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四柳、大阪で次世代プール清掃用ロボットの実証実験を開始


 9月28日、株式会社四柳は、大阪市此花区の此花屋内プールにおいて、次世代プール清掃用ロボット「四柳1号」の実証実験を開始した。

 本プロジェクトは、大阪市の次世代ロボット産業創出拠点「ロボットラボラトリー」が、ロボット関連産業振興のために募集した、次世代ロボット実用化に向けた実証実験プロジェクトとして採択されている。

 同社は社内にテストプールを保有しており、プール清掃用ロボットの長時間連続可動テストを行なっている。今回の実証実験では、実際のプールでロボットを可動させて、プールの大きさや深さがロボットの走行にどのような影響を与えるか、また、コースロープやラダーなどの付属設備の影響を検証することを目的としている。

 同社は1968年から自社設計のプールクリーナーを発売してきた。これまでの技術を元に、4年前からマイコン制御式のプール清掃ロボットの開発を開始し、昨年秋にモーター駆動式全自動プールロボット「MRX-06」を発売した。今回、実証実験を行なう「四柳1号」は、MRX-06の改良版となっている。

 四柳1号は、MRX-06に対して、本体の高さが10cm低くなり、重量が6kg軽くなった。水の抵抗を減らすデザインを採用し、出力も180Wから130Wになり省エネ化を実現した。走行速度は0.17m/secで、今回実験を行なうプール(25×7m)なら、40分程で水底を隅々まで掃除する。実際の運用上では、3~4往復させることが多いという。四柳1号が吸い取れるゴミは大きさが500円玉位、重量では単一電池位だという。プールのゴミの大半は、髪の毛、コンタクトレンズ、イヤリング等なので、パワー的には十分である。


次世代プール清掃用ロボット「四柳1号」。本体サイズは、430×680×310mm(幅×奥行き×高さ)。重量14kg 【動画】全ての部品を再検討して軽量化を実現した結果、女性にも取り扱える重量になった

上部のバッグフィルターにゴミを集めて水をろ過する。フィルターにも長年の技術でファスナーなどに工夫が凝らされている 【動画】水中に巻いた小石を、四柳1号で吸い取るテスト

 四柳1号の特徴は、「マルチ エヌ・タッチ バック システム」と呼ばれるジグザグ走行にある。

 従来のプール清掃ロボットは、ロボットが壁に当たると方向をかえるランダム走行システムになっていることが多いという。ランダム走行方式は、ロボットの軌道が一定ではないため、ゴミの取りこぼしが生じてしまう。

 それ以上にランダム走行のネックとなっているのは、「ロボットが長時間稼動した場合にケーブルがねじれる点だ」と同社の営業課長和田氏がいう。

 プール清掃ロボットが水中でケーブルを引きずりながらランダムに動くと、水中を浮遊するケーブルがねじれて団子状態になってしまう。同社の実験では、ランダム走行型の場合、ロボットが2時間以上ランダム走行すると、ケーブルはねじれて収集がつかなくなるという。和田氏は、「一度ねじれ癖のついたケーブルは、補修が困難であるため、ランダム走行の掃除ロボットは人が清掃状況を見守っていなくてはならない」という。

 この問題を解消するために、四柳1号は進行方向切替装置(特許申請中)を装着し、ケーブルがねじれないジグザグ走行を可能にした。

 進行方向切替装置は、本体前後の左右2カ所にあるタッチセンサーが、壁に当たったときに進行方向側の可動センサーだけが凹み、ロボットは軌道をナナメに変えてバックする仕組み。この繰り返しでジグザグ走行を行なう。そしてプールの端まで走行し、ロボット本体のサイドにあるローラーがプールの壁面に当たると、シフターが反転してロボットの進路を逆方向に変更する。

 この「マルチ エヌ・タッチ バック システム」により、四柳1号はランダム式走行では難しい壁際も含め、プール内を効率よく走行し清掃することができる。電気代はランダム方式のロボットに比較して1/3程度になるという。


手で示しているタッチセンサーと本体サイドのローラーが、ジグザグ走行を可能にした 【動画】水中を直進し、壁に当たるとナナメ後方にスイッチバックする 【動画】壁際に到達すると、ローラーが横壁に接触してシフターが反転し、ロボットの軌道が変わる

 四柳1号のコントローラーボックスには、漏電ブレーカーのほか、24時間タイマーと通電スイッチが搭載されている。

 プールの清掃は、閉館後にプールに凝集剤を入れてゴミを固めて沈殿してから行なう。ゴミが沈殿するまでに2時間程かかるので、タイマーをセットし清掃開始時間を任意に設定して無人で稼動させる。清掃終了後のロボットを回収時は、通電スイッチで電源を入れてロボットを壁際まで移動させて引き上げる。


四柳1号のコントロールボックス 24時間タイマーで閉館後に無人で清掃ロボットを起動できる 30mのフロート付電源コードをよじらずに収納できるY型コードリール(実用新案)

株式会社四柳 代表取締役 四柳繁氏
 同社の代表取締役 四柳繁氏は、「現在、団塊の世代をターゲットにスポーツジムの建設が多くなっており、プール清掃ロボットの需要拡大が見込まれる」と語った。

 四柳1号は来年春発売を目指しており、予定価格は75万円。年間5億円の売上げを見込んでいる。



URL
  四柳
  http://www.yotsuyanagi.co.jp/
  ロボットラボラトリー
  http://www.robo-labo.jp/


( 三月兎 )
2007/10/04 00:02

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