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【やじうまRobot Watch】
巨大な機械の「クモ」2体が横浜市街をパレード!
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【 2009/04/17 】
第15回総合福祉展「バリアフリー2009」レポート
~ロボットスーツ「HAL」や本田技研工業の歩行アシストも体験できる
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「第12回 ロボットグランプリ」レポート【大道芸コンテスト編】
~自由な発想でつくられた、楽しい大道芸ロボットが集結!
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【 2009/04/16 】
北九州市立大学が「手術用鉗子ロボット」開発
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ROBOSPOTで「第15回 KONDO CUP」が開催
~常勝・トリニティに最強のチャレンジャー現る
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【 2009/04/15 】
「第15回ROBO-ONE」が5月4日に開催
~軽量級ロボットによる一発勝負のトーナメント戦
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ヴイストン、秋葉原に初の直営店舗「ヴイストンロボットセンター」、29日オープン
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【 2009/04/14 】
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~ロボカップにつながるサッカー大会が愛知県豊田市で開催
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WRO2008国際大会に向け日本代表チームが決定
~福井エキシビジョン大会の発表も


【写真1】「WRO Japan2008」の国内決勝大会の模様。スライドに映っているのはWRO組織委員長の小林靖英氏
 夏休み最終日となる8月31日、パシフィコ横浜展示Cホールにおいて、小中高校生を対象とした自律型ロボット競技会「WRO Japan2008」の国内決勝大会が開催された【写真1】。全国22地区予選の608チームから選ばれた80チームが横浜に集結し、日本代表の座をかけた戦いに挑んだ。この国内決勝大会にあわせて、日本初の開催となるWRO国際大会や、WROエキシビション大会に関するアナウンスもあった。ここでは当日に行なわれた記者発表会の内容について報告する。

 WROは、子供の理科離れや大学工学部志望者の減少といった問題への取り組みの一環でもあるという。ロボットや組込みシステムを学ぶチャレンジの場として、世界に通用する未来の科学者・技術者を育成するために、産学官連携で開催されるイベントだ。記者発表会では、WRO組織委員長の小林靖英氏が横浜で行なわれる大会の概要を説明した。


【写真2】WRO2008国際大会の概要。開催イベントは4つ。競技会と教育シンポジウムが、国内および国際を対象として行なわれる
 横浜で開催されるイベントは全部で4つ。競技会と教育シンポジウムが、国内および国際を対象として行なわれる【写真2】。「教育シンポジウムは、日本による発案で今大会から始まったもの。子供たちだけでなく、教える側の先生の教育実践事例を発表する場となる。競技を広めるためには、指導者も増えていく必要がある」と小林氏。すでに国内シンポジウムは7月31日に開催された。国際シンポジウムのほうは、10月31日にかながわ労働プラザで催される予定だ。

 そして11月1日と2日の両日、いよいよWRO国際大会が催される。国際大会は世界25カ国の地域から200チーム、700名が参加する大規模なものだ。また同時開催として、日本の先進的なロボット技術や組込みシステムを紹介するブース展示なども予定されているという。

 WROのロボット競技は、小中高校ごとの参加となり、選手2~3名、コーチ1名のチーム編成で行なわれる。具体的な競技内容は、大会指定の市販ロボットキット(LEGO MINDSTORMS)とソフトウェアによって自律型ロボットを製作し、課題となるコース競技や展示を行なうもので、「レギュラーカテゴリー」と「オープンカテゴリー」の2部門がある。

 今年の国際大会は日本が主催国だ。そのためレギュラーカテゴリーでは6位まで推薦枠が拡がっている(通常は3位まで)。さらに特別推薦もあり、20以上のチームが国際大会への切符を手にした。記者発表会では、本日の国内決勝戦でWRO国際大会への出場が決まったばかりのチームと、新しいユニフォームのお披露目もあった。代表チームは以下のとおり【写真3】【写真4】【写真5】。なお国内決勝戦の模様は、別稿で詳しく紹介する予定だ。


【写真3】日本代表に選ばれた小学生チームの皆さん。富山のサンダーバードは2チーム出場 【写真4】日本代表に選ばれた中学生チームの皆さん。昨年の国際大会に出場した強豪も多い 【写真5】ユニフォームのお披露目も。橙色は日本選抜のカラーだ。国際大会に向けて、頑張れ! ニッポン

レギュラーカテゴリー

【小学生部門】
・チーム生目台(宮崎市立生目台西小学校)
・399高岡(高岡市立博労小学校/高岡市立千鳥ヶ丘小学校)
・チームYUNA(我孫子市立我孫子第三小学校)
・大仏3MAX(奈良市立青和小学校/奈良市立東登美ヶ丘小学校/奈良教育大学附属小学校)
・サンダーバード22号(富山市立鵜坂小学校)
・サンダーバード33号(富山市立鵜坂小学校)
・ビークルズ(春日井市立中央台小学校)
・チームしのはら(横浜市立篠原小学校)

【中学生部門】
・ホクマイル(勝山市立勝山北部中学校)
・サンダーバード55号(射水市立大門中学校/富山市立速星中学校)
・T・T・T(横浜市立樽町中学校)
・チーム3232(越前市立南越中学校)
・たけんちゃん(横浜市立奈良中学校/横浜市立東山田中学校)
・Team IKK(勝山市立勝山南部中学校)
・奈良教育大附属中 Challenger(奈良教育大附属中学校)
・team.Miyazaki(宮崎市立東大宮中学校)

【高校生部門】
・インストール(栃木県立宇都宮工業高等学校)
・SEISAN.Sys(宮崎県立宮崎工業高等学校)
・蜜柑樹(愛媛県立八幡浜工業高等学校)
・The・My(福井県立武生工業高等学校)
・輝桜(愛媛県立吉田高等学校)
・クラウディ スカイ(栃木県立宇都宮工業高等学校)
・電子機械科Type-R(福岡県立香椎工業高等学校)
・TOSU2(佐賀県立鳥栖工業高等学校)


カレッジエキシビジョン部門

 また大学生のエキシビジョン部門に関しての説明と、代表チームの紹介もあった【写真6】。カレッジエキシビジョンは競技ではなく、展示という位置づけ。スタートからゴールまで進む平均台ミッションと、ゴール地点で複数の規定演技を行なうパフォーマンスミッションがある【写真7】。平均台ミッションは狭いルートをいかに速く正確に通ってゴールまでたどり着けるかというもの。またパフォーマンスミッションのほうは、時計回り/反時計回りに回転する「スピン動作」、ロボットの機体を上下させる「シェイク動作」、8の字にロボットを動かす「ターン動作」の演技があり、これらをいかに美しく見せるかという技術が要求される【写真8】【動画1】。


【写真6】大学生エキシビジョン部門の代表チーム。神奈川工科大学、フェリス女学院などの代表チームが登壇 【写真7】大学生エキシビジョン部門のコース。平均台ミッションとパフォーマンスミッションがある

【写真8】ゴール地点で複数の規定演技を行なうパフォーマンスミッション。スピン動作、シェイク動作、ターン動作の演技を、いかに美しく見せるかという技術が問われる 【動画】狭い場所を通過するには複数のセンサが必要。スピードを速くするとセンサ出力が落ちるという問題もあって、兼ね合いが難しいところ

 一方、後者のオープンカテゴリー部門は、与えられたテーマ「地球環境保護」に沿って、ロボットを自由に設計・デザインし、査員の前で、デモンストレーション、発表、質疑応答、プレゼンテーションを行なう。今回の参加チーム数は、中学生2チーム、高校生1チームの合計3チームだ。

【オープンカテゴリー】
・サンダーバード66号(射水市立大門中学校/富山市立速星中学校)
・アルキメデス(東京玉川学園中学部)
・生産システム研究部(栃木県立宇都宮工業高等学校・生産システム研究部)


【写真9】11月3日に福井エキシビション大会が福井県勝山市の福井県立恐竜博物館で開催される。福井といえば恐竜。日本で発掘された恐竜の8割が福井県のものだという
 さらに初のエキシビション大会も、11月3日に福井県勝山市にある福井県立恐竜博物館で開催される予定だ【写真9】。主催はWRO2008福井エキシビジョン大会実行委員。福井県では平成20年から、理数教育を振興するためにサイエンス教育推進チームを設置。いくつかの新しい施策を打ち出しているが、本大会の開催もその一環だという。この大会は、WRO2008国際大会の海外8チームを招聘し、福井代表22チームとのエキシビションマッチ(小・中・高校生部門)を催すことで、「子供たちにロボット工学などの先端科学への関心を高め、国際理解を深めることが狙いだ」という。こちらの大会も、WRO国際大会と合わせて注目したいイベントだ。


URL
  WRO Japan
  http://www.wroj.org/2008/

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( 井上猛雄 )
2008/09/01 15:48

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