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北九州ロボット展開催中
~イノベーションギャラリーで4月13日まで


 北九州市八幡東区東田にあるイノベーションギャラリー(略称・KIGS)において、3月1日から4月13日まで北九州市のロボットを集めた「北九州ロボット展~夢を追いつづけるイノベーション~」を開催している(主催は北九州市と北九州イノベーションギャラリー)。


イノベーションギャラリー

 イノベーションギャラリーとは、北九州市の産業技術を次世代に伝承するために、平成19年(2007年)4月21日に開館した北九州市の施設である。

 この辺りは、かつて新日本製鉄八幡製鉄所の工場があった地帯で、新日本製鉄が撤退した後、広大な土地が残された。跡地には遊園地のスペースワールドやショッピングセンター、それに東田博物館ゾーンと呼ばれる博物館の集まった区域などができている。

 イノベーションギャラリーは東田博物館ゾーンにあり、広い意味では博物館になるのだろう。ただし、常設の展示物を持たず、展示ホールと映像ホールと資料室を持つだけの従来の博物館とは少し性格の異なる施設だ。

 このイノベーションギャラリーでは、年に4回、北九州市の産業に関係した企画展を開催しており、今回は北九州市で盛んなロボットが取り上げられた。それが「北九州ロボット展~夢を追いつづけるイノベーション~」だ。


イノベーションギャラリー。「ガラスのロールケーキ」とでも表現すべきユニークな建物だ イノベーションギャラリー入り口 道路をはさんで北側には、1901年に作られた官営八幡製鉄所の第一号高炉が保存されている

イノベーションギャラリー内部から見たスペースワールド 資料室。産業に関する書籍などが集められている 産業映像を上映するプレゼンテーションスタジオ(座席数136名)

北九州市のロボットが集合

 「北九州ロボット展」の開かれている会場には、安川電機やテムザックなどの北九州市の企業が開発したロボット、北九州学術研究都市で研究されているロボットなどが集まった。基本的には静態展示だが、RIDCのように会話ができたりするロボットや、PLEOなどの市販のロボットも置かれている。

 3月1日、2日には、特別に安川電機のサービスロボット「スマートパルV」が床に置いたペットボトルを拾うなどのデモを行なった。

 期間中は、3月15日、16日にROBO-CUP中型リーグのチーム「Hibikino-Musashi」のサッカーロボットのデモ、3月29日には第20回高専ロボコン全国大会で優勝した北九州工業高等専門学校「あばうたーず」によるデモが行なわれる。

 なお、イノベーションギャラリー自体への入場は無料だが、「北九州ロボット展」は有料イベントとなっている。入場料は大人500円、小人250円。

 また期間中、映像ホール「プレゼンテーションスタジオ」では安川電機の産業用ロボットの開発過程を描いた記録映画「赤い衝撃 モートマン全電気式ロボットへの挑戦」を上映する。当時の映像やインタビューを交えて構成された興味深い映像で、興味のある方には視聴をお勧めする。


北九州ロボット展の入り口。市制45周年の記念イベントとなっている 会場内部 会場内部その2

3月1日、2日のみ行なわれていたスマートパルVのデモ。スマートパルVが九州で一般公開されるのは初めて スムーズに物をつかんでいた 足元に置かれたペットボトルの持ち上げにもチャレンジ

普段はロボスクエアにいるRIDC。誰も話しかけないと「さびしいな~」とぼやいていた 車輪を管に押し付けて移動する配管検査ロボット 北九州市立大学の魚ロボット

北九州市立大学ゴドレール研究室の指ロボット。柔軟な構造を特徴とする 映像インタラクティブシステム「KAGURA」。上部にカメラがついており、モニターの前の人間の動きに反応して、モニター内にさまざまな映像を表示する

物づくりを伝承するための工房

 イノベーションギャラリーは本館に併設して「工房」がある。ここは「北九州市の産業技術を次世代に伝承する」ことを目的とした活動を続けており、むしろこちらの工房の方がイノベーションギャラリーの実体だと言っていいのかもしれない。

 工房内部には金属加工用の道具などが設置してあり、小中学生に対する「物づくり体験授業」、若者への職業訓練、「北九州マイスター」と呼ばれる卓越した技術を持つ工場職人の技術を一般に公開するなどの活動を行なっている。

 これまで工場での技術は、その工場内で伝えられていくのが常だった。しかし、北九州市は「北九州マイスター」制度を作り卓越した産業技術を広く伝えていこうとするなど、「物づくりの技術」を次世代に伝えていく取り組みを積極的に行なっている。イノベーションギャラリーはその活動の拠点の一つとして位置づけられているようだ。

 また工房には3D作品の設計・試作ができる3Dモデル設計室もあり、地元の芸術家が使用することもあるそうだ。

 工房内の道具・機械は、有料で使用することができる(北九州市民以外でもOK)。実際に工場で働いていたインストラクターの指導を受けることもできるので、必要があれば利用してみてはどうだろうか。


イノベーションギャラリー工房 工房内部。ちょうど金属製の文鎮を作る「物づくり体験授業」が終わった後だった 工房内に置かれている金属加工の機械。その他に金属の溶接ができる設備がある

3Dモデル設計室の三次元スキャナー CADデータから立体模型製作が行える3Dモデリングマシン 北九州マイスター制度のポスター

URL
  北九州イノベーションギャラリー
  http://www.kigs.jp


( 大林憲司 )
2008/03/14 00:03

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