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ディアロボ関西、高速道路3K解消ロボットを発表
~トイレ掃除ロボット、作業規制エリア進入規制ロボットの2機種


 11月21日、高速道路の土木保全工事などを請け負う株式会社アスウェイは、高速道路の3K作業を改善するロボット2機種を公開した。ロボットを開発したのは、関西の中小企業が構成する「3Jロボット開発集団(ディアロボ関西)」。


トイレ掃除ロボット「LADY BIRD」

 高速道路のサービスエリアやパーキングエリアの清掃業に従事しているのは、高齢の女性が多い。厳しい寒さの中で行なう冬期清掃作業や、夜間や早朝の清掃時におこるセクシャルハラスメント被害があり問題になっているという。こうした職場環境の改善とともに、将来の労働力不足を解決することを目的としてトイレ掃除ロボットを開発した。

 「LADY BIRD」は名前のとおり、テントウ虫の外観をしたロボットだ。サイズは、800×1,350×1,000mm(幅×奥行き×高さ)。重量は180kg。テントウ虫の可愛いイメージと、作業中に利用者と会話でコミュニケーションをすることでトイレ清掃のイメージをアップする。外装はポリカーボネートで、背中のLEDを光らせながら床を掃除する。移動スピードは分速11.3mで、一般的なSAのトイレ掃除をするのに要する時間は約30分。バッテリを搭載しており、連続稼働時間は2時間。


トイレ掃除ロボット「LADY BIRD」 【動画】床掃除をしながらゆっくり移動する。前進・旋回・後退が可能

 「LADY BIRD」は、ラジオコントロールでゆっくりと動きながら、床に水を拭きつけてブラシで磨き、掃除後の水分をバキュームで吸い取る。ボディに接触センサーが搭載されており、人や壁にぶつかると停止する。

 触覚がマイクになっており、「LADY BIRD」に「おーい」「元気?」と話しかけると返事をするほか、インターネットに接続して渋滞情報やSA近隣の観光情報を案内してくれる。会話に合わせて頭を傾げたり、振り向いたりしながら愛嬌たっぷりにコミュニケーションをとる。頭の可動部は、子供が指を挟んでも怪我をしないよう安全に配慮した設計になっており、万一に備えてトルクの低いモーターを採用している。

 来年1月から、名神高速道路桂川パーキングエリアに導入し実証実験を行なう。将来は、自律で掃除をする「共存型サービスロボット」として引き続き開発を行なう。


【動画】会話パターンのデモンストレーション 【動画】頭部に2自由度がある。目と触覚のLEDを光らせて、動きと光を組み合わせてコミュニケーションしている

作業規制エリア侵入検出ロボット「仁王」

株式会社アスウェイ 代表取締役副社長 西田行宏氏
 高速道路上で行なう保全作業や事故処理作業は、車の排ガスや騒音などが非常に激しい。特に保全作業は夜間に行なわれることが多く、作業する傍らを大型トラックが時速100km以上のスピードで走るため、一般道よりも作業員の危険性が高い。

 現在、高速道路で保全工事等を行なう時は、ドライバーに対して現場の1,500m手前から工事注意の標識を立て、標識車の手前300mから走行車線変更の誘導をし、作業エリアを確保している。だが、ドライバーが脇見運転や居眠り運転をしていて、誘導標識に気づかず規制エリアに進入してくる事故が年間120件以上ある。

 「仁王」はこうした事故を防ぐため、RT(ロボットテクノロジー)を使い作業規制エリアに侵入する車を検知し、作業者に避難警報を発信する。

 「仁王」は、2.4GHzのレーダーとステレオカメラの視差を利用して、走行している車のスピードと距離を測定する。

 大型トラックが高速で走行する側では、普通のスピーカーでは音声の聞き取りが難しい。「仁王」が規制エリアに侵入する車を感知した場合、作業員に対して100dBの騒音下でも会話が可能なように、ヘルメットに内臓した骨伝導スピーカーで指示を出す。同時に走行している車に対しては、フラッシュで警告を発するが、ドライバーが居眠りをしている時には効果がない。事故の原因は長距離トラックが多いが、長距離トラックは100%ETCを搭載している。今後、仁王からの警告をETCに発信し、ETCが音を出してドライバーに注意を喚起するシステムの構築を国やトラック業界と提携してやっていきたいという。


作業規制エリア侵入検出ロボット「仁王」構成図 レーダーとステレオカメラで走行車線の車のスピードと距離を感知する

ヘルメットに内蔵した骨伝導スピーカーで、騒音下でも確実に会話ができるようになった 指で示しているところに、骨伝導スピーカーがある

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( 三月兎 )
2007/12/05 20:28

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