8月20日、福岡市早良区にある福岡システムLSI総合開発センターで、福岡県内の工業高校生徒向け二足歩行ロボット講座が行なわれた。
福岡システムLSI総合開発センターは、「独立行政法人中小企業基盤整備機構により九州大学連携型企業家育成施設として整備され、福岡県と福岡市の支援を受けて、財団法人福岡県産業・科学技術振興財団(ふくおかIST)が管理運営する施設」とされている(福岡システムLSI総合開発センターのホームページからの引用)。
半導体に関する「研究開発支援」「人材育成」「交流連携促進」「ベンチャー育成支援」など多岐に渡る活動をしており、人材育成の一環として「組み込みプログラミング」などの講座をセンター内で開催している。
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福岡システムLSI総合開発センター
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LSI総合開発センターは、ロボスクエアの入っているTNC放送センターのすぐ近くにある
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講座の行なわれた部屋。なお、「第2回」となっているが、1回目は教師向けの講座だったとのこと
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今回は広い意味でプログラミング講座の1つとして、福岡県教育センターの協力を受け、福岡県内の4つの工業高校生を対象にロボット講座を実施したものだ。
福岡県では毎年11月を科学に親しむ月間「サイエンスマンス」と位置づけ、福岡県内の科学館などで科学に関するイベントが行なわれる。その中心となるイベントが福岡市内で開催される「サイエンスワールド」だ。
「サイエンスワールド」では、県内の工業高校生による二足歩行ロボット競技大会の実施を予定している。その競技大会に向けて、生徒たちのレベルを上げるために開催されたのが今回の講座だ。
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講座の様子
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講師陣。左から九州共立大学の水井氏(九共大-疾風のオーナー)、クラフトハウスの栗元氏(HAUSER)、Hotproceedの湯前氏(成龍)、九州共立大学の学生・武田氏(九共大-ZERO)
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水井氏による講義風景
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ROBO-ONEの話も
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「ROBO-ONE界の父」こと森永氏の言葉も引用されていた
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静歩行と動歩行の違いなど歩行についての説明
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実は今回一番強調したことがこれ。説明書をあまりよく読まずに組み立て、結果としてうまく動かない例がよく見受けられたため
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ホームポジションの設定がうまくできていない機体もいるため、その重要性についても強調していた
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● 講師は九州ロボット練習会「ロボリンク」
講座に参加した工業高校は、小倉工業高校(北九州市)、福岡工業高校(福岡市)、嘉穂総合高校(嘉穂郡桂川町)、八女工業高校(筑後市)の4校。
一方、二足歩行ロボットの講師は、九州ロボット練習会のコアメンバーである「ロボリンク」から4名が参加。いずれもROBO-ONEの決勝トーナメントで戦った経験を持つメンバーだけに、講師としては申し分ない。
講座の最初は、九州ロボット練習会のリーダーである水井氏がプロジェクターを使っての基礎講義。水井氏は九州共立大学の教官でもあり、講義はお手の物だ。
「二足歩行とは何か」という基礎的なことから説明し、「マニュアルをよく読む」など意外と初心者が陥りやすい状態についても注意していた。
講義の後は、4人の講師がそれぞれの学校ごとに分かれて指導を行なった。実は学校ごとにレベルの違いが大きく、ロボットを自作しているところもあれば、モーションエディタの使い方など基本的なことから指導する必要のあるところもあった。
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講師は4つの高校ごとに分かれて指導を行なった
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小倉工業高校はKHR-1を持参
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最も人数の多い嘉穂総合高校は湯前氏が担当。「勝つ喜びを知ってほしい」と熱血指導を行っていた
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八女工業高校はモーションエディタの使い方など、基本的なことから指導
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自作機を持ってきた福岡工業高校
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福岡工業高校の膝が逆関節のロボット
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指導風景
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講師はそれぞれに対応した指導を行ない、短時間の中ではあったが、それなりの手ごたえを得ていたようである(しかし、終わった後、講師たちは異口同音に「時間が足りなかった」と漏らしていた)。
講座の最後に福岡県県教育センターから、11月に行なわれる競技大会のコースと概要が発表され、九共大-ZEROが模範走行を見せていた。
二足歩行ロボットは新しい技術であり、工業高校でも二足歩行ロボットに対する技術と知識を持っている学校は少ない。二足歩行ロボット界で活躍しているロボットビルダーを講師に呼び、その知識と技術を学ばせる、今回の講座はなかなか面白い試みではないだろうか。
講座終了直前には、小倉工業高校の生徒が同じ北九州市内にある九州共立大学の水井氏に「いろいろと教えてもらいに行ってもいいですか?」と申し入れるなどやる気を出していた。今回の講座の最大の収穫は、生徒たちにやる気を出させたことかもしれない。
なお、サイエンスワールドにおける福岡県内の工業高校による二足歩行ロボット競技会は、11月1日にアクロス福岡で開催される予定だ。
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11月1日の競技大会で使われるコース。途中に障害物であるネズミを置き、袋小路の部分にネズミを押し込み、ゴールを目指すタイムレース
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九共大-ZEROによる試走
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参加者全員で記念撮影
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■URL
福岡システムLSI総合開発センター
http://www.ist.or.jp/lsi/
福岡県教育センター
http://www.educ.pref.fukuoka.jp/
福岡県立小倉工業高校
http://fths.fku.ed.jp/
福岡県立嘉穂総合高校
http://kahosogo.fku.ed.jp/
福岡県立八女工業高校
http://yameth.fku.ed.jp/
( 大林憲司 )
2008/09/03 14:21
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