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「第27回全日本マイクロマウス大会」レポート(2)
〜マイクロクリッパー競技・ロボトレース競技編


 11月24日、25日、第27回全日本マイクロマウス大会が長井市(財)置賜地域地場産業振興センターで開催されたのは既報の通りだが、現在の全日本マイクロマウス大会は、マイクロマウス競技だけでなく、迷路内に置かれた円筒を見つけて上下反転し、ポイントを競う「マイクロクリッパー競技」、ラインに沿って走行しそのスピードを競う「ロボトレース競技」のほか、小中学生を対象とした工作教室・競技会等も併催する総合的なロボット競技会となっている。

 全競技エントリー総数は250台以上。各競技に韓国、シンガポール、米国から優れたロボットが出場している。今回はこれらの競技をレポートしていきたい。


マイクロクリッパー競技

マイクロクリッパー出場ロボットの一つ、「甲虫」(製作者:橋本真幸氏)
 ロボットが自律で、迷路の探査を行ないながら走行、迷路の中に置かれた円筒を発見し、その円筒を反転させる競技。10分間の制限時間内に反転した円筒の数、または全てを逆さまにした後、スタート地点へ戻ってくるまでのタイムを競う。競技に出場するロボットを、マイクロクリッパーと呼ぶ。

 多くのマイクロクリッパーは、前方にある円筒を持ち上げ、自分の後方や横方向に置く。つまり競技中に円筒の位置が変るため、迷路のルートは常に変化する。一度反転した円筒を、再度反転した場合は得点とならないので、自分が反転させた円筒を記憶しておく必要もある。

 この競技を制するためには、円筒を反転させる機能に加え、マイクロクリッパーの走行経路や動作プランニングが極めて重要となる。反転させる機構や動作は、多種多様で、ユニークなマイクロクリッパーが多い。見ていて楽しい競技である。

 制限時間内に5回の走行ができる。昨年までは、走行中にリタイアの宣言をした場合、反転した円筒や倒れた円筒を全て初期状態に戻していた。今回からルールが変更となり、クリッパーが一度触れた円筒は、競技者の申告により排除することができるようになった。排除された円筒は得点としてカウントされない。

 リスタートした後、前走行で反転した円筒を再び反転して、ポイントを減点してしまうクリッパーもいた。

 優勝した「MOON VISTA」(製作者:Liu Zhen氏 シンガポール)は、30個ある全ての円筒を反転し、スタート地点まで戻るパーフェクト完走を成し遂げた。

 マイクロクリッパー競技において、初の完走者である。記録は、7分37秒32。Liu Zhen氏はロボット製作は1年目、今回初のエントリーだという。


初めてパーフェクトで完走した「MOON VISTA」 【動画】自分で障害物(円筒)を除きながら走る動作が可愛い 【動画】「ツイスター」円筒を反転する機構に特長がある

 多くのクリッパーはMOON VISTAのように、円筒を持ち上げて反転する機構を持っている。だが、ツイスター(製作者:城吉宏泰氏)は、腕は水平のままグリップ部分を回転させるという個性的な動作をしていた。円筒を掴み、反転させつつ機体の方向を変える動作に無駄がなく美しい。


ロボトレース競技

学生の参加者が多くレースの応援にも熱が入る
 黒いフィールドに描かれた白いラインによるコースをロボットがスタート・ゴールエリアから出発し、再び同じエリアに戻るまでの時間を競う。競技に参加するロボットをロボトレーサーと呼ぶ。ロボトレーサーの規格は幅25cm、長さ25cm。高さ20cm以内。

 ロボトレーサーがスタート・ゴールエリアで停止しない場合、または、コース上で2秒以上停止するとその回の走行は無効となる。

 コースは1周60m以下で、直線とカーブによって構成されている。コースが交差する場所では直進しか許されず右左折した場合は失格となる。

 カーブの最小回転半径は15cmとなっており、コースが直線から円弧、円弧から直線、円弧から異なる半径の円弧に変わるところにはコーナーマーカーがある。

 このマーカーを第1走行の際にセンサーで検知し、コースの形状を記憶する。次の周回走行では、データを元に直線で加速し、周回時間を短縮する。

 持ち時間の3分間に3回の走行ができ、最も短い時間が記録となる。

 ロボトレースは、マイクロマウス競技のレベルが高くなり初心者には敷居が高くなったため、'86年から始まった。最近では多くの高校生が参加し、優秀な成績を納めている。

 今大会では、地元・中学生のロボトレース競技者を含め102台のエントリーがあった。

 「FRAGILE006RT」(製作者:河野純也氏)は、バキューム機能を持っている。コースに吸着することでタイトな旋回をし、コーナーを正確により速く旋回する。

 今年は3連覇の期待が掛かっていたが、最終走行の直線でトラブルが発生。惜しくも2位となってしまった。


FRAGILE006RT。タイムは16秒58 【動画】探索しながら走る第1走行と、バキュームを使った第2走行の違いに注目

優勝マシン「BiSang」タイム15秒46
 優勝した「BiSang」(製作者:宋泰曉(ソン テー ヒョ)氏)は、予選タイム14秒21で19位だった。決勝までの間に機体のチューニングかプログラムの変更をしたのか? と質問したところ、「今回が初来日で、韓国と違うコース条件に対応できなかった。予選では、いつものスピード設定で走行したら、コーナーを曲がりきれずにオーバーしてしまった」という。予選タイムは最後の1回で出したタイムであった。第1走行のみで決勝レースに残ったというのは、驚きだ。

 韓国ではマイクロマウスよりも、ロボトレースの方が盛んだという。年5回大会があり、宋泰曉氏は大学時代からロボトレース競技に参加、今年で5年目になるという。


シンガポールのロボットコンテスト事情

 今年は全ての競技で外国勢が優勝した。

 マイクロマウスエキスパートクラスで優勝したNg Beng Kiat氏は、シンガポールのNGEE ANN POLYTECHNICの教授である。シンガポールのロボットコンテスト事情を伺った。

 シンガポールには、工芸大学が5校あり、4校がロボット工学に力を入れているという。

 マイクロマウス以外にも、LEGOやSumo、Wall Climbingなど10種類ほどのロボットコンテストがあり、競技人口はトータルで1,000人くらいになるという。

 Ng Beng Kiat氏が学生にロボット製作を教えるためのテキストについて質問したが、テキストと呼べるようなものはなく、新入生には、CPUボードとセンサー、モーターの使い方をしっかり教える。その後、学生は自由にロボット製作に取り組むという。

 マイクロマウス競技で勝つのは難しいため、モチベーションが続かない。そのため、上位入賞を狙いやすいクリッパーを作る学生が多いという。今年、マイクロクリッパーで優勝したLiu Zhen氏はNGEE ANN POLYTECHNICの学生である。


ニャームコとマッピー

会場に展示されていたマッピー(写真左)とニャームコ
 会場には、「ニャームコ」('80年)と、「マッピ」ー('81年)が動画と共に展示されていた。

 ニャームコは、第1回マイクロキャット大会のデモンストレーション用に作られたロボット。迷路の入り口で、ヒゲ、尻尾、首を動かしてから迷路に挑戦する。袋小路に来ると首を左右に振り、目を白黒させて「ニャンダ? ドウシタンダニャ?」とつぶやくなど、可愛いモーションが組み込まれている。

 マッピーは、マイクロキャッツ大会より厳しいマイクロマウス大会のために、ニャームコの進化モデルとして開発された。迷路幅が小さいので、壁すれすれの3mmのところに反射型フォトセンサーが来るように設計してある。ちなみに、第2回マイクロマウス大会まで、迷路を完走できるマウスはなかった。

 重量は、ニャームコが27kg、マッピーは4.3kg。マッピーは当時2,000万円以上した精密ロボットである。マイクロマウス大会の歴史を感じる楽しい展示であった。

 現在、財団法人ニューテクノロジー振興財団は、設立20年を記念し「マイクロマウスと私 1枚の写真」を募集している。マイクロマウスに思い出のある方ならどなたでも応募できる。締め切り2006年12月15日。


URL
  財団法人 ニューテクノロジー振興財団
  http://www.robomedia.org/index.html
  第27回全日本マイクロマウス大会 in 長井
  http://mm.jan.jp/index.html
  「マイクロマウスと私 1枚の写真」応募ページ
  http://www.robomedia.org/sakuhinoubo/

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「第27回全日本マイクロマウス大会」レポート(2006/11/29)


( 三月兎 )
2006/11/30 01:18

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