現在、赤いきつねなどのカップ麺で知られる東洋水産では、2008年1月31日まで『マルちゃん「TU→YU」(ツーユー)オリジナルグッズプレゼントキャンペーン』を実施中だ。そのキャンペーンで用意されているプレゼントのひとつが、量産型としては世界最小となるタカラトミー製2足歩行型ロボット「i-SOBOT(アイソボット)」である。オリジナルのカラーリングとアクションとなっており、その名も「マルちゃんロボ」だ。赤いきつねや緑のたぬきなど、15種類の対象商品(カップ麺)のバーコード11枚を1口として応募すると、抽選で300名に当たるという実に高いレア度のスペシャル版である。
今回、特別にマルちゃんロボを拝借することができたので、外見のクローズアップはもちろんのこと、オリジナルアクションなどについても紹介していく。そして、同キャンペーンの指揮を執っている東洋水産即席麺本部商品1課課長の須賀真澄氏にインタビューすることもできたので、マルちゃんロボに関する秘話などをあわせてお届けする。
ちなみに、TU→YUとは、東洋水産の即席麺(カップ麺)のブランド「マルちゃん」のCM内で結成されたアイドルユニット。赤いきつねの顔として1978年より30年に渡ってCMに出続けている俳優の武田鉄矢氏と、彼の代表作であるテレビドラマ『3年B組金八先生』シリーズに出演したことがあるジャニーズ系タレントで結成されている。武田氏以外のメンバーは、長野博氏(V6)、増田貴久氏(NEWSおよびテゴマス)、風間俊介氏(ジャニーズJr.)、八乙女光氏(Hey! Say! JUMP)という構成だ。1年間かけて、ドラマ仕立てで次々と新しいCMを展開していくとしている。
今回拝借させてもらったマルちゃんロボとオリジナルのi-SOBOTとの外見的な差異は、カラーリングが異なっている点だ。後ほど詳しく記すが、オリジナルアクションと武田氏のセリフが追加されている点もオリジナルとなっている。カラーリングは、TU→YUのコスチュームにちなんだもので、マルちゃんの2大看板である赤いきつねと緑のたぬきの赤と緑に白を加えた3色で構成されたデザインだ。
|
|
|
胸部のカバーを外したところ
|
背部スイッチ近辺アップ
|
脚部アップ
|
|
|
|
ボディーおよび脚部アップ側面
|
ボディーおよび脚部アップ側面その2
|
コントローラー正面
|
|
|
コントローラー上面の送信部分および側面
|
コントローラー側面および背面
|
マルちゃんロボのカラーリングを細かく説明すると、ボディーの大部分と手の一部が緑、手足とお腹の一部と頭部の一部が赤で、頭部の大部分と足は白だ(関節パーツはオリジナルと同じ黒)。ちなみに、コントローラーも本体が赤と緑、ボタン類が白とマルちゃんトリコロールになっている。
また、胸部の右側に、マルちゃんのロゴマーク。その隣には、赤いきつねと緑のたぬきのロゴが上下に並ぶ。そのやや下にTU→YUのロゴだ。基本的に頭部は白だが、左側のLEDを使用したサーチライトの先端部分と後端部分、そして後頭部が赤になっている。また、手の部分は、甲と小指に相当する第3指が緑で、親指に当たる第1指と人差し指~薬指が合わさった形の第2指が白だ。
|
|
|
頭部アップ右側面
|
頭部アップ左側面
|
碗部外側アップ
|
|
|
碗部内側アップ
|
指先アップ
|
オリジナルアクションだが、まず起動時のセリフが通常のi-SOBOTと異なる。武田氏の声で「こんにちは、マルちゃんロボです」と「マルちゃんロボです。起動しました」の2パターン。アクション自体は通常のi-SOBOTと同じである。さらにどちらの挨拶も、「命令をどうぞ。現在はリモートコントロールモードです。コントローラーのスイッチを入れて下さい。別のモードで遊ぶ場合はモードを切り替えて下さい」と、同じく武田氏の声で続く。こちらも、アクションそのものは通常のi-SOBOTと同じだ。また、リモートコントロール、プログラム、スペシャルアクション、ボイスコントロールの各モードを選択すると、武田氏の声でどのモードかを教えてくれる。こちらも、アクションそのものはi-SOBOTと共通だ。
|
|
【動画】「こんにちは、マルちゃんロボです」版を収録
|
【動画】モードを切り替えると武田鉄矢氏の声でそのモード名を教えてくれる
|
ユーザーが声で操作するボイスコントロールモードにも3種類のオリジナルのセリフが登録されている。ただし、ランダムなので、話しかけてもすぐにオリジナルのセリフを聴けるとは限らない。通常のi-SOBOTに最初から登録されているアクションが始まる場合もあるのだ。
ひとつは、「こんにちは」と呼びかけると反応。武田氏の声で、「こんにちは! いまダンスのレッスン中なんだ。いち、に、いち、に……」といい、両手を上げて、準備体操のようなアクションが始まる。
「アイソボット」と声をかけた場合は、「i-SOBOTはi-SOBOTでも! 特別限定i-SOBOT・マルちゃんロボなのだ。腹減ったなー、赤いきつね、ない?」と最初は見得を切りつつ、途中からズッコケキャラになるというセリフだ。
最後は、「なにかおもしろいことして」。すると、マルちゃんロボが酔っぱらったような不安定な動きを見せつつ、「おっとっとっと、飲んだ後の赤いきつねはサイコー!」と、呂律の回らないセリフを数回聴かせてくれる。「なにかおもしろいことして」に対しては、もともと登録されているアクション数が多いので、酔っぱらいアクションを見るのは少し時間がかかるかも知れない。厳密な測定ではないが、実際に撮影した際に約20回に1回ぐらいの確率だった(1回目に出るときもあった)。
そして、完全にアクションそのものもオリジナルとなっているのが、スペシャルアクションモードに用意されている「エアギター」だ。スペシャルアクションモードとは、簡単なコマンドを入力するだけで、派手な複合アクションを見せてくれるというもの。エアギターは、コントローラーでコマンド「B、B、B」と入れて「GO」ボタンを押すと、スタートする。武田氏のボーカルで「ホワイトパワー、白いちからもち」と歌い出し、ギターを弾いているかのようなアクションを見せてくれるのだ。
そのほかのオリジナル要素としては、マルちゃんロボのケース。通常のi-SOBOTのケースに、今回のキャンペーンのA賞に当選したステッカーが貼られている。
|
|
|
【動画】飲んだ後の赤いきつねはサイコー!
|
パッケージ
|
パッケージ上部にステッカー
|
![](/cda/static/image/2007/12/26/maru_ph25.gif)
|
東洋水産即席麺本部商品1課課長の須賀真澄氏。背景には、地域限定版を含めてマルちゃんの50種類以上のカップ麺がズラリ
|
――須賀さんの具体的な業務内容から教えていただけますでしょうか。
【須賀】和風麺の商品の企画と開発ですね。それに伴うプロモーションも手がけています。それで、今回も年末のキャンペーンを担当しているわけです。
――今回、i-SOBOTをキャンペーンのプレゼントとして選ばれたのは、どのような理由からなのでしょう?
【須賀】当社のカップ麺のメインターゲットは、20~30代の男性です。昨年は、女性や年配の方など、メインターゲットとしていない層にもアピールしようということで、ニンテンドーDS LiteとチョロQのラジコンをプレゼントにしました。ちょうど、任天堂さんがニンテンドーDSの戦略として、女性や年配の方をターゲットにしていて重なっていましたので、協力をしていただいたというわけです。今年は原点に戻ることにしまして、メインの20~30代の男性にアピールしようと考えました。i-SOBOTはほぼ同じ年代の男性をメインターゲットとしていると思われましたので、訴求効果があると判断した次第です。タカラトミーさんには3年連続でお世話になっていますね。
――須賀さんご自身は、i-SOBOTを初めて見たときにどんな感想を持ちましたか。
【須賀】一般の方の手が届くオモチャで、ここまで動くものはなかったので、やはり驚きましたね。10万円のロボットになってしまうと、どうしても一般の人には手を出せない範疇になってしまうので、当社のカップ麺を買っていただいている方の大多数の方から離れてしまうと思うんです。なので、3万円という低価格で、なおかつ完成品としてすぐに遊べるというのが大きなポイントでした。タカラトミーさんが、低価格でこうしたロボットを出されたところに、意外性というか、驚きがあるかなと思います。
――カップ麺は、当たり前ですが手軽に食べられるのが大きな特徴ですが、それと同じで、すぐ遊べるというところに通じるものがあるわけですね。続いて、マルちゃんロボのオリジナル部分についてお聞かせ下さい。カラーリングが異なるだけでも、マルちゃんロボとしてのオリジナル色が出るかと思うのですが、武田さんのセリフや、エアギターのようなオリジナルアクションを収録したのはなぜでしょう?
【須賀】そこは、オリジナル色をより強めたいという考えですね。ちなみに、CMでもいわれていますが、最初はロボ鉄矢というネーミングだったんです。でも、もう少しマルちゃんのイメージを出したかったので、正式な愛称を「マルちゃんロボ」にしました。
――マルちゃんロボのマニュアルに公開されているアクション(前半で紹介したもの)のほかに、シークレットなアクションはあるのでしょうか。
【須賀】最初は、アクションやセリフを公開しないで、当選した方に色々と遊んでもらって見つけてもらう、という方法も検討していました。最終的に、誰にでも楽しく遊んでいただきたいということで、全部をオープンにする形になりました。
――エアギターがアクションも完全にオリジナルとのことですが、どのような経緯で採用したのでしょうか。
【須賀】現在のひとつ前のCMの「ダンスレッスン」編で、「ホワイトパワー~白い力もち~」をメンバー全員で歌っているのですが、そこから得ていますね。それを武田さんだけに歌ってもらって、アクションもそのときのダンスをベースにして作ったというわけです。
――武田さんが段々みんなから動きが遅れていって、ジャンプしたときにグキリと腰をやってしまう内容のCMですね(笑)。余談ですが、TU→YUがCDデビューとか実際にコンサートをするとか、噂があるようですが、いかがなのでしょうか。
【須賀】そういう要望は実際に多いですね。うーん、でも、なかなか難しいのが現状です。
――ところで、今回のキャンペーンは2008年1月31日までですが、現在、マルちゃんロボの応募状況はいかがですか。差し支えがなければ、教えていただけませんでしょうか。
【須賀】今年のA賞であるマルちゃんロボは、対象商品のバーコードが11枚必要というだけあって、まだ比較的落ち着いている感じですね。B賞の『「TU→YU」オリジナルボイスクロック』の方は、バーコード4枚で1口、やはりメンバー5人のボイスアラームが付いているということで、すでに随分と届いています。
――i-SOBOTは3万円を超える商品ですから、どうしても1口のバーコードの枚数も増えてしまうわけですね。逆に、誰もが点数を集めることに大変さを感じていて応募が少ないのだとしたら、ねらい目といえるかも知れませんね。
【須賀】そうかも知れません。ぜひ狙ってください(笑)。
――自分も帰ったらディスカウントスーパーに行って、大量に買い込んでこようかと。(笑)
【須賀】そういうお客さんは実際に多いみたいですね。
――ちなみに、武田さんを初めとするTU→YUのメンバーのみなさんは、i-SOBOTを初めて見たときに、どんな感想を話されていましたか。
【須賀】動きに関して特に感動していましたね。よく動くね、と。
――TU→YUのテレビCMシリーズの「2007キャンペーン」編で、新メンバー登場! 的なシチュエーションでマルちゃんロボが登場しますが、視聴者の反応はどんな感じでしょうか。
【須賀「テツヤがちょっとかわいそう」という意見もあるようです(笑)。
――自分の分身のような存在でもあるマルちゃんロボなのに、最大のライバルみたいに登場しますからね。余談ですが、TU→YUとは、どういう意味なのでしょうか。To Youでしょうか。
【須賀】我々のカップ麺はおつゆを非常に大事にしているので、実は「つゆ」から採っています。ダジャレみたいですけど(笑)。
――最後になりますが、当選した方にどこを特に注目してもらいたいですか。
【須賀】そうですね。やはりマルちゃんロボのオリジナル部分を楽しんでいただきたいと思います。
――お忙しい中、ありがとうございました。
■URL
東洋水産
http://www.maruchan.co.jp/
キャンペーン案内
http://www.maruchan.co.jp/aka-midori/index.html
「TU→YU」CMライブラリー
http://www.maruchan.co.jp/cm/index.html
タカラトミー
http://www.takaratomy.co.jp/
i-SOBOT公式サイト
http://www.isobotrobot.com/
■ 関連記事
・ タカラトミー「Omnibot 17μ i-SOBOT」分解・解析レポート(2007/11/08)
・ タカラトミー「Omnibot 17μ i-SOBOT」緊急レポート ~31,290円のヒューマノイドロボット、ついに発売(2007/10/27)
( デイビー日高 )
2007/12/27 01:14
- ページの先頭へ-
|