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JST、未来の可能性を垣間見る「さきがけライブ2006」開催


 12月15日~16日、独立行政法人科学技術振興機構(JST)は、東京国際フォーラムにて「さきがけライブ2006」を開催した。「さきがけライブ」とは、JSTによる個人型研究支援制度「さきがけ」の研究者たちによるポスターセッション形式の研究内容紹介イベント。「さきがけ」は、将来の活躍が期待される研究者を発掘し、独創性の高い研究に取り組むための研究支援制度。

 「さきがけ」は幅広く基礎研究分野をフォローした研究助成制度だ。展示は「ライフサイエンス」、「ナノテク・材料」、「情報通信」、「環境・化学」の4分野に分けて行なわれていたが、ここでは、ロボットに関連した研究のみを紹介する。

 東京大学人工物工学研究センター サービス工学研究部門 助教授の大武美保子氏は「体の動きから見る脳 神経系の双方向マルチスケールシミュレータの開発」というテーマで出展していた。体の動きが脳や意識に与える影響や、脳の働きが体に与える影響をコンピュータで予測することを目指して、医学部などと共同で研究をすすめているという。その結果、薬物や運動などさまざまな入力による脳の内部状態変化や運動出力予測が可能になるとしている。

 なお大武氏は、女性ロボティクス研究者の集まり「Women in Robotics」の運営活動も行なっている。日本のロボット研究者のうち女性が占める割合はわずか1%だが国も世代も分野も幅広く広がっているため、相互に多様な情報をやりとりすることができるという。

 慶應義塾大学 理工学部 助教授の今井倫太氏らは、「セマンティック・センサネットワークで実現される生活環境の検索」というテーマで出展していた。センサを物体に取り付け、その物体から環境情報を取得し、サーバー上で位置関係などを推論、その環境情報を使ってロボットが情報を提示する、というデモを行なっていた。

 たとえば、コップAは机の上にある、とか、コップAとコップBの距離は近い、といった情報をロボットが呈示することができるようになったときに何ができるようになるのかということを研究しているという。


東京大学人工物工学研究センター サービス工学研究部門 大武美保子氏。身につけているのはモーションキャプチャー装置 慶應義塾大学 理工学部 助教授の今井倫太氏らによるセマンティックセンサネットワークのデモ

【動画】生活用品をロボット化した「ディスプレイロボット」。物をロボット化することで直接用件を伝えられることがメリットだという コミュニケーションロボットRobovie

 筑波大学大学院 システム情報工学研究科 星野聖氏らは「物まねロボットハンド」をデモ展示していた。人間の手や指の形の動きを、手指関節の動きと画像特徴量とを対にしたデータを自己組織化させることで形状推定し、ロボットハンドに出力する。高速(150~160fps)、高精度、均一時間処理で人間の手指の形状推定ができるのは画期的であり、これによってたとえばロボットだけでなくそのほか情報機器への入力装置への応用や、人が見本を見せることでロボットが動作を獲得できるようになるという。

 ブースでは人間の手指ではなくロボットそのものの手指の動きを認識させるというやり方もあるのでは、という質問も出ていた。

 首都大学東京 システムデザイン学部の高間康史山口亨氏らのグループでは「Webインテリジェンスとロボティクスの融合 パートナーロボットによる未来の知的生活サポートとは」と題して、音声認識を使って、ユーザーに合わせた情報を提示するという研究のデモを行なっていた。

 首都大学東京大学院 工学研究科の久保田直行氏らの研究室では「人に優しいパートナーロボット」として、パートナーロボット「Hubot」と、iBookを使ったロボット「MOBiMac」をデモしていた。小学生とふれあいながら一緒に遊んだりするロボットとして作られたもので、人間とのふれあいから、人間が見ているものをみようとしたり、人間の動作を見まねする手法を研究しているという。


【動画】筑波大学大学院 システム情報工学研究科 星野聖 氏による「物まねロボットハンド」のデモ 「Webインテリジェンスとロボティクスの融合」の展示

瞬きロボット 首都大学東京・久保田研究室の「MOBiMac」。iMacの筐体のなかにiBookそのほかが埋め込まれているロボット

URL
  さきがけライブ2006
  http://www.the-convention.co.jp/sakigake-live2006/

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人工知能学会 全国大会「ロボット・センサネットワーク」セッションレポート(2006/06/07)


( 森山和道 )
2006/12/18 00:00

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