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ロボスクエアがこども病院を慰問
~福岡市の病院でのロボットショー


 11月9日、福岡市早良区にあるロボスクエアが、同市中央区の福岡市立こども病院・感染症センターへロボットを連れて慰問に訪れた。この慰問には九州ロボット練習会もボランティアで参加し、二足歩行ロボットのパフォーマンスを披露した。

 こども病院への慰問は、年に一度程度行なっているロボスクエアの恒例行事である。AIBOを中心としたロボットたちを子供たちの前で動かしたり、触れ合ったりすることで、病院の子供たちに少しでも元気になってもらおうという趣旨の活動だ。


福岡市中央区唐人町にある福岡市立こども病院・感染症センター 病院内の掲示板に貼られていたロボスクエアのお知らせ ロボットショーが行なわれたステージ

 アニマルセラピーという、動物を連れて老人ホームなどを訪問する活動があり、動物とお年寄りが触れ合うことで、精神的な安定に効果を上げているという。しかし、場所が病院となるとアレルギーなどの問題もあり、アニマルセラピーは難しい面もある。代わりにロボスクエアではロボットを使うことで、「ロボットセラピー」ができないかと考えているようだ(ロボスクエアには犬型ロボットのAIBOやアザラシロボットのパロがおり、こういう活動にはうってつけである)。

 慰問のロボットショーは、こども病院のロビーのステージで開催。ここは普段は子供たちの遊具が置かれている遊び場で、病院の職員とボランティア全員でまずは遊具の撤去から始まった。

 音声機器を運び込んでステージの設営が終わると、最初にAIBOのダンスショーが行なわれた。続いてKHRおよびROBO-NOVA、それにMANOIの二足歩行ロボットによるショーを行なった。

 それが終わると九州ロボット練習会の時間となった。九州ロボット練習会からは、ハウザー、AutomoSandan、スーパーディガーの3台が参加。それぞれのパフォーマンス、最後にビーチフラッグ西瓜割り(寝た状態から起き上がり、走って最初に西瓜を割ったロボットが勝利)のゲームを行なった(ちなみに西瓜割りゲームはスーパーディガーが勝利)。

 その後にロボットとの触れ合いタイムを設け、時間いっぱいまで子供たちにはロボットと遊んでもらった。ここではパロやキティロボが活躍。子供たちはそれぞれのロボットと遊んでいた。


クリスマスバージョンのAIBO 入院している子供たちの家族だけではなく、病院職員も見学に来ていた 踊るAIBO

ロボスクエアのROBO-NOVAによる片手腕立て伏せ パラパラを踊るMANOI 慰問ロボットショーで最もウケていた、ハウザーの「オッパッピー」

AutomoSandanの空手モーション 西瓜をスローインボールで割るスーパーディガー ビーチフラッグ西瓜割りゲーム。AutomoSandanが先行したが、最後はスーパーディガーが決めた

ロボスクエアのRovie-iによるトコトコ相撲 ロボットセラピーの専門家(?)パロ

病院ならではの問題

 実は場所が病院ということで、通常とは違った問題もあった。

 むろんロボスクエアのパロは元々このような活動用のロボットで何の問題もない。またAIBOも家庭に入ることを前提としているため、安全には十分すぎる配慮がなされている。

 問題になる可能性があったのは、無線操縦の二足歩行ロボットだ。病院ともなればペースメーカーを装着している人が、近くにいる可能性が高い。そのペースメーカーが無線操縦コントローラーの電波によって誤作動を起こす懸念もなくはない。

 これに対しては「ペースメーカーから22cm以上、電波を発信するものが離れていれば大丈夫」なのだそうで、九州ロボット練習会では「無線機は病院ではステージ上でのみ使用する」ことをお互い申し合わせていた。またロボットが転倒した時のことも考え、ショーが終わるまではお子さんたちにステージに上がることを遠慮してもらっていた。

 ロボットとの触れ合いタイムでは、自律、あるいは赤外線か有線のコントロールで動くロボットのみを使用した。九州ロボット練習会では「有線操縦で、パワーのないモーターを使用し、倒れても問題のない小さなロボット」を別に用意し、これで操縦体験を楽しんでもらった。


九州ロボット練習会が持ってきた体験操縦用のロボット。左が「ビッキョ」、右が「みらいくん」 熱心に操縦するお子さん

 実は九州ロボット練習会が、操縦体験用の小さなロボットを持っているのは、病院の慰問の目的だけではない。九州ロボット練習会はいくつものイベントを経験しているが、男の子にロボットの操縦体験をさせると、まず必ず攻撃モーションを出そうとする。また、とにかくボタンを押してみるので「予期しないモーションが予期しないタイミング」で出てしまい、ひやっとしたこともあった。

 従って九州ロボット練習会では、操縦体験の場合は大型のロボットのコントローラーには触らせず、操縦体験用の小型ロボットを操縦してもらうようにしている。

 今回の操縦体験には2台の小型ロボットを使用し、子供たちは結構楽しんでいたようである。

 こども病院には長期入院の子供もいて、この子たちにとってはいい気晴らしの機会になったことだろう。またロボットを使ったこのような活動が、病院の子供たちにいい影響を与えていくものと信じたい。


URL
  福岡市立こども病院・感染症センター
  http://www.fukuoka-child.jp/
  ロボスクエア
  http://www.robosquare.org/


( 大林憲司 )
2007/11/19 14:10

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