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レイトロン、大阪のモデルハウスでロボットの実証実験を実施


 株式会社レイトロンは15日、大阪市内のモデルハウス「ナピア中の島」(株式会社 富士ハウジング)にて、インターネット回線などで家電製品を制御するコミュニケーションロボット「Chapit(チャピット)」の実証実験を開始した。

 大阪市では次世代ロボット産業創出拠点ロボットラボラトリーが、ロボット関連産業の振興のために次世代ロボットの実用化に取り組むプロジェクトを平成18年度に募集した。今回の実証実験はそのうちの1つである。

 株式会社レイトロンがロボットを開発し、音声認識機能は北海道大学 宮永研究室、音声合成機能は株式会社エーアイとの共同開発。Chapitのデザインは、神戸芸術工科大学の中川研究室による。今回の実験では、ギンガネットのテレビ電話システム「WARP GATE」を使用し、ロボットとネットワークサービスの協調を試みた。

 Chapitの本体サイズは、260×240×220mm(幅×奥行き×高さ)、重量約3kg。可動部は、頭2軸、足2軸、体1軸の全5カ所。両足の間に赤外線センサーがあり、人が前に来たことを感知して、Chapitが寝ていた場合は自動的に目を覚ます。電源はACアダプターを使用。

 Chapitは、目のLEDを光らせ、首と体、両足を振る仕草をしながら会話をする。ユーザーは言語だけではなくロボットの仕草や表情といった非言語によるコミュニケーションで、Chapitに感情移入できる。今回の実証実験では、モデルハウスの来場者にロボットと実際に会話をしてもらい、ロボットと会話をする楽しさや、音声で電化製品をコントロールしたり、ネットワークに接続することが当たり前になるという感覚を体感してもらうのが目的。製品化されるのは紹介したChapitだが、ネットワークの実証実験は着せ替えタイプのバージョンで行なわれる。


【動画】Chapitと会話。首を傾げたり目を輝かせる仕草で表情を表している 着せ替えタイプのChapit。ネットワークの実証実験はこちらのロボットで行なう

 音声認識機能は、会話を認識辞書データと照合し最適なものを認識する。一般的な音声認識は、エアコンの動作音やキッチンの水仕事の音等の雑音があると認識精度が著しく落ちるが、独自のLSIでノイズキャンセラやエコーキャンセラを実現し、高い認識精度を可能とした。事前のユーザー登録の必要がなく、男性、女性、子どもの音声に対応する。現在は100単語を認識して会話をする。データベースには約1万語まで登録できるという。

 将来はユーザーの会話データを蓄積し、声のトーンなどから、ロボットがユーザーの機嫌を感知して「元気ないの?」などという一歩進んだ会話ができるようになる予定という。

 Chapitを使って、音声でネットワーク機器を使うことも可能。Chapitに「インターネット」と話し掛けると、自動的にサーバーに接続し、ネットが利用できる。テレビ電話のシステムにも対応しており、外部のカメラに接続してリアルタイムの画像を受信したり、カメラの方向やズームも音声で指示できる。

 家電制御機能も搭載されている。たとえば、「おはよう」と話かけると、Chapitが電灯を付けてくれたりする。家電制御機能は、電灯だけではなく、エアコン、テレビ、DVDなど赤外線が使える家電製品に対応できるという。


【動画】音声認識を使用してインターネットに接続し、サイトの閲覧ができる 【動画】テレビ電話システムを利用し、外部にあるカメラを操作することができる 【動画】家電制御機能。Chapitの発話に合わせて奥のフロアライトが点灯する

株式会社レイトロン代表取締役 吉田満次氏
 株式会社レイトロン代表取締役の吉田満次氏は、「居住空間の中でロボットの役割を増やすことが、ロボット産業の振興に結びつくと考えている」などと語り、今後は他社の二足歩行ロボットや家電製品などにChapitの技術を組み込んでもらうなど、いろいろな企業と協力して、ロボット産業を立ち上げていきたいという。

 価格はChapit単体で20万円程度を予定。「目標はPCより安い価格帯」という。2008年の事業化を目指している。


URL
  株式会社レイトロン
  http://www.raytron.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.raytron.co.jp/prd/iw7-14.htm
  ナピア中の島
  http://www.napia.jp/index.html
  ロボットラボラトリー
  http://www.robo-labo.jp/


( 三月兎 )
2007/03/19 20:07

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