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【 2009/04/20 】
研究者たちの「知りたい」気持ちが直接わかる
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【やじうまRobot Watch】
巨大な機械の「クモ」2体が横浜市街をパレード!
〜横浜開港150周年記念テーマイベント「開国博Y150」プレイベント
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【 2009/04/17 】
第15回総合福祉展「バリアフリー2009」レポート
〜ロボットスーツ「HAL」や本田技研工業の歩行アシストも体験できる
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「第12回 ロボットグランプリ」レポート【大道芸コンテスト編】
〜自由な発想でつくられた、楽しい大道芸ロボットが集結!
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【 2009/04/16 】
北九州市立大学が「手術用鉗子ロボット」開発
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ROBOSPOTで「第15回 KONDO CUP」が開催
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【 2009/04/14 】
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「第1回水中ロボットフェスティバル」レポート


 10月21日、神戸大学 深江キャンパスのスイミングプールにて、第1回水中ロボットフェスティバルが開催された。

 主催は、テクノオーシャン・ネットワーク、社団法人 日本船舶海洋工学会、独立法人 海洋研究開発機構、財団法人 神戸国際観光コンベンション協会、財団法人 地球科学技術総合推進機構。

 地球上の7割は水に覆われている。我々を取り巻く環境を理解し、地球と共存していくうえで、湖水・河川や広大な海洋の調査研究は欠かせない。リモートセンシングも遠隔操縦も難しい水中の調査において、ロボットに期待される役割は大きい。

 水中ロボットは、深度によって変化する水圧、波や流れがある中での姿勢制御など、陸上で活動するロボットとは異なる面で難しい問題が多い。また、開発にあたって、気軽に試験できる場所が非常に少ないという悩みも抱えている。

 現在、水中ロボットについては学会活動のほか、一部の地域でコンテストや技術交流の場があるものの、教育・研究機関と社会人が地域や分野を超えて情報交換できる機会がない。そこで、水中ロボット/ビークル、魚ロボット等に関わる研究者、教師・学生、民間、社会人の間で技術交流の輪を広げ、一般社会に向けて水中ロボット研究の意義と重要性をアピールするため、水中ロボットフェスティバルが開催された。

 今回は、高校生〜大学研究室が開発した水中ロボット21機及び、多数のラジコン潜水艦が展示とデモンストレーションを行なった。


 まずは、関西のJMSS(日本模型潜水艦協会)、関東のアクアモデラーズミーティングの潜水艦ラジコンのデモンストレーションから始まった。

 市販キットの潜水艦には、防水に関するノウハウが詰まっている。新たに水中ロボットを研究する人には参考になる情報も多い。さまざまなRC潜水艦が、水の中を縦横無尽に動きまわる様子は見ているだけでも楽しい。


RC潜水艦愛好者による作品展示 RC潜水艦の防水技術は、水中ロボットを製作する上で参考になる

 アクアモデラーズミーティングが紹介した中高生向け工作「潜水Q」は、2チャンネルのラジコンで操縦する手作り潜水艦だ。

 船体が回転することで上下方向の推力を得る。前後進、旋回もできる。水の中を泳ぐUFOのような可愛い潜水艦だった。ボディは市販の玩具を流用、防水ケースは食品用タッパーを用いている。


「潜水Q」片手で持ち上げられるサイズの手作り潜水艦 水の中でUFOのように動き回る

「GrowFish」は全長1m、幅40cm。魚のように泳ぐ
 名古屋工業大学ものづくりセンター藤本 研究室の「GrowFish」は、無線で動く魚ロボット。今夏、名古屋で行なわれた、川の浄化・美化にロボットで挑戦する「堀川エコロボコンテスト2006」にも出場した。

 スクリュー方式のロボットでは、水中に放棄されているビニール袋等を巻き込む可能性があるため、魚と同じように泳ぐロボットにしたという。「GrowFish」には、水温やpH、溶存酸素などをチェックする水質調査機能を有している。


 岡山県立倉敷工業高校 電子機械科の寺田君と石森君が部活で製作した潜水ロボット「倉工チャレンジャー」。部室にあった部品を使って、8月から製作に取り掛かった。お風呂ポンプで水を本体内に吸い込み潜水、浮上する。

 「自分たちの加工技術では、ロボット内部に浸水するから」濡らすことのできないサーボモータやバッテリは、発泡スチロール製の筏に乗せて水面に浮かべている。


今後もチャレンジを続けてほしいという期待を込めて、倉工チャレンジャーに最優秀賞が贈られた 倉工チャレンジャーの本体。船体と後部につけた2つのお風呂ポンプが給排水を行なう ラジコン操縦で浮き沈みを繰り返しなら、前進する。筏の裏には重りをつけて安定を保っている

 NODAK株式会社 水中ロボット技術研究所から、遠隔操作で稼働「DELTA150」の紹介があった。

 本体に搭載されているCCDカラーカメラは、上下・左右に移動が可能。ジョイスティックコントローラにLCDモニターが装備されていて、DELTA150が撮影した映像を手元で確認しながら、操縦ができる。


NODAK株式会社 水中ロボット技術研究所の「DELTA150」。重量は約19kg 水中に落ちたライトを拾い上げてくるデモンストレーション 前足に引っかけてライトを回収してきた「DELTA150」

操作性を重視したジョイスティックコントローラ。モニターを見ながらDELTA150の操縦ができる 【動画】水中を移動する「DELTA150」。潮流の抵抗を極力抑えるため極細の中性浮力ケーブルを採用している

 九州工業大学石井 研究室のAquaBoxIIIは、沿岸域での観測や水中作業補助を目的として開発した自律型の水中ロボット。全長1.7m 重量40kg。

 ロボット前部に全方位カメラ、下方にカメラを搭載し周囲の状況を観測できる。8基の超音波センサーはじめ各種センサーの情報を、本体に搭載したWindows PCで処理している。


九州工業大学石井 研究室のAquaBoxIII。アメリカの水中ロボットコンテストにも出場した 今後、水中で人間とコミュニケーションをとれるようにし、水中作業や海難事故の救助補助を行なうことを目指す

 大阪大学戸田研究室のイカ型水中ロボット。片側17個のサーボモーターにより波打つ側ヒレで、水流をつくりだし前後進、その場旋回など6自由度方向の移動ができる。本体が薄いため、狭い隙間などの探査に活用を期待される。搭載したバッテリで、3時間動作する。


大阪大学戸田研究室のイカ型水中ロボット。サイズは、長さ1m、幅0.7mの楕円形 【動画】両側面のゴム製ヒレを波打たせて水流を作る。左右の動きを変えることで、方向転換が可能 【動画】水の中を優雅に泳ぐイカ型水中ロボット

 MHIソリューションテクノロジーズ株式会社は、三菱重工が開発した弾性振動翼推進技術を応用した魚ロボットを製作しレンタル事業を行なっている。

 遊泳の推進力は尾ひれと胸ひれに組み込んだ薄い金属板を弾性振動させ、生きた魚の動きを再現している。

 体内の錘を体長の方向に移動させることで、魚体の姿勢を前後に傾けたり、腰の部分に設けた関節を曲げて旋回半径をかえたりすることができる。魚体の先端部に組み込んだCCDカメラを使い、水中の映像を撮影し地上に伝送することもできる。


MHIソリューションテクノロジーズ(株)の新鯉型ロボット。体長96cm、空中重量12kg 【動画】水の中を本物の鯉さながらに泳ぐ。可愛さで人気を集めていた

 大阪府立大学有馬研究室が開発中の主翼独立制御型水中グライダーの実験機のデモンストレーションも行なわれた。現在は自動制御に向けて調整中。


大阪府立大学有馬研究室が開発中の主翼独立制御型水中グライダーの実験機 【動画】ラジコン操作で水の中を自由自在に移動する

 現在開発中の水中ロボットのプレゼンテーションも行なわれた。

 東京大学生産技術研究所 浦 研究室の「IKURA」は、自立型の観測ロボット。浮心と重心が一致するため、まるで無重力空間にいるように、あらゆる姿勢をとることができる。従来のグライダー型、ヒレ型ロボットとは異なる移動形式のため、「Zero-G型」と名づけたという。

 IKURAは、内部ジャイロ(CMG)を本体内に4個搭載している。前後左右のCMGをそれぞれ角度を指定して動かすことで、自由な旋回をしている。


世界初のZero-G型AUV。全長50cm、直径22cm、重量16.7kg 【動画】CMGの角度を変えて旋回するデモンストレーション

東海大学渡邊研究室が開発中の「S-TAMA」
 東海大学渡邊研究室が開発中の「S-TAMA」。CF起動のPC104コンピュータにRT-LINUXを搭載し、マグネットカップリングスラスターで航行する自律型ロボット。

 複数の水中ロボットが協調してミッションを達成する水中マルチエージェントを開発するために、複数のロボットを水槽で泳がせて実験できるように極力小さく開発している。重量約3kg。縦横38cm、高さ18cm。


 長岡技術科学大学によるARP(Aqua Robot Project)の活動報告。水深数m、探査半径数10mの行動が可能な手動小型水中ロボットの開発に取り組んでいる。

 入手性しやすい材料を使い、低コストかつ製作が容易なロボットを目指しているという。現在は、これまでに試作した水密化モータの耐水試験を行ない、カメラの角度変更機構の改良を行なっている。


開発の目的と現状の課題等を発表した コンセプトと船体構造 電気的構成と概要

 今回参加したロボットは、小型で安価なのが最大の特徴である。国家プロジェクトで莫大な予算を掛けて、海を調査するロボットも研究開発されているが、高価なロボット数機では、海を広範囲に渡って調査する時に実用となるデータ数を収集できない。

 現時点では多くの課題が残されているが、人工知能やセンサー技術が発達し、ロボット同士が協調動作できるようになった時、今回集まったような小型ロボットが大きな力を発揮するだろう。

 閉会式にて、水中ロボフェス小委員会より、来年以降に水中ロボットコンテストを開催することを検討しているとという発表もあった。


URL
  第1回水中ロボットフェスティバル公式サイト
  http://aquarobo.web.fc2.com/kobe/
  テクノオーシャン・ネットワーク
  http://www.techno-ocean.com/index_j.html


( 三月兎 )
2006/10/24 00:31

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