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「チロルチョコロボット大会2」レポート
~ドキドキハラハラあり、笑いありのアットホームな大会を制したのは!?


参加者全員と主催のまさゆきさん(後列右端)、アールティ代表取締役の中川友紀子さんで記念撮影
 11日の建国記念日、秋葉原のロボット専門ショップ・アールティで、ロボットコンテスト「チロルチョコロボット大会2」が開催された。バトル競技は扱っていないこと、大会名にあるとおりビッグサイズのチロルチョコに扮したロボットが参加することが大きな特徴だ。おだやかでアットホームな雰囲気のもと行なわれたその模様をお届けする。

 チロルチョコロボット大会2は、まさゆきさんの主催によるロボコン。アールティの後援と、チロルチョコの協力を得て、昨年に続いての開催となった。第1回と異なり、開催時期が冬になったのは、賞品としてチロルチョコを提供してもらっていることが理由だそうだ。チョコレートなので賞味期限はあまり気にしなくてもいいのだが、一応食べ物であることを念のために考慮し、また夏場は融けやすいといったことがあるため、それらを考えて冬の開催にしているそうである。

 また、一般的なロボコンというと、重量制限やサイズ制限がエントリーやクラス分けなどの主立った条件。しかし同大会は、両足に使用できるサーボの数が4個以下という条件(全身のサーボ総数は問わない)の2足歩行ロボットであればどんなロボットでも参加できる。ただし、前述したとおりビッグサイズのチロルチョコを模した箱をかぶる、または機体の一部につける必要があるという条件も満たす必要がある。そのサイズは、底面100×100mm、上面86×86mm、高さ46mm(多少の誤差は問題なし)。チロルチョコと大会名にあるのは、決して賞品が同チョコだからという理由だけではないのである。


こんなかわいいロボットばかりが参加(これは展示用) 参加ロボット大集合 表彰台+エレガンス賞(参加者+観客で投票)の賞品

 今回の参加者は8名。アシマールの製作者として知られるしばんずさんのように、お子さんと二人三脚で参加するのもOK(今回のエントリー名は、息子さんのものと思われ、しばんずぺいさんで参加)。ちなみにしばんずさんは、途中から奥さんともう一人のお子さんも応援に駆けつけ、最後の競技の時はお子さん2人と3人でチームを組んでいた。直接的にほかの参加者とバトルをするわけではないので、ロボットを操縦できる年齢のお子さんとなら一緒に参加して楽しめるのも、同大会の魅力といえるだろう。

 参加者とロボットは、エントリー順で、しばんずぺいさんの「ぎがーるうし」、ごーすとさんの「Nano-6(なのしっくす)」、イガアさんの「フウガ」、向山正晴さんの「ぽさ2号機」、平野さんの「プティキャノン」、KENTAさんの「チョコン2」、「K(くぼ)さんの「チョコウサ」、ケインさんの「ちょろ丸紅(くれない)」。ちなみに、ケインさんはアールティのスタッフで、ちょろ丸紅は、同ショップで販売しているオリジナルロボットの「ちょろ丸」の赤バージョンというわけである。

 それらのロボットのサイズは、当然ながら小型のみ。手が長いので、やや大きめに見えるのが、ぎがーるうしやフウガ、チョコウサ。ちなみにチョコウサは、手というかハリセンである。操縦システムはほとんどが無線方式だが、プティキャノンは有線方式。ちょろ丸紅はとても変わったシステムを採用し、光による誘導という、半自律型であった。ちょろ丸紅は、被っているビッグサイズノチロルチョコの四面に採光用の窓が切ってあり、そこからライトの光で照らすと、そのライトの方に向かって移動するという仕組みである。会場の照明も結構明るいし、窓際は日光が差すためにもっと明るく、なかなか導くのに苦労しているようだった。

 移動方法もそれぞれ特徴があり、同じ小型でもバラエティーに富んでいた。共通しているのはどれもかわいいことで、若い女の子たちや、子供たちにも喜ばれそうな機体ばかりである。こうした雰囲気は、あまり格闘系の勇ましさを好まず、楽しさを大事にするまさゆきさんの思いが反映されているようだ。


 同大会の競技は、3種類。先程も述べたが、バトルはない(全競技終了後、成績発表の時間まで、参加者による自発的なランブルは行なわれていたが)。「ロボットの動きを楽しむ。少しだけ難しく」がコンセプトの「2メートル走」、「ロボットとチョコがたわむれる」の「チョコサーチ」、「ロボットと競技者が協力して商品を獲得」の「チョコゲッター」である。それぞれの競技の順位などによって、得られる得点が変わり、3競技合計の総得点で総合順位が決まるというルールだ。

 2メートル走は、バトル用の90cm四方のフィールドを3枚並べ、スタートエリア50cm、ゴールエリア20cmを取って、2mとしている。2回走れてベストタイムで順位を競うわけだが、特徴的なのが、最後のフィールドのみ上り坂にできるということ。上り坂の角度は、5段階から選べる。上り坂にした際のメリットは、ベストタイム×(1-0.1×段数)が記録タイムになるということ。つまり、最大の5段で成功すれば、タイムを半分にできるということだ。

 ちなみに、最もきつい5段階になると、およそ角度にして6度ほど。スキーでいえば初心者用の緩斜面だが、小型ロボットが登っていくとなると、また状況は異なってくる。ロボットの重さや足裏の滑り具合、重心の高さ、出力、移動方式などが複雑に絡み、なおかつフィールド面は結構滑らかなので、ヘタをすると1段の上り坂でもクリアできなくなってしまう可能性もある。平坦な場合でも、滑り止めの有無によってはタイムが大きく変わって来そうな程である。なお、制限時間の5分を超えた場合はそこでストップして、スタート地点からの距離を記録。コースアウトしてフィールドから落ちた場合も同様だ。


2メートル走のフィールド 最大となる5段階状態の坂道

 2種目目のチョコサーチは、90cm四方のフィールド1枚を使用。2種類のチロルチョコがフィールド上に10個ずつランダムに置かれ(置く場所自体は全参加者とも同じ)、そのどちらをゲットするか宣言した上で、スタート。基本は自律競技なので、スタート後はロボットを操縦してはならないルールだ。ロボットがフィールドを出てしまうか、制限時間5分を過ぎると終了。宣言した方のチョコに何個触れる(動かす)ことができたかがポイントとなる。宣言したものとは反対のチョコに触れてしまった場合は、ペナルティー。制限時間が1個につき5秒短縮される形だ。

 なお、自律プログラムを搭載してないロボットもあったため、特別措置として「スタートボタン押しっぱなしにし、一切コントロールしないのであればOK」という救済ルールが追加された。つまり、スタートボタンを押して直進を開始させたら、あとはフィールド外に出てしまうまで直進させて、その間に宣言したチョコに触れられれば得点というわけだ。ただし、スタートボタンを途中で放してしまうと失格である。


チョコサーチのフィールドの様子 落ちるか時間切れまでどれだけチョコに触れられるかが勝負

 最後のチョコゲッターは、ひとりでも問題ないが、3名でチームを組むとあわてずに済む競技。フィールドを3枚使って、ゴールまでは2mを移動する(2m走と同じ)が、途中には障害物もある(かわいく着飾ったMANOIがでんと座っている)。ロボットの頭や背中などにカゴを乗せ(輪ゴムで止められる)、そこにチロルチョコをうまく入れて、ゴールまで運び込むという内容だ。何個運べたかで勝負し、個数が同じ場合はゴールまで何秒かかったかがポイントとなる。制限時間は5分。コースアウトも失格だ。2m走とは異なり、ゴールできなかった場合は、記録にならない。

 チームで挑むとあわてずに済むというのは、チロルチョコをカゴに入れる作業があるからだ。ちょうどフィールドの1枚目と2枚目の継ぎ目と、3枚目の計2カ所に先端にカップをつけたロボットアームが設置されており、それを操作してチョコをカゴに入れるのである。ひとつのアームには5つのカップが用意されており、ひとつのカップには5個のチロルチョコが入っているという具合だ。1回目の大会から変わった点は、ゴールに近い方のアームの位置。スタート地点からゴールを見て左側に移ったのだ。そのため、ふたつ目のアームでさらにチョコを追加したい場合は、障害物をうまくよけて移動する必要がある。

 普段のロボットならそんな移動はたやすいだろうが、チョコをいくつも頭に担いでとなると、話は変わってくる。人にとってチロルチョコの5個や10個、重さ的に大したことないわけだが、片足2個しかサーボを使えない小型ロボットにしてみたら、チロルチョコはそれなりの重量物。しかも、頭の上のカゴに入れるため、重心が高くなり、バランスも悪くなるのだ。そのため、通常時と同じようには操縦ができなくなってしまうので、どのアームでどれだけ積むか、幾通りかある戦略の中から正しいものをチョイスしないとならない。下手をすると、チョコをこぼしてしまうし、最悪の場合は転倒して全部ぶちまけてスッカラカンという可能性もある。落としてしまったチョコは回収されてしまうので、とにかく戦略の見極めがポイントとなる競技である。


チョコゲッターのフィールド。左右にアームがある ロボットは頭にカゴを載せる カゴのアップ

 主催者のまさゆきさんの挨拶も終わり、いよいよ2m走。トップバッターはぎがーるうし。操縦は、しばんずさんの息子さんである。移動方法は、前方へ進むよりも横方向の方が速いというタイプ。練習で調子がいいことをつかんでいたようで、いきなり上り坂の5段に挑戦。平坦部分は横方向に移動し、坂道部分は前方移動で着実に進み、74.6秒という好タイム。それが半分になるので、記録は37.3秒。いきなり、とんでもないタイムである。結果、ほかの参加者も無理して少しでも上り坂にしないとぎがーるうしに迫れない形になってしまった。しばんずさん親子はその後の2m走の流れを支配したといっていいだろう。


しばんずぺいさんのぎがーるうし 【動画】ベストタイム2回目の走行の様子(チロルチョコのかぶり物をチェンジ)

 2番手は、ごーすとさんのNano-6。ビッグサイズチロルチョコを亀の甲羅のように背負っており、静止時はメカの多くの部分が隠れてしまうのが特徴。歩くときはハコを斜めに上げて顔を突き出すような形で、ノッシノッシという感じで歩いていく。3段で挑戦し、79.2秒でゴール。記録は70%の55.4秒となった。


【動画】ベストタイムの1回目の走行の様子 【動画】ベストタイムの1回目の走行の様子

 3番手はイガアさんのフウガ。坂道は1段。ジタバタと足を動かして前方へ進む方法と、横方向へ進む方法のふたつが可能で、前方への移動の方が速いようである。平坦部分はクリアしたが、坂道を登れず。結果は、到達距離166cmとなった。


イガアさんのフウガ 【動画】ベストの成績の1回目の様子。実は、タイム計測のミスでやり直しだったりする

 続いては、向山正晴さんのぽさ2号機。1段に挑戦した。こちらは重心移動を利用したタイプ。そして、チロルチョコのハコをかぶるのではなく、正面に取り付けている形で、歩くたびに顔を左右に振るのが特徴である。しかし、機体に対してその顔の重量が大きかったようで、バランスにも影響してしまっていた模様。なかなか直進できず(左へ旋回してしまうクセが強い)、坂道の手前でコースアウトしてしまい、記録は130cmとなった。


向山正晴さんのぽさ2号機 【動画】ベストの成績の2回目の走行の様子

 次に登場したのは、有線方式を採用している、平野さんのプティキャノン。その異色の操縦方式に視線が集まった。1段に挑戦。操縦も少し変わっていたようで、一般的なコントローラーのスティックを前方に倒せば前進、という方式ではなく、ふたつのスティックを交互に操作していた。右、左、右、左としていたところを見ると、両足をそれぞれコントロールしていたと思われる。そのため、解説の方からは「マスタースレーブ方式といってもいいのではないでしょうか!」という話も。実は、平野さん、会場に到着してからもセッティングしていたので、1回目のトライの時はちょっとプログラムが間に合わなかった模様である。坂道を登れずに制限時間を経過してしまった形だ。


平野さんのプティキャノン 【動画】ベストタイムの2回目の走行の様子

 その後を受けたのは、KENTAさんのチョコン2。これまでに出走した人たちが段差をつけて苦労しているのをみたせいか、坂道にせずにトライした。前方へシャカシャカっという感じで歩くのと、足を振動させる形で左右方向へ移動する2種類が可能だ。基本的に足を踏み出す方式で着実に前進し、60.6秒となった。


KENTAさんのチョコン2 【動画】ベストタイムの1回目の走行の様子

 続いては、K(くぼ)さんのハリセンを備えたユーモラスな雰囲気のチョコウサ。5段に挑戦である。すり足的に足を動かして移動するタイプだ。途中、コントローラーの電池が切れてしまい、送信機を交換(ルール的な問題はなし)。指摘されていた重心の高さがネックとなり、坂道を上り始めると、後ろにひっくり返ってしまう。しかし、うまい具合にハリセンが支え、サッと起きあがる。マット運動のネックスプリングやハンドスプリングのロボット版といったところか。最終的に坂道を登れず、コースアウトしてしまった。記録は132cm。


K(くぼ)さんのチョコウサ。ハタは、コントローラーの電池を買った際の領収書 【動画】コントローラーの電池切れのハプニングが面白かった1回目の走行の様子

 最後は、アールティのスタッフであるケインさんのちょろ丸紅。最初はデモンストレーションでちょろ丸のアピールという形だったようだが、いつの間にか選手として参加することに。ペンライトの光で誘導するという、異色の半自律型操縦システムでの挑戦である。坂道は2段に挑む。光をこまめに当てないとならないのだが、小型ロボットなので、ケインさんはコース上に這うようにしてちょろ丸を誘導。会場を真っ暗にしての挑戦だったらもっと簡単だったと思われるが、さすがに光で誘導というのは大変。しかも、右足が不調だったようで、62cmでコースアウトとなった。


ケインさんのちょろ丸紅 【動画】ベストの成績の1回目の様子。誘導が大変そう

 2回目は、ぎがーるうしがさらにタイムを縮め、35秒フラット。その他のロボットは、プティキャノンがフラットにして2mを101.5秒で完走するなど、4人が記録を更新した。結果、2m走は、1位ぎがーるうし。以下、Nano-6、チョコン2、プティキャノン、フウガ、チョコウサ、ぽさ2号機、ちょろ丸紅となった。ポイント制で、1位に対して20点。以下、1点ずつ引かれ、8位でも13点獲得可能。3種目揃って上位に入ることが、最終的な1位を獲得できるという秘訣だ。

 2種目目は、チョコサーチ。90cm四方のフィールド上で円を描いてグルグル回り続けるといった自律プログラムを用意してあると、非常に有利といえる競技だ。ここでもトップバッターはぎがーるうし。が、ここでハプニング。操縦担当のしばんずさんの息子さんが、自律動作できない機体は、特別にスタートボタンを放さずに操縦(といっても、一切スタート後は操作できないのだが)するという約束を忘れ、ボタンを離してしまったのだ。結果、1回目は0個。自分のミスがショックだったようで、パパに抱きついて泣き崩れ、思わずそのほほえましい光景に会場中が和んだのであった。

 1回目の勝負で非常にうまかったのが、KENTAさんのチョコン2。旋回する自律プログラムが見事に機能し、制限時間の5分までフィールド上を回り続けるのではないかと思われるほど、安定して旋回した。結果、1回目ではトップの5個を記録。2位がイガアさんのフウガの3個と、なかなか難度の高い競技である。逆の意味でコース取りが面白かったのが、ちょろ丸紅。ものの見事にすき間を抜けていき、触ったのは宣言したのとは逆のチョコ1個のみという結果であった。

 2回目は、成績が全体的にアップ。旋回できる機体は、旋回し続けること。直進しかできない機体は、最も多く宣言した方のチロルチョコに触れられそうなコースを選んで直進すればいいということもわかったので、全体的にアップしたというわけである。

 1回目は0個が3体あったが、2回目は少なくとも1個をゲット。1回目に定常旋回に近い、見事な動きを披露したチョコン2に注目が集まったが、運悪くチョコを踏んでしまったようで、それでコースがずれてしまい、2個しかゲットできずにコースアウトしてしまった。逆に見事に旋回数を大幅に増やし、6個をゲットしたのがK(くぼ)さんのチョコウサだ。

 結果、チョコサーチの順位は、チョコウサ、チョコン2、フウガ、Nano-6、ぽさ2号機、ぎがーるうし、ちょろ丸紅、プティキャノンの順位。1種目と2種目の合計ポイントでは、1位がチョコン2(37点)、2位がNano-6(36点)、3位が35点のぎがーるうしとチョコウサ、5位がフウガ(34点)、6位が30点のプティキャノンとぽさ2号機、、8位がちょろ丸紅(27点)となった。予想通り、接戦の展開である。


【動画】チョコン2の見事な旋回の様子 【動画】障害物を避ける設定だったのかというぐらい、見事に間を抜けるちょろ丸紅 【動画】2回目、後ろ向きで見事な定常旋回を魅せるチョコウサ

 いよいよラストの種目チョコゲッター。アールティの代表取締役である中川友紀子さんによれば、第1回はチョコゲッターが一番盛り上がったという。競技が始まると、今回も実際にその通りとなった。

 トップバッターのしばんずさん親子は、3人によるチームプレー。息子さんがそのままぎがーるうしを操縦し、しばんずさんは第1アームの操作を担当し、もうひとりの息子さん(お兄ちゃんと思われる)が第2アームを担当。第1アームで8個、第2アームでも8個入れ、計16個を載せてあとは目の前のゴールに向かうだけと思ったら、まさかのハプニング。さすがに16個載せは限界だったようで、バランスを崩して、機体はバッタリ、チョコを全部ぶちまけてしまった。「とうちゃん、ごめん……」。最終的に第2アームに戻って2個をゲット。

 次に、転倒して会場を沸かせてくれたのが、3番手のイガアさんのフウガ。第1アームで9個をゲットし、順調に第2アームへ向かったまではよかった。しかし、第2アームで位置の調整をしている際に、長い腕がぶつかったらしく、それがきっかけとなってバランスを崩し、すべてをぶちまけてしまう。しかし、冷静に第2アームの残りのカップからチョコをゲットし、10個をゲットしたのであった。

 さらに、7番手のチョコウサのくぼさんも場を盛り上げる。途中の障害物役のMANOIに引っかかったときに、旋回しようとしたのだが、それでハリセンがMANOIを叩いているように見えるし、チョコの補給ではそのハリセンが邪魔になるという具合。しかし、ハリセンを後方に倒して、難をしのぐと、1回目では最高となる11個をゲットしたのであった。


【動画】ぶちまけてしまうぎがーるうし 【動画】第2アームは鬼門か? フウガも餌食に 【動画】1回目のトップとなったチョコウサ

 2回目も爆笑シーンが続出。トップバッターのしばんずさん親子がまたも魅せてくれた。第2アームまでは今回も順調で、あとはゴールへ向かうだけ。今度は倒れないように慎重に操作する息子さん。が、プレッシャーがかかったか、重量バランスの変化でノーマル時のようには動かないぎがーるうしに対応しきれず、まさかのコースアウト。あと10cmというところであった。これには息子さんもショックが大きかったようで、しばんずさんに飛び込むようにして号泣。気がつけば、この日、最も会場を一喜一憂させたのが、しばんずさんの息子さんであった。

 2回目は各選手とも慣れてきたようで、平野さんのプティキャノン以降は、10個以上をマーク。しかも、プティキャノンは順番待ちの最中にモーションの修正が行なわれたようで、見違えるほどしっかりとした歩きを見せるようになった。KENTAさんのチョコン2が12個載せで本日の記録かと思われたが、K(くぼ)さんのチョコウサが286.4秒というギリギリのタイムで13個載せを達成。結果、チョコウサ、チョコン2、プティキャノン、フウガ、Nano-6、ぎがーるうし、ぽさ2号機、ちょろ丸紅の順位となった。


【動画】ぎがーるうしの2回目。この日は、会場を盛り上げまくり、MVPを上げたいぐらい 【動画】ガシガシ歩くプティキャノン 【動画】12個を載せたチョコン2

 そして、3種目合計の順位は、56点でKENTAさんのチョコン2が優勝となった。2位はK(くぼ)さんのチョコウサ(55点)、3位はごーすとさんのNano-6(52点)。以下、イガアさんのフウガ(51点)、しばんずぺいさんのぎがーるうし(50)、平野さんのプティキャノン(48点)、向山正晴さんのぽさ2号機(44点)、ケインさんのちょろ丸紅(40点)。なお、参加選手と観客の投票によるエレガンス賞は、Nano-6が受賞した。総合優勝は、エレガンスポイントと競技ポイントの合計で決まる仕組みで、競技で3位、エレガンス賞をゲットしたごーすとさんのNano-6に決定。チロルチョコ提供の新商品チロルミックスチョコレート(5種類のチロルチョコが2個ずつ計10個入っている)が10セット入っているボックスを4箱(つまり、チロルチョコの数は400個)をメインの賞品として受け取った。


総合優勝となったごーすとさん ゴーストさんのNano-6とエレガンス賞+競技部門3位の賞品

 また来年も開催する方向ということなので、費用を抑えられる小型ロボットで、アットホームな競技に参加したい人は、ぜひ今から予定に入れておいてはいかがだろうか。


URL
  アールティ
  http://www.rt-net.jp/
  チロルチョコ
  http://www.tirol-choco.com/


( デイビー日高 )
2008/02/20 00:58

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