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本日の主役、SPC-101
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お台場のZepp Tokyo2階の東京カルチャーカルチャーで16日、スピーシーズ主催のイベント『急遽公開!世界初!「笑うロボ」 お台場に登場!!』が開催された。
開催場所となった東京カルチャーカルチャーはおしゃれなお店で、'80年代の名曲が流されており、大人の雰囲気が漂う。ロボットとはあまり結びつかないイメージである。そんな疑問に対して事前にスピーシーズCEOの春日知昭氏に話をうかがったところ、「ロボットをタレント化させて、これまでの理数系的なアピールの仕方ではなく、テレビやこうした場所でのイベントで活躍できるようにしたい」という狙いがあることを語ってくれた。また、これまではハードウェア面の追求ばかり行なわれてきたが、パソコンと同じで、コンテンツ(ソフトウェア)が必要だともコメントしていた。
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店内の様子
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店内の様子その2
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事前に各席にアンケート用紙が配られており、それには今回の主役ロボットであるスピーシーズが開発した「SPC-101」シリーズの名称を提案する項目も用意されていた。ユルい路線で考えてほしいというお願いがあったが、来場者からどんな名称が出るのか、期待したいところである。
イベントは、まずトークショーがスタート。司会を東京カルチャーカルチャーのテリー植田氏が担当し、春日氏とスピーシーズ営業部長の中村武氏が答えるというスタイルである。3人の後ろにはプレゼン画面を映せる大型スクリーンがあり、そこに資料を映しながらトークショーを行なっていく形だ。
事前の告知では、主役をSPC-101が担当し、笑って、歌って、踊って、痛がって、ビビって、ズッコケるところを見せてくれるということだったのだが、その時点では、トークショー後のデモンストレーションを行なうものと予想された。しかし、春日氏たち3名の前のテーブルの左側に、SPC-101が登場。トークショー中はマスコット的に見せておくのかと思いきや、なんと飲み物の注文で、春日氏と中村氏と同様にビールに手を挙げる。今回のイベントは、トークショーの中に、SPC-101のパフォーマンスが含まれているというか、SPC-101がトークショーの第4のメンバーという内容なのであった。
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スピーシーズCEOの春日知昭氏
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スピーシーズ営業部長の中村武氏
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司会のテリー植田氏
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SPC-101も第4のメンバー
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トークショーでは、まずSPC-101が紹介され(プレゼン画面上では、最新型のカメラ搭載機「SPC-101C」となっていた)、インターネットやLANで操作したり、操作したりデータの送受信を行なえたりすることが特徴であると春日氏が説明。顔の造形やボディー全体にあまり際立った特徴がないのは狙ってのことで、男女どちらのキャラクターもこなせたり、さまざまな役柄を演じさせられたりするようにもしてあるとも語る。
続いて、国内外のホビーユース、研究用途、実用までさまざまなロボットを紹介。次に、そうしたロボットを、IT、研究用途、ホビー、トイの4段階に分け、さらに左右軸に価格を取る表がプレゼン画面に映される。価格の軸は中央が2,500$となっており、右が低価格で、左が高価格だ。SPC-101シリーズはIT系の高価格機、兄弟機のSPC-001と003は研究用途の高価格機に分類されているという具合である。
春日氏は、現在のロボットの状況を、パソコンの黎明期の頃と非常に似通っていると語る。20年、30年経って、アプリケーションが揃って使えるようになったように、ロボットももうしばらくかかるだろうという。ハードウェア的には揃ってきているので、パソコンのように何十年もかからず、おそらくは10年ぐらいでソフトウェア面が充実してくるのではないかと語る。これからロボットの歴史が始まるということを感じているそうで、重要なことはインターネットとロボットが合体することで、それによって新しいことができるのではないかともコメントした。
続いては、ロボットのコンテンツを配信する仕組みを考えていきたいということで、スピーシーズが現在構想中の「Bot Casting」を解説。どのようなサービスかというと、SPC-101シリーズのようなインターネットロボットを、家庭におけるラジオ、テレビ、パソコン、携帯電話に次ぐ第5のメディアとして活用するというものだ。
春日氏らは、コンテンツサーバーのことを「インターネットロボット放送局」と表現しているそうで、そこからユーザーがロボット用の番組やさまざまなデータをロボットにダウンロードできるようにする。ロボットは、そうして得たデータを基にニュースやメールを読み上げたり、音楽を流しながらダンスして見せたりするのである。
インターネットロボットとインターネットロボット放送局の関係は、iPodとiTunesの関係という風に例えた。アプリケーションソフトは、5分野にフォーカスするとあり、管理/コミュニケーション、音楽/ダンス/ヒーリング、オンラインゲーム/オンライン教育、遠隔プレゼンス、ユーザーコミュニティーとしている。利益の源泉に関しては、ハードウェア、コンテンツダウンロード、アプリケーションソフトウェア、コマーシャル/広告だそうだ。
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現在の主立ったロボットの目的別の位置付け
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PCの歴史とロボットの歴史
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スピーシーズが構想する「Bot Casting」の概念図
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そんな固い話をしていたら、突然テーブルの上にゴロンとして、退屈そうに寝てしまったのがSPC-101。そこで、少し話を軟らかくしようということで、どんなロボットが好きかを話すことに。司会の植田氏は、ガンダムやマクロスなどで、中村氏は鉄人28号、春日氏はアトムだそうだ。そうしたメディアに登場するロボットを含めて、「春日氏は人間を目指して考えられているのでしょう」と考察する。そこで、植田氏がSPC-101のことに、「彼はユーモアがあるんですか?」と話を振ると、嬉しかったらしく(?)SPC-101がBGM付きで動き始め、その華麗なダンスを披露した。
さらに、「笑いとロボット」という題材に移行。SPC-101の抱腹絶倒モーションはすでに公開されているが、それが国籍や文化など関係なく、外国人にも大ウケしているという。
また、「SPC-101は笑いを理解する」ということで、実験として、「そんなの関係ねぇ!」の小島よしおの映像を流してみる。しばらくじっとしていたかと思うと、胸に「WAHAHA」とアルファベットが一文字ずつ流れだし、SPC-101が笑い出す。腰砕けになって笑い、しまいにはうつぶせに。
しかし、このうつぶせ、どうやらテーブルクロスで足場が滑るためか、本当は仰向けになってお腹を抱えて笑う予定だったらしく、春日氏がそっとひっくり返す。そのあと立ち上がったと思ったら、小島よしおのモノマネまで行なう。どうやら、SPC-101は小島よしおが好きなようである。イベント開始前も春日氏はコメントしていたが、今後、SPC-101にちゃんとした名前を付けて、芸人として売り出したいのだそうだ。
SPC-101のお笑いに対する反応を見せるイベントは続き、今度は吉本のコントの映像を流す。すると、コントに合わせて、まるで後ろ受け身のような全身を駆使したズッコケぶりを披露。ロボットも吉本のコントには脱力するようである。
植田氏曰く、「ちゃんと笑いを理解していますね」とのことであった。ここら辺から店内は、トークショー冒頭の真面目な雰囲気からだいぶ変化し、かなりユルい状況に。SPC-101は音声機能もついているので、ちょっと聴き取りづらいというのがネックか。映像的には、今回のように大型スクリーンで見せればまず問題ないが、お客さんに何を言っているのか聞かせる必要があるのなら、いかにちゃんと聴き取れるようにするか、という点は今後の課題のようだ。
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【動画】小島よしおの「そんなの関係ねぇ!」を見て抱腹絶倒し、モノマネをするSPC-101
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【動画】吉本のコントを見て、思わずズッコケるSPC-101
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そして会場アンケートで実施した項目のひとつ、「ロボットに何をしてほしいか」という話題に。植田氏が「犬の散歩はできるんですか?」と振ると、春日氏は「当然です」と答える。すると、SPC-101自身が四つんばいになって「キャンキャン」と泣き出す。自分が犬になったようだ。番犬的な、防犯対策にも使えるということだが、すると、腰砕けでしりもちをついて後ずさりしながら「きゃ~」と悲鳴を上げる状態に。役に立たないということでツッコミどころのような気もするが、そのユルい雰囲気に、店内からは失笑気味の温かい笑いが。そうこうしているうちに、再びアクビをしてゴロンとなり、春日氏は「しつけが悪いようです」。しかし、そこでSPC-101が起きあがるとハプニングが。頭頂部のパーツが外れてしまったのである。そんな不安な状況に対し、「そんなの関係ねぇ!」とやるSPC-101であった。
次に、音声認識機能があるから会話ができるという話になり、植田氏がSPC-101に急遽インタビューを試みることに。「クリスマスはどうするの?」「別に」「レッド・ツェッペリンは好きですか?」「別に」「年末年始はどうするんですか?」「実家」「実家?」「お母さんが病気なんです」という具合であった。
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【動画】犬の散歩をさせるつもりが、自らが犬に……
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【動画】アクビしてゴロンとするSPC-101。ロボットのくせに態度悪すぎ
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【動画】テリー植田氏がSPC-101にインタビュー
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続いての話題は、SF作家アイザック・アシモフが提唱した「ロボット三原則」について。「第一条:ロボットは人間に危害を加えてはならない」「第二条:ロボットは人間の命令に従わなくてはならない(第一条に反する場合はこの限りではない)」「第三条:(第一条、第二条に反しない限り)自己を守らなければならない」という、有名な条文である。
春日氏は、「SPC-101もこの三原則が当てはまってほしい」というが、実は本気のような冗談のような、“スピーシーズの”ロボット三原則に従っているらしい。「第一条:ロボットは人間に危害を加えてはならない、ことを右から左へ受け流す」「第二条:ロボットは人間の命令に従わなくてはならない、ことはない」「第三条:ロボットは自らの存在しか考えていない(自己中)」。SPC-101は、どうやら困ったロボットのようである。
この後、いよいよアンケートで募集した、SPC-101の名前の発表会。「ダメット」、「定年間際」など微妙なものもあれば、「ロボ道アユム君」などもあった。また、ロボットにしてほしいことでは、「自分の代わりに疲れることをしてもらう」「乗って操縦する」「癒やし」「話し相手」などが出たが、SPC-101は「面倒くさい」「やる気しないね」。スピーシーズ三原則を厳守する回答であった。
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これがアイザック・アシモフの唱えたロボット三原則
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【動画】ロボットにやってほしいことを発表すると、SPC-101が「面倒くさい」
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【動画】ロボットにやってほしいことを発表すると、SPC-101が「面倒くさい」
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【動画】会場アンケートのSPC-101の正式名称の提案に対し、「何ですかそれ?」
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【動画】SPC-101は仕事に対するやる気ゼロ?
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【動画】イベント終了後に抱腹絶倒モーションを接写
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そして最後は、ユルさで人気のヘタウマCGで全編描かれたアニメ「ゴールデンエッグス」とSPC-101のコラボレーション。画面のキャラクターの奇天烈な動きをマネしたかと思えば、腹を抱えて笑ったりしていた。
なお春日氏は、現在、SPC-101のタレント活動を進めるため、「某有名プロダクションと一緒に動いています」と発表。近い将来、SPC-101がツッコミを入れたり、ボケて見せたりすることだろう。既に『「ぷっ」すま』に出演済みだそうだが、2008年は出演が本格化されるかもしれない。
また、今回のイベントを拝見させてもらっての感想だが、まだまだこれからだな、と感じたのは正直な話。トークショー形式にSPC-101を絡ませる場合、ロボットという個性を活かするのはトークの参加者の受け答え次第で随分と変わってくる。
また、今回のようにロボットだからと、理科系・SF系寄りの内容を加えすぎてしまうと、楽しめる人が限られてしまうのも事実。これまでにないジャンルなのでさじ加減が微妙だし、お笑いとロボットの双方を理解できるようなディレクターも必要だろう。
ただし、今回見ていて、ただユルい感じというだけでも、随分と笑いを誘っていたようである。また、植田氏の見事な司会ぶりや、SPC-101のわかりやすいモーション、アシモフのロボット三原則を否定する自己中な返答なども評判がよかったようだ。ロボットということで物珍しさもあると思うので、テレビ番組へのレギュラー出演、タレント化を考える場合は、「飽きさせない」ということが大事なのではないだろうか。
それから、足場があまりよくなかったと思われるが、SPC-101がちょこちょこ倒れていた。社内でのモーション作成の際は問題がなかったのだろうが、事前の入念なリハーサルは済ませてもらいたいところである。何はともあれ、ロボットをタレント化させて、お茶の間に浸透させていくという、春日氏とスピーシーズの戦略は始まったばかり。今後に期待したい。
■URL
スピーシーズ
http://www.speecys.com/
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( デイビー日高 )
2007/12/20 01:16
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