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第3回国際水素・燃料電池展開催中

~燃料電池搭載KHR-1が登場

 第3回国際水素・燃料電池展(FC EXPO 2007)が2月7日~9日の日程で東京ビッグサイトにて開催されている。燃料電池実用化を目指す462社が出展している。

 そのなかで、ロボットを使った展示を行なっていた企業ブースがあった。学校・官公庁・科学館・博物館・公共研究機関・企業研究所向けに小型燃料電池や関連部品、太陽電池パネルなどを販売しているSPACE-DEVICE株式会社のブースでは、近藤科学のホビーロボットキット「KHR-1」に小型燃料電池を搭載、座らせた状態で動作デモを行なっていた。

【お詫びと訂正】初出時、燃料電池を搭載したロボットについて「KHR-2HV」と掲載していましたが、正しくはKHR-1でした。お詫びと共に訂正させていただきます。


燃料電池搭載のKHR-1 側面から。背中に燃料電池2基と水素吸蔵合金ボンベ、正面にDC-DCコンバータを搭載

背面から。頭の後ろの棒状のものが水素吸蔵合金ボンベ、下に見えるのが小型燃料電池。その上に見えるのはキャパシタ 【動画】デモの様子

 KHR-1は、背中にバッテリのかわりにセルをスタックした小型燃料電池を2つ、水素吸蔵合金ボンベ、キャパシタを搭載。前面には電圧調整用のDC-DCコンバータを搭載している。燃料電池は「10V程度」で、並列で使っている。

 ブースでのデモは座ったままの状態で行なわれていたが、実験室では歩行させることもできているという。ただ、搭載している燃料電池が小型のものであるため数歩がせいぜいで、それ以上は保たないそうだ。なお近藤科学の許可も得ているという。

 実際にこのロボットを作ったのは工学院大学専門学校・メカニカル3D CAD科専任講師の住野和男氏ら。学校での実習の一環として人気のある二足歩行ロボット組み立てを選び、KHRを教材としたが、ただ単にキットを組み上げて動かすだけでは授業にならない。そこで何か新しいことをしようということで、燃料電池搭載を選んだのだという。二足歩行ロボットは学生のモチベーションを維持する教材として最適だと語る。また惑星探査ローバ・ロボットなどの開発研究も行なっていく予定だ。

 住野氏らは今後、他のロボットへの燃料電池搭載も検討しているそうだ。課題は、人型ロボットならではのスマートな外見を維持しつつ、十分な電力を得られる燃料電池を搭載する方法だという。足裏、肩部分などへの搭載も検討したが、スマートなプロポーションが崩れるため、敢えて背面搭載を選んだ。

 なお工学院大学には、大学が学生の「ものづくり」を支援する課外活動「学生プロジェクト」がある。学生が出したアイデアを審査、通過すると、補助金や活動場所などを提供するというものだ。ロボコンのプロジェクトもあるが、住野氏は電気自動車の開発を行なう「EVプロジェクト」の担当で、技術アドバイスそのほかを行なっている。

 今後は、小型の人工衛星「キューブサット」や、「CANSAT」開発にも乗り出す。SPACE-DEVICE株式会社と産学共同で閉鎖型小型燃料電池を開発して搭載する予定だという。打ち上げ目標は工学院大学が開学125周年となる5年後、2012年だ。


工学院大学専門学校・メカニカル3D CAD科専任講師 住野和男氏 人工衛星「キューブサット」や「CANSAT」開発にも乗り出す

燃料電池搭載惑星探査ロボットも開発していくという こちらはSPACE-DEVICE社の燃料電池組み立てキット。膜・電極接合体の製造を体験できる

 そのほか、小型燃料電池の研究開発を行なっている株式会社FC-R&Dのブースでは燃料電池をロボットトイに搭載してデモを行なっていた。記者がブースを訪れたのは2日目だが、初日から動かしっぱなしで、水素ボンベは交換していないという。基本的に小型の燃料電池そのもののデモであり、実際に燃料電池搭載のトイやロボット開発を目指したものではない。


「ロボパピィ」に小型燃料電池を搭載した例 6セルの燃料電池が腹部に搭載されている 10セルの燃料電池をSeysyo社のドーム型お掃除ロボットに搭載した例

手の形のおもちゃに搭載した例 バスのラジコンに搭載した例 ゴジラに搭載した例

URL
  第3回国際水素・燃料電池展
  http://www.fcexpo.jp/jp/
  SPACE-DEVICE株式会社
  http://www.space-device.com/
  工学院大学
  http://www.kogakuin.ac.jp/
  株式会社FC-R&D
  http://www.nenryoudenchi.co.jp/
  【2005年6月29日】スピーシーズ、燃料電池搭載二足歩行ロボットを発表(PC)
  http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0629/speecys.htm

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( 森山和道 )
2007/02/09 00:05

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