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ヴイストン、「第3回ロボプロステーション チャレンジカップ」開催
~新設の自律クラスを含めた全4クラスの熱戦をリポート


 ヴイストンは6月21日(土)、同社1Fのロボプロステーションにおいて、ロボットバトル競技会「第3回ロボプロステーション チャレンジカップ」を開催した。同競技会は、これまで市販機無改造の「チャレンジ」、1.5kg以下の「ライトウェイト」、オリジナルの重量級も出場できる「オープン」の3クラスで構成されてきたが、今回新たに選手が直接操縦しない「自律」クラスも設立。各クラスで激しい(一部、脱力と笑いも含む)バトルが繰り広げられた。その模様をお届けする。

 同競技会のルールだが、3ダウンを相手から先取した方が勝ちというお馴染みのもの。また、自ら転んでしまうスリップは2回で1ダウンという点もお馴染み。リングアウトした場合は1ダウンといった当たりも一般的なルールとなっている。


大阪産業大学テクノフリーク部が席巻したライトウェイトクラス

 最初に行なわれたのが、ライトウェイトクラス。同クラスへの参加レギュレーションは、機体重量が1.5kg以下であることがまず最大の条件。そのほか、足裏の大きさの1辺が足の長さ(ロール軸・前後左右に動く軸)の60%・40%以下であること、腕の長さは足の長さの120%以下であること、足に錘やバッテリを載せるなど重心を下げる行為を避けることを満たしていれば、どんな機体でも参加可能。トルク制限はない。傾向として、市販機体をベースに機動力アップのため、脚部のサーボをより力のあるものに交換してあるものが多いようだ。

 トーナメントの特徴は、今回の4クラス共通だが、敗者復活戦でも優勝までたどり着ける仕組みになっていること。敗者復活戦は初戦で負けた選手のみ(一部例外もある)が参加できる。これは、どの選手でも最低2回は闘えるようにする主旨から設けられた仕組みだ。ライトウェイトクラスでは本戦に復帰できるのは1名のみで、準々決勝第4試合から本トーナメントに戻る形だ。

 エントリーは今回の4クラス中で最も多く15名だったが、2名が棄権となった。ロボット名は以下の通りで、カッコ内はオペレータ名(敬称略)。登場順で並べてある。

・VRX-0(マサ吉)
・カエルX(miuママ)
・ジローちゃん♪(motoぶちょう)
・Lomio(RoFi)
・Centurion(兎小屋)
・つばめ(つばめ)
・CAT FACE(DIK-E)
・ゴン蔵(クロイチ)
・I'res(エーヨン)
・やまぴー963(艦長)
・NOVA-K(桑久保貞行)
・L5(クェール)
・ギャーシャ(たくやくん)

 ライトウェイトクラスは、同競技会の第1回を制したジローちゃん♪と、第2回を制したつばめの両選手が参加する激戦区。両者ともに大阪産業大学テクノフリーク部のメンバーで、ほかにもI'res、やまぴー963、L5の計5名が、今回は同クラスにエントリーしていた。自作のI'res以外はRB2000ベースで、みな外見やサウンドに凝っているのが特徴である。ちなみにI'resの外見はパンダで、かなりかわいかった。しかも、起きあがれないので、スリップまたはダウンしたら、這いずっていって自ら場外に落ちて復帰するという戦法を取っている新機軸である。また動物タイプのキャラクター系では、カエルXもかわいかった。I'resやカエルXなど、動物タイプのキャラクター系はキッズ人気も高いので、ホビーロボットの表現のあり方として、今後も続けていってほしいところである。

 序盤のヤマ場は、準々決勝の1回戦。ジローちゃん♪vsつばめの第1回と第2回の王者対決が早くも実現した。しかし、つばめの調子がイマイチだったようで、左の裏拳で1ダウンをジローちゃん♪に奪われた後、2スリップを重ねて2ダウン。後がなくなったところをあっさりジローちゃん♪にさらに1ダウンを取られ、勝負ありとなってしまった。


第1回チャンピオンのジローちゃん♪ 第2回チャンピオンのつばめ かわいい外見のI'res。起きあがれないので、自らリング外へ

カエルX。ベースはRobovie-Xだ 【動画】ジローちゃん♪vsつばめ。第1回と第2回の王者が激突

 決勝戦は、ジローちゃん♪vsやまぴー963の、大阪産業大学テクノフリーク部による同門対決になった。ジローちゃん♪はRB2000をベースに、かなり機動力をアップさせてある機体で、ボディカラーはノーマルの青。特徴は、目にかなり強いライトを仕込んである点だ。初戦でLomioを、準々決勝でつばめを、準決勝でCAT FACEを下し、決勝戦に進出した。

 一方のやまぴー963もRB2000をベースで、ボディカラーはほぼノーマルの青。特撮ヒーローのような、赤いマフラーが首周りを飾っており、顔もV字アンテナ(ツノ)が立っているなど、かっこいい。しかし、とてもにぎやかな機体で、「ジョニーG! 横移動!」「ジョニーG! 旋回!」など、その音量とセリフはもはや“口撃”という感じ。今回初めて見た人は面食らったのではないだろうか。初戦は対戦相手が棄権し、準々決勝で同門のL5を下し、準決勝で敗者復活のゴン蔵を破っての決勝進出である。

 試合は、お互いに手の内を知っている者同士ならではの、機動力を駆使した攻撃ポジションの取り合いが展開した。しかも攻撃が当たっても、どちらもなかなか倒れないなど、ディフェンス面でも見応えのある闘いである。先にダウンを奪ったのはジローちゃん♪だったが、しばらくしてやまぴー963も取り返す。そのあとにジローちゃん♪の必殺技が炸裂してやまぴー963を追い込むが、そのやまぴー963も負けてない。ジローちゃん♪の攻撃を空振りさせておいて、その伸びきった腕にパンチを入れてダウンを奪い、2対2のイーブン。1分を残して、1スリップが判定負けに直結するという息詰まる展開となった。しかし、最後はジローちゃん♪の左パンチが決まり、きっちり3ダウンを奪って勝利。第1回に続いて、覇者となった。ジローちゃん♪のオペレータのmotoぶちょうさんは、「第2回で勝てなかったので、今回勝ててとても嬉しいです」と喜びをあらわにしていた。


左側がやまぴー963。ヒーロー系のスタイルだ 【動画】決勝戦。ジローちゃん♪vsやまぴー963

 3位決定戦は、CAT FACEvsゴン蔵。CAT FACEは、株式会社ダイキンエンジニアリングの自動車部所属の機体だ。同部は、今回は複数名の選手が参加しており、大阪産業大学テクノフリーク部に次ぐ一大勢力である。CAT FACEは、その名の通りネコの顔をした機体だ。後方への攻撃などかなりのモーションを用意していたようだが、オペレータがどのボタンに配したか忘れてしまい、使い切れなかったそうである。一方のゴン蔵は、日本の民芸品のような顔立ちが特徴のオリジナルロボットだ。敗者復活から勝ち上がってきたため、3位決定戦が7戦目。ライトウェイトクラス最多試合数となった。試合は、リーチの長さを活かしたゴン蔵が勝利している。


CAT FACE。ネコ顔がポイント ゴン蔵。顔が特徴的だ

【動画】3位決定戦。CAT FACEvsゴン蔵 ライトウェイトクラスのトーナメント表

関西四天王の一角・YOGOROZA-Vを倒せるか!? 無差別級のオープンクラス

 オープンクラスは重量制限がなく、第12回もしくは第13回ROBO-ONEの機体レギュレーションを満たしていれば出場可能というルール。ほかのクラスの出場者も参加でき、ライトウェイトクラスのCenturionが参加していた。また、ライトウェイトクラスとは違う機体で参加した選手もいた。エントリーは10名。ロボット名は以下の通りで、カッコ内はオペレータ名だ(敬称略)。

・micro-ghost(sakia)
・YOGOROZA-V(だうと)
・フィアス(399)
・Centurion(兎小屋さん)
・フィアス'LL PINK(miuママ)
・Captain. PEKO(クロイチ)
・ガジェット・フロッグ(ドクター・ガジェット)
・アフ・ロゥ(マサ吉)
・unfix MkII(kantarow)
・KISS SC.Ver(redari)

 こちらの敗者復活トーナメントは少し特殊で、本トーナメントと絡んだ形になっている。まず、敗者復活の第1戦(本トーナメント第1・第2試合の敗者)の勝者が、本トーナメント1回戦第5試合の勝者と闘う(仮に「勝者A」とする)。敗者復活の第2戦(本トーナメント第3・第4試合の敗者)の勝者は、敗者復活の第3戦として本トーナメント第5試合の敗者と闘った後、勝者Aと闘うという具合だ。

 見ていて面白かった機体は、ガジェット・フロッグ。象の鼻のように3本目の腕が身体の正面にあり、振り回すと非常に破壊力があった。また、アフ・ロゥもその名の通り、アフロヘアー。見た目のインパクトがあった。Captain. PEKOは、目玉が顔と、胸に描かれたドクロマークの目に貼ってあって、愛きょうがあった。


4クラスすべてに出場のCenturion ガジェット・フロッグ

アフ・ロゥ Captain. PEKO

 決勝に進出したのは、まずYOGOROZA-V。各地のロボット競技会で活躍している機体で、関西方面の四天王といわれている強力なロボットだ。身長38cm・体重2.6kgと体格があるのに機動力も備えており、なおかつ非常にリーチのあるパンチを持っているので、倒すのは「至難の業」という機体である。しかし、今回はトーナメントの途中で一部調子が悪くなったらしく、前後の動きが厳しかったようである。

 そしてもう1機は、unfix Mk II。manoi AT01をベースにした機体で、身長45cm・体重2.7kg。顔の両脇に後方に延びる形でツノやその下側にはキバ(?)が前方に突き出ているなど、スーパーロボット系の顔立ちをした機体だ。コブシにはかぎ爪風のアタッチメント(実際には爪になっておらず、リーチを伸ばすためのもの)を装備してあり、白兵戦が得意そうな雰囲気である。

 決勝戦は、YOGOROZA-Vが長期戦にもつれると不安なため、短期決戦で打って出る。一気に勝負に出て、1ダウン目をunfix Mk IIから奪取したのはスタートしてほんの数秒。横方向のグンと伸びるアッパー気味のパンチがunfix Mk IIをとらえ、リング外へはじき飛ばしてしまう威力を見せつけた。そのままラッシュをかけ、2本目もunfix Mk IIをリング外へ突き飛ばす強さ。unfix Mk IIはそこから粘り1ダウンを取り返すが、惜しくも反撃はそこまでで、そのあとにまたも横方向の突き上げるパンチを食らって万事休す。YOGOROZA-Vが3-1で勝利を収めた。惜しくも2位となったunfix Mk IIのオペレータのkantarowさんは、「実力差はやはりありましたが、あのYOGOROZA-Vから1本取れたことは嬉しかったです」と試合後にコメントしている。


YOGOROZA-V。関西では「泣く子とYOGOには勝てない」といわれているとかいないとか unfix Mk II 【動画】オープンクラス決勝戦

 3位決定戦はCaptain. PEKOとフィアス'LL PINKの間で行なわれた。Captain. PEKOは赤い上に、目玉のオブジェ(中の黒丸が動く)をつけたユーモラスな顔がポイントだ。37cm/1.8kgと、オープンクラスの中では軽量の部類に入る。一方のフィアス'LL PINKは、miuママさんがカエルXとともに持ち込んだ機体。399さんのフィアス'LLのピンクバージョンだ。39cm/2.2kg。ちなみにこちらはカエルなどのかぶり物はしていない。試合は、スペックから想像する以上に体格で圧倒するフィアス'LL PINKが押し切るかに見えたが、試合経験豊富なCaptain. PEKOが巻き返して3位の座を獲得している。


フィアス'LL PINK こちらはオリジナルのフィアス(エントリーでは「'LL」が外されていた)

【動画】オープンクラス3位決定戦。Captain. PEKOvsフィアス'LL PINK オープンクラスのトーナメント表

クラスとして成り立つほど出場台数が増えてきた自律クラス

 今回新たに設けられた自律クラスの参加レギュレーションは、二足歩行ロボットであることのみ。現在のところは、センサ数に制限はない形になっている。センサに関しては、数名の選手に話をうかがったところ、対戦相手との距離の測定にPSDセンサを使うのが主流となっているようだ。基本的に相手をとらえるには、機体を一定方向に旋回させ、対象物を見つけたらそこに向かっていくという仕組み。なので、オペレータや審判も近くにいると反応してしまう可能性があるため、各選手とも離れて勝負を見守る形となった。

 また、オペレーターはいうまでもなく、スタートした後はリング外に落ちた機体を元に戻したり、スリップダウン時にタイムを宣言したりする以外はほぼ見守るのみ。そこで、急遽オペレータ自らに解説兼実況を行なってもらうという、自律クラスならではの趣向が採り入れられることになった。ゴリアテのオペレータの岩機さんらがマイクパフォーマンスを披露。

 エントリーは9名で、うち1名が棄権となった。敗者復活は1名が勝ち抜ける形で、本トーナメントの準決勝順に戻る形だ。ロボット名は以下の通りで、カッコ内はオペレータ名だ(敬称略)。ほかのクラスに出場している選手もおり、Centurionはなんとこのクラスに加えて、この後のチャレンジクラスにも参加し、試合数はこの日一番だった。ちなみにmiuママさんは、オープンクラスのみフィアス'LL PINKでの出場だったが、ほかの3クラスにはカエルXで出場している。

・YOGOROZA-V(だうと)
・フィアス(399)
・Centurion(兎小屋)
・ゴリアテ(岩機)
・カエルX(miuママ)
・unfix AT01(kantarow)
・NOVA-K(桑久保貞行)
・VRX-0(マサ吉)

 このクラスでも体格と機動力を兼ね備えたYOGOROZA-Vが強く、同じく大型のフィアスやゴリアテらを下して決勝進出。もう1体は、Robovie-XベースのVRX-0だ。VRX-0は自律用にセンサ、ジャイロ、アナログ拡張ボードを搭載している以外は、ノーマルの状態だ。

 試合は、両者に体格差や性能差がかなりあるため、YOGOROZA-Vが断然有利なものと思われた。事実、両者が接近してVRX-0がYOGOROZA-Vの射程内ど真ん中に入ってしまうと、左のパンチ1発でダウン。しかしその後、YOGOROZA-Vに最大のピンチが。密着した状態のVRX-0に攻撃を加えてダウンを奪った際に絡んでしまったのか、YOGOROZA-Vも倒れてしまう。難なく立ち上がるかと思われたYOGOROZA-Vだったが、調子の悪さがここで出てしまい、ダウンカウントが進んでも、もがくのみで起きあがれない。カウント8まで進み、VRX-0のTKO勝ちかと思われたその一瞬、カウント9で狙ったようにスックと立ち上がり、TKO負けをかろうじて回避したのであった。立ち上がってしまえばYOGOROZA-Vの地力が上で、最後はきっちり3ダウン目を取ってオープンクラスに続いての優勝となった。YOGOROZA-Vのオペレータのだうとさんは、「関西人らしくエンターテイメントを意識してみました(笑)」と、そのハラハラドキドキな闘いぶりについてコメントし、場内を沸かせていた。


VRX-0。自律用にセンサなどを積んでいる以外はRobovie-Xのまま 【動画】YOGOROZA-VvsVRX-0による自律クラス決勝戦

 3位決定戦はゴリアテと敗者復活を勝ち抜いたフィアスの間で行なわれた。ゴリアテは、ヴイストンとともに関西方面で数々のロボット競技会を開催しているロボットフォース所属の機体。KHR-2HVの腕を延長した機体で、32cm/1.6kgというスペック。一方のフィアスは、39cm/2.2kgというスペックのオリジナル機体。ゴリアテの試合はオペレータの岩機さんがマイクを持つのだが、3位決定戦は、フィアスの左ストレートがゴリアテの顔面をとらえた瞬間は「うぉっ!! 今のは痛い」とシャウトが入り、生々しい迫力がある。今後、自律クラスに出場する際は、岩機さんのようにマイクパフォーマンスも鍛えておいた方がいいかもしれない!?


ゴリアテ 【動画】ゴリアテvsフィアスの自律クラス3位決定戦 自律クラスのトーナメント表

小学生の男の子や中学生の女の子も参加した市販機のチャレンジクラス

 初心者が参加して楽しめるように、というコンセプトのチャレンジクラス。ルールはバッテリを搭載してロボットの重量が1.5kg以下。無改造の市販キットのみだが、純正品オプションによる改造や塗装、衣装などはOK。足を極端に短くする改造はなしという形だ。

 小学生の男の子や中学生の女の子、女性選手も数名いたのがこのクラスの特徴。また、大阪産業大学テクノフリーク部が3名、株式会社ダイキンエンジニアリングの自動車部も3名参加と、両チームが2大勢力といった感じだった。エントリーは13名で、2名が棄権。参加ロボットとオペレータ名は以下の通りだ。

・Centurion(兎小屋)
・minto(アールエス)
・ねこ(ヴィー)
・ヴァイラル(タクアン和尚)
・あおすけ(イッカ)
・キウイ(たかの)
・ギャーシャ(たくやくん)
・黒爪(sroo)
・カエルX(miuママ)
・くろりん(ショウ)
・R-i(tmasu)

 このクラスで面白かったのが、ヴァイラル。キウイ、黒爪とともに大阪テクノフリート部のメンバーなのだが、ご多分に漏れずサウンドに凝っている。凝っているというか、かなり受け狙いのようで、まずもってモーション付きのせきが笑える。肺の奥の方から出てくるような、とても具合の悪そうなせきで、ロボット・インフルエンザに罹患していそうな感じ。人とロボットの垣根を越えて、かぶりつきの報道席で取材していた記者たちにまで感染しそうで、実に脱力系のサウンド「口撃」である。そのほかにも、いろいろとしゃべるのだが、解説していたヴイストン代表の大和信夫氏もさすがに脱力してコメント不可能という具合であった。ムービーはカメラの前にスピーカーがあって、BGMが流れているためちょっと聞き取りにくいが、しゃべりまくっているのはわかってもらえるはずだ。

 また、オペレータが中学生の女の子らしい、かわいかったロボットが、ねこ。RB2000ベースなのだが、頭にネコのかぶり物をしていて、胸の装甲板にもふわふわした布が貼ってあって、かなり印象が異なる。ちなみに、手袋も製作途中だそうで、今回は試合前に片手だけはめているところを見られた。


【動画】ヴァイラルvsR-iの対決。ちょっと聞き取りにくいが、モーションでも笑わせてくれる 【動画】チャレンジクラスの準々決勝のひと試合。Centurionvsねこ

 こちらの敗者復活トーナメントは普通で、勝ち抜いた1名が準決勝のベスト4に入る形だ。決勝は、テクノフリート部のチーム・ジローちゃん♪に属するキウイと、敗者復活から勝ち抜いたダイキンエンジニアリング自動車部のR-iによって行なわれた。キウイはRB2000で、きれいな緑色と蒸気機関サウンドが特徴の機体だ。一方のR-iは、ノーマルカラーのRobovie-X。チャレンジクラスとはいっても、決勝になると見応えが随分と出てくる。機動力で上回るキウイがR-iの背後を突こうとする展開だが、R-iは正面からの攻撃力が上で、両者一進一退の攻防。結局2対2で引き分けとなり、この日の決勝戦で初めての延長戦へと突入した。延長戦では、背後に回り込まれるのを警戒するR-iに対し、数少ないワンチャンスに攻撃を見事に決めたキウイが勝利となり、優勝を飾った。一度優勝すると、次回以降は、チャレンジクラスには参加できないルールなので、同門の強豪が居並ぶライトウェイトクラスで闘うことになるだろう。


キウイ R-i

【動画】チャレンジクラスの決勝戦、キウイvsR-i 【動画】キウイvsR-iの決勝戦延長。3本目を先取した方が勝ちのサドンデス

 3位決定戦は、ねこvsカエルXの女性オペレータ対決となった。女性らしい、ファンシーな動物系キャラクター対決だ。カエルXは試合数が多かったせいか、ねこに1ダウンを取られたところで、足の付け根のサーボに不調をきたしてしまい、立ち上がれず。実は、後からビデオでよく見たらわかったのだが、この時点でねこも右足首の角度がおかしくなってしまっており、移動すれば転倒する可能性が高い状態。生物界の掟通り(?)の結果となったが、辛勝という形だったようだ。ちなみに、ねこのオペレータのヴィーさん、3位になったことについて「なんとなく勝ててよかったです(笑)」と、3位決定戦は何もしないまま終わってしまった、という感じであった。


【動画】チャレンジクラスの3位決定戦 チャレンジクラスのトーナメント表

 そして最後に特別試合として、自律クラス優勝のYOGOROZA-Vvsチャレンジクラス優勝のキウイによるロボット(自律)対人(無線)の対決が行なわれた。ロボットの戦力的には、圧倒的にYOGOROZA-Vにあるため、キウイはうかつに近づかないようにして、死角を突こうとする。が、試合中に電池切れが発生してしまい、キウイはタイムで1ダウン。2スリップで2ダウンになったところから、キウイは警戒しつつも身体を浴びせるようにして1ダウンを取り返す。最後も残り時間わずかというところで捨て身技的に飛び込むが、両者同体でリング外に落下。YOGOROZA-Vも2ダウンとなるが、キウイにも1ダウン追加で3ダウン。ロボットの勝ちとなった。YOGOROZA-Vのオペレータのだうとさんは、「一度も攻撃を出していないような気が(笑)」と、自分が勝者でいいのか苦笑い的なコメント。一方、敗れてしまったタカノさんは、「確かに自律ロボットよりも人間の方がその場に応じた操縦ができるのは間違いないのですが、ロボットは緊張しないんです。YOGOROZA-Vが前に立っていて、緊張しない大阪人はいないと思うんです」と、プレッシャーに屈したとして弁明していた。ともあれ、この日は無類の強さを発揮したYOGOROZA-Vであった。

 熱戦の終了後、ボーナスとして、新型ロボット「ヴイストン ティクノ」を急遽公開。小学生が胸を張って歩いているようなその歩行の様子に、会場からも歓声が上がっていた。


【動画】最後は自律=ロボットvsチャレンジ=人の対決 自律、オープン、そして自律クラスvsチャレンジクラスによる特別試合を制したYOGOROZA-Vのオペレータ・だうとさん

ヴイストン ティクノ 足の付け根のサーボが新開発 ロボット大集合

会場の様子その1 会場の様子その2 会場の様子その3

 ヴイストンは、今後もロボプロステーション チャレンジカップを開催の予定。第4回は半年後の12月頃を予定しているそうだ。ご覧のとおり、初心者でも楽しめる市販機無改造のチャレンジクラスもあるので、関西地区のロボットをこれから買おうという人も、ぜひ挑戦してみてはいかがだろうか。


URL
  ロボプロステーション
  http://www.vstone.co.jp/top/robo-prostation/
  ヴイストン
  http://www.vstone.co.jp/


( デイビー日高 )
2008/06/30 00:04

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