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レスキュー工学の「第3回竸基弘賞」、東北大助教と早大院生が受賞 |
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1995年の阪神・淡路大震災で犠牲になった竸基弘氏(当時23歳)は、神戸大学自然科学研究科院の学生で「人を癒やし助けてくれる“ドラえもん”のようなロボットを作りたい」と夢を持っていた。 同機構の副会長である松野文俊(電気通信大学教授)は、当時、彼の指導教官であった。松野氏は、震災をきっかけに、ロボットによる災害救助活動の研究を始め、NPO法人「国際レスキューシステム研究機構」を立ち上げた。2005年に彼の遺志を継ぎ、犠牲者の方々を忘れないための記念として、「竸基弘賞」を創設した。 「竸基弘賞」は、防災・レスキューシステムの研究開発において、学術的あるいは技術的に顕著な業績をあげた40歳未満の研究者や技術者を表彰し、将来レスキュー工学を担う若手の研究者を奨励することを目的にしている。 今年は、東北大学大学院情報科学研究科助教の大野和則氏と、早稲田大学大学院理工学研究科機械工学の目黒淳一氏が受賞した。 大野氏は、ロボットのハード、人間が操縦するインターフェイス、正確な情報収集のための3次元地図構築の3点を総合的に開発した。その技術をクローラーロボットに搭載することで、操縦者が簡単にロボットを操縦し、未知の瓦礫環境を探査し、環境地図を構築する研究をしている。 目黒氏は、小型自律飛行ロボットや車にカメラを搭載し、広域な被災地の情報を簡便に収集・解析可能なシステムを開発。災害が発生した後の、被害状況を継続的に画像と三次元データでデータベース化して管理することを可能にした。これにより、被災状況の急変による危険察知や復興状況の進捗状況確認などが行なえる。 また、救助ロボットという分野を切り開いた功績で、東北大教授の田所諭氏に学術貢献賞が贈られたほか、レスキューシステムの実用化の推進・向上発展に貢献した、インターナショナル・レスキュー・システム・ユニット(IRS-U)へ感謝状が授与された。 最後に、基弘氏の父和己氏が、来年度の高校2年生向け英語の教科書に、阪神・淡路大震災をきっかけに松野教授がレスキューロボット開発に携わるようになったエピソードが「レスキューロボット」の題で掲載されることを発表した。和己氏は、「これがきっかけで、若い人達がレスキューロボットや防災について関心を高めてくれると嬉しい」と語った。 ■URL NPO法人 国際レスキューシステム研究機構 http://www.rescuesystem.org/tmp/NEW/framepage01.htm IRS-U http://www.rescuesystem.info/IRS-U/
（ 三月兎 ）
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