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早稲田大学と東京都心身障害者福祉センターが合同シンポジウムを開催
~「ロボット技術を応用した福祉機器の研究開発の成果と社会への還元」


今回の目玉ともいえる、「高齢者の身体能力を活かした移動支援ロボット」
 早稲田大学と東京都心身障害者福祉センターは、第3回合同シンポジウム「ロボット技術を応用した福祉機器の研究開発の成果と社会への還元」を、東京・高田馬場に近いリーガロイヤルホテル東京で10日に実施した。

 早稲田大学は2004年に、東京都心身障害者福祉センターと「福祉機器の研究開発に関する協定書」を締結。それにより同大学では、2001年の「大学の構造改革の方針」に基づき、文部科学省の研究拠点形成費等補助金事業として措置された21世紀COE(Center Of Excellence Program)プログラムのひとつに、「超高齢化社会における人とロボット技術の共生」を採択した。その一環として、高齢者・障害者のための福祉機器の研究開発に、同大学が保有するロボット技術などを応用。今回のシンポジウムはその成果の発表の場というわけである。

 また、心身障害者福祉センターは、早稲田大学に対し、福祉機器に関するアドバイスをしたり、ユーザー・ニーズの把握を行なったり、さらには研究の場の提供やユーザビリティ評価などで協力を実施したりした。今年度が協定の最終年となるため、今回のシンポジウムのテーマは、早稲田大学と東京都が協力してきた5年間のまとめと社会での活用に向けた今後の展開となっている。講演後には、発表されたロボット技術を応用した福祉機器も公開され、実際に体験させてもらった。

 シンポジウムは、まず早稲田大学人間科学学術院教授の藤本浩志氏による挨拶の後、「超高齢社会と高齢者の生活を支える技術開発への期待」と題して、東京都福祉保健局高齢社会対策部長の狩野信夫氏による講演からスタート。2015年には4人に1人が65歳以上、2055年には5人に2人が65歳以上という、人口と年齢の割合を示すグラフなどが次々と表示され、その解説がなされた。

 そうした超高齢社会に対し、行政もロボット技術を含めて対策を検討していることを解説。そのひとつが、厚生労働省社会・援護局の「生活支援技術革新ビジョン勉強会」だ。障害者に対する支援機器などによる支援の現状と課題、また今後の可能性といった開発や普及に向けたビジョンを整理することを目的としている。

 テーマのひとつに、支援手段としてロボット技術も含まれていることが伝えられた。さらに、「高齢者支援技術活用促進事業」では、最先端技術や人材が高密度に集積している東京の強みを活用することを検討。高齢者が地域において安心して自律した生活を営む社会の実現を目指すため、ロボットなどの最先端技術やIT技術などを、生活支援や見守り機能として介護施設や在宅で活用する、としている。


早稲田大学人間科学学術院教授の藤本浩志氏 東京都福祉保健局高齢社会対策部長の狩野信夫氏

「生活支援技術革新ビジョン勉強会」についての解説 「高齢者支援技術活用促進事業」についての解説

研究成果報告その1「高齢者の移動支援機器等に関する研究」

早稲田大学理工学術院教授の藤江正克氏
 続いては、研究成果報告。その1は、早稲田大学理工学術院教授の藤江正克氏による、「高齢者の移動支援機器等に関する研究」だ。早稲田大学といえば、1970年代の故加藤一郎教授による「WABOTプロジェクト」から始まるロボット研究・開発の草分け的存在。まずはその流れが披露された。

 1973年の「WABOT-1」(箱型の胴体に足があるスタイル)、1984年の「WABOT-2」(筑波万博で披露されたピアノ演奏ロボット)、そして2005年の「WABIAN」(福祉機器の研究用途にも使用されているヒューマノイド・ロボット)である。

 藤江教授によれば、ロボット技術やITを使うことで高齢者をサポートし、生産活動の現場に戻ってもらい、高齢化による生産力の減少を防ぐという。つまり、現在は65歳で区切られているわけだが、高齢で衰えたり失われたりした身体機能をロボット技術でカバーし、それをもっと上に引き上げようというわけである。


WABOTシリーズの紹介 ロボット技術で超高齢社会を支えていこうというコンセプト

 早稲田大学では、東京都心身障害者福祉センターとの「福祉機器の研究開発に関する協定書」の締結により、3つのテーマを掲げた。「高齢者の歩行支援機器などの開発」「電動車いすの軽量化のための燃料電池などの開発」「点字、触知図の改良など」だ。

 藤江教授は、ロボット技術を応用するひとつ目の「高齢者の歩行支援機器などの開発」を担当している。歩行支援機器の開発は2004年にスタートし、当初は運動計測、ニーズ調査、仕様の決定など基礎データの収集から行なわれた。

 2005年に機器開発がスタートし、基本機能や走行評価を実施。実フィールドでの試乗走行も行なわれている。2006年には機器の改良、機能評価、運動計測。実フィールドで、高齢者による試乗評価も行なわれた。

 そして2007年は定量的な評価と、評価に基づく改善が行われ、改良機による実フィールドでの評価も実施。この間、心身障害者福祉センターからは研究や開発の支援、施設やユーザーの紹介などさまざまな協力を得ている。藤江氏は、5年間で築いた基盤技術を用いて、今後は福祉支援用ロボット技術の社会的普及促進を目指していくとした。

 またこの5年間での成果は4つ。「高齢者の身体能力を活かした移動支援ロボット」「移動支援ナビゲーションロボット」「路面環境に適応した多脚型杖」「寝返り支援装具型ロボット(新しい研究課題)」だ。なお、早稲田大学では現在、「ロボット」の定義として、必ずしも人型をしていることは必要としていない。インテリジェントでいて、従来にない機構の(福祉用)機器を総称してロボットとするそうそうだ。そのため、今回公開された機器たちの特徴として、ロボットというイメージからかなり遠い点が挙げられる。


高齢者の身体能力を活かした移動支援ロボット

 まずは「高齢者の身体能力を活かした移動支援ロボット」だが、イメージとしてはキックボードを一回り大きくして2台並べ、それを6輪車にしたという形状だ。足を置くところに、トレッドミル(ベルト)がふたつ並んでいる。歩くとトレッドミルが動き、その速度に合わせて車輪が動いて前進するという仕組みだ。トレッドミル自体の長さは75cm、幅はそれぞれ14cm。全長としては、前部にCPUなどを搭載する頭脳部分があるため、1mほどで、幅は60~70cmほど。

 なぜ使用者がトレッドミルの上で歩く仕組みを採用したかについては、その身体機能を活かす方向にしたかったからだそうだ。自分の足で歩くことで、歩行機能をより活性化させられる可能性もあるし、衰えてしまうことを防ぎやすいというわけである。車いすに乗るのはもったいないというわけだ。

 機構だが、トレッドミルを動かす力がそのまま駆動輪を動かしているわけではない。なので、左右の足の動かす速度や歩幅が異なる場合でも、機構側で補正をかけて一定速度で前進していける仕組みである。最高速度は人の早歩き程度の時速6kmとなっている。後退はできない。また片側に3つ並ぶ内の中央のタイヤで操舵するので、ほぼ使用者が立っている位置を中心にして旋回が可能。自動車のような振り回される感覚が極力抑えられている。操作は、左右独立した2本のレバーで操作する形だ。ただし、旋回する際は足の運び方もそれ用のものが必要。OSは、UNIX系が搭載されているそうだ。

 移動支援ロボットの高齢者によるアンケート調査も実施された。60歳以上の男女38名(男性25名、女性13名)によれば、「乗りたい」「やや乗りたい」を合わせると79%。逆に、「乗りたい」「やや乗りたくない」は合わせてもわずか10%だった。藤江氏は、こうして乗りたいと思わせることも重要だとしている。

 さらに、心身障害者福祉センターの館内で実施された90度直角ターンの旋回性能試験では、高齢健常者(68~78歳)5名と若年健常者(22~26歳)10名が参加し、全員が操作に成功しているとも報告された(最初の1回でできた人ばかりではない)。今後の展望としては、凹凸のある地面への対応や安全性の向上が挙げられていた。


高齢者の身体能力を活かした移動支援ロボット 操縦方法 評価実験の様子

移動支援ナビゲーションロボット

 ふたつ目の「移動支援ナビゲーションロボット」は、ICタグを利用するインテリジェントな杖だ。杖の長さは135.5cm、最大直径は3cm、重量は560g。杖の機構として、回転する重りがふたつ備えられている点がポイントである。そのふたつは逆向きに回転し、通常は遠心力を打ち消す仕組みだ。しかし、指し示したい方向の時に重なるようにしてあり、さらに重なる瞬間に最高速で回転する(それ以外の時はゆっくり)。それにより、1.3N(ニュートン)という遠心力が発生し、結果的にその方向に引っ張られているように使用者は感じられるというわけだ。これにより、使用者へ進行方向を伝えることで道案内をする。

 回転速度は、最大時が5Hz(1秒間5回転)、最小時が1Hz(1秒間1回転)。この回転速度の組み合わせに関しては、実際に実験を行なってどの速度だとわかりやすいかを検証し、被験者より得られた結果を基に決めたそうだ。方向の認識率に関しては、右折が97%でトップ。続いて前進の90%、左折の85%、後退(反転)の82%。正答率が高く、4方向で有意差が出るまで認識率に差異はなかった。

 方向の指示に関しては、道路や建物内の床面にICタグを埋め込み、そこから杖に情報を送る手法が考えられている。ICタグを利用する理由は、屋外ではGPSでも問題ないが、屋内では使えないためだ。実際に屋内でその仕組みを作り、視覚障害者による試験も実施された。左折して階段へ向かう指示と、直進してエレベーターへ向かう指示で、正答している。今後の展望としては、外出環境での評価と改良が必要だとしていた。


移動支援ナビゲーションロボット 方向を提示するメカニズム 評価実験の様子

路面環境に適応した多脚型杖

 「路面環境に適応した多脚型杖」は、3本に分かれた先端すべてがストロークする仕組みを備えており、段差に対応しているのが特徴だ。一般的な1本足の杖といえば、雨の日の路面などで、滑ってしまいやすいのが欠点。それに対処するため、先端が3~4本に分かれた多脚型の杖があるが、今度は段差に非常に弱いという欠点がある。そこで、考え出されたのが今回の杖だ。3本の先端すべてが接地すると、ストロークがロックされ、体重を預けられるようになる。持ち上げるとロックが解除される仕組みだ。先端のストロークは、25mmとなっている。

 63歳女性と82歳男性による、一般的な1本足の杖と今回の杖との比較評価試験が、段差のある通路で行なわれた。結果、軒並み高評価を得ているが、82歳男性は使いづらい点もあったようだ。まだ改良すべき点もあるようである。なお、この杖はインテリジェントな要素はないようで、ロボットという位置づけはされていない。


路面環境に適応した多脚型杖 杖の先端部分の構成 評価実験の様子

寝返り支援装具型ロボット

 最後の「寝返り支援装具型ロボット」は、寝返りを打とうとする動きをサポートしてくれる剛性可変型装具のロボットだ。体幹のねじれを抑制する仕組みになっている。つまり、上半身と下半身がねじれることなく一緒に寝返りを打てるというわけだ。実験で得られるであろうデータ類もほかのロボットと異なって公開されなかったことから、研究が始まってまだそれほど経たないものと思われる。高齢者による評価試験などもまだの様子だ。また、実物を見ることも叶わなかった。来年以降に、より詳しい解説や、実物の公開などが行なわれると思われる。


装着といっても、それほど身体を覆うわけではない 上半身とか半身がねじれずに寝返りを打てる

今後は医療方面のロボットを構想

 藤江氏は、21世紀の社会に役立つ医療福祉ロボットとして、今後も医療福祉を一貫した流れの中で支援していくという。今回公開されたものとは異なり、診断と治療を支援する新しいロボット技術を構想しているようだ。「低浸襲手術支援ロボット」や「手術計画・治療・術後の定量的評価を支援するロボット」などがプレゼン画面で紹介された。

 具体的には、「術前計画/シミュレーション」や「マスタ・マニピュレータ方式手術システム」など。ロボット技術を導入することで、医師の経験に依存しない定量的な手術を実現したり、信頼性のある検査と回復指標の明確な提示を行なえたりするようにもするとしている。ちなみに藤江氏は、アイザック・アシモフのSF小説で、映画化もされた「ミクロの決死圏」のイメージを持っており、小型ロボットによる体内からの手術も検討していることを発言していた。

 さらに、21世紀の社会ロボットとしては、「使用者の負担(肉体的、精神的、経済的))を最小限にすること」と「導入の負担(社会的、経済的)を最小限にすること」が重要ともしている。さらに、高齢者が能力を発揮しやすくするために使いやすい機能があることや、社会ロボットの進化としてロボットならではの能力もポイントとしていた。最後に、同大学としては、ピカピカしたロボットらしいロボット(人型)を作るのはほかに任せ、損したと思わせない、2つも3つもほしくなるような実用的なロボットを作っていきたいと結んだ。


医療分野でのロボット技術の構想その1 医療分野でのロボット技術の構想その2

研究成果報告その2「電動車いすの軽量化のための燃料電池などの開発」

早稲田大学理工学術院教授の永田勝也氏の研究室で助手を努める切川卓也氏が講演
 早稲田大学理工学術院教授の永田勝也氏および勝田正文氏による「電動車いすの軽量化のための燃料電池などの開発」の内容は、既存の電動車いすの性能アップの意味合いが強いものだった。ロボット的な位置づけではない。ただし、燃料電池技術はロボットにも応用が利くとして、そうした点も視野に入れている模様だ。なお、当初は勝田氏が講演を行なう予定だったが、急な出張のため、代わりに永田研究室の助手の切川卓也氏が担当した。

 今回の研究のきっかけのひとつが、現在のバッテリ型電動車いすは航続距離が短いという点。使用者へのリサーチをした結果、誰もが延ばしてほしいという要望で、現在のバッテリ型では常に何個か持ち運ばねばならないため、不便さを感じている方が多いである。

 航続距離を延ばすために必要な要素はなにはともあれ省電力だ。そこで、まずは素材の軽量化から研究は開始された。F1や最新戦闘機などに使用されているCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics:カーボン繊維強化プラスチック)を使用し、ハニカムサンドイッチパネル構造なのが特徴で、背もたれ・座席の荷重限界は100kgまでとなっている。

 結果、航続距離は水素燃料電池の吸蔵合金ボンベを3本とした場合は、28.54km、時間にして4時間半ほどを実現した。4時間は稼働できるようにしてほしいという声が多かったそうだが、それを達成した形だ。サスペンションも備えており乗り心地がよく、固定ベルトや後方確認用ミラー、ライトなどの安全装備も充実しているのが特徴だ。


開発された電動車いす あらゆる部分をリサーチして開発。画面は前輪のサイズと種類別の出力

福祉機器型ロボットたちを実際に体験

 研究成果発表の終了後、デモンストレーションが行なわれた。まず、今回の目玉ともいえる「移動支援ロボット」に乗ってみた。寸法に関しては前述したとおり、全長が1mほど、横幅が50~60cmほど。乗ってみると、かなり大型なのがわかる。残念なことに、現状ではまず人混みでは危なくて使用できない。

 サイズに関してスタッフに聞いたところ、歩くスペースが必要なので、ベルト自体の大きさはある程度必要、ということであった。あまり短くすると落ちてしまう危険性があるので、どうしてもこのサイズになってしまうそうだ。

 現在は、前部のCPUなどを収めたボックスが大きいので、CPUなどを車体にうまく分散させることでそのボックスをなくすか、もしくは小型化を図り、全長を縮めたいとしている。実際に動かした感想だが、ベルトが意外と動かない(もしくはコツがいる)というのが第一印象。実は、ベルトの動かしやすさを設定できるのだが、開発者の体重に合わせており、記者には会っていないのもあったようだ。なんとか前進はできるようになったが、左右への旋回は難しいまま。操作性にまだ難があり、操縦方法をレバー2本方式から変更することも含めて、研究していくとしていた。


【動画】高齢者の身体能力を活かした移動支援ロボットを利用する様子 後方から 前後4輪はこの形状

中央の操舵輪はこの形状。左の白いものはバッテリ モータ 光って見づらいが、モニター。左側にはキーボードが据え付けられている

 続いては、移動支援ナビゲーションロボット。ちゃんと引っ張られる方向がわかるので、この間隔は結構面白い。スタッフの方の話では、携帯電話などに使用する小型のGPS機器を搭載し、屋外ではGPS情報を利用したナビゲーションなども検討しているとしていた。


【動画】重りが回転する様子 機構部分アップ

 続いては、電動車いすに乗ってみた。記者、身長も182cmなら、肩幅も60cm、厚みもあるし、無駄なものも最近は増えているので(苦笑)、当然体重も重い。背もたれ・座席の荷重限界の100kgにあと5kgという体重なので、壊れないか心配だったが、問題なし。普通に動作し、記者のような大柄な人でも利用できることが判明した。ただし、前進しようとする場合にガクンと勢いが強い感じなので、もう少しスムーズに発進できればいいのではないだろうか。


電動車いすを正面から 操作用のスティック。右側は後方確認用ミラー

後方から ボックスを開けられるようになっている

 多脚杖も試してみたが、確かに安定感はとてもいい。しかし問題点として、現状のモデルは非常に重たいのが難点。実用化するためには、大幅な軽量化が必要だろう。


【動画】多脚型杖の先端がストロークする様子 段差のある状態で接地している様子

 ロボット技術によって高齢者を元気にし、生産人口に入ってもらうというコンセプトは、素晴らしいことだと思う。今回紹介されたモデルは、まだサイズが大きすぎたり、重さがあったりと問題もあるが、目の付け所は素晴らしいと思えるので、今後もぜひ研究を重ね、「福祉にロボット技術は欠かせない」というレベルにまで持って行ってほしいところである。


URL
  早稲田大学
  http://www.waseda.jp/top/index-j.html
  東京都心身障害者福祉センター
  http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shinsho/


( デイビー日高 )
2008/03/21 00:05

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