かどうかはさておき、2008年9月に日本とエクアドルの国交樹立90周年事業として「日本大文化祭」が現地にて開催されており、ROBO-ONE界からはアフロの菅原雄介氏とトコトコ丸の網野梓氏が招待され、現地でパフォーマンスを披露した(筆者は読めないがここにパンフレットがある)。
そしてROBO_JAPAN 2008の会場では、「報告会」という形で両名からイベントの顛末について説明があった。
Robot Watchの読者は「ロボットが歩いた」くらいでは驚かないだろうが、一般人が多い場所でイベントが開催されたりすると、いまだにロボットが起きあがっただけで拍手されることも多い。日本でもそうなのだから、普段ロボットを見慣れていないエクアドルの人たちの反応はどうだったのだろう。
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【動画】現地でやったパフォーマンスを改めて披露。まずはトコトコ丸
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【動画】続いてはアフロのデモンストレーション
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【動画】お馴染みのシャボン玉パフォーマンスも
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「ロボットがコケるだけで大爆笑。懐かしい感じがして嬉しかった」とは網野氏。観客だけでなくて、メディアの反応もすごかったらしく、現地滞在中にテレビ6社、新聞9社の取材を受けたという。公演終了後にはサイン会や写真撮影会なども行なわれ、2人はすっかり現地の人気者になって帰ってきたそうだ。エクアドルでROBO-ONE本戦が開催される日も近い?
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現地のTV番組にも生出演した2体。「ちょっと間違ったロボット文化が伝わったかもしれない」(菅原氏)
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新聞にも大々的に取り上げられた
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公演後も忙しい2人。しかし、「なぜか網野にだけかわいい女の子が寄ってきた」と渡辺氏
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● キングカイザーの圧勝だったGP
この日のメインイベントと言えるのは最後に行なわれたROBO-ONE GPである。出場ロボットは、クロムキッド、アリモプレナ、メタリックファイター、アフロ、ダイナマイザー、トコトコ丸、ヨコヅナグレート不知火、グレートキングカイザーの8体。
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【動画】1回戦の第1試合、クロムキッド(左)対アリモプレナ。クロムキッドが綺麗に投げを決めて勝利
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【動画】1回戦の第2試合、メタリックファイター(左)対アフロの殿堂ロボット対決。アフロのシャボン玉が炸裂
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【動画】1回戦の第3試合、ダイナマイザー(左)対トコトコ丸。トコトコ丸は土俵際をウロウロしてリングアウトを狙う
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【動画】1回戦の最後、ヨコヅナグレート不知火(左)対グレートキングカイザー。前日のリベンジに燃えるキングカイザーが圧勝
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【動画】準決勝の第1試合、クロムキッド(左)対メタリックファイター。クロムキッドはここでも投げ技で快勝
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【動画】準決勝の第2試合、ダイナマイザー(左)対キングカイザー。全く寄せ付けず、キングカイザーが1分で勝利
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試合後の「舌戦」が面白いのもGPならではだ。特に、準決勝でダイナマイザーとの「ファミリー対決」を制したキングカイザー製作者の丸氏が「私たちがこの世界に入ったのも、スギウラファミリーに憧れたから。頑張って背中を追いかけていたら、気が付いたら抜いちゃっていた」と言い放ったのには会場は大爆笑。「次は覚えてろよ~。今ギガダイナマイザー作ってるからなっ」と強がった杉浦氏だが、なぜか妙に嬉しそうだった。
キングカイザーが圧倒的な力を見せつけて勝ち上がった中、いよいよ決勝戦が開始。クロムキッドは投げ技で1回のダウンを奪うなど、この日の試合の中では唯一キングカイザーに対して善戦したが、時間切れ間際に3回目のダウンを奪われて終戦。「投げのあとのタイミングを狙われた」とはクロムキッド・くぱぱ氏の敗戦の弁だが、丸氏は「投げの対策は十分練っていたが、ガードしていてもなぎ倒すクロムキッドの投げには驚いた」と賞賛を惜しまなかった。
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【動画】決勝戦のクロムキッド(左)対グレートキングカイザー。2回のダウンのあと粘りを見せたクロムキッドだったが、健闘も及ばず
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危なげない試合運びを見せたキングカイザーのマルファミリー。製作者の丸直樹氏とパイロットのKen君
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この日の試合に出場した8体のロボット。このそうそうたるメンバーの中でもキングカイザーの強さは際だっていた
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■URL
ROBO-ONE
http://www.robo-one.com/
ROBO_JAPAN 2008
http://www.robo-japan.jp/
( 大塚 実 )
2008/10/29 00:50
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