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第40回東京モーターショー開幕
〜ロボット搭載カーや一人乗り自動車が登場


トヨタのコンセプトカー「Rin」。快適性や健康をイメージした車
 10月24日、社団法人日本自動車工業会が主催する「第40回東京モーターショー」が開幕した。会場は千葉・幕張メッセ。一般公開日は10月27日(土)〜11月11日(日)まで。入場料は一般1,300円、中学・高校生は600円、小学生以下は無料。出品者は240、世界初披露となる77台を含む542台の車と製品・技術が展示されている。

 今年のモーターショーは多くの新コンセプトカーが出展され、「車離れ」を食い止めようと未来を模索している各メーカーの姿を伺うことができる。

 車とロボットはモビリティという面で見るとほとんど共通している。視覚センサーやミリ波レーダーを使った障害物回避技術、人との親和性など、技術的課題や応用可能性も近い。また近年の車には多くのコンピュータが搭載されるようになっており、技術的には、両者はますます近づきつつある。ホンダやトヨタのような自動車メーカーがロボットを手がけ、優れたロボットを開発していることも必然といえよう。さらに今回は、人と車の間をつなぐインターフェイスとしてロボットを直接搭載したコンセプトカーも出展された。ロボットという面からモーターショーをのぞいてみよう。


パーソナルモビリティの模索

 トヨタの「i-REAL」は、2003年に発表された「PM」の流れを汲むパーソナルモビリティだ。愛知万博での「i-Unit」、第39回モーターショーで発表された「i-Swing」などを経て、これまでのデザインから多くのものを捨て去り、よりミニマムなコンセプトデザインとなって今回のモーターショーに登場した。セグウェイとは異なり、あくまで「ビークル(乗り物)」であるというコンセプトで開発を行なっているという。

 低い姿勢をとってより高速で走れる「走行モード」と、乗車したときの搭乗者の目線が歩行者と近くなる「歩行モード」があるのはこれまでどおりだが、「REAL」と銘打っているだけあって、今回の車両は実社会に出ることを意識した作りとなっている。

 たとえば走行モードではウインカーやバックライトなどを装備している。しかしながら「歩行モードでは車両としては見られたくない」そうで、こちらでは、たとえば右に曲がるときには後方のディスプレイ部分で「右に曲がりそうだ」ということをウインカーなどではない方法で示すような方向性を目指しているという。

 このような、車道と歩道を時と場合に応じて使い分けることを志向するパーソナルモビリティがより普及してきたとき、現在の道路交通法がどうなるのかはまだ分からないが、その動向は間違いなく今後のロボット開発にも影響を与えるだろう。また何よりもi-REALのようなコンセプトの車は、ロボットに非常に近い。ほとんど、車輪で動くロボットだとみなしたほうが技術的には分かりやすいかもしれない。ロボティクスのひとつのありよう、またロボティクスと自動車技術の融合の一つの形として、今後の動向にも期待したい。


トヨタ「i-REAL」 よりシンプルなデザインとなった 走行や歩行などモードを選ぶ左側

操作中の様子四角形に凹んでいる部分はタッチパッドで、その左横はディスプレイ 右側にはパーキングやドライブ、電源スイッチなどを配置 走行モードに変形したところ

走行モードでのリアビュー 【動画】走行の様子 【動画】背面のディスプレイ表示の様子

【動画】走行モードへの変形 【動画】走行モードから歩行モードへの変形

 スズキは、「SSC」という小型の車のなかに、さらに「PIXY」という一人乗りのパーソナルモビリティを組み合わせたコンセプトカーを出展している。PIXY」は全長130cm、幅87.5cm、高さ150cm。後輪をモーターで駆動して走る。トヨタの「i-REAL」と似通ったところのあるモデルだ。ただこちらは、「遠距離を走行するときには車で移動し、それほど遠出しないところは低速のパーソナルモビリティで移動するというコンセプトである。操縦はそのまま「PIXY」から行なうイメージとなっている。

 速く走るパーソナルモビリティとしては既にバイクがある。いっぽう、少し遅く走る一人乗りの乗り物を「自動車屋」の人々が普通に考えると、一人乗りのイスが走るようなデザインになるらしい。

 なお余談だが、このコンセプトカーを見た人たちは世代によって、「パイルダーオン」「コアファイター」「エントリープラグ」などなどと連想するとのこと。ロボット文化の影響はこんなところにも現れているようだ。ただし、同社のデザイナー自体は、そのようなコンセプトでデザインしたわけではないとのこと。


「SSC」(写真左)と「PIXY」 SSC。扉は後方、前方、そして側面ともガバッと開く 他のビークルにも合体できるというイメージコンセプト

【動画】PIXYの走行の様子 【動画】SSCの中に入ったPIXYがまた出てくる

インターフェイスとしてのロボットエージェント

 日産自動車は「PIVO 2(ピボ・ツー)」という電動シティコミューターのコンセプトカーを発表。車体全体がぐるぐる周り、開く扉は前方という変わった車だが、今回発表されたモデルにはダッシュボード部分にはロボットを搭載した。このロボットはドライバーの顔を認識して表情を読んだり、音声認識でドライバーとコミュニケーションする。同社ではこれをロボティックエージェントと呼んでいる。

 このロボットも車同様「PIVO 2」という名前だが、ロボット好きなら誰でも分かるだろうが、NECのパーソナルロボット「PaPeRo」に良く似ている。確認したところ、実際、NECと共同で開発しているとのことだ。ただし、PaPeRoの技術をそのまま使っている部分はほとんどないとのことで、たとえば表情を読む技術は日産のオリジナルだそうだ。

 なお日産では今後もパーソナルロボットを開発する予定はなく、あくまで、車と人を繋ぐインターフェイスの一つとして、今回はロボットを提案したとのことだ。日産ではこのような技術を「カー・ロボティクス」と呼んでいるという。


日産自動車「PIVO 2(ピボ・ツー)」 本体部分がぐるっと回転する ちょこんとロボットを搭載

【動画】周囲からは「可愛い〜」の声が上がっていた 【動画】ドアは正面

【動画】閉まる様子。ロボットの動きにも注目 日産「PIVO2」のコンセプト

未来のトラック、ダンプカー

 いすゞ自動車のブースでは、未来の配送トラックのコンセプトスタディ「FL_III」と「FL_X」を1/5スケールのモックアップで示している。FLとは「Future Logistics」の略称で、およそ7年ほど前からいすゞが取り組んでいるデザインスタディの名称だ。

 「フレックスボックスシステム」と呼ぶ方式で配送のコンテナを大型車・小型車で共用。環境性能や安全性能を高めつつ、自動化を進め、よりドライバーの負担を軽減することをねらっている。これまでのFLシリーズはアラビア数字だったが、ローマ数字に変わった。ロジスティックスはロボット化する余地・メリットともに大きいと思われるので今後の動向に注目したい。

 また、三菱自動車は「パラレル方式ハイブリッド」方式の小型シティダンプ「CANTER ECO-D」を参考出展している。これまた現在のダンプとはかけ離れたデザインだ。


いすゞ自動車「FL_III」。未来の3トンクラス小型トラックのコンセプトモデル 「FL_X」。未来の10トンクラス大型トラックのコンセプトモデル

FL_IIIの運用イメージ。コンテナが自走する FL_IIIの運転席のイメージ

三菱自動車「CANTER ECO-D」 「CANTER ECO-D」リアビュー

全方位ビューは標準装備になる?

 コストの問題はあるものの一部の自動車にはミリ波レーダーが搭載されつつあることは前述のとおりだが、今回、目立ったのが全方位ビューを実現するシステムである。これは180度近くの視野角を持つカメラを車の4方向に配置し、歪みを補正、車と周囲を真上から見たような風景をディスプレイ上に提示するシステムだ。この技術を複数の会社が出展していた。いずれも話を聞いてみたが、ドライバーの評価もかなり高く、鳥瞰視点をディスプレイで見ながら違和感なく車を運転できるという。鳥瞰視点の車両は、まるでゲーム画面のようだ。


三洋電機株式会社ブース 参考出展の全方位モニターシステム。左が合成画像 仕組みの解説図

松下電器産業株式会社による全周囲表示カメラシステム パーキングのアシストへの応用例 日産では「アラウンド・ビュー・モニター」と呼んで展示

 もちろんこのほかにも多くの車が展示されている。流れるようなボディの数々は、現代のプロダクトの究極の姿の一つだ。また人と密接に関わる機械としての研究開発の歴史も長く、何より市場で揉まれている。モーターショーはもっとも未来を感じることができる展示会でもある。足を運べば必ず何かしら学べることがあるだろう。


ホンダ「PUYO」。触るとぐにゃりとへこむ柔らかいジェルボディを採用。ロボットにも応用されるかも? アルファロメオブース。並み外れたプロポーションだがアクトロイドではない もちろん2輪も展示されている。こちらはヤマハ発動機の4輪モーターサイクル「Tesseract

URL
  第40回東京モーターショー
  http://www.tokyo-motorshow.com/
  【2004年12月3日】トヨタ、「愛・地球博」ロボットショーを公開(PC)
  http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/1203/toyota.htm


( 森山和道 )
2007/10/25 13:06

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