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「KYOSHOアスレチクスヒューマノイドCUP 2007 九州公式記録会」レポート

~九州でMANOIが走る!

 ゴールデンウィーク最終日の5月6日、博多リバレイン5Fアトリウムガーデンにおいて、2007KYOSHOアスレチクスヒューマノイドCUP・九州公式記録会が開催された。

 アスレチクスヒューマノイドCUPは、京商が販売している二足歩行ロボット「MANOI」による5M走の競技を中心とするイベントで、九州で行なわれるのは初めて(久留米市の青少年科学館の「夢のロボット大集合」でMANOIの体験操縦は行なわれている)。

 今回のアスレチクスヒューマノイドCUP・九州公式記録会は、ROBOT LIFE誌との合同キャラバンであると同時に、地元のロボスクエアとの共同開催でもある。そのためMANOIだけでなく、地元九州のロボットも参加してのもりだくさんのイベントとなった。


開会式

 開会式には今回の大会に参加するロボットが集合。そこで参加したMANOIの中から「外装の美しさを評価する」コンクールド・エレガンス賞の選定が行なわれ、外装にパスカラーで複雑な文様を描いた「TEC-1」(Hotproceed)がコンクールド・エレガンス賞に選ばれた。


開会式に集まったロボット 個性的なMANOIたち。左からAutomoNico、コンクールド・エレガンス受賞のTEC-1、マノジェンヌ、PF-01のマノリーノ、エビちゃん(左の3台はキャラバンのロボット)

TEC-1のアップ。成龍のきゃのん氏(←Hotproceedは彼の会社名)がラジコンカーの外装塗装技術を駆使して塗装したもので、ある意味で最も京商に相応しいMANOIだ 後ろから見たTEC-1。通信コントローラーユニット「TEC-1」を搭載しているので、この名前をつけたらしい。なお、外装だけでなくフレーム自体もプラカラーで赤く塗装している

BALL RASH!

 開会式の後、九州のロボットが参加しての新競技「BALL RASH!」が行なわれた。これはフィールドに置かれたボールを敵コートの中に押し込んでいく競技で(足だけでなく手を使ってもよい)、アキバ・ロボット運動会の「玉いれ」競技に似ているが、ボールの配置が複雑になっている。

 この競技には九州練習会のロボットとロボスクエア所属のロボット8台が参加。成龍とワイルダー01が強さを見せて勝ち上がったが、トンファーを使ったブルドーザー作戦で成龍が優勝した。


「BALL RASH!」の競技フィールド。箱の上に載ったボールはボーナスポイントボール 「BALL RASH!」のトーナメント表。KRB-1はメカトラックス製のロボット ボールを押していくKRB-1。KRB-1はメカトラックスの「ロボ・キャッチャー」にも使われたロボットである

久しぶりに登場したロボスクエアのシンディ。姫路ソフトワークス製のロボットで、同じ姫路ソフトワークスの「りりあ」の妹にあたる そのシンディに完勝したワイルダー01 成龍 VS 九共大ー疾風。成龍はトンファーを使って、一気にボールを相手コートに入れていく

「BALL RASH!」決勝戦の成龍 VS ワイルダー01 機動力の高いワイルダー01も、成龍のブルトーザー戦法には歯が立たず、「BALL RASH!」は成龍が制した(きゃのん氏は、コンクールド・エレガンス受賞に続いて、ここでも勝利)

新記録続出のアスリート

 メインのアスリート(5m走)競技には、キャラバンの2台も加えて8台のMANOIが参加。参加ロボットの中には、MANOIアスリート競技の操縦部門で記録ホルダーとなっているAutomoNicoがいるので、今回は新記録を期待されている大会だった。その期待を裏切ることなく、今回の九州公式記録会は好記録の続出する大会となった。


試合前の練習でも火花を散らすWhite knight(左)とAutomoNico MANOI操縦体験も行なわれた 子供に操縦体験を教えているのは、キャラバンの武下久美さん

 まず予選の1走目でいきなりAutomoNicoが14秒720で自己の持つ記録を更新し、「チャンピオン強し!」を印象付けた。しかし、それもほんの少しの間だけ。AutomoNicoの堀ノ内氏が「この大会で最も警戒していた」White knight(みやみや)が予選2走目で14秒290を出してAutomoNicoの記録を破り、新記録を樹立(この日の最高タイムだった)。White knightはAutomoNicoと同じ九州練習会のロボットで、2日前に同所で行なわれたヒューマノイドカップ・バトル大会の予選スプリント3000でも6位で予選を通過している(この時、AutomoNicoは横歩きで予選4位)。

 決勝は3回試走してそのうちの最高で勝負を競う。その決勝でも二人は新記録と優勝をめぐって激しい戦いを繰り広げた。

 1回目は更なる高速歩行モーションで新記録に挑んだAutomoNicoが転倒し、タイムを大幅にロス。これに対してWhite knightは15秒030で出してトップに立った。しかし、安定した歩行モーションに戻したAutomoNicoが、2回目に14秒330の自己記録ベストでトップを取り返す。

 そしてラストの3回目、White knightの記録は14秒990を出したが、AutomoNicoの2回目の記録にはに及ばず。AutomoNicoが優勝し、チャンピオンの面目を保った。

 新記録を樹立したWhite knightだったが決勝では2位(予選の記録は決勝での勝敗には関係しない)。3位には愛知県から駆けつけたアベル(佐藤公彦)が入った。

 アスリートの結果は以下の通り。

優勝 AutomoNico(堀ノ内貴史) 14秒330
2位 White knight(みやみや) 14秒990
3位 アベル(佐藤公彦)    17秒150
4位 TEC-1(Hotproceed)    20秒360
5位 マノジェンヌ(武下久美) 25秒510
6位 ホークス(山田弘幸)   34秒280
7位 エビちゃん(伊勢真弓)  34秒330
8位 雅(佐々木善信)     1分38秒080

MANOIアスリート・WORLD RECORD TIME:White knight 14秒290


5mのアスリートコース。いくつかの板を組み合わせたもので、微妙な段差があり、それをどう克服するかが一つの鍵だったようだ 2台並んで同時にスタートする いきなり記録を更新したAutomoNico

新記録を樹立したWhite knightの走り 決勝では2台が同時に走り、熱い戦いを繰り広げた 自己ベストを更新し、優勝を決めたAutomoNico

White knightは最終走で逆転優勝を狙ったが、わずかに及ばず2位 18秒を切り、3位に入ったアベル

パフォーマンス賞

 アスリートの予選と決勝の間には、パフォーマンス競技も行なわれた。パフォーマンス競技では、MANOI 2台を使って漫才を行なったマノジェンヌ&マノリーノ(武下久美)が優勝した。

 アスレチクスヒューマノイドCUP・九州公式記録会では、その他にMANOIの操縦体験や九州練習会のロボットによるパフォーマンスやミニバトルが行なわれた。

 今回のアスレチクスヒューマノイドCUP・九州公式記録会は、新記録が樹立されるなどレベルの高い大会となった。京商・ロボスクエア共に「またやりたい」とのことだったので、近いうちにまた九州で公式記録会が開催されるかもしれない。


キャラバンの2台。左がエビちゃん、右がマノジェンヌ 2台でこんなポーズも…… パフォーマンスで優勝したマノジェンヌ&マノリーノ。パソコンから流した漫才の音声に合わせて「つっこみ」などを披露していた

カードによる動作指示でパフォーマンスでも2位に入ったAutomoNico 一般から参加した唯一のMANOI PF-01の銀角(津崎幸廣) 九州練習会プレゼンツのミニバトル。リングが広い……(優勝は九共大ー疾風)

バトルでも戦いを繰り広げたAutomoNicoとWhite knight。なお、White knightは普段は頭の外装を外している 閉会式での記念撮影 アスリートの上位3人。左から3位のアベルの佐藤氏、優勝のAutomoNicoの堀ノ内氏、2位のみやみや氏

URL
  京商
  http://www.kyosho.com/jpn/
  MANOI公式ページ
  http://www.kyosho.com/jpn/products/robot/
  ロボスクエア
  http://www.robosquare.org/

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第1回 KYOSHO アスレチクス・ヒューマノイドCUP開催(2006/12/14)


( 大林憲司 )
2007/05/15 00:05

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