富士通株式会社と株式会社富士通研究所は12日、次世代ロボット向け3次元画像認識用LSIを発表した。
3次元画像処理専用の並列演算回路を256個搭載したLSIで、周囲の物体の形や動きをリアルタイムで3次元認識する。小型・低消費電力化したことで、家庭用などの小型ロボットにも3次元画像認識機能を内蔵可能になるという。
今回発表されたLSIの3次元認識方式は、安全性の観点から、レーザーレンジファインダを使った方法ではなく、2つのカメラからの入力によって空間を認識するステレオ法が用いられている。ステレオ法では膨大なデータをリアルタイムで処理する必要があったが、今回発表されたLSIを使うことで、高度な計算機を搭載することなく処理が可能になる。
256個の並列演算回路によって、従来は高速な処理能力が必要であった空間フィルター(計算機での認識を容易にするための画像処理手法)などの処理が1チップで可能なほか、画像の濃淡パターンを検出する専用回路によって、エッジやコーナー(物体の境界線など明るさが急激に変化する箇所)など約2,000の特徴点を毎秒30フレームで抽出できる。また、2つのパターンの一致度を高速に計算する新方式の並列処理回路を搭載し、従来機種と比較して5倍以上のパターンマッチング性能を備える。
今回発表されたLSIの一部は、富士通が独立法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「21世紀ロボットチャレンジプログラム』「次世代ロボット共通基盤開発プロジェクト」の受託事業として開発された。2007年度中に、今回のモジュールをロボットに搭載し、実証実験を行なう。また、13日より千葉工業大学で開催される「第25回日本ロボット学会学術講演会」で今回の成果が発表される予定。
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左目画像
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右目画像
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3次元計測結果
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■URL
富士通
http://jp.fujitsu.com/
ニュースリリース
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2007/09/12-1.html
富士通研究所
http://jp.fujitsu.com/group/labs/
( 清宮信志 )
2007/09/12 16:51
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