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イクシスリサーチ、小型色認識ボード「RM-eye」、Linux搭載ボード「RM-board」を発売

~近藤科学KHRシリーズや、京商マノイ・シリーズに搭載可能

 3月2日、株式会社イクシスリサーチは、小型ロボットに搭載可能な色認識ボード「RM-eye」、Linuxボード「RM-board」を3月15日から発売すると発表し、秋葉原にある近藤科学「ROBOSPOT」にて記者会見を行なった。

 イクシスリサーチはロボットの研究受託開発を主な業務とした会社。最近は擬似患者ロボットなど、医療用途の福祉ロボット開発が大きなウェイトを占めている。これまでは受託開発が中心だったが、今後は海外の工場と提携し、量産も含めた業務を進めていく予定だという。

 代表取締役の山崎文敬氏は「ロボットはモーターのかたまり。これをいかにインテリジェンスに動かすかが重要」と語り、同社は「Robot Mind(RM)」を1つのキーワードとしていると述べた。

 今回発表された各ボードにもこの「RM」が冠されている。各種ロボットを開発している同社ではAPIを共通化しており、これを「RME(Robot Mind Engine)と呼んでいる。これを使うことで開発工数を減らすこともできるという。


株式会社イクシスリサーチ代表取締役 山崎文敬氏。手にしているのは今回発売する「RM-eye」 イクシスリサーチの業務内容

色認識ボード「RM-eye」

 「RM-eye」はFPGAを使った色認識ボードで、VGA(640×480)で画像抽出、領域抽出を行なう。抽出色は最大6色で、抽出する色はRGBで指定する。画角30度程度、28万画素のCMOSカメラが付属した状態で出荷される。高速(115.2kbps)・低速(9,600bps)シリアル2チャンネルの出力を持ち、外部と通信できる。

 既存の画像処理ボードの多くは汎用性を重視しているため、マイコンが別に必要になるなど、初心者には手が出にくい商品となっている。しかし、このボードは近藤科学KHRに採用されているコントロールボード「RCB」を主な対象とすることで、直接、認識結果に応じたコマンドを出すことができる点が特徴。

 具体的には、画面を9分割した状態で指定した色領域を抽出、全ピクセルを足すことで視野内の「重心位置」を割り出す。その結果に応じて、たとえば、上の右端にオレンジ色(のボールなど)が見えたら前進、下の中心に見えたらキック、といったコマンドを吐くように設定することができる。設定はGUIインターフェイスをもつ専用のWindows 2000/XP対応ソフトウェアを使うことができ、プログラムの必要はない。なおこのソフトウェアを使う場合は抽出する色は3色までになる。クラスタリングなどは行なっていない。

 イクシスリサーチでは、初心者でも画像認識処理技術を使えるようにするための商品と位置づけている。またKHRやマノイだけではなく、シリアル対応のコントローラーや、PCに接続して使うことも可能。価格は35,000円。


「RM-eye」ボード。扇形なのは「マノイAT」頭部内への装着を想定しているため RM-eyeボードをKHRの頭部に搭載したところ。サーボモーターにネジ止めできる 設定画面。KHR、マノイはあらかじめ設定対象ロボットとして選べる

設定した内容をボードに書き込んでいるところ 認識結果の例。なお動作中にリアルタイムで見ることはできない オレンジ色のボールを認識してキック動作を行なうKHR

小型Linuxボード「RM-board」

 いっぽう大学の研究室向けの商品である「RM-board」は、低消費電力で知られるARMをコアに採用したLinux(Kernel2.6)搭載ロボット・コントローラー・ボード。スペックはARM920T 200MHz、SDRAM 32MB、FlashROM 8MB、LANは10Base-T/100Base-TX、USBは2.0。24chのPWM出力、8ch 10bitADコンバータ、同社のRMEエンジンを搭載している。

 PWMコントローラーが内蔵されているので、Linux側からシェルスクリプトの形でモーションを実行することで開発を進めていくことができる。一度シェルスクリプトを作ってしまえば、スクリプトを並べていくだけでモーションプログラムを書いていくことができるという。ライブラリなどは通常のLinuxと同じものが利用できる。単純なメインファイルを書き、ARMのクロスコンパイラを通して開発を行なう。

 またFPUを搭載し、浮動小数点演算を行なえる点も特徴の1つ。ロボットは座標系で関節が構成されている。ホビーロボットではない一般的なロボットでは、運動学をリアルタイムに計算して関節の軌道をつくる。そのときに浮動小数点演算を行なわないと非常に粗い計算になってしまう。このボードは、ある程度高度な制御を学習したい大学の研究室向けの商品となっている。価格は65,000円。


「RM-board」 マノイAT背面に搭載したところ 【動画】デモ

対象はロボット競技会

 今回の商品はホビーストによる二足歩行ロボット競技会「ROBO-ONE」、自律ロボットによるサッカー競技「ロボカップ」を意識したもの。

 山崎氏は「競技会は技術的には飽和状況にあり、今後はソフトウェアの勝負になる。きっかけとしてまずは画像処理が初心者層に普及することで技術が発展していけばと思っている。またソフトウェア開発者のロボット業界参入をしやすくしたい」という。

 予約はどちらも3月2日から。販売は同社ならびに代理店を通じて行なう。3月中に注文すると割引になる。出荷目標はRM-eyeが500台、RM- boardが200台。うち半分は海外向けを想定しており、RM-eyeのWindows対応ソフトウェアは、表示言語を日英で切り替えられるようになっている。

 今後の展開について「今回、コスト面などで盛り込めなかった機能がたくさんある。まず出してみたというところ。今後、エッジ抽出など色々な機能を盛り込んでいきたい」と述べた。


URL
  イクシスリサーチ
  http://www.ixs.co.jp/

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( 森山和道 )
2007/03/02 21:46

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