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福岡県総合防災訓練にT-53援竜登場
〜生物化学テロ災害訓練に参加


総合防災訓練の行なわれた行橋総合公園
 5月25日、福岡県行橋市の行橋総合公園において、平成20年度福岡県総合防災訓練が実施され、テムザックのレスキューロボットT-53援竜も訓練に参加した。

 福岡県総合防災訓練は、梅雨を控えたこの時期に福岡県内の防災関係者が行なう防災訓練だ。福岡県・行橋市・消防・警察だけでなく、自衛隊や医療関係者、民間企業、それにボランティア団体までもが参加し、その数は100団体を越えた。

 福岡県総合防災訓練は、風水害・地震・津波・列車事故などいくつもの災害を想定し、訓練用に定められた場所ごとに決まった時間に訓練が開始される。
 
 テムザックのレスキューロボットT-53援竜が参加したのは、特殊災害対策訓練の中の生物化学テロ災害訓練だ。生物化学テロ災害訓練は「生物剤および化学剤によるテロ災害を想定し、物質の検知及び救助と除染等の訓練」となっており、警察・消防・自衛隊の化学防護部隊が参加。それに福岡県内の民間の医療機関で組織された災害派遣医療チーム「DMAT」が救出救護活動に協力するという訓練が行なわれた。


防災訓練開始前 集結した特殊車両。右にT-53援竜が見えるが、T-53援竜は移動スピードが遅いため、最初から訓練の行なわれる場所に置かれていた 訓練開始。さまざまな防災訓練が時間差を置いて開始された

自衛隊のヘリによるビルの屋上からの被災者の救出訓練 地震で倒壊した建物からの救出訓練 放水訓練

 まず化学防護服を着た北九州消防局化学救助隊と福岡県警NBCテロ対策隊の隊員が現場に到着し、使用された生物化学剤の調査を実施し、負傷者の救助と現場からの搬送を実施した。

 その後に有人操縦でT-53援竜が登場。生物化学剤が入っていると想定されたドラム缶をつかみ、片方のアームで揺れないようにドラム缶をささえながら、現場からそのまま運び出して退場した。離れた場所でドラム缶を置いて、T-53援竜の訓練は終了となった。


始まった生物化学テロ災害訓練。消防車の後部座席には気密式の化学防護服を着用した消防隊員の姿が見える 福岡県警NBCテロ対策隊の車両 福岡県春日市に駐屯する陸上自衛隊第四師団化学防護隊の除染車。中和剤を散布して化学剤を中和する

危険化学剤が流出したという設定で訓練は始まった 応急救護所の設営 T-53援竜は遠隔操縦ではなく有人による操縦だった。搭乗員も化学防護服を着ている

 訓練終了後にテムザック社の高本社長に話を伺うことができたので、T-53援竜の今回の訓練について聞いてみた。今回、遠隔操縦ではなく有人による操縦になったのは、周囲に人がいるために安全を考えて有人操縦にしたとのことだった。ドラム缶をつかんだだけでなく、片方のアームで動かないよう押さえ込んだことについては、「重機でぶら下げると運搬途中で大きく揺れて、中の化学剤がこぼれる危険性があります。援竜なら腕が2本ありますので揺れないように手で押さえて運べます」と、援竜ならではの利点を語っていた。なお、T-53より大型のT-52援竜で「上からドラム缶をつかんで持ち上げ、横から片方のアームで押さえ込んで揺れないように運ぶ」こともやったことがあるそうだ。


T-53援竜を正面から 各防護隊員の出動 気密式化学防護服に身を包んだ北九州市消防局化学救助隊の隊員。防護服内部を陽圧に保ち、危険なガスの侵入を防ぐ

福岡県警NBCテロ対策隊による負傷者救出訓練 福岡県警NBCテロ対策隊による原因物質の調査 消防と警察による負傷者救出訓練

警察と消防による合同調査訓練 原因物質の採取訓練 負傷者を搬送して現場より撤退

現実では決して出会いたくない光景だ 動き出したT-53援竜 アームを伸ばして掴もうとしている

ドラム缶を持ち上げた 逆のアームをドラム缶に添えている アームを添えてドラム缶の揺れを止めた

このまま移動していく 去っていくT-53援竜を背後から ドラム缶を下ろしてT-53援竜の訓練は終了となった

ドラム缶のアップ。地元の消防局から提供を受けたものとのこと 陸上自衛隊化学防護隊の除染車とT-53援竜 北九州市消防航空隊のヘリコプター「きたきゅう」とT-53援竜

T-53援竜の操縦席から訓練会場を見たところ 生物化学テロ災害対策訓練に使われていたダミー人形 救助者の重症度を表すタグ。「0」が死亡で、「1」が最も重症(それより軽症の「2」と「3」がある)。病院への搬送の優先順位をこれで判断する

 T-53援竜の登場時間はわずかで、今回はそれほど複雑な作業をしたわけではないが、どうすれば災害現場で効果的に使えるかを念頭においての訓練参加だった。従ってこのような事態が本当に発生した場合は、援竜の出動が十分に考えられるとみられる。もちろん、そんな日が来ないことを望みたいわけだが。


自衛隊の大型ヘリコプター・CH-47チヌークによる空中消火訓練。余談だが、T-53援竜は上部を取り外せば、CH-47チヌーク内に格納して運搬できるように設計されているそうである 地元消防団と自衛隊のヘリが連携を取っての、林野火災に対する空中消火訓練 オマケ。NPO法人九州救助犬協会の救助犬によるアピール

URL
  テムザック
  http://www.tmsuk.co.jp/
  平成20年度福岡県総合防災訓練について
  http://www.pref.fukuoka.lg.jp/f17/h20bousaikunren.html


( 大林憲司 )
2008/06/03 15:10

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