日産自動車株式会社は26日、ハチの行動解析を応用した衝突回避ロボットカー「BR23C」を発表した。東京大学先端科学技術研究センター 生命知能システム分野 神崎・高橋研究室(神崎亮平教授)との共同研究によるもの。
同社は、自動車が通常運転から衝突に至るまでの過程を6段階に分け、それぞれの危険に対して最適なバリアを機能させることで事故から人を守る安全技術「セーフティ・シールド」の開発を行なっている。
ハチは自分の周囲に「セーフティ・シールド」に似たパーソナルスペースを持つとされ、複眼でこの範囲を監視し、エリアに入ってきた天敵や障害物を回避しながら飛行するという。このように昆虫が状況に適した行動をとる能力を「環境適応能」と呼んでいる。今回のロボットではこの行動原理を解析し、複眼の代わりにレーザーレンジファインダを使用。前方180度の視界範囲に入ってきた障害物を検出し、回避行動を瞬時に行なうことができるという。
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セイフティ・シールドの概念
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具体的には、障害物を検知したBR23Cは、自分の周囲の状況に応じて減速・回転を組み合わせた回避行動を取る。複雑な判断をせず、環境に適した動作を反射的に実行するのが特徴で、特に障害物が近い場合は、ハチのような素早い行動が必要になるが、BR23Cではこうした状況に対応できる反射的な素早い動作を最優先に実現できるようにしたという。また、過去の行動情報を反射ルールに組み込んでいるため、高度なCPUや大容量のメモリなどが不要で、シンプルなシステムとなっている。
BR23Cは9月30日~10月4日まで幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN 2008」に展示される。
■URL
日産自動車
http://www.nissan.co.jp/
ニュースリリース
http://www.nissan-global.com/JP/NEWS/2008/_STORY/080926-01-j.html
( 清宮信志 )
2008/09/26 16:18
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