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開発された「Walking Partner Robot」。高さ1.1m、幅70cm、奥行き80cmのサイズで、重量は約70kg。「PBDR」と同じ、2色のカラーリングである
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野村ユニソン株式会社と東北大学大学院小菅・平田研究室が共同開発した歩行支援ロボット「Walking Partner Robot」が、10月19日(木)~21日(土)に、長野県諏訪市の諏訪湖イベントホールにて行なわれた「諏訪圏工業メッセ2006」において発表され、デモンストレーションを行なった。
同社と同研究室はこれまでも共同で、「人とコミュニケーションができる、パートナーとしてのロボット」の開発を目指し、昨年の愛・地球博「プロトタイプロボット展」において、社交ダンスロボット「Partner Ballroom Dance Robot(PBDR)」を発表しているが、今回の「Walking Partner Robot」は、そのPBDRの技術を生活関連分野へと応用したパートナーロボットシリーズの第2弾。PBDRにおいて実現されていた人間の意図を推定する機能を、周囲の環境やユーザーである人間の状態を推定するために用い、環境や人間の状態・状況に応じた歩行支援を可能とした。
また、従来の歩行支援ロボットとの大きな違いは、人間が押す力のみによって駆動されるパッシブ型のシステムであることである。モーターなどの動力源を持たないことにより、ロボットが誤作動を起こした場合においても危険が少なく、高い安全性が実現されている。
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「Walking Partner Robot」の構成。環境の障害物や人間の状態を読み取るための3つの距離センサーと、地面の傾斜角を測るセンサーを有し、それらの情報を用いて、状況に応じた歩行支援を実現する
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「Walking Partner Robot」の車輪部。車輪を駆動するためのモーター等は取り付けられておらず、代わりにブレーキ力を変化させることができるサーボブレーキ(白い円盤状の部分)を用いて、ロボットの運動を制御している
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また、ロボットの車輪に取り付けられたサーボブレーキのブレーキ力を、周囲の環境や人間の状態に応じて変化させることによって、さまざまな歩行支援の機能を実現している。
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【動画】障害物を検出すると音声によりユーザーに危険を知らせるとともに、各車輪のブレーキ力を変化させることによって、障害物と衝突しないように人間を誘導する
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【動画】坂道の傾斜角を読み取り、重力の影響をブレーキでキャンセルすることによって、ユーザーが手を離しても勝手に転がり出すこともなく、その場に止まる
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【動画】ユーザー側に取り付けられた2つの距離センサーによってユーザーの状態を推定。椅子からの立ち上がりなど、ユーザーの状態に応じた支援をロボットが自動的に行なう
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【動画】人間が転倒しそうな状態になった場合にも、ロボットがその危険を推定し、自動的にブレーキをかけて転倒を防ぐことができる
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「Walking Partner Robot」の初のお披露目となった諏訪圏工業メッセでは、デモンストレーションや機能紹介のプレゼンテーションが行なわれ、多くの来場者の関心を呼んだ。
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野村ユニソン株式会社のブースには、社交ダンスロボット「PBDR」も展示されていた
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来賓者も、「Walking Partner Robot」を実際に体験
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会場でのプレゼンテーションには多くの観客が詰め掛けた
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プレゼンテーションの後には、立ち上がり支援などの実演も
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ソフトウェアの開発に関わった野村ユニソン株式会社開発室の松本大志氏
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この「Walking Partner Robot」の開発について、ソフトウェアの開発を担当した野村ユニソン株式会社の松本大志氏は、「大学の研究内容を誰にでも使えるように、いかにユーザーに手間をかけさせることなく機能の切り替えを行ない、ユーザーの満足するような操作性を実現するということが困難だった」と、開発の苦労を語る。
また、小菅・平田研究室の平田泰久助教授は、「パッシブなシステムはこれまでのロボットにはない新しいアイディア、特に安全面に関して非常に優位なシステムであり、実用性が高いと考えて研究をしてきた。大学で研究・開発されたその技術が今回、企業との連携によって、実用化へ向けた第一歩を踏み出せたのはとても意義のあること」と、完成した「Walking Partner Robot」を目にした心境を述べた。
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小菅・平田研究室の平田泰久助教授と、「Walking Partner Robot」のベースとなった、同研究室で開発されたロボット「RT Walker」
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【動画】「RT Walker」の障害物回避の様子。人間から加えられる力によって駆動され、かつ両輪のブレーキ力をそれぞれ制御することによって、障害物や段差を回避していることがよく分かる
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【動画】同じく「RT Walker」の、立ち上がり支援・転倒防止と、坂道での静止の様子。「RT Walker」は重量34kgと軽量であるが、ブレーキを適切に制御することによって立ち上がりの支援や転倒防止が実現されている
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同社と同研究室では、今回開発された2台のプロトタイプをもとに「Walking Partner Robot」の改良を行ない、30万円~50万円程度の価格帯で、できるだけ早い実用化を目指す。また、11月2日(木)、3日(金)に長野市にて行なわれる、「産業フェア in 善光寺平」において、「Walking Partner Robot」の機能紹介プレゼンテーションと、社交ダンスロボット「PBDR」のデモンストレーションが行なわれる予定である。
(画像・映像提供:野村ユニソン株式会社、東北大学大学院 小菅・平田研究室)
■URL
野村ユニソングループ
http://www.nomura-g.co.jp/
東北大学大学院工学研究科バイオロボティクス専攻小菅・平田研究室
http://www.irs.mech.tohoku.ac.jp/
産業フェア in 善光寺平
http://www.naganohoujinkai.or.jp/sangyo/index.html
( baby touch )
2006/10/27 16:49
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