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予選参加国・地域は42カ国に達し、10万人以上の子供たちが参加している
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4月27日から29日にかけて、少年少女たちによる世界最大規模のロボット競技会「FIRST LEGO League(ファースト・レゴ・リーグ、以下FLL)2008 世界大会オープンアジアンチャンピオンシップ」が、東京・千駄ヶ谷の東京体育館で開催された。大会名にあるとおり、レゴ社の自律型ロボットキットの「マインドストームNXT」および同「RCX」を用いたロボット競技会である。
FLLは米国のNPO法人FIRSTとLEGO社の連携により、1998年に米国でスタート。2007年度で10周年を迎えた(大会名には2008とあるが、今大会は2007年度の世界大会)。現在、予選参加国・地域は42カ国に達し、10万人以上の子供たちが参加しているという具合で、あまりにも多くなりすぎてしまったため、世界大会は毎年米国の1都市と、ほかの国の1都市の計2カ所で開催されるようになった。2007年度はアトランタでの「FLL ワールドフェスティバル イン アトランタ」と今大会というわけだ。なお、今大会はFLLの歴史において日本およびアジア地区で開催される初の世界大会である。
今大会の参加国数とチーム数、そして合計人数は、日本を含めた25カ国および地域の58チームで約700名。参加国は、アイルランド、アメリカ、イギリス、イスラエル、エジプト、カナダ、韓国、サウジアラビア、シンガポール、スウェーデン、スペイン、台湾、中国、デンマーク、ドイツ、トルコ、オランダ、ノルウェー、ブラジル、フランス、ペルー、香港、マレーシア、メキシコとなっている。
ホスト国の日本代表チームとして世界の50チームと対戦したのは、kaettekita kyusyu no samurai、KINKI UNIVERSITY TOYOOKA JUNIOR HIGH SCHOOL SCIENCE CLUB、kirameki、mottainai、NARA Education University JHS、Toin Robotics Jr.、X-Puzzleの7チームだ。日本国内の地方ブロック予選は7地方8会場に別れて行なわれ、150チーム約700名が参加。そこを勝ち抜いた36チームがさらに全国大会の「FLL Japan Open」(2007年12月29・30日に東京武道館で開催)で絞られ、上記の7チームが決定したという次第である。なお、その時の1位はNARA Education University JHSだ。
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kaettekita kyusyu no samuraiは4名のチーム。入場シーンではサムライコスプレ
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登録は10名だが、メンバーは11名のKINKI UNIVERSITY TOYOOKA JUNIOR HIGH SCHOOL SCIENCE CLUB
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kiramekiは3名(騎馬の先頭の人はメンター)
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mottainaiは3名
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NARA Education University JHSは10名マックスの登録だが、メンバーは12名
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Toin Robotics Jr.は8名
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X-Puzzleは8名だが、マネージャーの女子2名もいた
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会場となった東京体育館
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世界各国のチームの中には、お国柄らしさを出す民族衣装を着用したり、物類を身にまとったり、コスプレをするチームがいたが、日本チームも複数のチームが和装してみせてくれた。Toin Robotics Jr.はメンバー全員が校名の入ったおそろいのハッピを着ていたし、kaettekita kyusyu no samuraiはオープニングセレモニーで戦国武将や大名のコスプレ、kiramekiは剣道着(と思われる)を着用していた。
チーム構成を見て、日本と海外チームの違いを感じたのは、やはり日本ではロボットは男の子のもの、という文化的背景が強いという点。海外チームは、女子オンリーのチームもあるし、男女混成チームも結構ある。日本は、X-Puzzleに女子マネージャーが2名いたが、あとは男の子たちばかりだった。日本国内の地方予選や全国大会なら女の子が参加しているチームもあるのかも知れないが、今後はぜひ世界大会の場でも日本の女の子たちにも活躍してもらいたいものである。余談だが、記者が個人的にキュート賞をあげたいと思ったのが、スウェーデンの金髪(ばかりじゃないけど)美少女軍団GPSだ(笑)。
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マレーシアのGO ENASON
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スウェーデンのGPSは女の子だけのチーム
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民族衣装もいろいろ
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民族衣装ではないが、かぶり物を統一しているチームも
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● 競技はロボットにミッションをクリアさせていく内容
競技は毎年課題が設定され、今年は「パワーパズル(代替エネルギー)」とされた。エネルギー利用への理解を子供たちの視点で深めてもらおうという趣旨である。
競技にはマインドストームNXTおよびRCXを使用するわけだが、使用可能なパーツの種類と数は決まっているので、限られた中でどう組み立てるかはアイディア次第。子供たちが創意工夫をしながらロボットを組み立てていくというわけだ。使用可能なパーツは、RCXとNXT共通なのが、本体×1、モーター×3、タッチセンサー×2、光センサー×2、豆電球×1。RCXに関しては、回転センサー×3に加え、3つ目のタッチセンサーもしくは光センサーを使用可能だ。
NXTも回転センサーを使えるが上限が3個までと決まっていて、そこから使用するモーター数を引かなければならない。つまり、モーターを2個使う場合は、使用できる回転センサーは1個というわけだ。NXTだけが使えるセンサーには超音波センサーがあり、1個だけ使用可能となっている。なお、それら以外のパーツに関しては、特に制限はないようである。それからプログラミングに関してだが、これももちろん自分たちで行なう。その際はレゴ社のソフトウェアを使用するというのが条件だ。
チーム編成は3名から10名まで。実際には10名以上いたチームもあったが、おそらく応援であって、今回の正式なチームメンバーとしては登録されていないものと思われる。年齢は9歳から15歳までだ。9歳といえば小学校3~4年生で、15歳は中学3年生から高校1年生。なので、かわいらしい子供たちだけのチームもあれば、190cmクラスが何人もいるチームもあるなど、多彩なチームバリエーションを見ることができた。
さて、競技はチャレンジフィールドと呼ばれるボードを2つつなげて、2チームが対戦する形で行なわれる。チャレンジフィールドの大きさは、縦が約2.4m、横が約1.1mだ。チャレンジフィールド上の各所にレゴブロック製の建物やクルマなどが設置されており、さまざまなフィールド(エリア)が設定されている。このチャレンジフィールドでロボットの操作やパーツの変更などを行なえる選手は2名までで、ベースと呼ばれるロボットの基地エリアでのみ行なう。そのほかのメンバーは、選手と審判以外には入ってはいけないラインの外側から応援したり指示をするといった感じだ。
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ロボットその1。kaettekita kyusyu no samuraiのもの
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ロボットその2。Kiramekiのもの
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チャレンジフィールドの様子
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具体的な競技内容には、以下のものがある。それらミッションをクリアするごとに加点され、すべてをミスなくクリアすれば400点満点となるという具合だ。
・屋根の上にソーラーパネルを載せる(15点)
・水素自動車やトラックを指定されたスペースへ移動させる(25点)
・周囲の家屋に触れないようにダムを指定された河川に設置する(25点)
・風力発電タービンを指定された場所に設置する(15点)
・送電線を発電所と周囲の建物周辺に設置して連結する(各5点)
・太陽発電衛星のソーラーパネルを展開する(15点)
・各自で独自デザインした波力発電タービンを持参し、海へ移動させる(25点)
・石炭採掘の貨物車を移動させる(10点)
・石油採掘として、石油の樽を石油プラットフォームから外す(10点)
・すべてのトウモロコシの収穫と加工(25点)
・すべてのウランの採掘(15点)
・木々を移動させて植林活動(各10点)
・燃料を発電所へ移動させて供給する(木々、石炭、ウランが各10点、石油は各5点)
・石油の樽をベースに移動する(各10点)
2チームが対決するといっても、実際に対決となるのは太陽発電衛星のソーラーパネルを先に展開した方に5点が与えられるというものぐらいで、基本的には自分たちとの闘いということになる。競技時間は2分30秒となっており、その中でいかにミスなくミッションをクリアしていけるかがカギになる。
予選は4チームが1ブロックになっており、都合3回対戦する。しかし、ブロックで1番になったからといって決勝戦に進出できるというわけではない。まずベストのポイントで、全58チームの順列がつけられる。当然同点のチームがいくつも出てくるので、次に2番目に高いポイントでさらに順列をつける。それでも同点の場合があるので、最後に3番目の得点で順列をつける。
これにより全58チームのランキングを決定し、上位8チームが決勝進出となる。3試合の合計得点で順列をつけるわけではないので、例えば399点を3回出したとしても、1回だけ400点満点があってあとは0点というチームより順位が下になってしまうのだ。
なお、今回はなかったが400点満点を3回出してパーフェクトを決めたチームが9チーム以上あった場合、どう順列をつけるのかは未確認。どうも、さまざまな状況を考慮した審判団が判定を下すようだ。今後はそうした場合に備えて、全ミッションクリアまでのタイムも計測してみてはいかがだろうか。それなら、同点のチームがあったとしても、いくら何でも3試合を合計すれば1秒ぐらいの差は出るはずだ。
● 初日は英語で3項目のプレゼンテーション
3日間のスケジュールだが、初日は競技とは別枠のプレゼンテーションが実施された。最終的なチャンピオンを決めるためには、実はこのプレゼン内容や出来映えなども大いに考慮される。続いて2日目は競技の予選日、そして3日目に決勝が行なわれた。プレゼンテーションで子供たちが審査員の前で話す言葉も、競技中に審判が使用する言葉もすべて英語という具合。もちろん、日本チームもオフィシャルな発言の際は英語だ。
初日のプレゼンテーションは東京体育館のサブアリーナにある複数の部屋を利用して行なわれた。プレゼンテーションにはリサーチ、テクニカル、チームワークの3種類がある。持ち時間は3つとも5分で、その時間内に英語ですべての発表を行なう。ちなみに審査員からの質問などはプレゼン時間に含まれない。
3項目それぞれの内容だが、まずリサーチではパワーパズルを題材にした研究発表が行なわれた。発表形式は自由で、まさに子供たちの創意工夫次第。いくら昨今のエネルギー問題やそれに付随する環境問題などを詳しく調べあげ、そしてそれを正しく述べたところで、単純なスピーチとちょっとした資料類の提示だけだと上位は狙えない。審査員を驚かす発表方法や、鋭い切り口などがあって初めて評価されるようである。NARA Education University JHSなどは、都市のジオラマまで作る力作を披露していた。
一方テクニカルでは、自分たちの作ってきたロボットの構造、動き、プログラミングについての発表を行なった。競技で使用するフィールドに建物やクルマなどのアイテムもすべて設置して行なわれる。競技中は審判も各チームのロボットの細かな創意工夫まで目が回らないので、事前にそれをチームの子供たち自身に説明してもらうというわけである。
最後のチームワークでは、これまで行なってきたFLLに関連する活動内容をアピールするのと同時に、チームの構成やメンバーの役割なども発表。通訳がいるとはいえ、審査員からのインタビュー形式で答える内容なので、どれだけ機転が利くか、物怖じしないでちゃんと答えられるか、といった点がポイントとなるようだ。誰が答えるのかということを明確にし、わからないときはわかる人に答えるよう指示をする、といった指揮系統をしっかりと確立しておくと印象がいいようである。
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NARA Education University JHSのリサーチの様子
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Toin Robotics Jr.のテクニカルの様子
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チームワークでは審査員にインタビューを受けるので、英語が話せると非常に有利
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● お国柄が見て取れたオープニングセレモニーとお祭り騒ぎのピットゾーン
2日目の予選開始に先立ち、オープニングセレモニーが実施された。東京体育館のメインアリーナのオーロラビジョン下にステージがあり、その前方には4組のチャレンジフィールドという構成。そして、その周囲三方を仮設スタンドが囲んでいるという具合である。体育館の入り口と仮設スタンドの間には、各チームの拠点となるピットが並んでいた。
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オープニングセレモニーでの海外チームの様子。競技会というよりはお祭り騒ぎ!
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会場は三方が仮設スタンド。正面のスタンドの向こうにピットがある
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大騒ぎのオープニングセレモニーも終わって、ピットの方に子供たちが戻ったので付いていくと、お国柄を前面に押し出したピットもあって、見ているだけで面白い。ピット前にひな壇を作って、母国からわざわざ手荷物で持ってきたのか、文化的な小物類を並べ立てているチームもあるし、メンター(引率の保護者)が英語の観光用パンフレットを渡してくるところもある。競技中のオフィシャルな言語は英語だが、それ以外は普通に母国語で問題ないので、英語以外の耳慣れない言葉が行き交う。にも関わらず、子供たちは慣れてくると遊びを普通に始めてしまうから、言葉なんかいらないんだなと感心させられる。こうして世界中の子たちが国籍に関係なく仲良く遊んでいる様子を見ると、月並みだがもっと世界が平和にならないものかと思ってしまう。
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ピットの遠景。同一国のチームは絶対に隣り合ったりしないよう調整されている
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ピットその1。韓国のLEGO VIRUSのもの
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ピットその2。サウジアラビアのRoyal Commission Robotics Club
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ピットその3。カナダDunamis NRG
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ピットその4。NARA Education University JHS
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各国伝統の遊びをしている子供たちもいた
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子供たちはいろいろなオモチャを持ってきていた
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ブラジル系チームはピットでもにぎやか
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【動画】国籍も言葉も関係なく遊びに高じる子供たち
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【動画】世界の子供たちが手を取り合って踊っている素晴らしい光景
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【動画】「Macarena」に合わせてダンス
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大人しそうな日本チームの子供たちは、さぞかし海外の子たちのパワーに圧倒されているのでは、と心配される方もいるかも知れないが、それには及ばない。ラテン系に負けないパワーで大騒ぎをしていたというわけではないが、存分に異文化交流を楽しんでいたようだ。英語が不得意であまりうまく話せなくても、身振り手振りと片言の英語で十分。あちこちのピットを訪問しては、その国の文化的な小物などを見せてもらったり、逆に自分たちのピットに遊びに来た子供たちにアメやカードなどをあげたり、さらには一緒に遊んだり踊ったりと、記者も10代の時にこんな大会に参加できたらよかったなと感じてしまった。さぞかしいい思い出になったことだろう。
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韓国Fashion Hairのピットで会話をする、NARA Education University JHSのメンバー
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X-PuzzleのブースにやってきたブラジルTECNO Wurthの子供たち
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● 予選での日本チームの奮戦ぶりを紹介
続いては、日本チームの奮戦ぶりをお伝えしよう。予選は3回行なわれたわけだが、各チームの得点は以下の通り。日本勢で一番手に試合に臨んだのがToin Robotics Jr.で、3ラウンドそれぞれの得点は330、340、215。2番手のNARA Education University JHSは400、400、387点と高得点をマーク。その次のKINKI UNIVERSITY TOYOOKA JUNIOR HIGH SCHOOL SCIENCE CLUBも365、398、400と高得点。続くmottainaiは185、388、340。kaettekita kyusyu no samuraiは389、391、375。kiramekiも高得点で、380、400、393。日本勢最後のX-Puzzleが399、388、387と、こちらも高得点だった。このように、日本勢は平均点や合計点で高得点となったチームが多かったのだが、前述したように400点満点を出すことが重要なルールなので、決勝に進出できたのはNARA Education University JHSのみとなってしまった。
KINKI UNIVERSITY TOYOOKA JUNIOR HIGH SCHOOL SCIENCE CLUBやKiramekiがもし2つ目の400点満点を出せていたら、決勝に進出できていただけに惜しかった。勝負事にたらればの話は意味がないが、もし2番目に高い点も400点満点だったら、Kiramekiは7位通過、KINKI UNIVERSITY TOYOOKA JUNIOR HIGH SCHOOL SCIENCE CLUBが8位通過だっただけに実に惜しかったところである。なお、ムービーはkaettekita kyusyu no samuraiのみ第2試合だが、第1試合の撮影に失敗したためなので、他意はない。
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【動画】Toin Robotics Jr.の第1試合は、中国Beijing Green Port Angel Arts Teamと対戦。330対220で勝利
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【動画】NARA Education University JHSの第1試合。アメリカSandy Run Robotics Clubと対戦し、400対290で勝利
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【動画】KINKI UNIVERSITY TOYOOKA JUNIOR HIGH SCHOOL SCIENCE CLUBは第1試合でアイルランドSt.Geralds Castlebar Clanと対戦、365対350で勝利
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【動画】ブラジルTECNO Wurthと戦ったmottainaiの第1試合は、185対287で残念ながら敗北
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【動画】kaettekita kyusyu no samuraiは第2試合。オランダicNRG - I see ENERGY!!と激突し、391対400で惜しくも敗北
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【動画】kiramekiの第1試合はペルーKondotechと対戦。380対255で勝利
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【動画】X-Puzzleは中国Sunnyと第1試合で対戦した。399対210で勝利
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世界のチームに目をやると、なんと400点満点を3回連続、パーフェクトに決めたチームもあった。マレーシアのGO ENASON、ノルウェーのLego Extrem、スウェーデンのJolly Rogerの3チームである。また、パーフェクトにわずか5点及ばなかったオランダのicNRG-I see ENERGY!!とアメリカのRobot Mastersといったチームもあった。1試合だけ太陽電池衛星のソーラーパネルの展開で対戦チームに後れを取って5点を失っただけで、その後は一切ミスをしていないという、準パーフェクトといっていいだろう。
● 決勝戦ではNARA Education University JHSが奮戦!
決勝戦に進んだのは、以下の8チーム。400点満点を3回マークして同順1位のGO ENASON、Jolly Roger、Lego Extrem、準パーフェクトで同順4位のicNRG-I see ENERGY!!とRobot Masters、6位のNARA Education University JHS、7位の中国Winning Eleven(400点満点×2+330点)、8位のデンマークDauerKraft(400点満点×2+315点)だ。決勝1回戦の組み合わせは、GO ENASON対DauerKraft、Jolly Roger対Winning Eleven(以上2試合が第1ラウンド)、Lego Extrem対NARA Education University JHS、icNRG-I see ENERGY!!対Robot Masters(以上2試合が第2ラウンド)となった。
決勝戦には8チームしか進めないことから、当然敗れたチームは観戦したり、自分たちで遊んだりすることになる。自分たちが出ない以上、決勝は関係ないと遊んでいる子供たちもいたが、それ以上に決勝戦を応援する子供たちも多かった。
決勝戦の第1ラウンドでは、GO ENASON対DauerKraftを観戦したのだが、応援合戦が実に盛り上がる。デンマークのDauerKraftにはヨーロッパ系の子たちが、そしてマレーシアのGO ENASONには中東・アジアの子供たちが応援についた感じだ。これぞ世界大会だなと感じることができるので、ぜひムービーを見てもらいたい。ちなみに、勝負はGO ENASONが予選から通じて4度目の400点満点と審判がカウントし、準決勝1番乗りかと思われた。
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【動画】GO ENASON対DauerKraft戦のDauerKraftサイドの応援
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【動画】GO ENASON対DauerKraft戦のGO ENASONサイドの応援
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【動画】GO ENASON対DauerKraft戦
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しかし、ここで不可解だったのが、満点とされたGO ENASONが準決勝に進出できなかったこと。400点満点はルール上対戦した2チームのどちらかしか出せないので、絶対に準決勝に進出できるはずなのだが、なぜか準決勝の4チームに名前がない。予選と異なって各チームの得点も発表されず、非常に不可解である。GO ENASONのメンターやコーチらが審判団に説明を求めるが、裁定は覆らず。400点満点を決めて大喜びしていただけに、天国から地獄という状態。中には泣き出す子もおり、見ているこちらも辛いほどだ。しかしその理由は、このあとの表彰式の時にわかることになる。
第2ラウンドは、日本から唯一決勝に進出したNARA Education University JHSが登場。パーフェクト1200点満点を出した3チームのひとつ、Lego Extremとの対戦だったが、NARA Education University JHSが見事に準決勝に進出した。
そして準決勝。NARA Education University JHSは、海賊コスチュームのJolly Rogerと対戦することに。反対ブロックはWinning Eleven対icNRG-I see ENERGY!!だ。ちなみにNARA Education University JHSだが、この大会ではこれまで最高位が3位。ここで勝つか負けるかで、新記録がかかる大一番となった。しかし、さすがにプレッシャーがかかったか、選手のロボットの位置決めなどがうまくいかないことがあったようで、ミスをいくつかしてしまう。結果、残念ながら敗退となり、3位もしくは4位ということになった。なお3位決定戦は行なわれず、表彰式で発表される。
大詰めの決勝は、Jolly Roger対icNRG-I see ENERGY!!の組み合わせ。チームの大半が女の子というデンマークの海賊軍団と、オランダのニギヤカ軍団の対決となった。結果はicNRG-I see ENERGY!!の勝利となった。しかし、FLLの変わっているというか、少しわかりづらいのは、ここで優勝しただけでは一番大きなトロフィーをもらえないこと。中サイズのトロフィーしかもらえないのだ。チャンピオンを決定するには、この勝負で好成績を収めることも重要だが、プレゼンテーションも大きな要素になるのである。
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【動画】NARA Education University JHSの準々決勝、対Lego Extrem戦
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【動画】NARA Education University JHSの準決勝、対Jolly Roger戦
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【動画】決勝戦Jolly Roger対icNRG-I see ENERGY!!の1戦
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● どんでん返し!?
すべての勝負が終わり、いよいよ表彰式となった。表彰は、全部で16の賞が用意されており、トロフィーは大中小の3種類があった。内訳は、大が3つ、中が5つ、小が8だ。各賞の詳細は下記を見ていただくとして、どんでん返しがあったのが、GO ENASON。不可解な準々決勝敗退に、チームの子供たちが涙する状態で、記者もマスコミのひとりとして、「この不可解なジャッジは文章を通して読者に伝えねば!」などと鼻息を荒くしていたのだが、なんと「Total Presentation Award」という、大トロフィーのひとつが渡されたのである。要するに、準優勝的な受賞がすでに決まっていたので、チャンピオンまで勝ち取って大トロフィーをふたつも取ってしまったら、偏りがありすぎるとの判断だったのだろう。その可能性を避けるため、やむなく審判団も断腸の思いで「不可解な判定」と取られるのを覚悟で準々決勝敗退を下したのだと思われる。「やらせ」とか「できレース」といってしまえるかも知れないが、世界中から長旅をして日本に集まってきた子供たちである。できるなら各地域に振り分けて、偏りがないようにしたい、という配慮が生じてしまうのはやむないことではないだろうか。なにはともあれ、天国→地獄→天国という具合で、最後はGO ENASONの子供たちも喜んでいたのでよかったが、一歩間違えれば後味の悪い大会になったところである。
そしてもうひとつのどんでん返しが、チャンピオン。てっきり、icNRG-I see ENERGY!!かと思いきや、同チームが獲得したのは「Robot Performance 1st Award」で、中トロフィー。チャンピオンの座を獲得したのは、決勝で惜しくも敗れ去ったJolly Rogerだったのである。Jolly Rogerは「Robot Performance 2nd Award」で中トロフィーも獲得しており、唯一の複数のトロフィーを獲得したチームとなった。また、NARA Education University JHSは、4位相当の「Robot Dependability Award」(小トロフィー)を獲得している。
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Robot Performance 1st Awardを獲得したicNRG-I see ENERGY!!
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Total Presentation Awardを獲得したGO ENASON
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Toin Robotics Jr.の集合写真
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KINKI UNIVERSITY TOYOOKA JUNIOR HIGH SCHOOL SCIENCE CLUBの集合写真
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mottainaiの集合写真
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kaettekita kyusyu no samuraiの集合写真
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kiramekiの集合写真
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X-Puzzleの集合写真
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日本チーム最高位の4位を獲得したNARA Education University JHSの集合写真
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チャンピオンチームJolly Rogerの集合写真
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一時は疑問符の付く状態もあったが、なにはともあれ非常に素晴らしい大会だった「FIRST LEGO League 2008 世界大会オープンアジアンチャンピオンシップ」。メインスタッフや、ボランティアとして活躍した地元の中高生たちにも拍手を送りたい。さすがに2年連続で日本での世界大会の開催はないかもしれないが、もし2008年度も世界大会が日本で行なわれる際は、日本代表として参加できなくても、観戦や応援だけでも子供たちには貴重な体験の場になるはずだ。
アワード
・Teamwork Award
St. Geralds Castlebar Clan(アイルランド)
・Team Spirit Award
Young Girls CJD(ドイツ)
・Quality Research Award
The Flaming Blades(シンガポール)
・Innovative Design Award
7 de sec+2(スペイン)
・Creative Presentation Award
Sunny(中国)
・Innovative Solution Award
DAS Important Penguins(サウジアラビア)
・Robot Dependability Award
NARA Education University JHS(日本)
・Technical Award
Lego Extrem(ノルウェー)
・Robot Performance 3rd Award
Winning Eleven(中国)
・Robot Performance 2nd Award
Jolly Roger(スウェーデン)
・Robot Performance 1st Award
icNRG - I see ENERGY!!(オランダ)
・Judge's Award
TECNO Wurth(ブラジル)
・Total Presentation Award
GO ENASON(マレーシア)
・Champion
Jolly Roger(スウェーデン)
※日本の裏方ボランティアスタッフに贈られた「Individual Volunteer Award」、チーム案内など会場で活躍したボランティアスタッフの地元高校生たちに贈られた「Group Volunteer Award」もあった
■URL
FIRST LEGOLeague(日本公式サイト)
http://www.firstlegoleague.org/default.aspx?pid=13400
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・ 「ファーストレゴリーグジャパンオープン2006」レポート(2007/03/09)
( デイビー日高 )
2008/05/21 20:32
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